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ことばの海の新しい羅針盤『大辞林 第四版』



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編者:松村 明・三省堂編修所

定価:本体9,000円+税

体裁:B5変型判・本製・函入り 3200頁

ISBN:9784385139067

発売日:2019年9月5日(※一部地域は除きます)





今、令和という時代の幕開けに、ことばの海の新しい羅針盤として、『大辞林 第四版』を刊行します。

ことばは、社会や世界を映す鏡であり、辞書は、ことばを映す鏡です。『大辞林』は、初版刊行の1988年以来、日常語から専門用語まで、古代のことばから現代のことばまで、日本語の総体を縦横に収めた上で、今現在の日本語の反映に努めてきました。すべては、確かなことばで、新しい時代を切り開くために。辞書づくり130年余年の実績。その総力を結集したのが『大辞林 第四版』です。


特色

日本語の基本辞典
『大辞林 第四版』は、令和という新しい時代を「確かなことばで」切り開くための基本辞典となることを目指して編まれました。
現代の日本語の姿を映し出しつつ、万葉の古代から令和の現代に至るまでの日本語の総体を一冊に収めました。
語義解説にあたっては、現代の意味・用法から配列する「現代語義優先方式」を採用。時代によって語義が異なる言葉は、まず現代の語義から解説し、次に語の全体像を見渡す構成になっています(類書は歴史的に古い語義から記述)。

新しい時代の基本辞典
新時代に対応した項目や用例、若者言葉、新しい言い方、カタカナ・アルファベット表記語などを十分に収録しています。また、すでに掲載されていることばでも、時代とともに広がり、定着した新しい語彙を追加しています。さらに、国際化・多文化共生社会に向けて、母語話者には説明の難しいことばについて、見出し語と記述を増補・充実させています。

一冊ものの大型国語辞典の最高峰をめざして
一冊ものの大型国語辞典に求められる役割を追求し、現代語を中心に、古語・固有名詞・専門語まで、現代に求められる幅広い分野の項目を収録しました。第三版から1万3000項目増で、総収録項目数は25万1000となり、類書中最大級の収録数です。

あくまで一冊にこだわった使いやすい造本
第三版より224ページ増加したにもかかわらず、用紙と製本を工夫することにより、冊子の厚さを削減。一冊にまとまった使い勝手の良さを実現しました。令和の始まりにふさわしい豪華な装幀は、杉浦康平・佐藤篤司の手によるものです。

『大辞林 第四版』がスマホでも使える
書籍を購入いただいた方への特典として、スマホ(iPhone・Android対応)で利用できるアプリの『大辞林』を提供し、家では書籍を利用するが、外出先ではスマホで使いたいというニーズに応えます。また、アプリの『大辞林』は書籍未収録語の収載、およびアップデートあり。ことばの生成と変化を追い続け、ことばの「今」を映し出します。

その他の特徴
・近現代の知を形作った近代漢語の語誌解説と、近現代の日本語を形作った、近代作家の語彙・用例採録を拡充
・平成26年度文化審議会「異字同訓の漢字の使い分け例(報告)」を参考に同訓の漢字の使い分け例をさらに増補
・ビジュアルな日本語解説「特別ページ」に新たに「日本の辞書」と「国語施策」を追加


『大辞林 第四版』刊行の背景

2006年10月に発売した『大辞林 第三版』では、書籍購入者が専用ウェブサイトでウェブ版『大辞林』を利用できるサービス「デュアル大辞林」を開始しました。パソコンとインターネットの広範な普及に対応して、書籍版と電子版を同時出版した日本初の試みは、「新しい辞典の形態」として多くのメディアに取り上げられました。

2007年にはiPhoneが米国で発売され、この10年以上の期間でスマートフォンは急速に普及してきています。2017年にはスマートフォンの世帯保有率は75.1%となり、パソコンの世帯保有率72.5%を上回っています(総務省「平成30年版情報通信白書」より)。また、スマートフォンの特徴として、1人が1台持つ情報端末であることが挙げられます。個人のスマートフォンの保有率の推移をみると、2011年に14.6%であったものが、2016年には56.8%と5年間で4倍に上昇しています(総務省「平成29年版情報通信白書」より)。

このように情報通信環境が急激に変化し、スマートフォンが生活の中心になりつつある中で、紙・デジタルを同時提供するという13年前のコンセプトは、今の時代にこそ求められる辞書の姿であると考えています。第四版を刊行するにあたっては、「デュアル大辞林」のコンセプトを発展させて、書籍購入者がスマートフォンアプリで『大辞林』が使える仕組みを開発しました。これにより、紙かデジタルかという媒体の限定にとらわれず、それぞれの利点を読者が自由に使い分けることを可能にしたのです。

他方で、2018年の紙の出版物の推定販売金額はピークだった1996年の半分を切り、紙の出版物の販売低迷に歯止めがかからない状況が続いています(出版科学研究所「2019年版出版指標年報」より)。このように状況が厳しい中でも、三省堂は紙の辞書のニーズを創出する多種多様な取り組みを行っています。たとえば、2019年3月に発売した『三省堂国語辞典 第七版 広島東洋カープ仕様』は、カープファンという新たな顧客層を掘り起こし、紙媒体の辞書が持つ利点を再認識してもらうことに成功しています。文字・活字文化の担い手として、紙媒体の辞書を求めるお客様に対し、最新の内容を書籍という形に仕上げて届けることは、辞書出版社の社会的責務であると考えているところです。

日々新たな事象が出来し、瞬時に情報として拡散する現代ですが、それらの事象の考察や検討の根底には常にことばがあります。課題解決のためには、いにしえより現代までつながることばを再確認すること、そして同時に、現代の最新の情報を確かめることが不可欠ではないでしょうか。知恵と知識としてのことばを確かに伝えることが三省堂の出版事業の中核にあると考えています。三省堂の旗艦商品である『大辞林 第四版』がその基盤となることを心より願っています。


大辞林のこれまで

1988年(昭和63年)11月 大辞林初版刊行 22万項目収録
企画立案から刊行に至るまで28年の月日を費やしました。好評をもって迎えられ、ミリオンセラーに。パソコンもまだ普及していない時代、苦難の歴史を乗り越え、大辞林ひと筋に刊行を実現させた当時の編集長は、週刊誌誌上で「サラリーマンの本懐」などと紹介され、話題になりました。

1995年(平成7年)11月 第二版刊行 23万3000項目収録
翌1996年は出版業界において売り上げのピークとされる年です。同じ年に各社から一冊ものの大型辞典が相次いで刊行されました(小学館『大辞泉』、講談社『日本語大辞典 第二版』)。業界では「辞典戦争」などと呼ばれ注目を集めました。

2006年(平成18年)10月 第三版刊行 23万8000項目収録
一冊ものの大型国語辞典としては21世紀初の刊行となりました。書籍購入者が専用ウェブサイトでウェブ版『大辞林』を利用できるサービス「デュアル大辞林」を開始。紙とデジタル、一つの辞書で二つの引き方を可能にしたこの試みは、ネット連動の「新しい辞典の形態」として、多くのメディアで取り上げられました。



2019.07.02 注目の本  まなび 文学 社会