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日本語学会が総力を挙げ全面改訂『日本語学大辞典』


日本語学大辞典
THE ENCYCLOPEDIA OF JAPANESE LINGUISTICS

日本語学会が総力を挙げ、『国語学大辞典』(1980年刊)を全面改訂


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日本語学会【編】

ISBN:9784490109009

定価:本体37,500円+税

出版社:東京堂出版

B5判·上製函入·1328頁







【おすすめします】

公共図書館/大学図書館/中学・高校図書館/資料館・博物館/ 日本語学・日本語教育研究者/日本文学研究者/日本語に関心のある方


内容紹介
『国語学大辞典』で採用した「中目主義」をさらに徹底し、 一項目に必要かつ十分な記述を盛り込んで、 最先端の日本語学と関連諸領域の研究成果を世に広める最新、最高水準の大辞典。

1.内容豊富な約800項目を収録し、400名余りの執筆陣による、「日本語に関する新たな「知の体系」の構築を目指した。

2.「関連する項目を一括して参照するための「分類項目一覧」を完備して縦横無尽の活用を可能にした。

3.関連領域の飛躍的拡大に伴い、日本語教育、日本語情報処理など幅広い分野を視野に収め、海外の研究者、若手研究者や学生の利用にも十分な配慮をした。

4.「充実した「索引」を完備して詳細な事項・人名・書名・資料名等の検索に万全を期した。

5.付録として、索引、日本語年表、日英用語対照表、方言分布図、平仮名字体表等を付す

刊行のことば
ここに『日本語学大辞典』を世に送る。本『日本語学大辞典』は、国語学会・日本語学会が 編集・刊行する当該学問分野の辞典として、3冊目のものである。まず、学会創立10周年を記念して、『国語学辞典』が1955年に刊行され、その改訂版として、『国語学大辞典』が25年後の1980年に出版された。この度刊行する『日本語学大辞典』は、国語学会そしてそれを引き継いだ日本語学会の学会創立70周年を記念する事業として企画されたものである。

『日本語学大辞典』は、野村雅昭会長の折に企画され、鈴木泰会長の時に原稿の執筆依頼を行い、そして編集委員会の懸命の尽力があって、2018年の刊行に至った。

学会が編集・刊行する日本語を研究対象とする分野の辞典は、この『日本語学大辞典』をもって2度改訂を行ったことになる。辞典の名称も「国語学」から「日本語学」に変わった。辞典の名称の変更は、単に名前の変更に止まらない。研究対象に対する認識のありようそのものの変更を招来する。

前回の『国語学大辞典』の刊行が企画されてから、今回の『日本語学大辞典』への原稿執筆が開始されるまで約35年が経った。この間、日本語研究を取り巻く環境も大きく変化した。学問は、社会の中にあり、社会とともにある。本学会も、この間会員数の多大な増加とそれと同じくらいの減少を経験しつつある。大学では、国語国文学科が日本語日本文学科になり、その後この種の学科を無くす大学も増えていった。

日本語研究そのものも、この35年大きな変化を経験した。日本語研究は、いわゆる伝統的な研究を一つの重要な源泉とし、それを踏まえ深化させるとともに、海外の新しい言語 理論や他の個別言語についての諸々の研究から得られた知見および日本語教育や自然 言語処理や脳科学を含む認知科学などの関連研究領域からの刺激により、研究の幅が広がり、研究手法にも大きな進展・多様化が見られる。一つの個別言語としての日本語の研究も、今後そのような他の個別言語の研究や関連領域の研究と対話可能なあり方で進んで行かなければならないであろうし、近接し関連する分野の研究に寄与するところを有していなければならない。

約800項目という厳選された項目になっているが、その分、本辞典は、一つの項目の中に十分な情報を含んでおり、ばらばらな知識の集積ではなく、日本語研究の各分野を一つの学的体系として提示している。

21世紀の10年代までの日本語研究の学的成果を分かりやすく紹介・解説するとともに、問題点・進むべき道にも触れた本辞典を、今後永くこの分野の羅針盤の役目を果しうる書として世に送りたい。

長きにわたり本辞典編集のため尽力された編集委員長の月本雅幸氏・編集委員主任の田中牧郎氏、ならびに編集委員、および執筆者諸氏に感謝を申し述べたい。

また、長期間にわたり編集作業にお付き合い下さった東京堂出版にも謝意を表したい。

2018年5月 日本語学会会長 仁田 義雄


本書を推薦します
我々がたどってきた日本語研究の、知の道筋が明らかに
ロバート キャンベル 国文学研究資料館長


『国語学大辞典』が内容を一新させ、『日本語学大辞典』として生まれ変わりました。従来日本語の成り立ちと様態について考えようとするとき、先ずこの一冊に手を伸ばしてきたので、これほど嬉しいことはありません。拝見すると、日本語という言語をめぐる「学」がどのように発生し、現在においてどこへ向かおうとしているかを克明に刻んでいます。二〇世紀後半以降、言語学は社会科学と人文科学との尾根伝いに立ち、思考として領域を超え、多くの達成を見ました。重層的な交渉を日本語の一点に集約させることで、言語学そのものを超え、我々がたどってきた知の道筋を明らかにしてくれていることはこの『辞典』の最大の魅力であると私は考えます。多様な新規項目と豊富な参考文献からその道筋がたどれるようになったことを、心から祝福したい。


日本語学は日本の精髄

本郷和人 東京大学史料編纂所教授

古来日本人は自分が何を考えているのか、目の前にある状況はどういうものか、それを他者に説明しようと言葉を練ってきた。その作業に秀でていたからこそ、明治維新を迎えていちどきに大量の外国語が流入してきても、新しい言葉を作ることができた。いまアジアで「自国語によって大学院教育ができる国」は実に日本だけである。日本語を知ることは、日本人の生活、文化、精神、歴史を知るに等しいのだ。この意味で、第一線の研究者によって生み出された本辞典は、大げさでも何でもなく、日本という国の精髄であると評することが出来る。座右に備えて適宜参照するだけでなく、時間があればはじめから「読んで」みたいものだ。


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