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【じんぶんや第96講】栗原康選『白痴の生がみだれ咲く』

紀伊國屋書店新宿本店3階の月がわりブックフェア「じんぶんや」、今月の選者は栗原康さん。
『白痴の生がみだれ咲く』
という表題のもと、じんぶんやにエッセイをいただきました。

栗原康さんエッセイ
白痴の生がみだれ咲く

栗原康.JPG

明日、東京がない。最近、そんなことを考えています。

東京を中心とする国家の歴史。もともと、江戸幕府は水田稲作で税をとってきました。農業のなかでも重労働で有名な水田稲作。しかし支配者にとっては超便利。パッとみれば、とれ高がわかるし、農民が一カ所にあつまっているから監視しやすい。

ひとはいつも監視されていると、自分は守ってもらっていると錯覚します。ご主人さま、ありがとう。はたきたい、ほめられたい。農民たちの奴隷根性。明治以降の会社や工場もおなじです。ひとをあつめてはたらかせ、おなじような場所に住ませて収奪します。この何十年かは、東京郊外の埼玉、千葉、神奈川、三鷹あたりでしょうか。

いま、その郊外はスラムになっています。築三〇年以上の家に、退職して無職の老人。ゼロ円ハウスです。若者は都心でバイトをするか、それにもあぶれたら実家にもどってひきこもります。借金にまみれ、はたらかない負い目に責めたてられる。カネ、カネ、カネ。国は負い目を利用して、なにがなんでも税をとります。ただでさえ放射能で息苦しいのに。逃げだしたい。

そんなことを考えていたとき、あらためて読みたいと思ったのが、アナキストの大杉栄でした。かれはやりたいことしかやりません。うれしい、楽しい、気持ちいい。まわりの評価なんて気にしない、損得だってどうでもいい。自分の舌にあったものだけをなめまわす。なにを言ったっていい、なにをやったっていい、ぜんぶ自由です。

誰にいばられることもなく、恩に着せられることもなく、余計なお節介をいわれることもない。それがアナキズム。借金は返せないし、税もとれない。国の役にはたちません。あれも楽しい、これも楽しい、はたらく時間なんてありません。それを邪魔されたら、わるい遊びにふけるかのように知恵をつかってあばれます。叛逆は遊びです。

かつて、あまりの苦役に水田から逃げだした農民たちは山にこもり、簡単にできて、移動しやすい焼畑をはじめました。鉄斧で草木を刈りとり、火を放って種をまく。農作業はそれでおしまい。発想はアナキズムです。だれに命じられることもなく、なるたけ楽をして、好きな仲間とわいわいやりたい。それを邪魔されたら、こんどは鉄斧が武器になります。はたらかないで、たらふく食べたい。

きっといまの東京にも、いろんな武器がしこまれているのでしょう。スラムには、よかれあしかれ、不穏な雰囲気がただよっています。移住への衝動か、それともありふれた犯罪か。今回の選書では、そんなことを考えるための三〇冊をあげてみました。人間の頭に鉄斧をふりおろしたい。水田稲作にとらわれたその脳髄をたたき割ってやりたい。水は流れてくぼみをつくる。損得ではありません、武器はおのずとふるわれるのです。生みだしても所有はせず、恩恵をほどこしても見返りはもとめず、育成しても支配はしない。白痴の生がみだれ咲く。明日、東京はありません。

栗原康(くりはら・やすし)さんプロフィール

1979年生まれ。早稲田大学政治学研究科博士課程、満期退学。現在、大学非常勤講師。著作に『大杉栄伝:永遠のアナキズム』(夜光社)、『G8サミット体制とはなにか』(以文社、2008年)、「豚小屋に火を放て:伊藤野枝の矛盾恋愛論」(『現代思想』2013年9月)、「仏教アナキズムの詩学:一遍上人の踊り念仏論」(『被曝社会年報』2013年2月)など。


大杉栄伝 永遠のアナキズム

大杉栄伝 永遠のアナキズム

栗原康 / 夜光社
2013/12出版
ISBN : 9784906944033
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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暗い時代に乱れ咲く生の軌跡。米騒動、ストライキ、民衆芸術論...。破天荒な生き方というだけでは語りつくせない、その思想に光をあてた、新たな評伝の登場。

G8サミット体制とはなにか

G8サミット体制とはなにか

栗原康 / 以文社
2008/06出版
ISBN : 9784753102624
価格:¥1,728(本体¥1,600)

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サミットの正体!生活不安の根源には"サミット体制"がある。


栗原康さん選書・解説

叛逆の精神 大杉栄評論集

叛逆の精神 大杉栄評論集

大杉栄 / 平凡社
2011/05出版
ISBN : 9784582767353
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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栗原さんコメント
はじめからいっちゃいけないことなんて存在しない、やっちゃいけないことなんて存在しない、ぜんぶ自由だ。みだれ咲く生の肯定。大杉の一語一語から、そんな思想がバシバシと伝わってくる。自由っていいなというひとには、おすすめだ。音読すると気持ちいい。

自叙傳

自叙傳

大杉栄 / 土曜社
2011/09出版
ISBN : 9784990558710
価格:¥1,028(本体¥952)

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栗原さんコメント
社会も道徳もクソくらえ。大人になれとか、ちゃんとはたらけとか、ひとはこうやって生きるべきだとか、そんなめんどうくさいことを言うひとがいたら、ツバをはきかけよう。本書はそんなことをおもわせてくれる。

日本脱出記

日本脱出記

大杉栄 / 土曜社
2011/04出版
ISBN : 9784990558703
価格:¥1,028(本体¥952)

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栗原さんコメント
ああ、はやく日本を脱出したい。すくなくとも東北・関東からは脱出したい。そうじゃなければ、家でゴロゴロだ。放射能はいや、借金もいや、はたらくのもいや。はたらかないでカネだけほしい。ひごろ、そんなことをおもっているひとは、ぜひ本書を。

吹けよあれよ風よあらしよ 伊藤野枝選集

吹けよあれよ風よあらしよ 伊藤野枝選集

伊藤野枝、森まゆみ / 学芸書林
2001/11出版
ISBN : 9784875170570
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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栗原さんコメント
大杉栄のパートナー。社会主義のしがらみさえもないからだろうか、ある意味で大杉よりも自由だ。こんなふうにひとに罵声をあびせかけてもいいものか、ただの悪口なんじゃないのか。読んでいて、ドキドキしてしまう。きっとこういう自由もあるのだろう。

松下竜一その仕事 18

松下竜一その仕事 18

松下竜一、『松下竜一その仕事』刊行委員会 / 河出書房新社
2000/04出版
ISBN : 9784309620688
価格:¥3,024(本体¥2,800)

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〈18〉久さん伝

栗原さんコメント
大杉一派、和田久太郎について書かれた小説。丸坊主にメガネ、いつもケラケラと笑っている。ズボラな性格で、原稿の締切りまぎわになると、逃げだしたりする。大杉虐殺後、かたき討ちを決行するも失敗。監獄でクビをつる。もろもろの悩みも消ゆる雪の風。

中濱鐵隠された大逆罪 ギロチン社事件未公開公判陳述・獄中詩篇

中濱鐵隠された大逆罪 ギロチン社事件未公開公判陳述・獄中詩篇

中浜哲、亀田博 / トスキナアの会
2007/07出版
ISBN : 9784774404202
価格:¥3,240(本体¥3,000)

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栗原さんコメント
ギロチン社の中濱鐵。爆弾づくりに奔走した。成果はなし。資金あつめの強盗で逮捕され、処刑された。「わたしは他人を殺し、そして自分をも殺すのであります」。いいかわるいかは別として、それが純然たる直接行動なのだろう。

日本の名著 44

日本の名著 44

/ 中央公論新社
1984/10出版
ISBN : 9784124004342
価格:¥1,572(本体¥1,456)

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〈44〉 幸徳秋水

栗原さんコメント
大杉栄の兄貴分、幸徳秋水。天皇を爆弾でやっつけようとしてつるされた。「死刑の前に」がおすすめだ。水いたりて渠となる。損得ではない、ひとはおのずと立ちあがるのである。やむをえないそのうごき。暴動、一揆、テロ、窃盗。幸徳は、それを蜂起とよんだ。

黒旗水滸伝 1 大正地獄篇

黒旗水滸伝 1 大正地獄篇

竹中労、かわぐちかいじ / 皓星社
2012/03出版
ISBN : 9784774404639
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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〈1〉
栗原さんコメント
大杉一派からギロチン社にいたるまで、水滸伝の登場人物のように、怪物みたいのがたくさんでてくる。文句なしでおもしろい。大正アナキズムの雰囲気を知ろうとおもうなら、まずは本書がおすすめだ。立ち読み、歓迎!

黒旗水滸伝 2 大正地獄篇

黒旗水滸伝 2 大正地獄篇

竹中労、かわぐちかいじ / 皓星社
2012/03出版
ISBN : 9784774404646
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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〈2〉
〈1〉と同コメント

黒旗水滸伝 3 大正地獄篇

黒旗水滸伝 3 大正地獄篇

竹中労、かわぐちかいじ / 皓星社
2012/04出版
ISBN : 9784774404653
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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〈3〉
〈1〉と同コメント

黒旗水滸伝 4 大正地獄篇

黒旗水滸伝 4 大正地獄篇

竹中労、かわぐちかいじ / 皓星社
2012/04出版
ISBN : 9784774404660
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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〈4〉
〈1〉と同コメント

前衛の遺伝子 アナキズムから戦後美術へ

前衛の遺伝子 アナキズムから戦後美術へ

足立元 / ブリュッケ
2012/01出版
ISBN : 9784434163500
価格:¥4,104(本体¥3,800)

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栗原さんコメント
アナキズムとは、ようするに爆弾のイメージである。そう定義する足立元さんは、爆弾のイメージから戦前、戦後の美術史を整理している。大杉栄周辺にいた望月桂、林倭衛の絵画もたくさん紹介されている。美術に疎いわたしなどにもわかりやすかった。

HAPAX vol.1

HAPAX vol.1

HAPAX編集部 / 夜光社
2013/09出版
ISBN : 9784906944019
価格:¥1,080(本体¥1,000)

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〈vol.1〉

栗原さんコメント
最近、いちおしの思想誌。「われわれは希望なしに行動することをおそれない。ときにはいっさいの行動を拒否することになろうとも。すべてをなくしたと認めることは、あらたな瞬間ごとに、真に最高の何かをする可能性を有することである」。かっこいい。

来たるべき蜂起

来たるべき蜂起

不可視委員会、『来たるべき蜂起』翻訳委員会 / 彩流社
2010/05出版
ISBN : 9784779114809
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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栗原さんコメント
あらゆる社会動員を解除せよ。国家のため、企業のため、お客さまのため、家族のため、環境のため、そんなことはもう関係ない。ぜんぶかなぐり捨ててしまえ。人間ストライキ。なにものにもとらわれない、不可視の存在になるための一冊。

反-装置論 新しいラッダイト的直観の到来

反-装置論 新しいラッダイト的直観の到来

『来たるべき蜂起』翻訳委員会、ティク-ン / 以文社
2012/07出版
ISBN : 9784753103034
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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栗原さんコメント
国家や経済の根幹には、社会道徳がある。ひとは道徳心をうえつけられ、わけのわからない負い目に責めたてられているからこそ、奴隷のようにはたらき、税をはらってしまうのである。だったら、まずは道徳を廃絶しよう。本書はそんなことを訴えかけている。

傷と出来事

傷と出来事

ジョ-・ブスケ、谷口清彦 / 河出書房新社
2013/07出版
ISBN : 9784309206271
価格:¥3,024(本体¥2,800)

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栗原さんコメント
いちどひらいた傷口は治らない。それなのにムリに治そうとしていると、他人の目線ばかりを気にしていたり、弱いものを攻撃していたりする。傷がひどくてうごけないならば、ダルマのように壁だけみつめて極楽にいこう。

風景の死滅

風景の死滅

松田政男 / 航思社
2013/11出版
ISBN : 9784906738052
価格:¥3,456(本体¥3,200)

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栗原さんコメント
ショッピングやドライブ。だれもがそれを楽しいとおもなければならない。できなければ、ダメ人間。でも、おおくのひとがカネもなく、そんなことはできずに負い目を感じている。わたしたちは、そんなクソみたいな風景に銃口をむけることができるだろうか。

アンテルナシオナル・シチュアシオニスト 5

アンテルナシオナル・シチュアシオニスト 5

木下誠 / インパクト出版会
1998/12出版
ISBN : 9784755400834
価格:¥4,320(本体¥4,000)

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〈5〉スペクタクルの政治―第三世界の階級闘争

栗原さんコメント
1960年、シカゴで黒人暴動がおこった。街は丸焼け。子どもたちは焼けおちたスーパーからレジをひきずりだして、バシバシと蹴りとばして遊んでいた。あたらしいラッダイト。工場ばかりではない、商品世界に叛乱する。なんのためか。むろん遊びたいだけである。

放射能を食えというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言

放射能を食えというならそんな社会はいらない、ゼロベクレル派宣言

矢部史郎 / 新評論
2012/06出版
ISBN : 9784794809063
価格:¥1,944(本体¥1,800)

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栗原さんコメント
たぶん、本書が伝えたいことはすべてタイトルでいいあらわされている。放射能を食えというなら、そんな社会はいらない、そう宣言しているのである。矢部史郎さんは、東北・関東を捨てて、西方に移住することをよびかける。まったく正しい。極楽にいきたい。

原子力帝国

原子力帝国

ロベルト・ユンク、山口祐弘 / 社会思想社
1989/03出版
ISBN : 9784390112819
価格:¥587(本体¥544)

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栗原さんコメント
原発作業員は、腹がたってもストライキさえおこせない。事故がおきれば、まわりが全滅しかねないからだ。ひとの責任感や負い目を利用して、異議申し立てをだまらせる。それが全面化したのが原子力の時代である。図書館でどうぞ。

食べる? 食品セシウム測定デ-タ745

食べる? 食品セシウム測定デ-タ745

ちだい / 新評論
2013/12出版
ISBN : 9784794809445
価格:¥1,404(本体¥1,300)

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栗原さんコメント
放射能はいやだ。西方に移住しよう。でも、なかなか移住できないひともおおいだろう。だとしたら、セシウムのふくまれている食品をさけるしかない。そんなひとにおすすめなのが、本書である。風評被害? ざまあみやがれ。食べるだけ。

不純なる教養

不純なる教養

白石嘉治 / 青土社
2010/05出版
ISBN : 9784791765447
価格:¥2,376(本体¥2,200)

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栗原さんコメント
日本の大学は学費がたかい。数百万の借金をしてかようしかない。卒業後、借金を返せなければ人間失格。だから、学生はみんな就活に必死になる。大学は、借金人間の製造工場だ。どうしたらいいか。うんこまみれにするしかない。不純である。

大学の歴史

大学の歴史

クリストフ・シャルル、ジャック・ヴェルジェ / 白水社
2009/10出版
ISBN : 9784560509401
価格:¥1,296(本体¥1,200)

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栗原さんコメント
大学の無償性。本書は、中世ヨーロッパからその意義をといている。訳者の岡山茂さんは、今年の5月に『ハムレットの大学』(新評論)を出版するらしい。きっと、すばらしい大学論が展開されるだろう。待ち遠しくて、ビールなしではねむれない。

ゾミア 脱国家の世界史

ゾミア 脱国家の世界史

ジェ-ムス・C.スコット、佐藤仁 / みすず書房
2013/10出版
ISBN : 9784622077831
価格:¥6,912(本体¥6,400)

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栗原さんコメント
水田稲作はもうたくさん。平地で穀物をつくると、すぐに支配者にうばわれる。だから、むかしの農民は山に逃げこみ、移動しやすい焼畑をやったり、地中にかくせる芋を植えたりした。ゾミア、それは脱国家の山賊史。ようするに、アナキストの歴史である。

国家に抗する社会 政治人類学研究

国家に抗する社会 政治人類学研究

ピエ-ル・クラストル、渡辺公三 / 水声社
1987/05出版
ISBN : 9784891762063
価格:¥3,780(本体¥3,500)

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栗原さんコメント
国家はわるい。ひとを支配して、ヒエラルキーをつくるからだ。もともと、未開社会には、その内部に国家がめばえるのをふせぐ機能がそなわっていた。逆に、国家が存在しているのは、そうした社会が失敗してしまったからである。アナキズム、よし。

海賊旗を掲げて 黄金期海賊の歴史と遺産

海賊旗を掲げて 黄金期海賊の歴史と遺産

ガブリエル・ク-ン、菰田真介 / 夜光社
2013/11出版
ISBN : 9784906944026
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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栗原さんコメント
脱国家の世界史。山賊ばかりではない。海賊もおなじである。本書は、フーコーやドゥルーズなどの現代思想を駆使して、海賊の生きかたを読み解いている。ちなみに、訳者の菰田真介さんの夢は、海賊になることだ。まるで海賊が憑依したかのような名訳である。

新・水滸伝 1

新・水滸伝 1

吉川英治 / 講談社
1989/06出版
ISBN : 9784061965713
価格:¥799(本体¥740)

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〈1〉
栗原さんコメント
中国のゾミア。盃三杯、兄弟の契り。梁山泊に一〇八人の山賊があつまった。なかでも、おすすめなのが鉄牛こと、黒旋風・李逵である。李逵がいくところいつも大騒動。鉄斧をブンブンふって頭をかち割る。血の海だ。善悪の区別もありはしない。真にケダモノ。

新・水滸伝 2

新・水滸伝 2

吉川英治 / 講談社
1989/06出版
ISBN : 9784061965720
価格:¥799(本体¥740)

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〈2〉
栗原さんコメント
〈1〉と同コメント

新・水滸伝 3

新・水滸伝 3

吉川英治 / 講談社
1989/07出版
ISBN : 9784061965737
価格:¥799(本体¥740)

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〈3〉
栗原さんコメント
〈1〉と同コメント

新・水滸伝 4

新・水滸伝 4

吉川英治 / 講談社
1989/07出版
ISBN : 9784061965744
価格:¥799(本体¥740)

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〈4〉
栗原さんコメント
〈1〉と同コメント

現実批判の人類学 新世代のエスノグラフィへ

現実批判の人類学 新世代のエスノグラフィへ

春日直樹 / 世界思想社
2011/11出版
ISBN : 9784790715498
価格:¥3,780(本体¥3,500)

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栗原さんコメント
あたらしい人類学の視点。動物にもモノにも、人間とまったくおなじ意志がある。人間が動物を食べられるのは、動物がわたしを食べてくださいといっているからだ。その言葉に身をまかせるか、それともみずからの残虐さにたえられず、負い目を感じてしまうのか。

一遍上人語録 原文対照現代語訳

一遍上人語録 原文対照現代語訳

高野修 / 岩田書院
2009/12出版
ISBN : 9784872945812
価格:¥3,024(本体¥2,800)

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栗原さんコメント
身を捨つる捨つる心を捨てつれば、思いなき世に墨染めの袖。私的所有、社会的承認、見返りをもとめるその心。すべての我執を捨ててしまおう。そうして、なんにもなくなって極楽浄土にむかうのだ。真っ黒な仏がうたっている。なむあみだぶつ。

一遍聖絵

一遍聖絵

聖戒、大橋俊雄 / 岩波書店
2000/07出版
ISBN : 9784003332122
価格:¥583(本体¥540)

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栗原さんコメント
信不信を問わず。ひとははじめから救われている。吹く風、立つ波の音さえも、なむあみだぶつともうしけり。あとはそれに気づけばいいだけだ。執拗にくっついてくる我執があるならば、踊り狂ってふり捨てよう。一遍上人は全国をまわる。踊れ、なむあみだぶつ。

老子

老子

老子、蜂屋邦夫 / 岩波書店
2008/12出版
ISBN : 9784003320518
価格:¥1,220(本体¥1,130)

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栗原さんコメント
上善は水のごとし。水はときおり爆発して四方に散り、渾沌としてとらえどころがない。しかも何事かを生みだして所有はせず、恩恵をほどこしても見返りはもとめず、育成しても支配はしない。それが老子のいう道である。この身も心も道にゆだねろ。

荘子(そうじ) 1

荘子(そうじ) 1

荘子、森三樹三郎 / 中央公論新社
2001/10出版
ISBN : 9784121600165
価格:¥1,674(本体¥1,550)

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〈1〉
栗原さんコメント
万物斉同。あらゆる区別に反対しよう。人間同士も、人間とモノも、人間と動物も区別する理由はどこにもない。すべては渾沌とした道のはたらきの一部である。人為が区別の源ならば、知を捨て己を捨ててやむをえざるにしたがえばいい。無為にして為さざるはなし。

荘子(そうじ) 2

荘子(そうじ) 2

荘子、森三樹三郎 / 中央公論新社
2001/11出版
ISBN : 9784121600196
価格:¥1,728(本体¥1,600)

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〈2〉
栗原さんコメント
〈1〉と同コメント


「じんぶんや」とは?

jinbunya.gifこんにちは。じんぶんやです。
2004年9月、紀伊國屋書店新宿本店に「じんぶんや」という棚が生まれました。

「じんぶんや」アイデンティティ1
★ 月 が わ り の 選 者
「じんぶんや」に並ぶ本を選ぶのは、編集者、学者、評論家など、その月のテーマに精通したプロの本読みたちです。「世に溢れかえる書物の山から厳選した本を、お客様にお薦めできるようなコーナーを作ろう」と考えて立ち上げました。数多の本を読み込んだ選者たちのおすすめ本は、掛け値なしに「じんぶんや」推薦印つき。
「じんぶんや」アイデンティティ2
★ 月 が わ り の テ ー マ
人文科学およびその周辺の主題をふらふらと巡っています。ここまでのテーマは、子どもが大きくなったら読ませたい本、身体論、詩、女性学...など。人文科学って日々の生活から縁遠いことではなくて、生きていくのに案外役に立ったりするのです。

ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。
「じんぶんや」バックナンバー
こちらのページから今までの「じんぶんや」をご覧いただけます。

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【じんぶんや第96講】栗原康選
白痴の生がみだれ咲く

場  所 紀伊國屋書店新宿本店 3Fカウンター前
会  期 2014年4月21日(月)~5月31日(土)
お問合せ 紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-5703

2014.04.22 特集[TOP]