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	【身体論―『感覚の幽(くら)い風景』刊行】 (No.63　2006. 7. 5配信号)

	「じぶんが感じていることについてきめこまかに語りたいとだれもがおもう。けれども、言葉はいつもちぐはぐ。いつも外れ」（鷲田清一）身体の感覚――これほど言葉で語りにくいものもありません。この捉えがたきものを、鷲田清一・大阪大学教授（臨床哲学）が、その独特の筆致でつづった珠玉のエッセイ集『感覚の幽(くら)い風景』が刊行されました。ここでは、味わい深い身体論の名著・関連書10点を併せてご紹介致します。 ※洋書の価格は6月時点のものです。為替レートの変動などにより変更されることがあります。 ※詳細ページからご注文できない場合は、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局宛にご連絡下さい。ご注文方法をご案内します。また、以下から、BookWeb Pro の利用申し込みができます。 http://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/files/bookwebpro_annai.html

1.紀伊國屋書店出版部新刊『感覚の幽(くら)い風景』

【1】	感覚の幽（くら）い風景
		鷲田清一 2006/07 (紀伊国屋書店) 標準価格：税込\1,785 ISBN：9784314010078

★身体の記憶を手繰り寄せ、感覚の襞へと分け入り、感触の肌理を写し取る―
「日本のメルロ=ポンティ」とも言うべき身体論の名手・鷲田清一の魅力が存分に堪能できる一冊。

気鋭の写真家・田村尚子氏の写真がちりばめられ、視覚的にも楽しめる本に仕上がっています。

2.身体論関連書

【1】	知覚の現象学１
		モリス・メルロ－・ポンティ / 竹内芳郎 1980/07 (みすず書房) 標準価格：税込\5,040 ISBN：9784622019336

★経験主義と主知主義を批判しつつ世界の意味を開示し、戦後思想に莫大な影響を与えた著者の主著。

	知覚の現象学２
		モリス・メルロ－・ポンティ / 竹内芳郎 1981/02 (みすず書房) 標準価格：税込\5,460 ISBN：9784622019343

★知覚世界の記述から対自存在と世界内存在、そして自由の考察へ。実存の両義性をきめ細かに描く。

	メルロ＝ポンティ『知覚の現象学』（再版） PHENOMENOLOGIE DE LA PERCEPTION (TEL )
		MERLEAU-PONTY 1976/05 (GALLIMARD) カード決済価格：税込\3,134 / 標準価格：税込\3,922 ISBN：9782070293377

	メルロ＝ポンティ『知覚の現象学』（英訳） Phenomenology of Perception (Routledge Classics) 2ND Edition
		Merleau-Ponty, Maurice / Smith, Colin (TRN) 2002/05 (Routledge) カード決済価格：税込\3,122 / 標準価格：税込\4,671 ISBN：9780415278416

【2】	五感 (叢書・ウニベルシタス) 混合体の哲学
		ミッシェル・セ－ル / 米山親能 1991/06 (法政大学出版局) 標準価格：税込\6,300 ISBN：9784588003233

	LES CINQ SENS (HACH.PLURIEL )
		SERRES-M 1998/10 (HACHETTE LITTERATURE) カード決済価格：税込\1,922 / 標準価格：税込\2,405 ISBN：9782012788725

★ギリシア哲学、キリスト教、デカルト的理性に通底にする言語＝視覚中心主義にノンを唱え、文明によって失われた感覚世界（触覚・味覚・嗅覚・聴覚）の復興による原初の活力に溢れた文明再生への展望を語りつつ新たな〈科学〉時代の到来を予告する。
(1985年メディチ賞受賞)

【3】	皮膚－自我
		Ｄ．アンジュ－ / 福田素子 1993/11 (言叢社) 標準価格：税込\4,384 ISBN：9784905913474

	LE MOI-PEAU (PSYCHISMES )
		ANZIEU DIDIER 1995/09 (DUNOD) カード決済価格：税込\6,372 / 標準価格：税込\7,974 ISBN：9782100027934

★乳胎児の母と子の交通の構造を用意する、接しあう皮膚面。そこから、自我の原初的構造としての〈皮膚‐自我〉が立ちあらわれる。

エディプス段階以前の原幻想に視線をこらし、音や温度、嗅い、味覚、苦痛といった諸感覚の外被の生成が、いかに個体にとって重大な意味をもつか。その構造、機能、病像と超出の心的過程を解明する精神分析学の画期的論著。

【4】	精神としての身体 (講談社学術文庫)
		市川浩 1992/04 (講談社) 標準価格：税込\1,155 ISBN：9784061590199

★近代の哲学は、身体の問題を奇妙に無視してきた。しかし、人間の現実存在は、身体をはなれてはありえない。身体であるということが、人間が単に考えうる可能的存在ではなく、現実的存在であるゆえんをなしているからである。

本書では、こうした観点から、身体をポジティブなものとしてとらえ、人間的現実を、心身合一においてはたらく具体的身体の基底から、一貫して理解することをめざしている。

【5】	待つしかない、か。二十一世紀身体と哲学
		木田元 / 竹内敏晴 2003/02 (春風社) 標準価格：税込\2,310 ISBN：9784921146580

★ハイデッガー哲学研究の第一人者である超近代主義者の木田元氏と、田中正造を主人公とした劇の演出家でもあり、当然近代主義者である竹内敏晴氏との丁々発止の対論。

【6】	身体の宇宙性東洋と西洋
		湯浅泰雄 1994/01 (岩波書店) 標準価格：税込\3,150 ISBN：9784000029360

★多元的な価値を生きる現代人であるが、その心の深層には人類に共通する神話的思考が息づいている。

文明の歴史的多様性を超えて存在する思考に、身体におけるミクロコスモスとマクロコスモスとの対応という観篤から挑み、宇宙における人間の位置を探る。

【7】	身体論 (講談社学術文庫) 東洋的心身論と現代
		湯浅泰雄 1990/06 (講談社) 標準価格：税込\1,260 ISBN：9784061589278

★“心”と“身体”―デカルト以来の近代西洋哲学が幾度となく究明を試みたその問題は、東洋思想の照明を受けつつ、今日最もヴィヴィッドな課題として我々の前にあらわれている。

哲学者であり、ユング心理学や「気」の研究の先頭走者でもある著者は、現象学、生理心理学との通路を縦横に結びつつ、東洋的「心身一如」論の現代的意義を浮かび上がらせる。

海外の思想界に影響を与えた英語版を文庫化。

【8】	身体化された心仏教思想からのエナクティブ・アプロ－チ
		フランシスコ・Ｊ．ヴァレ－ラ / エヴァン・トンプソン 2001/08 (工作舎) 標準価格：税込\2,940 ISBN：9784875023548

★世界は、われわれから独立して存在するのか？
認知は、記号的表象の計算にすぎないのか？

東洋仏教思想の伝統である「三昧／覚瞑想」を手法とし、従来の認知科学の前提に根本的な疑問を投げかけ、認知を「身体としてある行為」と見るエナクティブ（行動化）・アプローチへと至る。

「オートポイエーシス」理論で名をはせたヴァレラ自らが「最も重要な著書」と語る新たな世界認識への道を開く知的興奮の書。

	ヴァレラ、ロッシュ他『身体化された心―仏教思想からのエナクティブ・アプローチ』（原書） The Embodied Mind : Cognitive Science and Human Experience
		Varela, Francisco J. / Thompson, Evan / Rosch, Eleanor 1993/01 (Mit Pr) カード決済価格：税込\3,906 / 標準価格：税込\5,828 ISBN：9780262720212

【9】	建築する身体人間を超えていくために
		荒川修作 / マドリン・Ｈ．ギンズ 2004/09 (春秋社) 標準価格：税込\1,365 ISBN：9784393955031

★「身体こそ希望であり、建築は共同的な魂の容器である」
人間の可能性を探求し続ける世界的芸術家が長年の研鑽を経て世に問う、完全に新しい身体論。

知覚・身体・環境をめぐる数多くのアフォーダンス的実験や実際の建築物の制作を通じ、荒川・ギンズが数十年にわたり練り上げてきた「建築的生命論」を、訳者にオートポイエーシス論の第一人者・河本英夫氏が、その優れた訳文と解題、キーワード解説によって、丁寧にガイドします。

	荒川修作『建築の身体』 Architectural Body (Modern Contemporary Poetics)
		Gins, Madeline / Arakawa, Shusaku 2002/11 (Univ of Alabama Pr) カード決済価格：税込\2,849 / 標準価格：税込\3,875 ISBN：9780817311698

末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局