| | 【いま新しく哲学するために―宗教回帰の時代に問う精神の自由】 (No.285 2009.10. 9配信号) |
| 紀伊國屋書店出版部より、フランスの哲学者アンドレ・コント＝スポンヴィルの新刊『精神の自由ということ―神なき時代の哲学』が刊行されました。 21世紀、マックス・ウェーバーのいわゆる「脱魔術化」から「再魔術化」へ、宗教への回帰が大きな論点となっています。リチャード・ドーキンス『神は妄想である』がベストセラーになる一方で、宗教側からの反論も激しく、欧米における「無神論」をめぐる論争は終わる気配を見せません。 「科学と宗教」「宗教と政治」などが焦点的なテーマとして浮上している現在、哲学的思考はどのような意味を持つのでしょうか？ フランスにおける戦後世代の哲学者「ヌーヴェル・フィロゾーフ」を代表する一人で、哲学研究の第一線にありながら、2008年より国立倫理委員会の委員をつとめ、『ささやかながら徳について』などの一般向け著作でも世界的な人気を博しているコント＝スポンヴィルの最新著『精神の自由ということ』は、哲学者側からの代表的な回答といえるでしょう。 科学者の議論においては捨象されがちな「精神性」（スピリチュアリティ）を手放さずに正面から取り上げ、神なくしてそれが可能であることを論じています。 フーコー、ドゥルーズ、デリダだけではない、新世紀のフランス思想の息吹を伝える本書を、関連書とともにご案内いたします。 |
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| 1.精神の自由ということ |
| 【1】 | 精神の自由ということ 神なき時代の哲学 | |
|---|---|---|
 | アンドレ・コント・スポンヴィル / 小須田健 2009/10 (紀伊国屋書店) 標準価格：税込\2,100 ISBN：9784314010580 | |
| ★政治の時代から道徳の時代、そして精神の時代へ――。 宗教の世俗化が世界的に蔓延し、一方で、原理主義的な宗教の信奉による争いもあとをたたない。 自ら無神論者であることを選んだフランス哲学の旗手が、人びとが人生の意味を求めてさまざまに彷徨する時代に、神や宗教に倚ることなく、いかにして誠実に、そして自由に生きることが可能かを問いかける。 「私たちは、宗教および信仰というものとのつきあいかたをじっくり考えなおさなければならない時代に突入している。（略）自分は無宗教だからという口実をもちだして、思考停止に陥ることはもはや許されない」（訳者あとがきより） |
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| 2.コント＝スポンヴィル好評既刊 |
| 【1】 | 資本主義に徳はあるか | |
|---|---|---|
 | コント＝スポンヴィル，アンドレ【著】〈Ｃｏｍｔｅ‐Ｓｐｏｎｖｉｌｌｅ，Ａｎｄｒ´ｅ〉 / 小須田健 / カンタン，コリーヌ【訳】 2006/08 (紀伊國屋書店) 標準価格：税込\2,100 ISBN：9784314010108 | |
| ★“四つの秩序”という観点から資本主義社会を明快に分析。経済と道徳という異なる秩序を区別できていないことがさまざまな混乱をもたらしていると指摘し、市場や政治にゆだねることのできない個々人の責任を担うよう読者に呼びかける。 |
| 【2】 | 幸福は絶望のうえに | |
|---|---|---|
 | コント＝スポンヴィル，アンドレ【著】〈Ｃｏｍｔｅ‐Ｓｐｏｎｖｉｌｌｅ，Ａｎｄｒ´ｅ〉 / 木田元 / 小須田健 / カンタン，コリーヌ【訳】〈Ｑｕｅｎｔｉｎ，Ｃｏｒｉｎｎｅ〉 2004/02 (紀伊国屋書店) 標準価格：税込\1,470 ISBN：9784314009553 | |
| ★絶望の本当の価値を知る人だけが、幸福への道を歩むことができる。フランスで人気の哲学者が、クリスマスの午後の子ども、病気の友へ手紙をだす話などをあげながら語る、かろやかな幸福論。 |
| 【3】 | 哲学はこんなふうに | |
|---|---|---|
 | コント＝スポンヴィル，アンドレ【著】〈Ｃｏｍｔｅ‐Ｓｐｏｎｖｉｌｌｅ，Ａｎｄｒ´ｅ〉 / 木田元 / 小須田健 / カンタン，コリーヌ【訳】〈Ｑｕｅｎｔｉｎ，Ｃｏｒｉｎｎｅ〉 2002/10 (紀伊国屋書店) 標準価格：税込\2,100 ISBN：9784314009256 | |
| ★哲学は、暇つぶしのたねでも、かっこよく見せるためのものでも、さまざまな概念で遊ぶためのものでもない。おのれの生命と魂とを救うためにこそ、哲学するのだ。よりよく生きるための哲学への招待。 |
| 【4】 | 愛の哲学、孤独の哲学 | |
|---|---|---|
 | コント＝スポンヴィル，アンドレ【著】〈Ｃｏｍｔｅ‐Ｓｐｏｎｖｉｌｌｅ，Ａｎｄｒ´ｅ〉 / 中村昇 / 小須田健 / カンタン，Ｃ．【訳】〈Ｑｕｅｎｔｉｎ，Ｃｏｒｉｎｎｅ〉 2000/07 (紀伊国屋書店) 標準価格：税込\1,680 ISBN：9784314008624 | |
| ★「孤独とは他人を拒否することではなく、他人を他人として受け容れること。だからこそ、愛することは、ありのままの姿で見れば、孤独なんだ」と、スポンヴィルは語る。ユーモアと機知にあふれる哲学談義。 |
| 【5】 | ささやかながら、徳について | |
|---|---|---|
 | コント‐スポンヴィル，アンドレ【著】〈Ｃｏｍｔｅ‐Ｓｐｏｎｖｉｌｌｅ，Ａｎｄｒ´ｅ〉 / 中村昇 / 小須田健 / カンタン，コリーヌ【訳】〈Ｑｕｅｎｔｉｎ，Ｃｏｒｉｎｎｅ〉 1999/04 (紀伊国屋書店) 標準価格：税込\3,990 ISBN：9784314008372 | |
| ★礼儀正しさから愛にいたる18の徳をあげ、それらの調和のなかで「人間らしく生きようと努力すること」が徳であると説く。価値相対化の時代をよりよく生きるための指針の書。 |
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| 3.フランス思想の現在を読み解く10冊 |
| 【1】 | 向上心について―人間の大きくなりたいという欲望 (小さな講演会) 講演会「向上心について」；質問と答え | |
|---|---|---|
 | スティグレール，ベルナール【著】〈Ｓｔｉｅｇｌｅｒ，Ｂｅｒｎａｒｄ〉 / メランベルジェ眞紀【訳】 2009/05 (新評論) 標準価格：税込\1,470 ISBN：9784794808028 | |
| ★現代フランス思想でもっとも注目される一人ベルナール・スティグレールが、子どもたちに向けて、やさしい言葉で語った哲学読本。人間はなぜよく生きようとするのか。大人にも痛切にこたえる、ポスト消費社会論のエッセンス。 |
| 【2】 | 技術と時間〈１〉エピメテウスの過失 | |
|---|---|---|
 | スティグレール，ベルナール【著】〈Ｓｔｉｅｇｌｅｒ，Ｂｅｒｎａｒｄ〉 / 石田英敬【監修】 / 西兼志【訳】 2009/07 (法政大学出版局) 標準価格：税込\4,410 ISBN：9784588120725 | |
| ★メディアと技術に通暁した新世紀のフランス思想の旗手による全五巻の大著、ついに邦訳開始！ プラトン、ハイデガー、フッサール、デリダ、ルロワ＝グーラン等の議論を丹念にたどり、かれらと対決しながら、技術を哲学の問題としてとらえなおす。 |
| 【3】 | 象徴の貧困〈１〉ハイパーインダストリアル時代 | |
|---|---|---|
 | スティグレール，ベルナール【著】〈Ｓｔｉｅｇｌｅｒ，Ｂｅｒｎａｒｄ〉 / メランベルジェ，ガブリエル〈Ｍｅｈｒｅｎｂｅｒｇｅｒ，Ｇａｂｒｉｅｌ〉 / メランベルジェ眞紀【訳】 2006/04 (新評論) 標準価格：税込\2,730 ISBN：9784794806918 | |
| ★未来を生み出す時間が脅かされている。今、「文明国」に果てしなく蔓延する「象徴の貧困」。それはすべての人々にとって逃れることのできない問題である。現代の特殊性をもたらした歴史的傾向を理解するために、本書は一般器官学と感性の系譜学という概念の輪郭を大まかに示している。 |
| 【4】 | 脱閉域 キリスト教の脱構築〈１〉 | |
|---|---|---|
 | ナンシー，ジャン＝リュック【著】〈Ｎａｎｃｙ，Ｊｅａｎ‐Ｌｕｃ〉 / 大西雅一郎【訳】 2009/04 (現代企画室) 標準価格：税込\3,465 ISBN：9784773809046 | |
| ★デリダとも盟友関係にあった哲学者が信仰の問題に挑む。世界化した「西洋」の根源にある、“キリスト教”あるいは“神”という名についての徹底した思考。束の間通過する“神”の歩み、ウインクの煌めき―一神教＝無神論が名指す無制約的な他者、世界を開裂する何ものでもない“開け”を線描する。 |
| 【5】 | “反”哲学教科書―君はどこまでサルか？ | |
|---|---|---|
 | オンフレ，ミシェル【著】〈Ｏｎｆｒａｙ，Ｍｉｃｈｅｌ〉 / 嶋崎正樹【訳】 2004/11 (ＮＴＴ出版) 標準価格：税込\2,520 ISBN：9784757140677 | |
| ★これを読んでも哲学がつまらなかったらあきらめろ！？ 「反哲学」を標榜し、無神論の旗手でもある新世代の市民哲学者による破格の哲学入門。 |
| 【6】 | 哲学者、怒りに炎上す。 | |
|---|---|---|
 | オンフレ，ミシェル【著】〈Ｏｎｆｒａｙ，Ｍｉｃｈｅｌ〉 / 嶋崎正樹【訳】 2008/08 (河出書房新社) 標準価格：税込\1,575 ISBN：9784309244495 | |
| ★現代フランス哲学の第一線で活躍する方から、怒りの声が届いております。フランス大統領選にツッコミを入れ、欧州憲法条約を手玉にとり、オカルト商売人を鼻で嗤い、同業の哲学者に当てこすり…『“反”哲学教科書』の著者による、毒盛りまくりの時評集。 |
| 【7】 | わたしたちの脳をどうするか―ニューロサイエンスとグローバル資本主義 | |
|---|---|---|
 | マラブー，カトリーヌ【著】〈Ｍａｌａｂｏｕ，Ｃａｔｈｅｒｉｎｅ〉 / 桑田光平 / 増田文一朗【訳】 2005/06 (春秋社) 標準価格：税込\2,205 ISBN：9784393322239 | |
| ★「脳」は科学的、哲学的、そして政治的存在である―。脳科学の圧倒的な進展がもたらした成果に磨き抜かれた哲学的思考が邂逅する時、心脳問題は、現代社会における政治的課題へと自らを開く―。「サイエンス・ウォーズ以後」を画期する、フランス現代哲学の新潮流。 |
| 【8】 | いまなぜ精神分析なのか 抑うつ社会のなかで | |
|---|---|---|
 | エリザベト・ルディネスコ / 信友建志 2008/05 (洛北出版) 標準価格：税込\2,520 ISBN：9784903127064 | |
| ★こころをモノとしてあつかう抑うつ社会のなかで、薬による療法が全盛をほこっている。精神分析なんか、いらない？ デリダの高弟でもある精神分析家が、精神分析100年の歴史をふりかえりながら、この疑問に真正面から答え、こころの治療のありかたをうったえる。 |
| 【9】 | 読んでいない本について堂々と語る方法 | |
|---|---|---|
 | バイヤール，ピエール【著】〈Ｂａｙａｒｄ，Ｐｉｅｒｒｅ〉 / 大浦康介【訳】 2008/11 (筑摩書房) 標準価格：税込\1,995 ISBN：9784480837165 | |
| ★欧米で話題沸騰“未読書コメント術”。本は読んでいなくてもコメントできる。いや、むしろ読んでいないほうがいいくらいだ・・・大胆不敵なテーゼをひっさげて、フランス論壇の鬼才が放つ世界的ベストセラー。本について語ることは自らについて語ることなど、文学教授にして精神分析家らしい洞察も。 |
| 【10】 | エピステモロジーの現在 | |
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 | 金森修【編著】 2008/11 (慶應義塾大学出版会) 標準価格：税込\5,880 ISBN：9784766415520 | |
| ★フランス現代思想の真の理解に不可欠な主知主義的な潮流であるエピステモロジー（科学認識論）研究―日本におけるその地平を切り拓く。自然科学に関する哲学的考察の重要性が高まっている昨今における、この分野の可能性に注目し、その現代的意義を明らかにする。“思想”復活にむけた果敢な試み。 |
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