| 【対決!共鳴し合う作家たち】 (No.264 2009. 5.22配信号) |
異なる二人の作家の本を読んで、こんなことを感じた記憶はないでしょうか? 「この作家とあの作家は、時代も国も違うのに、何だか近いものを感じる」 「全く異なる世界を描いているのに、同じテーマを論じている」 「こんなにも共鳴し合っているのに、今は片方しか読まれていない」 今回のe-Alert Plus!では、『古事記』から村上春樹まで、ギリシャ神話からガルシア=マルケスまで、古今東西の文学の系譜を一望した、新宿本店のブックフェア『対決!共鳴し合う作家たち』から一部をご紹介します。 いつもと違う視点から見えてくる作品群を、学生用図書として、また、初めて読む作家の入門として、ぜひご覧ください。 ※紀伊國屋書店 新宿本店2階フェア『対決!共鳴し合う作家たち』での選書を再構成しております。 店頭では約570点を展開中です。詳細は、以下でも一部をご覧頂けます。 ⇒ http://bookweb.kinokuniya.jp/bookfair/prptaiketsu.html ◇◆INDEX◆◇ 1.作家対決 中上健次 vs マルケス ―『土俗』 カフカ vs 森敦 ―『変身』 磯崎憲一郎 vs 村上春樹 ―『世紀の対決』 ツルゲーネフ vs オースティン ―『恋愛』 2.時代・国対決 19世紀以前世界文学 20世紀世界文学 戦前日本文学 戦後日本文学 3.文学の世界をより理解するために 4.ブックフェアのご紹介 新宿本店2階フェア『対決!共鳴し合う作家たち』 ※内容紹介文の☆から始まるコメントは、店頭担当者がそれぞれ精読し、フェアで展開している推薦コメントです。 |
1.作家対決 |
◆中上健次 vs マルケス ― 『土俗』 (No.1-3) |
【1】 | 千年の愉楽 (河出文庫―BUNGEI Collection) | |
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中上健次【著】 1992/10 (河出書房新社) 標準価格:税込\630 ISBN:9784309403502 |
★熊野の山々の迫る紀州南端の地を舞台に、高貴で不吉な血の宿命を分つ若者たち―色事師、荒くれ、夜盗、ヤクザら―の生と死を、神話的世界を通して過去・現在・未来に自在にうつし出し、新しい物語文学の誕生と謳われる名作。 ☆“オリュウノオバの語り“ 路地の男たちの奔放な生を語る。マルケスが「百年の孤独」なら中上は「千年の愉楽」だ。担当者が最も愛する小説。 |
【2】 | 百年の孤独 (改訳版) | |
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ガルシア=マルケス,ガブリエル【著】〈Garc´ia M´arquez,Gabriel〉 / 鼓直【訳】 2006/12 (新潮社) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784105090111 |
★蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでの百年 を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継が れる運命にあった底なしの孤独―20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。 ☆“一族は繰り返す“ 中上の「千年の愉楽」が終わりをテーマにしているなら、こっちは始まり。高熱の密度の濃い運命に飲まれてゆく百年間。 |
【3】 | 落葉 他12篇 三度目の諦め;エバは猫の中に;死の向こう側;三人の夢遊病者の苦しみ;鏡の対話;青い犬の目;六時に来た女;天使を待たせた黒人、ナボ;誰かが薔薇を荒らす;イシチドリの夜;土曜日の次の日;落葉;マコンドに降る雨を見たイサベルの独白 | |
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ガルシア=マルケス,ガブリエル【著】〈Garc´ia M´arquez,Gabriel〉 / 高見英一 / 桑名一博 / 井上義一【訳】 2007/02 (新潮社) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784105090098 |
★マコンド創造に至る、マルケス若き日の作品群。ガルシア=マルケス全小説、 1947‐55年に発表された12の短篇と、長篇。 ☆“マコンドという文学世界“ 「百年の孤独」のマコンドを舞台にした作品集。 死臭が漂い、ひたすら孤独。鼻がまがり、引きこもりになります。 |
◆カフカ vs 森敦 ― 『変身』 (No.4-7) |
【4】 | カフカ・セレクション〈1〉時空/認知 (ちくま文庫) 〔それは、どの地域にあるのだろうか〕;隣り村;〔遠くに町がみえる〕;〔立ち去る、立ち去るのだ〕;〔ここから立ち去る、とにかくここから立ち去るのだ!〕;路地の窓;〔三軒の家がたがいに接していて〕;ある注釈;〔「この道でいいのかね?」と、私は〕;〔私は、馬を厩から引いてくるように命じた〕;山中への遠足;〔おそらく私は、もっと早くから〕;〔「おれが舵手ではないのか?」と、私は叫んだ〕;走り過ぎていく人たち;突然の散歩;〔ポセイドンは、自分の仕事机の前にすわって〕;〔私たちは二人して、滑りやすい地面の上を〕;〔街中で、たえまなく工事がおこなわ | |
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カフカ,フランツ【著】〈Kafka,Franz〉 / 平野嘉彦【編訳】 2008/07 (筑摩書房) 標準価格:税込\997 ISBN:9784480424518 |
カフカ・セレクション〈2〉運動・拘束 (ちくま文庫) 「私は最初の門番の前を」;インディアンになりたいという願い;「アレクサンダー大王」;「列車の車室に座って」;「夢幻騎行」;「公園の藪」;「牢獄の一室ではないのだが」;アマチュア競馬の騎手諸氏のための考察;「珍しくもない出来事」;天井桟敷にて;「白馬が最初に姿を見せたのは」;「中庭への扉を叩く」;「セイレーンたちの沈黙」;商人;ある夢;「死者たちの家へ客に呼ばれ」;石炭バケツの騎手;「肉屋の兄弟」;最初の悩み;街道の子どもたち;「狩人グラフス」;ある断食芸人の話;判決―ある物語;流刑地にて;「巣造り」;ブレッシアでの懸賞飛行 | ||
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カフカ,フランツ【著】〈Kafka,Franz〉 / 平野嘉彦【編】 / 柴田翔【訳】 2008/09 (筑摩書房) 標準価格:税込\997 ISBN:9784480424525 |
カフカ・セレクション〈3〉異形/寓意 (ちくま文庫) 「ああ」、と鼠が言った;猫が鼠をつかまえたのだった;それは大きな尻尾を;かわいい蛇よ;私はもともと蛇に;それはハゲタカで;私はここにはっきり表明しておくが;新しい弁護士;雑種;「奇妙だ!」とその犬は言って;家父の心配;夕方帰宅してみると;一枚の古文書;ジャッカルとアラビア人;その村はターミュルといった;あるアカデミーへの報告;歌姫ヨゼフィーネ、あるいは鼠の族;いかに私の生活は変化したことか;変身 | ||
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カフカ,フランツ【著】〈Kafka,Franz〉 / 平野嘉彦【編】 / 浅井健二郎【訳】 2008/11 (筑摩書房) 標準価格:税込\997 ISBN:9784480424532 |
☆“短編ではなく断片として“ 本棚にしまうのではなく、机や床に散らかして。せっかく三巻あるんだし。 |
【5】 | 池内紀の仕事場〈3〉カフカを読む | |
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池内紀【著】 2004/04 (みすず書房) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784622081333 |
☆“池内紀≒マックス・ブロート“ 訳者によるカフカをより深く知るためのエッセイ。 でもなぜあの作品群が生まれたのかは、さっぱりわからない。 |
【6】 | 対談・文学と人生 (講談社文芸文庫) | |
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小島信夫 / 森敦【著】 2006/02 (講談社) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784061984318 |
★独自の文学世界を打ち立てた二大巨人―小島信夫、森敦による長篇対談。 悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論等、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫るスリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。 ☆“文学が人生“ だから小説について話すと、いつのまにか小説みたいになっている。書簡体風だから、なおさら。 |
【7】 | 月山・鳥海山 (文春文庫) | |
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森敦 1979/10 (文藝春秋) 標準価格:税込\610 ISBN:9784167223014 |
★出羽の霊山・月山を背景に、閉ざされた山村で村人と暮しをともにする一人の男が知った比の世ならぬ幽冥の世界― 芥川賞の表題作ほか姉妹篇「天沼」など七作を収録。 ☆“閉所に籠ると重力が増す“ 圧縮された世界を身に受け、残ったものは骨と皮。そのとき、雪明りが見えた。 |
◆磯崎憲一郎 vs 村上春樹 ―『世紀の対決』(No.8-9) |
【8】 | 眼と太陽 | |
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磯崎憲一郎【著】 2008/08 (河出書房新社) 標準価格:税込\1,050 ISBN:9784309018799 |
★そこには、聖書の時代から変わらぬ太陽が輝いていた。小説に偏在する、啓示の瞬間…注目の才能による、新しい世界文学の誕生。第139回芥川賞候補作。 ☆“面と向かってはいえないが、親父に読んでもらいたい“ どちらかといえば殺してナンボの対象でしかなかった父親を、あっさり転回させてしまった。春樹が少年であるという同じ言い方で、磯崎は親父であるといえるのではないか。 |
【9】 | 中国行きのスロウ・ボート (中公文庫) 中国行きのスロウ・ボート;貧乏な叔母さんの話;ニューヨーク炭鉱の悲劇;カンガルー通信;午後の最後の芝生;土の中の彼女の小さな犬;シドニーのグリーン・ストリート (改版) | |
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村上春樹【著】 1997/04 (中央公論社) 標準価格:税込\599 ISBN:9784122028401 |
★青春の追憶と内なる魂の旅を描く表題作ほか6篇。著者初の短篇集。 ☆「三日晴れがつづき、一日雨が降り、また三日晴れた」芝刈りのバイトをしている主人公の最後の1週間。死の香り漂う「午後の最後の芝生」 |
◆ツルゲーネフ vs オースティン ―『恋愛』(No.10-12) |
【10】 | 初恋 (光文社古典新訳文庫) | |
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トゥルゲーネフ,イワン・セルゲーエヴィチ【著】 / 沼野恭子【訳】 2006/09 (光文社) 標準価格:税込\439 ISBN:9784334751029 |
★ロシアの帝政が、崩壊の予兆にふるえる時代に誕生した、トゥルゲーネフの自伝的中編。主人公の告白をやわらかな語り口調に変えた、みずみずしい感性があふれる新訳。 ☆青春の魅力の秘密は、何でもできると思えること。でも実際は、こんなにも何もできない。 |
【11】 | 高慢と偏見〈上〉 (ちくま文庫) | |
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オースティン,ジェイン【著】〈Austen,Jane〉 / 中野康司【訳】 2003/08 (筑摩書房) 標準価格:税込\997 ISBN:9784480038630 |
高慢と偏見〈下〉 (ちくま文庫) | ||
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オースティン,ジェイン【著】〈Austen,Jane〉 / 中野康司【訳】 2003/08 (筑摩書房) 標準価格:税込\997 ISBN:9784480038647 |
★スリリングな展開で深い感動をよぶ英国恋愛小説の名作。 オースティン文学の魅力を満喫できる明快な新訳でおくる。 ☆名作と呼ばれるのには理由がある。もはや、恋愛小説ではない。 |
【12】 | 分別と多感 (ちくま文庫) | |
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オースティン,ジェイン【著】〈Austen,Jane〉 / 中野康司【訳】 2007/02 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784480423047 |
★19世紀英国の田園を舞台に繰り広げられる恋愛小説の傑作。 ☆多感な妹が言う。「人間は一生に一度しか恋はできない」 分別のある姉が応える。「一人を愛し続けるのは魅力的だけど、そんなこと無理な話よ」 |
2.時代・国対決 |
◆19世紀以前世界文学(No.1-4) |
【1】 | オリバー・ツイスト〈上〉 (新潮文庫) | |
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ディケンズ,チャールズ【著】〈Dickens,Charles〉 / 中村能三【訳】 2005/12 (新潮社) 標準価格:税込\579 ISBN:9784102030059 |
オリバー・ツイスト〈下〉 (新潮文庫) | ||
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ディケンズ,チャールズ【著】〈Dickens,Charles J.H.〉 / 中村能三【訳】 2005/12 (新潮社) 標準価格:税込\579 ISBN:9784102030066 |
★若きディケンズが、19世紀初頭のロンドン貧民街を舞台に、ストーリー・テリングと社会諷刺の才能を存分に発揮して描きあげた長編。逆境のなかで純真さを失わない「オリバー・ツイスト」の名は、世界の人びとに永遠に記憶された。 ☆身分の区分なんて忘れて、光を浴びよう。オリバーはどんな大人になったんだろう? |
【2】 | シャクンタラ−姫 (岩波文庫) | |
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カ−リダ−サ / 辻直四郎 1996/06 (岩波書店) 標準価格:税込\630 ISBN:9784003206416 |
★単純可憐の中に女性の誇りを失わぬシャクンタラー。指環と呪詛をめぐるこの戯曲は、カーリダーサの作品中最も有名なものであるばかりでなく、サンスクリット劇中最大の傑作といわれる。 ☆“世界文学の始まり“ ゲーテはこれを読んで「ファウスト」の構想を得、マルケスは「百年の孤独」を書いた。 姫と王のどたばた詩劇。 |
【3】 | 旧約聖書を知っていますか (新潮文庫) | |
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阿刀田高【著】 1994/12 (新潮社) 標準価格:税込\539 ISBN:9784101255194 |
☆“入門にどうぞ“ 旧約聖書ってこんなに面白かったのか。信者じゃないからって読まないのは勿体ない。 |
【4】 | 恋愛指南―アルス・アマトリア (岩波文庫) | |
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オウィディウス【著】〈Ovidius〉 / 沓掛良彦【訳】 2008/08 (岩波書店) 標準価格:税込\588 ISBN:9784003212035 |
★愛の名著か背徳の書か、詩人に名声と流刑をもたらした書は男女に濃やかな知恵を授ける。遊びの恋、戯れの愛、洒脱と雅とを離れず、知的にことをはこぶには…“黄金のローマ”時代の社会や風俗を鏡のごとく映し出す奇書。 ☆“ためになる本“ 「涙もまた役に立つ。できれば、意中の女性に涙でぬれた頬を見せるようにするがいい。涙が浮かんでこなかったら、ぬらした手で眼をこすっていたまえ」――45ページより。 |
◆20世紀世界文学(No.5-8) |
【5】 | 知と愛 (新潮文庫) (改版) | |
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ヘルマン・ヘッセ / 高橋健二 2004/12 (新潮社) 標準価格:税込\660 ISBN:9784102001103 |
★二つの最も人間的な欲求である知と愛とが、反撥し合いながら互いに引かれ合う姿を描いた多彩な恋愛変奏曲。1930年作。 ☆「死は大きな幸福であるだろう」 知性を求める人、愛を求める人。それらの形や色、香りは一体どんなだろう? 人間はやっかいだ。 |
【6】 | 日の名残り (ハヤカワepi文庫) | |
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イシグロ,カズオ【著】〈Ishiguro,Kazuo〉 / 土屋政雄【訳】 2001/05 (早川書房) 標準価格:税込\798 ISBN:9784151200038 |
★失ってこそ輝き続ける過ぎ去りし日々。世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。 ☆“景色も人生も、暮れが一番美しい“ 自分に嘘ついてちゃいけない。どこかで変わらなくてはいけない。老人の言葉に涙が出ました。 |
【7】 | 移動祝祭日 (新潮文庫) | |
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ヘミングウェイ,アーネスト【著】〈Hemingway,Ernest〉 / 高見浩【訳】 2009/02 (新潮社) 標準価格:税込\619 ISBN:9784102100158 |
★死後に発表され、世界中で論議の渦を巻き起こした事実上の遺作、満を持して新訳で復活。 ★これを読むために全集を一巻だけ買ったのに。 何と文庫化されました。マジかよ。全集を買おうとしている人には、内緒にしておきましょう。 ヘミングウェイの描くパリ。 |
【8】 | 鳥―デュ・モーリア傑作集 (創元推理文庫) 恋人;鳥;写真家;モンテ・ヴェリタ;林檎の木;番;裂けた時間;動機 | |
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デュ・モーリア,ダフネ【著】〈du Maurier,Daphne〉 / 務台夏子【訳】 2000/11 (東京創元社) 標準価格:税込\1,050 ISBN:9784488206024 |
★ある日突然、人間を攻撃しはじめた鳥の群れ。彼らに何が起きたのか? ヒッチコックの映画で有名な表題作をはじめ、物語の醍醐味溢れる中短編8編を収録。 『レベッカ』と並び称される代表作、初の完訳。 ☆“終わりが始まり“ 読み終わった時、すかさず1ページ目に戻らせる力を持っているのは、デュ・モーリアが世界一だと思う。 |
◆戦前日本文学(No.9-11) |
【9】 | 更級日記―現代語訳付き (角川ソフィア文庫) | |
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原岡文子【訳注】 2003/12 (角川書店) 標準価格:税込\780 ISBN:9784043734016 |
★夢見がちな感性をもって描かれた平安時代の日記文学。平凡な人生の中に描かれる、作者の人生の断片の輝きが、今なお、われわれを惹きつけてやまない。 ☆今も昔も本好き人間の想いは変わらない。 文学少女・菅原孝標女の日記。「夜の寝覚」も「浜松中納言物語」も好きだが、やっぱこれ。恋してしまう。 |
【10】 | 北越雪譜 (岩波文庫) (改版) | |
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鈴木牧之 / 山東京山 1978/03 (岩波書店) 標準価格:税込\735 ISBN:9784003022610 |
★諸国の人々に越後の雪を主題とし、それに付帯した風俗習慣を伝えんとした。 出版には馬琴、京伝等が関係し、当時天下の奇書として圧倒的な人気を博したという。単に風土記的な興趣のみならず、科学的随筆とも称すべく、また方言研究の重要資料でもある。 ☆“雪国の風俗と雪景色“ 文章は古いが分析的で、雪国の暮らしが見えてくる。雪と国の強度の拮抗は、別世界だ。 |
【11】 | 南方熊楠随筆集 (ちくま学芸文庫) | |
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南方熊楠【著】 / 益田勝実【編】 1994/01 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,365 ISBN:9784480081100 |
★博覧強記にして奔放不羈、稀代の天才にして孤高の自由人・南方熊楠。この在野の国際的生物学者・民俗学者の精髄を伝える論文・エッセイ・書簡を精選し、博引される漢籍仏典を読み下し文にし、表記を現代風に改めて一冊に収めた、南方熊楠の世界への最良・最適のガイドブック。 ☆“南方曼荼羅だ“ 歩く百科事典、ウォーキング・グーグル。熊楠の学問知識にくらくらする。 目に見えるものすべてを見ようとする。だから菌類を、半生命を見続けた。 |
◆戦後日本文学(No.12-14) |
【12】 | 金沢;酒宴 (講談社文芸文庫) | |
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吉田健一【著】 1990/11 (講談社) 標準価格:税込\987 ISBN:9784061961050 |
★金沢の町の路次にさりげなく家を構えて、心赴くまま名酒に酔い、九谷焼を見、程よい会話の興趣に、精神自由自在となる“至福の時間”の体験を深まりゆく独特の文体で描出した名篇『金沢』。灘の利き酒の名人に誘われて出た酒宴の人々の姿が、40石、70石入り大酒タンクに変わる自由奔放なる想像力溢れる傑作『酒宴』を併録。 ☆“酒持ってこい!!“ 気まぐれに金沢へ移り住む男。この文体、呑んで書いたのかと疑いたくなる。酔った。 |
【13】 | 終りし道の標べに (講談社文芸文庫) 真善美社版 | |
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安部公房 1995/01 (講談社) 標準価格:税込\1,029 ISBN:9784061963054 |
★幻の処女作。ここに新しいリアリティーがあった。異民族の中で培った確固とした他者。埴谷雄高は何かの予感を禁じ得ず雑誌「個性」に持ち込んだ。青年公房の生身の思索は17年後書き換えられ、もはや読むことはできなくなった処女作。読者の期待に応え甦った処女長篇小説真善美出版。 ☆“逃亡などできない“ 「壁」「箱男」などのイメージが強いと異質な感じを受けるでしょうが、これが真の処女作。出だしから解説まで含めて、すべてに感動。 |
【14】 | 文章教室 (河出文庫―文芸コレクション) | |
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金井美恵子【著】 1999/05 (河出書房新社) 標準価格:税込\819 ISBN:9784309405759 |
★恋をしたから<文章>を書くのか? <文章>を学んだから、<恋愛>に悩むのか? 普通の主婦や女子学生、現役作家、様々な人物の切なくリアルな世紀末の恋愛模様を、鋭利な風刺と見事な諧謔で描く、傑作長篇小説。 ☆“賢くて意地悪“ 同業者いじめやん、これ。小説は偶然できるんです。そのための文体をこの方は持ってます。ちなみに長篇小説。 |
3.文学の世界をより理解するために |
【1】 | 作家の家―創作の現場を訪ねて | |
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プレモリ=ドルーレ,フランチェスカ【文】〈Premoli‐Droulers,Francesca〉 / レナード,エリカ【写真】〈Lennard,Erica〉 / デュラス,マルグリット【プロローグ】〈Duras,Marguerite〉 / 鹿島茂【監訳】 / 博多 2009/02 (西村書店) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784890136285 |
★『作家の家を見るということは、作家の作品を読む以上に、作家の本質にふれることなのだ』(鹿島 茂) 20名の文豪の書斎、リビングルーム、演芸場から庭園まで、丹精こめてつくりあげた“自らの城“を、作家の生涯とともに貴重なカラー写真で紹介。 日本語版には、オリジナルの作家紹介コラムもあり。 |
【2】 | ヘッセの読書術 | |
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ヘッセ,ヘルマン【著】〈Hesse,Hermann〉 / ミヒェルス,フォルカー【編】〈Michels,Volker〉 / 岡田朝雄【訳】 2004/10 (草思社) 標準価格:税込\1,890 ISBN:9784794213464 |
★独学で古今の書物を読破し、作家として大成したヘッセが教える読書の楽しみと読書の意味。 レクラム文庫(ドイツの古典文庫)のために書かれた読書案内エッセイ「世界文学文庫」(ヘッセの推奨する本のリスト付き)を中心に、読書をめぐる随想を集めたエッセイ集。 |
【3】 | 世界×現在×文学―作家ファイル | |
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越川芳明 / 柴田元幸 / 沼野充義 / 野崎歓 / 野谷文昭【編】 1996/10 (国書刊行会) 標準価格:税込\2,039 ISBN:9784336038821 |
★現代文学の最前線を愉しく正しく読むためのブックガイド。フェルナンド・ペソアから吉本ばななまで118人の作家紹介と、19のコラムによって構成。 全作家の顔写真、代表作の書影、詳細な邦訳書誌データを収録。 |
【4】 | 文学全集を立ちあげる | |
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丸谷才一 / 鹿島茂 / 三浦雅士【著】 2006/09 (文藝春秋) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784163684208 |
★「いま読んで面白い作品を」。新しい文学観で、従来とは全く違う刺激的文学全集(世界・日本篇)を編みなおす壮大な試み。 いま女子大生に人気のオースティン。とにかく巧い。ディドロは十八世紀小説の花。小説の勉強に必読。「ポルノ小説集」「SF集」「スパイ小説集」も。「源氏物語」は与謝野晶子の現代訳付きで5巻。都賀庭鐘から樋口一葉まで、十九世紀小説の豊穣。白秋の民謡・童話、朔太郎のアフォリズムのすごさ。・・・等々。 |
【5】 | 東京ブックナビ | |
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東京地図出版編集部【編】 2009/01 (東京地図出版) 標準価格:税込\1,050 ISBN:9784808585167 |
★新刊書店、古書店、オンライン書店、検索サイト、図書館のガイドブック。 |
【6】 | 日本文学史早わかり (講談社文芸文庫) | |
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丸谷才一【著】 2004/08 (講談社) 標準価格:税込\1,260 ISBN:9784061983786 |
★古来、日本人の教養は詩文にあった。明治以降、西洋文学史の枠組に押し込まれてわかりにくくなってしまった日本文学史を、詞華集にそって検討してみると、どのような流れが見えてくるのか。日本文学史再考を通して試みる文明批評の一冊。(詞華集と宮廷文化の衰微を対照化させた早わかり表付) |
【7】 | 世界文学を読みほどく―スタンダールからピンチョンまで (新潮選書) | |
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池沢夏樹【著】 2005/01 (新潮社) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784106035449 |
★稀代の読み手であり、誠実な発信を続けてきた作家が、21世紀の今に生きる人々に向けて語る、文学観・世界観の集成。京大講義録。 |
【8】 | 池内式文学館 | |
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池内紀【著】 2007/07 (白水社) 標準価格:税込\2,205 ISBN:9784560031643 |
★漱石、鴎外、荷風はもとより、現代作家から詩人、画家、棋士にいたるまで、幅広い好奇心と作家への敬意を胸に、深い読み込みと華麗な文体で築き上げた、池内式「偏愛的作家論」。 |
4.関連ブックフェアのご紹介 新宿本店2階フェア 「対決!共鳴し合う作家たち」 |
5/11より新宿本店2階(中央催事場)にて、当テーマのフェアを開催しております。 採りあげる570点余りの文学作品全点に、担当者それぞれが精読した上での推薦コメントをご用意し、『古事記』から村上春樹まで、ギリシャ神話からガルシア=マルケスまで、古今東西の文学の系譜を一望できるフェアとなっております。 東京近郊の方は、ぜひご来店ください。 ◇開催場所 : 紀伊國屋書店新宿本店 2階中央催事場 ◇会 期 : 開催中 〜 2009年6月10日 ◇フェア詳細: http://bookweb.kinokuniya.jp/bookfair/prptaiketsu.html ◇お問合せ : 紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-0131 http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/tokyo/01.htm |
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