| 【サントリー学芸賞 受賞作】 (No.20 2005.12. 1配信号) |
第27回サントリー学芸賞(サントリー文化財団主催)が11月10日に決定され、12月9日に贈呈式が行なわれます。 本賞は1979年に創設され、その受賞業績は、主題への斬新なアプローチ、従来の学問の境界領域での研究、フロンティアの開拓などの点で高く評価されています。 今回の号外メールでは、「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」各部門の、本年と過去2年間の受賞作を掲載します。 ※詳細ページからご注文できない場合は、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局宛にご連絡下さい。ご注文方法をご案内します。また、以下から、BookWeb Pro の利用申し込みができます。 http://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/files/bookwebpro_annai.html |
1.政治経済部門 -2005年(第27回)- |
【1】 | 日本の不平等―格差社会の幻想と未来 | |
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大竹文雄【著】 2005/05 (日本経済新聞社) 標準価格:税込\3,360 ISBN:9784532132958 |
★日本の所得格差はなぜ、拡大したのか。データを駆使した実証分析を通して、再分配効果、世代サイズ、成果主義、年功賃金など注目のトピックに幅広く言及。高齢化が社会全体の不平等度にも影響を与えていると指摘する。 ★新聞書評など<著者サイト(該当タイトルをクリックして下さい)> http://www.iser.osaka-u.ac.jp/~ohtake/ |
【2】 | 属国と自主のあいだ―近代清韓関係と東アジアの命運 | |
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岡本隆司【著】 2004/10 ((名古屋)名古屋大学出版会) 標準価格:税込\7,875 ISBN:9784815804947 |
★せめぎあう東西の世界秩序、その中から東アジアの焦点として浮かび上がった朝鮮の「属国自主」。 従来注目されることの少なかった清韓関係を、日本・アメリカ・イギリス・ロシアなどとの交渉の中で捉え、19世紀半ばから日清戦争にいたる東アジアの構造変動を、多言語にわたる徹底的な史料分析によって描き出した画期的労作。 |
【3】 | 戦後アジア秩序の模索と日本―「海のアジア」の戦後史 1957〜1966 | |
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宮城大蔵【著】 2004/10 (創文社) 標準価格:税込\4,410 ISBN:9784423710593 |
★戦後アジアにおいて日本とは何であったのか? ――アジアへの関与の多くが「経済進出」として語られるなか、著者は国際政治の潮流に占める日本の位置付けを探り、1950年代から60年代中盤のインドネシアをめぐる日本の関与にその答えの鍵を見出す。 ベトナム戦争が進行する傍ら、アジアを覆った巨大な変容のなかで日本は何を目指し、どう振舞ったのか、各国の思惑と駆け引きが渦巻く多国間外交史を立体的に描き出す。 |
2.政治経済部門 -2004年(第26回)- |
【1】 | 中国近代外交の形成 | |
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川島真【著】 2004/02 ((名古屋)名古屋大学出版会) 標準価格:税込\7,350 ISBN:9784815804763 |
★90年代に中台両岸で進んだ文書公開による豊富な新資料をもとに、国際社会における「文明国」の地位をめざして外交官僚たちが紡ぎだした制度や政策を、当時の外交档案を博捜。そこに「中国」が表出されていくさまを捉えた力作。 |
【2】 | 現代中国の政治と官僚制 | |
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国分良成【著】 2004/01 (慶応義塾大学出版会) 標準価格:税込\3,570 ISBN:9784766410549 |
★1949年の建国以降の中華人民共和国の政治史を、「官僚制」という側面から丁寧に辿る。 中国計画経済の要諦として官僚機構の頂点を極めた国家計画委員会をとりあげ、一党支配システムの構造的問題点を浮き彫りにする。 |
3.政治経済部門 -2003年(第25回)- |
【1】 | 韓国における「権威主義的」体制の成立―李承晩政権の崩壊まで (MINERVA人文・社会科学叢書) | |
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木村幹【著】 2003/06 ((京都)ミネルヴァ書房) 標準価格:税込\5,040 ISBN:9784623037575 |
★日本敗戦により解放された韓国。しかし希望に満ちた解放はやがて、失意に満ちた「権威主義的」体制へと帰着する。韓国は何故このような体制へと行き着いたのか。 本書はその過程と原因を、日本植民地支配とそこからの特異な脱却過程、そしてそれらが李承晩政権期の与野党に与えた影響を中心に説明する。 |
【2】 | 中国台頭―日本は何をなすべきか | |
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津上俊哉【著】 2003/01 (日本経済新聞社) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784532350291 |
★日本は中国の成長をチャンスと受け止めるべきだ。空洞化を憂う悲観論を排し、中国を利用する戦略を説く。中国台頭の現実を直視、「引きこもり・日本」に活を入れ、中米時代への外交戦略も展開する注目の中国論。 |
【3】 | 内閣政治と「大蔵省支配」―政治主導の条件 (中公叢書) | |
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牧原出【著】 2003/07 (中央公論新社) 標準価格:税込\1,995 ISBN:9784120034183 |
★政党・内閣を支える「よき官僚」の条件を探ることで、「政治主導」の条件をその背後から解き明かす。今でいう財務省、当時は大蔵省を材料として、昭和27年から37年という高度経済成長前夜にさかのぼり、戦後日本の政官関係の原点を、人物の横顔とともに描く。 |
*政治・経済部門 −これまでの受賞者及び受賞作品、選評 <サントリー文化財団サイト> http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/sei_kei0000.html |
4.芸術・文学部門 -2005年(第27回)- |
【1】 | 漢文脈の近代 清末=明治の文学圏 | |
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齋藤希史 2005/03 (名古屋大学出版会) 標準価格:税込\5,775 ISBN:9784815805104 |
★19世紀後半から20世紀にかけて、かつてないほど相互に交通しあった日本と中国――そこに生じた「漢文脈」の新たな展開と可能性を、書くことと読むことの場に即して捉え、文学史・小説・翻訳・作文などをめぐる様々な試み・思考・葛藤を通して、近代の再考を促す。 |
【2】 | アメリカン・ナルシス―メルヴィルからミルハウザーまで (アメリカ太平洋研究叢書) | |
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柴田元幸【著】 2005/05 (東京大学出版会) 標準価格:税込\3,360 ISBN:9784130801041 |
★翻訳家、エッセイストとしても知られる著者によるアメリカ小説論集。メルヴィルからオースター、エリクソン、ダイベック、ミルハウザーへ、あらゆる細部を愛惜するかのような著者のスタイルが「もうひとつのアメリカ文学」を描き出す。 |
【3】 | カラヴァッジョ―聖性とヴィジョン | |
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宮下規久朗【著】 2004/12 ((名古屋)名古屋大学出版会) 標準価格:税込\5,040 ISBN:9784815804992 |
★血と暴力に彩られた破滅的な生涯を送りながら、深い精神性と宗教性をたたえた作品により、人々の心を打つカラヴァッジョ。反宗教改革期イタリアの精神風土のなか、幻視のリアリズムを実現した「呪われた画家」の芸術の本質に迫る、わが国初の本格的著作。 |
5.芸術・文学部門 -2004年(第26回)- |
【1】 | あやかし考―不思議の中世へ | |
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田中貴子【著】 2004/03 (平凡社) 標準価格:税込\2,100 ISBN:9784582832143 |
★物語とは何か――今昔物語集をはじめ中世の不思議な話の数々を渉猟し、今ではまことしやかに語られる「〜伝」や「〜物語」が、当の人物や出来事の本当の姿を伝えるものなのかを詳らかにする。 |
【2】 | デザインのデザイン | |
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原研哉 2003/10 (岩波書店) 標準価格:税込\1,995 ISBN:9784000240055 |
★デザインとはただものを構想し、計画し、つくりあげることではない。デザインとは人と人の間にある、人と世界の間にある関係の本質に静かに手を伸ばしてゆく試みである。(読売新聞書評より) 世界の第一線に立つ著者がこれまでのデザイン観を一新する、斬新な発想転換のすすめ。 |
6.芸術・文学部門 -2003年(第25回)- |
【1】 | 現代建築・アウシュヴィッツ以後 | |
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飯島洋一【著】 2002/05 (青土社) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784791759552 |
★アウシュヴィッツ以後の現代建築ですら払拭しえない、空間の効率化と合理性という、死の工場に通底する思想と発想―。ナチス的欲望とは、建築のみならずわれらの文化に隈なく遍在する現象なのか。現代建築の核心に鋭利に迫り、新世紀の文化の究極を追求する。 |
【2】 | 花鳥・山水画を読み解く―中国絵画の意味 (角川叢書) | |
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宮崎法子【著】 2003/06 (角川書店) 標準価格:税込\3,045 ISBN:9784047021242 |
★山水画には隠逸を理想とする文人士大夫の憧れが、花鳥画には庶民の現世の幸福への願いが、吉祥句とともに織り込まれていた。宋代以降の中国絵画のさまざまな画題に分け入り、そこに込められた寓意と社会背景を読み解く快著。 ※この商品は、品切、重販未定です。 |
*芸術・文学部門 −これまでの受賞者及び受賞作品、選評 <サントリー文化財団サイト> http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/gei_bun0000.html |
7.思想・歴史部門 -2005年(第27回)- |
【1】 | 教育の世紀―学び、教える思想 (シリーズ生きる思想〈7〉) | |
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苅谷剛彦【著】 2004/12 (弘文堂) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784335000591 |
★競争を通じた社会淘汰を礼賛する社会進化論が力を得ていた19世紀末のアメリカでうちだされた、(知性の)平等主義という立場をを検証。現代日本の「教育」問題に肉迫し、透徹した視線で、近代における個人主義の問題に挑む。 |
【2】 | 御一新とジェンダー―荻生徂徠から教育勅語まで | |
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関口すみ子【著】 2005/03 (東京大学出版会) 標準価格:税込\6,510 ISBN:9784130362238 |
★「大奥」が輝き始める江戸時代初期から、「御一新」すなわち近代という新時代の幕開けまで、政治権力と女性との関わりに焦点を当て、一次資料を駆使することでその実像を浮き彫りにする。「大奥」を解明することで、従来の女性史像に再考を迫った1冊。 |
【3】 | 政党内閣制の成立 一九一八〜二七年 | |
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村井良太【著】 2005/01 (有斐閣) 標準価格:税込\6,300 ISBN:9784641076884 |
★政党政治に否定的な明治立憲制の下で、政党内閣が相次いで成立し、二大政党間で政権交代がなされた時期があった。それはなぜ実現し、どのような意味をもっていたか。原敬政友会内閣成立から民政党結成まで、政党勢力と元老・宮中の相互作用を軸に分析・考察する。 |
8.思想・歴史部門 -2004年(第26回)- |
【1】 | 清帝国とチベット問題 多民族統合の成立と瓦解 | |
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平野聡 2004/07 (名古屋大学出版会) 標準価格:税込\6,300 ISBN:9784815804879 |
★「中華」的価値とは一線を画す内陸アジアから、東アジアにまたがる他民族統合を実現した清帝国の論理・諸政策と統治構造を、チベット仏教文化と儒教文化の緊張関係を軸に捉え、最終的には西欧近代的価+B106値の流入やナショナリズムの勃興とともに内部崩壊していく過程を実証的に描いた力作。 |
9.思想・歴史部門 -2003年(第25回)- |
【1】 | 沖縄問題の起源―戦後日米関係における沖縄1945‐1952 | |
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エルドリッヂ,ロバート・D.【著】〈Eldridge,Robert D.〉 2003/06 ((名古屋)名古屋大学出版会) 標準価格:税込\7,140 ISBN:9784815804596 |
★沖縄はいかにして戦後問題の集約点となったのか?日米の関係者へのインタビューや膨大な新資料に基づき、戦後沖縄の地位を決定付けた講和条約第三条の形成過程をはじめて本格的に解明、沖縄問題を考える確かな視点を示す。 同賞のほか、第15回アジア・太平洋賞特別賞も受賞。 |
【2】 | 神、人を喰う―人身御供の民俗学 | |
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六車由実【著】 2003/03 (新曜社) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784788508422 |
★生ま身の人間を「食べ物」として神に捧げる。なぜこのような「野蛮で残酷な」話が現代まで語り伝えられているのか。人身御供譚をもつ祭の現場に身をおいて祭と語りのダイナミックな関係をさぐり、食・性・暴力をめぐる民俗的想像力の根源にせまる、気鋭の大胆な論考。 |
*思想・歴史部門 −これまでの受賞者及び受賞作品、選評 <サントリー文化財団サイト> http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/si_reki0000.html |
10.社会・風俗部門 -2004年(第26回)- |
(2005年(第27回)・・・該当なし) |
【1】 | 『食道楽』の人 村井弦斎 | |
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黒岩比佐子【著】 2004/06 (岩波書店) 標準価格:税込\4,410 ISBN:9784000233941 |
★明治の大ベストセラー『食道楽』の著者としてのみ知られる村井弦斎の初めての評伝。幕末の儒家に生を亨け、新聞小説家として名をなし、婦人啓蒙へと転じて健筆を振るい、その晩年は仙人への途を歩んだ人。 厖大な資料を博捜し、宮武外骨、斎藤緑雨、矢野龍渓、渋沢栄一等など思いがけない人々との交渉を次々と手繰り、その数奇な人生を大きな時代背景に溶かし込んであざやかに描いた力作! |
【2】 | アフター・アメリカ―ボストニアンの軌跡と“文化の政治学” | |
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渡辺靖【著】 2004/05 (慶応義塾大学出版会) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784766410785 |
★歴代大統領を生んだ都市ボストンの上流・中上流階級「バラモン」と下流・中下流階級「アイリッシュ」。2つの社会集団の比較対照から、アメリカ市民社会の最深部を浮き彫りにした新進気鋭の文化人類学者による衝撃のデビュー作。 |
11.社会・風俗部門 -2003年(第25回)- |
【1】 | 『キング』の時代 国民大衆雑誌の公共性 | |
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佐藤卓己 2002/09 (岩波書店) 標準価格:税込\4,200 ISBN:9784000225175 |
★日本初の100万部を達成し、「雑誌の黄金時代」を築いた伝説的雑誌『キング』―この熱狂的な支持を受けた「国民大衆雑誌」の意味を、近代のメディア環境全体のなかで捉え直し、戦時体制下の『キング』と講談社文化の役割を、それが実現した公共性の視座から解明する。 |
【2】 | 闘蟋―中国のコオロギ文化 (あじあブックス) | |
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瀬川千秋【著】 2002/10 (大修館書店) 標準価格:税込\1,890 ISBN:9784469231854 |
★「闘蟋」―それはコオロギを闘わせ、ひと秋をかけて虫王(チャンピオン)を決める遊び。飼い主たちは戦士の育成に金と時間と知識のすべてを注ぎ、熱中のあまり家屋敷を失った者、過去には国を滅ぼした者すらいた。1200年もの間、中国の男たちを魅了しつづけるコオロギ文化のすべてを紹介する。 |
*社会・風俗部門 −これまでの受賞者及び受賞作品、選評 <サントリー文化財団サイト> http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/sha_fu0000.html |
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