| 【今、“教養”の場はどこにある?――★無料ご招待!★ 書物復権・新宿セミナー 『大学の<知>、街の<知>』 】 (No.157 2007.10.30配信号) |
若者をとりまく社会状況の変容、それにともなう大学あるいは“知”の変容は、明治の近代日本立ち上げ以来脈々と検討が続けられてきた“君たちはどう生きるか”という問題設定(=“教養論”)そのものを、そもそも無効にしてしまいつつあるのでしょうか? 今回のe-Alert Plus!では、私ども書店、あるいはもっと広く出版業界にとっても大きな関心事である“教養”の来し方行く末を、最近の“教養論”や“読書論”の成果を中心に、辿ってみました。 ★末尾にて≪書物復権・新宿セミナー― 『大学の<知>、街の<知>』≫への無料ご招待をご案内しております。そちらもお見逃しなく!★ |
1.“教養”の来歴 |
【1】 | 移りゆく「教養」 (日本の“現代”〈5〉) | |
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苅部直【著】 2007/10 (NTT出版) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784757140967 |
★「教養」とは、単なる専門家の知識ではなく、あらゆる人間活動に通じるような「知恵」や「判断力」を培うもののことである。そして求められる「教養」のかたちは、時代とともに違ったものになってくる。「政治的判断力」「教養」「日本の伝統文化」をキーワードに、いま教養とは何か、本当の教養とはどういうものか、2006年サントリー学芸賞受賞の気鋭の研究者が検討する。 |
【2】 | グロテスクな教養 (ちくま新書) | |
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高田里恵子【著】 2005/06 (筑摩書房) 標準価格:税込\777 ISBN:9784480062390 |
★大正教養主義から、80年代のニューアカ、そして、現在の「教養崩壊」まで、えんえんと生産・批判・消費され続ける教養言説の底に潜む悲喜劇的な欲望を、出版社との共犯関係・女性や階級とのかかわりなど、さまざまな側面から映しだす。知的マゾヒズムを刺激しつつ、一風変わった教養主義の復権を目指す、ちょっと意地悪で少しさわやかな教養論論。 |
【3】 | 新教養主義宣言 (河出文庫) | |
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山形浩生【著】 2007/04 (河出書房新社) 標準価格:税込\798 ISBN:9784309408446 |
★行き詰まった現実も、ちょっと見方を変えれば可能性に満ちている。文化、経済、情報、社会、あらゆる分野をまたにかけ、でかい態度にリリシズムをひそませた明晰な言葉で語られた、いま必要な〈教養〉書。99年の単行本刊行から7年を経て、「当時の意義をまったく失っていない」と著者自身が豪語する文庫版。 |
【4】 | 日本主義的教養の時代―大学批判の古層 (パルマケイア叢書) | |
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竹内洋 / 佐藤卓己【編】 2006/02 (柏書房) 標準価格:税込\3,990 ISBN:9784760128631 |
★容赦ない糾弾と告発で帝大教授たちを戦慄させた右翼思想家・蓑田胸喜と原理日本社。戦後アカデミズムが忘却した右翼教養主義の栄光と挫折を辿り、大正・昭和思想史の再考を迫る。 |
【5】 | 先生とわたし | |
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四方田犬彦【著】 2007/06 (新潮社) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784103671060 |
★70年代、伝説の知性・由良君美が東大駒場で開くゼミに参加した著者は、その学問への情熱に魅了される。そして厚い信任を得、やがて連載の代筆をするまでになる。至福の師弟関係はしかし、やがて悲劇の色彩を帯び始める……。「教育」という営み、そして「師弟」という人間関係の根源を十数年の時を経て検証する、恩師への思い溢れる評論。 |
2.読書、出版メディア |
【1】 | 東大生はどんな本を読んできたか―本郷・駒場の読書生活130年 (平凡社新書) | |
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永嶺重敏【著】 2007/10 (平凡社) 標準価格:税込\861 ISBN:9784582853940 |
★マルクス、漱石から村上春樹へ。〈共読〉から〈孤読〉へ。創立から130年、東大生の読書生活はこんなに変わった。豊富な資料を通して浮かび上がる「東大生読書文化史」。 |
【2】 | 人間を守る読書 (文春新書) | |
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四方田犬彦【著】 2007/09 (文藝春秋) 標準価格:税込\935 ISBN:9784166605927 |
★古典からサブカルチャーまで、今日の日本人にとってヴィヴィッドであるべき書物約155冊を紹介。「決して情報に還元されることのない思考」のすばらしさを読者に提案した最新書評集。 |
【3】 | 鹿島茂の書評大全 和物篇 | |
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鹿島茂【著】 2007/08 (毎日新聞社) 標準価格:税込\2,500 ISBN:9784620318271 |
★100の書評で日本の知をしなやかに描く、愛書狂による最強のブックガイド! |
【4】 | 鹿島茂の書評大全 洋物篇 | |
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鹿島茂【著】 2007/08 (毎日新聞社) 標準価格:税込\2,500 ISBN:9784620318288 |
★100の書評でめくるめく世界の旅へ誘う、愛書狂による最強のブックガイド! |
【5】 | 出版と社会 | |
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小尾俊人【著】 2007/09 (幻戯書房) 標準価格:税込\9,975 ISBN:9784901998284 |
★関東大震災で本が消滅したとき、創造力あふれる出版人たちが登場した。ここから、出版戦国時代がはじまる──敗戦の年、みすず書房を立ち上げた著者が、自らの同時代的経験をもとに綴る、昭和出版史の記録。 |
【6】 | 出版と知のメディア論―エディターシップの歴史と再生 | |
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長谷川一【著】 2003/05 (みすず書房) 標準価格:税込\3,675 ISBN:9784622070290 |
★出版の変容と、知の変遷との関係を、歴史社会学的に分析。出版、とりわけ「人文書」の現在と未来を考えるとき、指針の役割を果たす優れた〈出版・メディア論〉の「人文書」。 |
【7】 | 松岡正剛千夜千冊 | |
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松岡正剛 2006/10 (求龍堂) 標準価格:税込\99,750 ISBN:9784763006424 |
★アクセス180万を超えた超人気ウェブ、徹底推敲をえて、ついに全集の壮観となる。 古今東西の広大無辺な知を結ぶウェブ発ブックアーカイブを、著者自身が再編集。全面加筆により圧倒的な完成度を極め「本の美」とともに全集として完全書籍化。今、新たな知の体系が立ち上がる。 各巻1,300頁の全7巻+特別巻、総登場人物25,000人。知の放埓をほしいままに耽読する集大成。 |
3.日本社会の現在/可能性としての“教養”の在り処 |
【1】 | 若者の労働と生活世界―彼らはどんな現実を生きているか | |
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本田由紀【編】 2007/05 (大月書店) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784272350254 |
★“変わった”のは若者か、それとも社会か? 混迷する社会に生を模索する若者たち。それぞれの「現場」から見える実像とは? いま最も注目される社会学者・本田由紀のもとに気鋭の研究者が結集。実証的なフィールドワークと最先端の理論によって同世代の生きる現実と日本社会の矛盾が明らかになる。つくられる「若者」像に抗して、若き研究者たちの手で編まれた画期的論集。 |
【2】 | ネオリベラリズムの精神分析―なぜ伝統や文化が求められるのか (光文社新書) | |
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樫村愛子【著】 2007/08 (光文社) 標準価格:税込\935 ISBN:9784334034153 |
★市場至上主義、雇用の流動化、社会保障の縮小、ワーキングプア、格差、貧困、自己責任社会――。グローバル化経済のもと、多くの人々の生活が不安定化(プレカリテ)していくなかで、どのように個人のアイデンティティを保ち、社会を維持していけばいいのか? 「今、進行している透明性や形式合理性の幻想のもとで破壊されている、個々人の固有性や複雑性、それに伴う人々の自由や創造性や豊かさ、それを保証する人々の想像性とそのベースとなる人々の信頼を確保していくことが文化の中身である。」(第六章 文化の役割 より) |
【3】 | 幸福論―“共生”の不可能と不可避について (NHKブックス) | |
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宮台真司 / 鈴木弘輝 / 堀内進之介【著】 2007/03 (日本放送出版協会) 標準価格:税込\1,218 ISBN:9784140910818 |
★いま「幸福な社会」とはどのようなものか? 格差社会をどう捉える? 望ましい教育システムとは? 安全・安心を支えていたシステムが崩壊し、社会の不透明性が増すなか、多様な価値観の共生を可能にする社会制度のあり方をめぐって、世代の異なる三人の社会学者が徹底討論。人文科学の粋を集めた迫力ある鼎談。 |
【4】 | 「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ | |
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小宮山宏【著】 2007/09 (中央公論新社) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784120038648 |
★環境、資源、医療、教育問題など日本の課題はまもなく世界の課題になる。日本は独力でこれらの課題を解決したとき、新産業が起こり、繁栄する真の先進国になる。現役東大総長の語るオプティミスティックな新国家像。 |
4.書物復権・新宿セミナー 『大学の<知>、街の<知>』 ★無料ご招待!★ |
11月10日(土)の新宿セミナー@Kinokuniya「書物復権2007」〜今、教養の場はどこにある? 第2回 『大学の<知>、街の<知>』に、Kinokuniya e-Alert会員の皆様(先着50名まで)を無料ご招待させて頂きます! 当メールをプリントアウトしてご持参いただき(1ページめのみで結構です)、受付でお見せください。 ※ご招待は、このメールを受け取られたご本人1名様に限らせて頂きます。 ◆新宿セミナー@Kinokuniya「書物復権2007」 今、教養の場はどこにある? 第2回 『大学の<知>、街の<知>』 【講師】佐藤良明×坪内祐三×管啓次郎 日時 :11月10日(土) 13:30開演(14:00開場) 会場 :新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店 新宿本店4F) http://www.kinokuniya.co.jp/01f/event/shinjukuseminar.htm#seminar_fukken_02 (料金 :通常1000円のところを無料) 主催 :「書物復権」8社の会 予約 :紀伊國屋ホール 03-3354-0141(受付時間 10:00〜18:30) ◇「書物復権」とは? 書物と読者との出会いには長い時間が必要です。「書物復権」参加出版社は、その出会いを守るための共同事業として、品切書をよみがえらせるための「共同復刊」やマンスリーセミナーなど、さまざまな活動を続けています。 「書物復権」8社の会:岩波書店/紀伊國屋書店/勁草書房/新曜社/東京大学出版会/白水社/法政大学出版局/みすず書房/未來社 ご来場、お待ち申し上げます。 ≪講師の方々の著作の一端をご案内いたします≫ |
【1】 | これが東大の授業ですか。 | |
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佐藤良明 2004/09 (研究社) 標準価格:税込\1,785 ISBN:9784327410636 |
★「佐藤君」は、「柴田君」たちと、東大の1年生全員が受講する英語の授業を企画した。教科書をつくり、ビデオもつくり、毎回の運営に智慧を絞った。彩り豊かな「教養英語」の出現に学生たちもオーと応えた……。1990年代の駒場キャンパスに起こった「珍事」を記録し、全国の英語教師の士気高揚を謀る、電撃のメモワール。 |
【2】 | 四百字十一枚 | |
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坪内祐三【著】 2007/09 (みすず書房) 標準価格:税込\2,730 ISBN:9784622073253 |
★坪内祐三の書評は本屋の世界と連動している。東京の新刊書店だけでなく、古書店や古書展での偶然の(いや必然的な)本との出会いが、著者の「反応」を引き起こし歴史感覚を刺激する。そこにあるのは、のっぺらぼうの現在ではなく、襞に満ちたリアルな人間の世界である。変貌する都会と書店からの、同時代批評。 |
【3】 | オムニフォン―“世界の響き”の詩学 | |
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管啓次郎【著】 2005/02 (岩波書店) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784000223829 |
★グローバル化の中で言語や文化を越境し、胎動しつつある新たな知の姿。著者はこれをオムニフォン(オムニ=多 フォン=響)と呼び、アメリカ、カリブ、ブラジル、東アジアなど、文化的混交の現場から近代の知や歴史を問い直す。多文化状況におけるコミュニケーションの可能性を問い、新たな世界像を構想する。 |
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