| 【モダン書店誕生!−紀伊國屋創業80周年、「はじまり」の風景を読む】 (No.147 2007. 9.11配信号) |
紀伊國屋書店は、本年、おかげ様で創業80周年を迎えました。 1927(昭和2)年、世はまさにモダニズムと大衆化の時代を迎えていました。 関東大震災後、急速に発展を遂げた新宿は、この年から、小田原急行の新宿〜小田原間の開通もあり、日本一の乗降客数を誇るターミナル駅となります。 慶應義塾専門部を卒業してすぐ、弱冠22歳で憧れの書店を開いた田辺茂一は、「書店は街頭の大学である」という理念を掲げ、店内に画廊・講堂を併設し、自ら作家として前衛的な文芸活動に携わるなど、新しい時代を演出しました。 「昭和初期の紀伊國屋書店の面白さは、そこが都市に仕掛けられた装置のように新しい息吹を発信・受信し、そうしたなかで人と人が様々に繋がっていく、そうした広がりだ。」(内堀弘『石神井書林日録』62頁) 当時の紀伊國屋書店は、小なりと雖も、新しい息吹、つもりモダンということを体現する場であり、明日の芸術・思想を目指す人々が集ったサロンでした。やがて様々な試行も泥沼の戦争に進む世相の中で挫折を強いられ、店は空襲で灰燼に帰したものの、廃墟に立ち尽くす田辺茂一に復興の決意を促したのは、戦地でも紀伊國屋の話題がよく上ったのに惜しいという復員兵の言葉でした。 創業の精神あればこその80年です。そこで、原点に立ち返る、この特集です。 もちろん、一つの「はじまり」は、多種多様な同時代現象と相互に絡み合って生起するものです。そして、この一九二〇年代という時代は、新しい息吹が、同時多発的に発信・受信されていて、「はじまり」の予感に満ちていました。 しかし、今日に似る近代的な都市生活が完成し、モボ・モガが闊歩する一方、この時代が抱えていた諸矛盾も、驚くほど今日の世相と通じる点があります。現在ノスタルジーが支配的ですが、それをポジティヴに転じることができるかどうかは、現在の息吹を発信・受信する私たちの態度にかかっているのです。 |
1.「はじまり」の風景 |
【1】 | 新宿文化絵図 重ね地図付き新宿まち歩きガイド | |
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東京都新宿区 2007/03 (新宿区地域文化部文化国際課) 標準価格:税込\1,260 ISBN:9784902272048 |
★芸術・文化界の多くの人びとが集った新宿区の歴史を、この一冊に凝縮。 著名作家たちが執筆している第二部「新宿万華鏡」では、紀伊國屋書店と同じ1927年の生まれである作家、童門冬二さんが綴る「新宿立志伝」で、田辺茂一と新宿中村屋の相馬愛蔵・黒光夫妻の文化性が対比されている。 |
【2】 | コレクション・モダン都市文化(全20巻) | |
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和田博文 (ゆまに書房) 標準価格:税込\378,000 ISBN:9784843315248 |
★各巻分売もございます 税込\18,900 ⇒詳細はコチラ http://www.yumani.co.jp/detail.php?docid=253 ★ダンスホール、カフェ、モダンガール、レビュー、デパート・・・多面的な視点から、モダン都市文化の魅力を把握できる画期的な叢書。一九二〇年代〜一九三〇年代の文学・美術・映画・演劇・経済・商業・建築・交通・スポーツ・ファッションなどに関する稀覯基本文献を集めた。豊富なオリジナル図版(カラーも含む)。詳細な年表を付す。 |
【3】 | コレクション・モダン都市文化第2期(全5巻) 第1回配本 | |
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和田博文 2006/12 (ゆまに書房) 標準価格:税込\94,500 ISBN:9784843321171 |
コレクション・モダン都市文化第2期(全5巻) 第2回配本 | ||
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和田博文 2007/06 (ゆまに書房) 標準価格:税込\94,500 ISBN:9784843321188 |
★各巻分売もございます 税込\18,900 ⇒詳細はコチラ http://www.yumani.co.jp/detail.php?docid=311 ★第37巻は、『紀伊國屋書店と新宿』です(2008/06刊行予定)。 『紀伊國屋月報』『レツェンゾ』の雑誌掲載記事などを収録。 ★他の巻も、斎藤秀雄『蒼ざめた童貞狂』(1926、長隆舎書店)、山六郎・山名文夫『女性のカツト』(1928、プラトン社)など、出版史に残るタイトルを含んでいます。本コレクションの完結に是非ご期待ください。 ★未刊書の予約注文ならびに全巻継続注文も承ります。BookWebPro「モダン都市文化」で検索・オーダー頂くか、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局までご連絡ください。 |
★ハミ出し情報★ 創立当初の紀伊國屋書店については、古書肆 石神井書林店主・内堀弘さんが小社PR誌「スクリプタ」(季刊/1・4・7・10月発行)に連載中のエッセイ「予感の本棚―戦前の紀伊國屋書店」が興趣尽きない読み物となっています。 是非ご一読を。 「スクリプタ」は、店頭にて最新号を無料配布しております。 http://www.kinokuniya.co.jp/02f/d05/scripta/ |
【4】 | 石神井書林 日録 | |
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内堀弘【著】 2001/10 (晶文社) 標準価格:税込\2,100 ISBN:9784794965080 |
★近代詩誌の充実した目録で知られる一古書店の日常をユーモラスに綴る。随所で、田辺茂一とその周辺の人脈・文化運動への関心が語られている。 |
【5】 | 今和次郎―その考現学 (ちくま学芸文庫) | |
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川添登【著】 2004/05 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,365 ISBN:9784480088604 |
★異能の建築学者、今和次郎が震災復興に向かう東京の現在の観察を契機に始めた「考現学」は、開店間もない紀伊國屋書店内のギャラリーで催した展示会で世に知られることになった。 |
【6】 | 新版大東京案内〈上〉 (ちくま学芸文庫) | |
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今和次郎【編】 2001/10 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,050 ISBN:9784480086716 |
新版大東京案内〈下〉 (ちくま学芸文庫) | ||
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今和次郎【編】 2001/11 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,260 ISBN:9784480086723 |
★関東大震災から復興なった昭和4年の東京を活写する貴重な同時代案内。 上巻の「盛り場」では、新興の新宿も頁を割かれている。 下巻では、「東京の郊外」が取り上げられる。いわく「いわゆる「郊外」を除いては「東京」は「東京」の内容を持たなくなる。」 |
【7】 | 新宿中村屋 相馬黒光 | |
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宇佐美承【著】 1997/10 (集英社) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784087742893 |
★新宿文化といえば、中村屋のサロンに集った人々の群像も見逃せない。そして、その中心には、常に、店主相馬愛蔵夫人・黒光の姿があった。明治初年生まれ、恋多く、たくましく生きた女性の80年の生涯を描く。 |
【8】 | 中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義 | |
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中島岳志【著】 2005/04 (白水社) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784560027783 |
★日本に亡命し、新宿中村屋に匿われたインドの革命家R.B.ボースは、インド式カリーを伝授し、相馬愛蔵・黒光夫妻の娘と結婚もしている。 大アジア主義に共鳴するボースは、東條内閣の支援を受けて、独立革命に邁進するが、1945年の日本で非業の死を遂げる。1975年生まれの著者が、日本とアジアの屈折したナショナリズムの時代相を描き切った、大力作。 |
【9】 | ジャズで踊ってリキュルで更けて―昭和不良伝 西条八十 | |
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斎藤憐【著】 2004/10 (岩波書店) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784000234047 |
★洋行帰りの早稲田仏文科教授にして抒情詩人が、流行り歌の作詞で儲けて株で大損。一人の人物に同居した、この振幅の大きさは、何だったのか。 唄を忘れたカナリアが、歌い続けて二千曲。名もなき人々の哀感を歌い、時代とともに泣いた、「唄の伝記」―昭和への鎮魂歌。 なお、昭和4年の「東京行進曲」のあまりにも有名な一節「いっそ小田急で逃げましょか」誕生秘話を、東條自らが親交のあった田辺茂一に語ったというエピソードが田辺の『わが町・新宿』から引かれている(92頁)。 |
【10】 | 西條八十全集〈第17巻〉随想・雑纂 | |
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西條八十【著】 2007/03 (国書刊行会) 標準価格:税込\8,925 ISBN:9784336033178 |
★西條八十生誕100年(1992年)記念出版である初の本格的全集の最新巻。 『唄の自叙伝』『私の履歴書』など、数々の名曲が彩る、西條八十の人生にまつわる名随筆をはじめ、学生時代の日記、家族宛の書簡などを収録。 |
【11】 | 外骨みたいに生きてみたい―反骨にして楽天なり | |
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砂古口早苗【著】 2007/03 (現代書館) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784768469477 |
★慶応三年生まれで生涯反骨を貫いたジャーナリスト宮武外骨は、1927年、還暦にして、東大法学部に創設成った明治新聞雑誌文庫事務主任として、初めての勤め人生活に入る。雑誌作りにも意欲を燃やし続け、1929年に、1970年代の同名誌の範となった『面白半分』を刊行している。 本書は、外骨ワールドへの愉しい道先案内である。佐野眞一氏評にいわく「どのページからも“過激にして愛嬌あり”の宮武外骨が、傍迷惑だが好ましい隣人のように立ちあがってくる。」他、各紙書評で絶賛。 なお、『滑稽新聞』助筆者「何尾幽蘭」として活躍し、生涯外骨と親交のあった弟子・三好米吉(大阪で与謝野晶子の助言で有名作家の短冊を商う画廊「柳屋」を始めて成功し、自らサロン的な目録雑誌を刊行)の関西圏モダニズムの豊かさを示す挿話も詳しく、同時代現象として興味深い。 |
【12】 | メトロ誕生 地下鉄を拓いた早川徳次と五島慶太の攻防 | |
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中村建治 2007/07 (交通新聞社) 標準価格:税込\1,890 ISBN:9784330936079 |
★日本で最初の地下鉄は、1927年12月、東京の浅草〜上野間で開業する。 地下鉄誕生80周年を記念する本書は、日本初の地下鉄誕生、並びに現在の銀座線の開業に深く携わった二人の鉄道人、「地下鉄の父」と呼ばれる、早川徳次と、かつての東急王国を築き「電鉄王」とも呼ばれる五島慶太を主人公とする、史実に基づいた興趣尽きないビジネスドラマ。 |
【13】 | 同潤会に学べ―住まいの思想とそのデザイン | |
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内田青蔵【著】 2004/01 ((松戸)王国社) 標準価格:税込\1,995 ISBN:9784860730185 |
★関東大震災後、1924年に発足した同潤会は、都市生活者のための新しい住まいを提案し、1927年、青山、代官山、渋谷で入居者募集を始める。 今やその姿は永久に失われたが、同潤会の時代をリードした多様な試みは現在も多くの示唆に富む。長い間保存・再生に取り組んできた著者が万感の意を込めて綴る。 |
【14】 | 写真集 幻景の東京―大正・昭和の街と住い | |
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藤森照信 / 初田亨 / 藤岡洋保【編著】 1998/06 (柏書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784760116522 |
★失われた大正・昭和初期の都市風景を蘇らす大判写真集。近代建築史上、第一級の資料として評価の高い『建築写真類聚』を再編集した普及版。 188頁「書店」にて、当時の丸善、紀伊國屋、三省堂の店構えが偲べる。 |
【15】 | 監督 山中貞雄 | |
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千葉伸夫【編】 1998/10 (実業之日本社) 標準価格:税込\9,975 ISBN:9784408102863 |
★1927年、京都一商を卒業した18歳の山中貞雄は映画を志して、マキノプロの門を敲く。卒業論文は「商品としての活動寫眞」であった。監督昇進後僅か五年のうちに遺作『人情紙風船』など映画史に残る傑作を撮り続け、あの小津安二郎も一目置いた偉才は、それから僅か11年後、29歳を目前に日中戦争の戦地から二度と帰らない運命にあった。「戦争が若くして奪い去った最も痛嘆に値する天才の一人」(山田風太郎『人間臨終図巻』)。 本書は日本映画の黄金時代を駆け抜けた「山中貞雄」という現象について同時代人たちがものした発言の数々を集成した一大クロノロジーである。 |
2.何がモダンだったのか |
【1】 | モダン都市東京―日本の一九二〇年代 (中公文庫) | |
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海野弘【著】 2007/05 (中央公論新社) 標準価格:税込\1,300 ISBN:9784122048607 |
★四半世紀前の名著が、文庫で復活。 ヨーロッパのアールヌーボー、アールデコを追いかけてきた著者は、「大正・昭和」では捉えきれない「日本の一九二〇年代」を発見する。 同時代の文学作品を手がかりにして、その場所を自ら歩きながら、生活者が蠢き出すモダン都市の臨場感を描きだした手際は見事である。 |
【2】 | モダンという時代 (《思想・多島海》シリ−ズ) 宗教と経済 | |
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竹田純郎 2007/01 (法政大学出版局) 標準価格:税込\2,835 ISBN:9784588100086 |
★大正後期〜昭和初期、文明批評を中心に活躍した土田杏村は、農民運動や農村問題に目を向け、産業自治組織を提唱して信濃自由大学の設立・運営を支え、近代建築を学び、口語自由詩の運動にも関わった。内村鑑三、北一輝、吉野作造、山村暮鳥、ル・コルビュジェらをも論じ、モダンを生み動かした宗教と経済の論理、モダニズムのアンヴィバレンツを照射する。 |
【3】 | モダニズムのニッポン (角川選書) | |
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橋爪紳也【著】 2006/06 (角川学芸出版;角川書店) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784047033955 |
★生活文化の転換期であった大正・昭和初期、大量に流通した、カタログやチラシ、パンフレット、絵葉書などの雑資料。これらを有名人の記録とは一味異なる、市井の人々の日常に入り込んだ「紙屑のモダニズム」として読み解く、興趣尽きない読み物。 |
【4】 | 感覚の近代―声・身体・表象 | |
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坪井秀人【著】 2006/02 ((名古屋)名古屋大学出版会) 標準価格:税込\5,670 ISBN:9784815805333 |
★公と私のあわいに浮かびあがる<感覚>という問題系をとらえ、眼差す・触れる・嗅ぐことから歌い踊る身体まで、日本の近代化のなかで変容していく感覚表象を通じて、文学・映画・写真・歌謡・舞踊など、様々な芸術ジャンルを、文化的=政冶的文脈に再配置しつつ横断的に読み解く新たな批評の実践。 |
【5】 | 写真でよむ昭和モダンの風景―1935年‐1940年 | |
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津金澤聰廣【監修】 2006/05 (柏書房) 標準価格:税込\15,750 ISBN:9784760129140 |
★昭和前期の上流階級。その秘められた生活が詳細にわかる写真が満載。華族・政治家・財閥・実業家・高級将校・大学教授らの家族をはじめ、住宅・書斎・趣味・服飾・美容・玩具まで、およそ900点の写真にて、当時のセレブを髣髴とさせる。皇族の写真も収録。 |
【6】 | 消えたモダン東京 (らんぷの本) | |
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内田青蔵【著】 2002/02 (河出書房新社) 標準価格:税込\1,470 ISBN:9784309727158 |
★モボ・モガが銀ブラを楽しんだ、大正末期から昭和初期―まったく新しいライフスタイル、モダンな住宅が誕生した。赤瓦の屋根・白い壁― 谷崎潤一郎『痴人の愛』の主人公ナオミとジョージがあこがれ、暮らした「文化住宅」は、どのように生まれ、受容されていったのか。全頁図版。 |
【7】 | 年表 近代日本の身装文化 | |
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高橋晴子【著】 2007/04 (三元社) 標準価格:税込\7,770 ISBN:9784883031894 |
★明治元年から昭和二〇年を対象に、「身装=身体と装い」にまつわる新聞記事などの膨大な同時代資料で編まれた、新しい発想の資料、身装年表。 近代化の過程における身装を、生活シーンの実況のなかで観察し、そこに身装の実際を成り立たせる物的、社会的環境の推移など広域な周縁資料をも加味することによって、時代時代に生きる人々の「身装」を再現。 |
【8】 | 昭和のキモノ (らんぷの本) | |
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小泉和子【編】 2006/05 (河出書房新社) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784309727523 |
★昭和初年は「モボ・モガ」の時代といっても、洋装はまだ少数派であり、圧倒的大多数の日本人は和装で通していた。そんな中、活動的ではないとされていた和服にも多様化が進んでいた。本書は、和服が終焉する以前の豊かな装いの文化を、多数の図版で示している。 |
【9】 | モダン古書案内―昭和カルチャーの万華鏡「古くて新しい」本のたのしみ (MARBLE BOOKS) (改訂版) | |
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2005/05 (マーブルトロン) 標準価格:税込\1,470 ISBN:9784123900966 |
★気になる「昭和モダン」に触れる本たち大集合!愛にあふれた話題の書、大好評につき、新装改訂版となって登場!便利な東京・京都古書街マップと最新オンライン古書店ガイドが付いてさらに便利になった。 |
3.モダニズムと大衆化の時代の出版・印刷文化 |
【1】 | モダニズム出版社の光芒―プラトン社の1920年代 | |
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小野高裕 / 西村美香 / 明尾圭造【共著】 2000/06 ((京都)淡交社) 標準価格:税込\3,675 ISBN:9784473017543 |
★大阪の化粧品会社が始めた先駆的なメセナ活動ともいえるプラトン社は、『女性』『苦楽』といった新鮮な雑誌を世に送り出し、一時は文壇丸抱えともいえる錚々たる執筆陣を擁して、出版文化にたしかな刻印を残すが、円本ブームの中、1927年に退場を余儀なくされる。デザイン界に名を残す山名文夫を輩出するなど、その多彩な光芒を多面的に捉える決定的書物。 |
【2】 | 南天堂―松岡虎王麿の大正・昭和 | |
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寺島珠雄【著】 1999/09 (皓星社) 標準価格:税込\3,675 ISBN:9784774402680 |
★1920年代、一階を本屋、二階を喫茶室として、異彩を放つサロン空間が、東京・白山に存在した!南天堂の二階に集った多彩なアナ・ダダ文士らとその時代を点綴しつつ、一代の経営者・松岡虎王麿の謎多き生涯に迫った、著者渾身の遺作。 |
【3】 | ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム (復刻版) | |
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2007/07 (不二出版) 標準価格:税込\31,500 ISBN:9784835060859 |
★伝説のアヴァンギャルド誌『G・G・P・G』が遂に復活!築地小劇場が開場したその日に、若き詩人たち、野川隆、橋本健吉(北園克衛)、玉村善之助らが、「既成文壇への挑戦」を掲げて創刊。 第1年第1集(1924年6月)〜第3年第1号(1926年1月)収録。 解説:梅宮弘光、五十殿利治、澤正宏、西田勝。 原本提供は、山越邦彦研究会・多摩美術大学図書館 北園克衛文庫。 ※カタログ・詳細のご請求は、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局まで。 |
【4】 | ポスターの社会史―大原社研コレクション (法政大学大原社会問題研究所叢書) | |
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法政大学大原社会問題研究所【編】 / 梅田俊英【著】 2001/10 (ひつじ書房) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784894761483 |
★戦災を免れて大原社研に残された、大正初期からの貴重なコレクションを全公開。小劇場運動から選挙ポスターまで、衛生標語から労働運動まで、当時のポスターは、力強い原色の表現とモダニズムの脈動に溢れている。 |
【5】 | 大正レトロ・昭和モダン 広告ポスターの世界―印刷技術と広告表現の精華 | |
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姫路市立美術館 / 凸版印刷印刷博物館【編】 2007/07 (国書刊行会) 標準価格:税込\3,150 ISBN:9784336048356 |
★美人画の乱舞、奇抜なるデザイン、目をみはる印刷技術の饗宴― 印刷と広告、2つの視点から日本近代のポスター文化を紹介する画期的ヴィジュアル・ブック。原色図版160点あまりを満載。 |
【6】 | 『キング』の時代 国民大衆雑誌の公共性 | |
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佐藤卓己 2002/09 (岩波書店) 標準価格:税込\4,200 ISBN:9784000225175 |
★大正末期、大日本雄弁会講談社が徹底的に万人向けを目指して投入、日本初の百万部を達成し、「雑誌の黄金時代」を築いた伝説的雑誌『キング』―この熱狂的な支持を受けた「国民大衆雑誌」の意味を、それが実現した公共性の視座から近代史に位置づけ直し解明。参加=動員のメディア史。 |
4.文学が輝いていた |
【1】 | 林芙美子の昭和 | |
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川本三郎【著】 2003/01 (新書館) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784403210822 |
★毎日出版賞/桑原武夫学芸賞受賞作。 大正から昭和初期にかけて、カフェーの女給などしながら各地を放浪した林芙美子は、今日の新宿駅南口付近でも最低の木賃宿生活を送っていた。 『放浪記』で一躍人気作家となった後も、「東京市外」をフィールドに、書き続ける芙美子の姿を通して、東京の空の下、力強く自立する女の姿をしなやかに描き出す好著。 |
【2】 | 林芙美子随筆集 (岩波文庫) | |
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林芙美子【著】 / 武藤康史【編】 2003/02 (岩波書店) 標準価格:税込\588 ISBN:9784003116913 |
★生活派の林芙美子の面目が表れた随筆集成。中でも「落合町山川記」は、近所に住んでいた先輩作家、尾崎翠らとの交遊を綴る、新宿文学の名作。 |
【3】 | 尾崎翠集成〈上〉 (ちくま文庫) 第七官界彷徨;「第七官界彷徨」の構図その他;歩行;こおろぎ嬢;地下室アントンの一夜;香りから呼ぶ幻覚;或る伯林児の話;初恋;山村氏の鼻;詩人の靴;匂い―嗜好帳の二三ペエジ;捧ぐる言葉―嗜好帳の二三ペエジ;木犀;漫漕;途上にて;神々に捧ぐる詩;チヤアリイ・チャツプリン ヰリアム・シヤアプ;書簡;座談「炉辺雑話」より;女流詩人・作家座談会 | |
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尾崎翠【著】 / 中野翠【編】 2002/10 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,050 ISBN:9784480037916 |
尾崎翠集成〈下〉 (ちくま文庫) 青いくし;あさ;悲しみの頃;悲しみを求める心;無風帯から;花束;詩「嵐の夜空」;空気草履;露の珠;頚飾をたずねて;少女(おとめ)ララよ―伝奇物語;「琉璃玉の耳輪」;琉璃玉の耳輪;アップルパイの午後;映画漫想1〜6;「蒼馬を見たり」評;杖と帽子の偏執者;新秋名果;春の短文集;大田洋子と私 | ||
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尾崎翠【著】 / 中野翠【編】 2002/12 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,050 ISBN:9784480037923 |
★大正・昭和初期、一瞬の閃光を残して消えていった、女流作家・尾崎翠。『第七官界彷徨』に続いて、昨年、『こおろぎ嬢』が映画化されている。(原作は、「歩行」「こおろぎ嬢」「地下室アントンの夜」の三作」。)映画好きであった翠の評論「映画漫想」も、瑞々しい感覚に溢れている。 |
【4】 | 尾崎翠論―尾崎翠の戦略としての「妹」について | |
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塚本靖代【著】 2006/10 (近代文芸社) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784773374179 |
★2002年に30歳で病没した著者の学習院大大学院における研究論文を刊行。家父長制下の<妹の戦略>というキーワードで、従来の翠像を一新する。 |
【5】 | 都市文学と少女たち―尾崎翠・金子みすゞ・林芙美子を歩く (叢書レスプリ・ヌウボオ) | |
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寺田操【著】 2004/06 ((京都)白地社) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784893591012 |
★目次から:第1章 海辺の妖精たち(尾崎翠・金子みすゞ・林芙美子を歩く;浜の匂い・古里の風)/第2章 都市文学と少女たち(雑誌メディアの時代;移動する少女たち;都市を描く伝奇ミステリー ほか)/第3章 ケルト文学とポエジー(文学史から振りおとされた詩人;金子みすゞと海の揺籃;尾崎翠と少女感覚 ほか) |
【6】 | 文藝ガーリッシュ―素敵な本に選ばれたくて。 | |
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千野帽子【著】 2006/10 (河出書房新社) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784309017853 |
★心に毒を持つ永遠の文學少女のための、とっておきの、(辛口)スイート読書案内。必須コース(?)、尾崎翠から、獅子文六まで、昭和モダンのエスプリもたっぷり。 |
【7】 | 大衆の登場 (文学史を読みかえる) ヒ−ロ−と読者の20〜30年代 | |
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池田浩士 1998/01 (インパクト出版会) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784755400728 |
★このほど完結した刺激的なシリーズ「文学史を読みかえる」第2巻では、「大衆」の登場をキーワードに大正・昭和初期の文学シーンを読み解く。 平井玄・伊藤公雄・柏木博・和田忠彦・西川浩樹・崎山政毅・杉野要吉・奥田暁子・北里義之・木田献一・吉川麻里・田村都・田村修一・山口直孝・安野一之・櫻本富雄・江刺昭子・竹松良明・黒田大河・田浪亜央江、他 |
【8】 | 乱歩と東京 (ちくま学芸文庫) | |
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松山巌【著】 1994/07 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,050 ISBN:9784480081445 |
★乱歩最盛期の1920年代は、東京の都市文化の成熟期でもある。大都市への予兆をはらんで刻々と変わる街の中で、人々はそれまでに経験しなかった感覚を穫得していった。乱歩の視線を方法に、変貌する東京を解読する。(解説:種村季弘) |
【9】 | 万太郎・松太郎・正太郎―東京生まれの文士たち | |
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大村彦次郎【著】 2007/07 (筑摩書房) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784480823601 |
★2007/8/19毎日新聞書評掲載(川本三郎・評)。 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20070819ddm015070165000c.html 久保田万太郎、川口松太郎、池波正太郎ほか多くの東京生まれの作家たちの処世のありかたを通して、東京人の気質や感性を詳細に描き出す好著。 |
【10】 | 「阿佐ヶ谷会」文学アルバム | |
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青柳いづみこ / 川本三郎【監修】 2007/08 (幻戯書房) 標準価格:税込\3,990 ISBN:9784901998253 |
★1927年、青柳瑞穂(青柳いづみこの父)が阿佐ヶ谷に、そして井伏鱒二が荻窪に、終の棲家を構えてから、中央線沿線に文士が続々と移り住んだ。 その結果として成立した「阿佐ケ谷会」は、戦後まで30年以上も続いた。本書は、井伏、太宰、上林らの錚々たる文士たちによる同時代の文章や、青柳いづみこ等、娘たちが父を語るインタビュー、川本三郎らの解説、文献目録などを収録し、文壇輝かしき時代の奥深い中央線文化を蘇らす。 |
5.メディア・ジャーナリズムの時代 |
【1】 | ラジオの時代―ラジオは茶の間の主役だった | |
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竹山昭子【著】 2002/07 ((京都)世界思想社) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784790709411 |
★日本モダニズム期に誕生したラジオの再検証。歴史の記憶をメディアという文化装置を通して見つめなおす。 |
【2】 | 徳川夢声と出会った | |
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浜田研吾【著】 2003/12 (晶文社) 標準価格:税込\2,100 ISBN:9784794966001 |
★新宿武蔵野館で弁士として鳴らした徳川無声は、1930年代、トーキー出現とともに廃業するものの、以後、演劇、映画、ラジオ、テレビとあらゆるメディアを股にかけて活躍した、元祖マルチタレントである。 本書は、1974年生まれの著者が、「雑の人」夢声を現代に蘇らせるべく、その実像に迫った感動のドキュメント。次著『脇役本』も、ぐっとくる。 |
【3】 | 路地裏の社会史―大阪毎日新聞記者・村嶋歸之の軌跡 | |
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木村和世【著】 2007/06 ((京都)昭和堂) 標準価格:税込\3,150 ISBN:9784812207468 |
★「貧困」と「社会悪」にあえぐ人々の姿を、「人生の報告者」として描き続けた天性のジャーナリスト―その誕生から死までの波乱にみちた足跡を厖大な資料調査でたどる渾身の書。 |
【4】 | カフェー考現学 (大正・昭和の風俗批評と社会探訪―村嶋帰之著作選集〈第1巻〉) | |
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津金沢聡広 / 土屋礼子【著】 2004/10 (柏書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784760126125 |
★当時流行のカフェーの実相を、実地探訪に統計データをも加味して実証的に解明した『歓楽の王宮 カフェー』(1929年)、『カフェー考現学』(1931年)などを収録。 |
盛り場と不良少年少女 (大正・昭和の風俗批評と社会探訪―村嶋帰之著作選集〈第2巻〉) | ||
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津金沢聡広 / 土屋礼子【著】 2004/10 (柏書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784760126132 |
★「盛り場の誘惑と陥穽」や「何が彼を不良児にしたか」などの諸論稿をはじめ、「顕微鏡的」犯罪社会学の先駆作とも評された『わが新開地』(1932年)も収録した。 |
大正・昭和の風俗批評と社会探訪 (労働者の生活と「サボタ−ジュ」) 村嶋歸之著作選集 第3巻 | ||
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村島帰之 / 津金沢聡広 2004/11 (柏書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784760126149 |
★日本最初のサボタージュ(同盟怠業)を主導した友愛会・関西同盟の理事でもあった村嶋の労働者と労働運動に取り組んだ著作の一部『生活不安』(1919年)、『サボタージュ』(1920年)などを収録。 |
売買春と女性 (大正・昭和の風俗批評と社会探訪―村嶋帰之著作選集〈第4巻〉) | ||
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津金沢聡広 / 土屋礼子【編】 2004/12 (柏書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784760126156 |
★「ルソーの懺悔録にも比すべき」(賀川豊彦)告白の書『歓楽の墓』(1925年)をはじめ、ブルジョワ社会の産物として生まれた売淫問題や裏社会に生きる女性たちについてのルポルタージュなどを収録。 |
大正・昭和の風俗批評と社会探訪 (新聞社会事業と人物評論) 村嶋歸之著作選集 第5巻 | ||
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村島帰之 / 津金沢聡広 2005/01 (柏書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784760126163 |
★新聞記者としての裏話や新聞社による社会福祉事業の諸側面、記者時代に出会った多くの社会事業家や作家たちの知られざる姿を論評した諸著作を収録。 |
★1920、1930年代に大阪、神戸、東京で記者時代を過ごした村山は、盛り場の繁栄の裏側で、社会問題化するスラム、下層労働者、女性売買、「不良少年少女」などを積極的に取り上げ、現場取材によるルポルタージュを精力的に発表している。 |
【5】 | 制度化される新聞記者―その学歴・採用・資格 | |
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河崎吉紀【著】 2006/07 (柏書房) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784760129645 |
★誇り高き大記者から有能なサラリーマンへ。 記者の高学歴化、試験採用制、自社養成制度の枠組みは、実は1920年代に整えられた。 本書は、こうした「サラリーマンとしてのジャーナリスト」成立過程を、出身地、出身校、給料など、膨大なデータによって描く。1974年生まれの著者の視点は、80年前の就職マニュアル世代の学生たちが、今日の大マスコミの原点である戦時体制下では中堅幹部である成り行きを鋭く捉える。 |
【6】 | 新聞 資本と経営の昭和史―朝日新聞筆政・緒方竹虎の苦悩 (朝日選書) | |
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今西光男【著】 2007/06 (朝日新聞社) 標準価格:税込\1,470 ISBN:9784022599247 |
★新聞は、いかにして権力の前に屈服していったのか―。 大正から昭和初めにかけての新聞黄金期に編集・経営の実権を握っていた「筆政」緒方竹虎。 関東大震災、満州事変、二・二六事件、ゾルゲ事件、そして、日米開戦…大事件のたびに、朝日新聞社は、右翼や東条軍閥の執拗な弾圧を受けた。同時に「資本と経営」をめぐる激しい社内抗争が噴出した。 苦闘する緒方の姿を通じて、今日のメディア界の自縄自縛状態にも通じる「権力と新聞」「大株主と経営者」という宿命的課題を徹底検証した著。 |
★ハミ出し情報★ ※溝口健二共同監督、幻の新聞宣伝映画がDVDで復活! 弊社映像情報部から発売中の『雪夫人絵図』の特典映像として、大阪朝日新聞のために製作された「朝日は輝く」(1929)を収録。炸裂するモダニズムの映像美が、近代産業としての新聞社の蠢きを伝える。 ご購入は下記から。 http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/95542 |
6.戦前期の日本を理解する |
【1】 | 戦前の日本を知っていますか?―しくみから読み解く昔の日本 | |
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百瀬孝【監修】 / 昭和研究グループ【著】 2007/03 (はまの出版) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784893614629 |
★百瀬孝の渾身の著作『事典昭和戦前期の日本』をわかりやすく絵解きし、広い読者層に戦前を知ってもらいたいと企画されたもの。 |
【2】 | 事典 昭和戦前期の日本―制度と実態 | |
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古瀬孝【著】 1990/02 (吉川弘文館) 標準価格:税込\6,510 ISBN:9784642036191 |
★本書は昭和戦前期日本の統治組織・議会制度・法制・軍事、行政機構などの実態を分りやすく体系的に記述し、当時の政治・社会を理解する上での基礎知識を提供する。近現代史研究者はもちろん、読書人にも必備。 |
【3】 | 「月給百円」のサラリーマン―戦前日本の「平和」な生活 (講談社現代新書) | |
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岩瀬彰【著】 2006/09 (講談社) 標準価格:税込\777 ISBN:9784061498587 |
★戦前日本の最盛期であり、まだ平和だった昭和ヒトケタの時代は、今日の世相を思わせる事象に事欠かない。この時代、大正バブルがはじけた後の就職難を背景に、大量の都市サラリーマンが誕生している。 著者は、向田邦子のドラマが描き出すようなノスタルジーにあふれた昭和初期の生活実感を掘り下げながら、平和と繁栄から、やがて穏やかな戦争容認にいたる時代のメンタリティーにも目を向ける。 |
【4】 | 日常生活の誕生―戦間期日本の文化変容 | |
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バーバラ・佐藤【編】 2007/06 (柏書房) 標準価格:税込\4,410 ISBN:9784760131266 |
★モダニズムの繁栄か、ファシズムの前夜か。 モダニティとセクシュアリティの矛盾を抱えながら社会全体が商品化されはじめる1920年代の文化的多面性を、近代日本の歴史的文脈のなかで捉えなおす。鈴木貞美、吉見俊哉など寄稿。 |
【5】 | 一九三〇年代のメディアと身体 (青弓社ライブラリー) | |
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吉見俊哉【編著】 2002/03 (青弓社) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784787231970 |
★1930年代のメディアと身体のありようについて「総力戦の思想」「宣伝の思想」「観光の思想」「メディアの思想」「口演の思想」「放送の思想」という6つのテーマに焦点をあてて、われわれ自身の経験や実践、社会的リアリティの変容を考察し、現在を歴史的・立体的に把握する手がかりを探り出す。 |
【6】 | 婦人家庭百科辞典〈上〉あ‐し (ちくま学芸文庫) | |
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三省堂百科辞書編集部【編】 2005/02 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,890 ISBN:9784480088987 |
婦人家庭百科辞典〈下〉す‐わ (ちくま学芸文庫) | ||
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三省堂百科辞書編集部【編】 2005/02 (筑摩書房) 標準価格:税込\1,890 ISBN:9784480088994 |
★戦前の百科事典ブームの中で、三省堂が満を持して刊行した、「備えよ!国旗とともに一家に一冊」の家庭用レファレンスを完全縮刷復刻。 微細にわたる生活知識や、映画などのニューメディアの解説、有名人の記述も充実した、戦前日本の常識を知るのに恰好の風俗辞典。図版多数。 |
【7】 | 東京下町1930 | |
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桑原甲子雄【著】 2006/11 (河出書房新社) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784309269290 |
★失われる1930年代、昭和戦前の記憶。 下谷、浅草、上野、京橋、荒川、麹町、日本橋…東京下町を歩き、時代をフィルムに焼き付けた伝説の写真家・桑原甲子雄の記念碑的作品の数々。 |
【8】 | 東京の下層社会 (ちくま学芸文庫) | |
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紀田順一郎【著】 2000/03 (筑摩書房) 標準価格:税込\998 ISBN:9784480085450 |
★駆け足の近代化と富国強兵を国是とする日本の近代は、必然的に社会経済的な弱者―極貧階層を生み出した。張りぼての繁栄の陰で、疎外されて、忘れ去られた都市の下層民たちの実態を探り、いまなお、日本人の意識の根底にある弱者への認識の未熟さと社会観のゆがみを焙り出す。 |
【9】 | 昭和恐慌―日本ファシズム前夜 (岩波現代文書) | |
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長幸男【著】 2001/07 (岩波書店) 標準価格:税込\1,155 ISBN:9784006030407 |
★世界恐慌下、1930年の金解禁=金本位制への復帰によって、日本は未曾有の経済危機に陥った。時の蔵相・井上準之助や高橋是清の財政金融思想と経済政策の選択をめぐる左右のイデオロギーの相剋を描き、日本がやがてファシズムへと転落しゆく過程を詳細に追究した本書は、現在を考える上でも示唆に富む。 |
7.最近の洋書に見る日本のモダニズム文化 |
※価格は9月時点のものです。為替レートの変動などにより変更されることがあります。 |
【1】 | 広告塔:1920年代日本のモダニズムと「近代」 Advertising Tower : Japanese Modernism and Modernity in the 1920s (Harvard East Asian Monographs) | |
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Gardner, William O. 2006/04 (Harvard Univ Pr) カード決済価格:税込\5,321 / 標準価格:税込\7,982 ISBN:9780674021297 |
★1925年12月のある日の新聞記事には、東京下町を1時間歩くうちに、25種ものチラシを受け取ったと報じる。西洋式の広告術が、あらゆる産業におしよせ、都市を塗りこめていく。 そうした東京の変容に対して、モダニスト詩人たちも反応する。著者は、中でも、『死刑宣告』で知られる萩原恭次郎と、『放浪記』の林芙美子の二人を対比的に取り上げる。 |
【2】 | エロ・グロ・ナンセンス:近代日本の大衆文化 Erotic Grotesque Nonsense : The Mass Culture of Japanese Modern Times (Asia Pacific Modern) | |
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Silverberg, Miriam 2007/04 (Univ of California Pr) カード決済価格:税込\6,189 / 標準価格:税込\9,283 ISBN:9780520222731 |
★タカシ・フジタニが編者を務める新シリーズ”Asia Pacific Modern”の一冊目。著者は1998年に平凡社から著書『中野重治とモダン・マルクス主義』が邦訳されているカリフォルニア大学ロサンゼルス校名誉教授(歴史学)のミリアム・シルババーグ。 メディアが全階級に行き渡ったこの時代の雰囲気を再現するために、著者は、映画雑誌、ホームレスの民族誌や大衆に普及した写真など幅広い資料を用いる。取り上げる文学作品も、川端康成『浅草紅団』はいうまでもなく、尾崎翠のマイナーな作品にも論及している。 謝辞に、鶴見俊輔、ノーマ・フィールドらの名が見える。 |
【3】 | 川端康成『浅草紅団』(英訳) The Scarlet Gang of Asakusa | |
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Kawabata, Yasunari / Freedman, Alisa / Richie, Donald / Saburo, Ota (ILT) 2005/04 (Univ of California Pr) カード決済価格:税込\2,348 / 標準価格:税込\3,522 ISBN:9780520241824 |
★1890年代のパリはモンマルトル、1940年代のニューヨークはタイムズスクエアに比せられる、1920年代の東京は浅草―戦前モダンへの最良の入門とされる、川端康成全作品中でも異色の新聞連載小説(1930年)初の英訳。太田三郎のオリジナル挿画入り。ドナルド・リチー解説。 |
【4】 | 添田唖蝉坊『唖蝉坊流生記』(英訳) A Life Adrift : Soeda Azembo, Popular Song, and Modern Mass Culture in Japan | |
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Azembo, Soeda / Lewis, Michael (TRN) / Lewis, Michael (INT) 2007/10 (Kegan Paul Intl) カード決済価格:税込\19,588 / 標準価格:税込\24,502 ISBN:9780710313379 |
★辻演歌師にして社会主義者。『生活戦線異常あり』などユーモアと皮肉のある歌で社会改良を唱える。「あきらめ節」などで人気を獲得した異色の人物の自伝を初英訳し、世界に紹介する。 |
【5】 | 湯浅克衛『カンナニ』植民地小説集(英訳) Kannani and Document of Flames : Two Japanese Colonial Novels | |
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Yuasa, Katsue / Driscoll, Mark W. (TRN) / Driscoll, Mark W. 2005/07 (Duke Univ Pr) カード決済価格:税込\3,249 / 標準価格:税込\4,079 ISBN:9780822335177 |
★近年再発見が進むプロレタリア作家が植民地朝鮮で書いた代表作の世界初紹介。 |
【6】 | 芥川龍之介短編集(英訳) Rashomon and Seventeen Other Stories (Penguin Classics) DELUXE Edition | |
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Akutagawa, Ryunosuke / Rubin, Jay (TRN) / Murakami, Haruki (INT) 2006/10 (Penguin Classics) カード決済価格:税込\1,670 / 標準価格:税込\2,788 ISBN:9780143039846 |
★1927年の夏の日、「漠然とした不安」を理由として自死した芥川龍之介。 本書は、村上春樹の英訳で知られるジェイ・ルービンが、世界文学の中のアクタガワという見地から、自ら作品を選定して英訳、村上春樹が序文を付したことでも話題になった。今年、新潮社から日本語版が刊行された。 |
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