| 【明治維新を考える ドーダの近代史】 (No.140 2007. 8.3配信号) |
明治維新は、日本国内だけでなくアジア・太平洋地域の国際秩序を一変させる画期となりました。しかし、それがどんな変革であったかは実は良く分かっていない、ともいわれています。武士階級の身分的自殺、原因のない大変革、「復古」による「開化」という矛盾。──今回のe-Alert Plus!では、旧くて新しい問題「明治維新」について、また「日本の近代」について、最近の刊行書を中心に25点を集めました。ご高覧の程、お願い申し上げます。 |
1.明治維新を考える |
【1】 | 明治維新を考える | |
---|---|---|
三谷博 2006/08 (有志舎) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784903426037 |
★原因が見当たらないにも関わらず、世界史的にも稀な巨大変動が生じた明治維新。そのメカニズムを複雑系理論を応用して理解する。「戦後日本史学のアウトサイダー」をもって任じる著者による、歴史理解の新しい地平! |
【2】 | Sakamoto Ryoma and the Meiji Restoration | |
---|---|---|
Jansen, Marius B. 1995/01 (Columbia Univ Pr) カード決済価格:税込\4,427 / 標準価格:税込\6,022 ISBN:9780231101738 |
★数多ある維新関係の歴史書から「一冊を推薦せよと言われたら、筆者はためらいなくジャンセンの本書をあげるだろう。これは高度の学問的著述であるが、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』と同じように読みやすく、知的な魅力ではるかに上回っている」(三谷博) |
【3】 | もうひとつの明治維新:幕末史の再検討 (大阪経済大学日本経済史研究所研究叢書) | |
---|---|---|
家近良樹 2006/10 (有志舎) 標準価格:税込\5,250 ISBN:9784903426051 |
★幕末史を考えるとき、薩長両藩を中心にすえ、討幕派と佐幕派の二項対立図式で描く時代は去った!薩長討幕派史観によって光が当てられなかった諸政治勢力をはじめて分析、新たな幕末維新史を構築する。 |
【4】 | 徳川後期の学問と政治:昌平坂学問所儒者と幕末外交変容 | |
---|---|---|
眞壁仁 2007/02 (名古屋大学出版会) 標準価格:税込\6,930 ISBN:9784815805593 |
★徳川後期、学問所儒者が外交の前線に立つ。学問所儒学の停滞したイメージを覆し、日本の外交変容期の姿を鮮明に描き出す。江戸後期思想史・政治史・外交史の大幅な書き換えを迫る画期的な成果! |
【5】 | 幕末維新の政治と天皇 | |
---|---|---|
高橋秀直 2007/02 (吉川弘文館) 標準価格:税込\12,600 ISBN:9784642037778 |
★近代日本国家はなぜ天皇を必要としたのか?条約勅許から王政復古へつながる政治過程を、天皇と「公議」をキーワードに解き明かす。幕末維新史の根本的な書き換えを迫る。 |
【6】 | 靖国史観:幕末維新という深淵 (ちくま新書) | |
---|---|---|
小島毅 2007/04 (筑摩書房) 標準価格:税込\714 ISBN:9784480063571 |
★司馬遼太郎を始め、誰もが明治維新を肯定的に語る。けれどもそれは内戦の勝者である薩長の立場による歴史観にすぎない。気鋭の歴史学者が「日本」の近代史観をラディカルに問い直す! |
【7】 | 幕末・維新 (岩波新書) | |
---|---|---|
井上勝生 2006/11 (岩波書店) 標準価格:税込\819 ISBN:9784004310426 |
★「屈服」したと言われてきた幕末外交を再評価し、それが成熟した伝統社会に基づくものであることを明らかにする。維新史を書き直す意欲作。 |
【8】 | 未完の明治維新 (ちくま新書) | |
---|---|---|
坂野潤治 2007/03 (筑摩書房) 標準価格:税込\777 ISBN:9784480063533 |
★維新の成就後、富国、外征、憲政、民撰議院の目標がせめぎあい、極度に不安定な国家運営を迫られることになった。「武士の革命」の意外な実像を描き出す。 |
【9】 | 近代天皇制への道程 (歴史文化セレクション) | |
---|---|---|
田中彰 2007/03 (吉川弘文館) 標準価格:税込\2,415 ISBN:9784642063074 |
★幕末動乱から新たな統一国家へ。それは近代天皇制創出の屈折した道程であった。明治国家形成の「内」と「外」へ視点をあてて、その錯雑したプロセスを分析する。 |
【10】 | 明治維新 (岩波現代文庫) | |
---|---|---|
遠山茂樹 2000/11 (岩波書店) 標準価格:税込\1,260 ISBN:9784006000325 |
★日本近代史研究の最初に繙くべき第一級の古典。「後世からの批判はたやすい。しかし、広汎な史料研究を基礎においた、大振りな思考の展開には、あらためて感銘を受けざるを得なかった」(三谷博) |
2.日本「近代化」の思想 |
【1】 | 東アジアの王権と思想 | |
---|---|---|
渡辺浩 1997/10 (東京大学出版会) 標準価格:税込\3,570 ISBN:9784130301138 |
★2007年6月、復刊。儀礼という「演劇装置」が徳川支配を正統化した。中国・朝鮮との近似と相違を探りながら、近世から近代へ転回する政治体制の思想を剔抉する。日本史用語の思想性も衝き,斬新なパースペクティブを提示する。 |
【2】 | 近代日本の国家構想 1871−1936 | |
---|---|---|
坂野潤治 1996/10 (岩波書店) 標準価格:税込\4,935 ISBN:9784000027571 |
★2007年6月、復刊。日本近代の政治家や思想家たちは,いかなる国家像を描き、いかに実現しようとしたか。廃藩置県から戦時体制成立までの政治史を、さまざまな政治体制構想の相剋の過程として描く。 |
【3】 | 日本近代技術の形成:〈伝統〉と〈近代〉のダイナミクス (朝日選書) | |
---|---|---|
中岡哲郎 2006/11 (朝日新聞社) 標準価格:税込\2,100 ISBN:9784022599094 |
★なぜ日本は、アジアや中南米諸国のように停滞と植民地化への道を歩まなかったのか。「近代技術の形成」という地球史的視点で、開港から近代国家勃興期の足取りをたどる。 |
【4】 | 技術と身体:日本「近代化」の思想 | |
---|---|---|
木岡伸夫 / 鈴木貞美 2006/03 (ミネルヴァ書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784623045341 |
★「近代化」とは何か?技術と身体はいかに関係するのか?日本の近代化過程における技術と身体の問題を読み解く。幕末開国から敗戦にいたる100年間の技術は、日本社会をどう変えたのか。 |
【5】 | 「国語」の近代史: 帝国日本と国語学者たち (中公新書) | |
---|---|---|
安田敏朗 2006/12 (中央公論新社) 標準価格:税込\924 ISBN:9784121018755 |
★国民統合の名の下に創始された「国語」。深く関与した国語学者たち。近代日本の国策に密接に寄り添った「国語」と国語学の軌跡を追う。 |
【6】 | 江戸時代の教育 | |
---|---|---|
ロナルド・フィリップ・ド−ア / 松居弘道 1996/10 (岩波書店) 標準価格:税込\3,465 ISBN:9784000001915 |
★2007年6月、復刊。日本の近代発展の上で教育の果たした役割は大きい。江戸時代の教育が近代社会成立の基盤を準備していく過程を綿密に追求した名著。 |
【7】 | 内務省の社会史 | |
---|---|---|
副田義也 2007/03 (東京大学出版会) 標準価格:税込\10,290 ISBN:9784130561006 |
★内務省の社会史あるいは歴史社会学。近代国家建設の栄光と悲惨を描く。 |
【8】 | 秩禄処分: 明治維新と武士のリストラ(中公新書) | |
---|---|---|
落合弘樹 1999/12 (中央公論新社) 標準価格:税込\693 ISBN:9784121015112 |
★秩禄処分は、学制・徴兵令・地租改正に匹敵する大改革だった。これによって武士身分は完全に消滅した。暴力手段を用いず、10年で改革をなしえた理由は、政治家が国家目標を示し、士族たちもその「志」を理解したからだった。 |
【9】 | 日本における近代国家の成立 (岩波文庫) | |
---|---|---|
E.ハ−バ−ト・ノ−マン / 大窪愿二 1997/09 (岩波書店) 標準価格:税込\903 ISBN:9784003343722 |
★日本史研究者ノーマン(1909-1957)の最初にして最も中心的な著作。日本の近代化、資本制創出のプロセスをあざやかな手際で分析・叙述する。 |
3.ドーダの近代史 |
【1】 | ド−ダの近代史 | |
---|---|---|
鹿島茂 2007/06 (朝日新聞社) 標準価格:税込\1,785 ISBN:9784022503022 |
★「ドーダ理論」は世界最強のグランド・セオリーだ!これさえあれば、文学から革命運動まで、人間のすべての活動を解明できる。水戸学から、西郷隆盛、中江兆民、頭山満。抱腹絶倒な近代通史の試み。 |
【2】 | 日本の200年 徳川時代から現代まで 上 | |
---|---|---|
アンドル−・ゴ−ドン / 森谷文昭 2006/10 (みすず書房) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784622072461 |
日本の200年 徳川時代から現代まで 下 | ||
---|---|---|
アンドル−・ゴ−ドン / 森谷文昭 2006/10 (みすず書房) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784622072478 |
★こういう日本史を待っていた!世界のどの国の人が読んでも「共通に理解できる」新しい近現代日本史。英語版に続いて、中国・韓国・スペイン語版も続々刊行。 |
【3】 | 男性史(1) 男たちの近代 | |
---|---|---|
阿部恒久 / 大日方純夫 2006/12 (日本経済評論社) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784818818842 |
男性史(2) (モダニズムから総力戦へ | ||
---|---|---|
阿部恒久 / 大日方純夫 2006/12 (日本経済評論社) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784818818859 |
男性史(3) 「男らしさ」の現代史 | ||
---|---|---|
阿部恒久 / 大日方純夫 2006/12 (日本経済評論社) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784818818866 |
★明治維新から現代までの男性歴史を、ジェンダーの視点を重視しながら叙述していくシリーズ全三巻。20世紀のジェンダー研究を通過した後にこそ可能となった「男性史」という新たな挑戦! |
【4】 | 近代による超克 戦間期日本の歴史・文化・共同体 上 | |
---|---|---|
ハリ−・ハルトゥ−ニアン / 梅森直之 2007/03 (岩波書店) 標準価格:税込\3,885 ISBN:9784000225571 |
近代による超克 戦間期日本の歴史・文化・共同体 下 | ||
---|---|---|
ハリ−・ハルトゥ−ニアン / 梅森直之 2007/06 (岩波書店) 標準価格:税込\3,885 ISBN:9784000225588 |
★戦時下の座談会「近代の超克」は何を語ろうとして何を語ってしまったのか。戦間期日本の激しい社会変容は知識人に衝撃を与え、文化的本来性をめぐる言説を大量に生み出した。「近代の超克」現象にまったく新しい光をあて、日本の近代思想史像を一変する衝撃の思想史。 |
【5】 | ナショナル・ヒストリ−を学び捨てる (歴史の描き方 第1巻) | |
---|---|---|
酒井直樹 2006/11 (東京大学出版会) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784130250160 |
★歴史学を歴史化する。私たちに「日本」「近代」像を提示しつづけてきた、これまでの歴史学を相対化し、あえて大胆に、近代「日本」像、あるいは反「日本」像を描き出すことを試みる。 |
戦後という地政学 (歴史の描き方 第2巻) | ||
---|---|---|
西川祐子 2006/11 (東京大学出版会) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784130250177 |
記憶が語りはじめる (歴史の描き方 第3巻) | ||
---|---|---|
冨山一郎 2006/12 (東京大学出版会) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784130250184 |
【6】 | 歴史で考える | |
---|---|---|
キャロル・グラック / 梅崎透 2007/02 (岩波書店) 標準価格:税込\5,040 ISBN:9784000025355 |
★日本社会は自らの過去をどのように想像してきたか。近代日本の歴史学や日本人の歴史的想像力のあり方をグローバルな比較のなかで検討、そこに近代を問い直す普遍的な空間を見出す。過去を使って未来のために考える。 |
◇ Kinokuniya e-Alert Plus!のバックナンバーはこちらから。 | ||
◇ Kinokuniya e-Alert Plus!は、e-Alertユーザへ配信しているメールサービスです。
Plus!メールの配信をご希望の方は、 Kinokuniya e-Alert のご利用登録をして下さい。 |
||
◇ 掲載書籍は、Plus!メール配信時点でお取り寄せが可能なものをセレクトしています。売れ行き状況により、
品切れやお届けに時間がかかる場合がありますので、恐れ入りますが、ご諒承ください。 |
||
【発 行】 【問合せ】 |
紀伊國屋書店 e-Alert事務局 e-mail:ealert@kinokuniya.co.jp ※ ご連絡の際に入力された個人情報はお問合せに対する回答以外には利用致しません。 |