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【「公共性」とは何だろうか】

(No.94 2007.1.23配信号)



「公」の一文字だと「滅私奉公」「権力」「強制」と何処かきな臭い連想が浮かぶのが、「共」を足しただけで何か とても透明でウェルカムなイメージに変わってしまう ―「公共性」という不可思議な概念。
単純明快で耳に心地よい言説が蔓延している現代日本社会、いつのまにか「公」が美しい衣装をまとって前面 に出てこようとしているように感じられないでもありません。個々人の多様性は?利害がぶつかったら?共有で きる普遍的な基準はあるのか? ―考えることを止めてキャッチコピーを鵜呑みにするか、答えの出ないやや こしい問題に各人が具体的にこだわり続けるのか...
「公共性」とは、「自由」とは、「正義」とは、今日どのようなものだと考えられるのでしょうか。粘り強い思考が幅 広く継続されていることも、また確かな事実ではあります。

Books
1.法哲学・政治思想から

【1】
公共性の法哲学

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井上達夫(編著)
2006/12 (ナカニシヤ出版)



標準価格:税込\3,675 ISBN:9784779501142



公共性言説がかくも繁茂している現状に対し、何か胡散臭い、何か危ないと感じる向きも少なくないだろう。・・・・ 人々が公共性概念の危険な操作可能性への警戒心を捨てて、自己の主張に高値をつける手軽で便利な手段を この概念に求めて群がる「知的バブル」がそこに潜んでいるのではないか。この懐疑から出発して、公共性概念 を「問題化」する共同研究を我々は企て、実行した。(「まえがき」より)

【2】
万民の法

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ロールズ,ジョン(著) 中山竜一(訳)
2006/07 (岩波書店)



標準価格:税込\3,465 ISBN:9784000244336



ロールズ晩年の主著。リベラルな社会もリベラルではないが良識ある社会も等しく参加できる、平和と正義に満 ちた国際社会―そのような「万国民衆の社会」はいかにして実現可能か。「公共的理性の観念・再考」を併載。

【3】
共和主義の法理論―公私分離から審議的デモクラシーへ

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大森秀臣
2006/06 (勁草書房)



標準価格:税込\4,095 ISBN:9784326101610



干渉されない自由がある。干渉する自由もある。私的なものと公的なものをどうやって結びつけるか?リベラル・ コミュニタリアン論争を解くカギは共和主義にある。

【4】
リベラリズムとは何か―ロールズと正義の論理

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盛山和夫
2006/06 (勁草書房)



標準価格:税込\3,465 ISBN:9784326653164



90年代以降、リベラリズムは社会を捉える枠組みとして最もよく機能してきた。しかしその思想の実質が正しく理 解されてきたとは言いがたい。リベラリズムとはいかなる思想であり、なぜ脚光を浴びたのか。何を達成し、何に 失敗しているのか。
ロールズ『正義論』の衝撃と魅力を解読しつつ、現代リベラリズムが直面する困難と限界を探る。

【5】
支配なき公共性 デリダ・灰・複数性

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梅木達郎
2005/10 (洛北出版)



標準価格:税込\2,730 ISBN:9784903127019



<存在の複数性>はどのように思考することができるのか? ―デリダ、アーレント、ハイデガー、ジュネ、ドゥギ ー、セリーヌたちとの対話を通じて、複数の他者たちが織りなす〈来るべき公共空間〉を切り開く。

【6】
公共哲学とはなんだろう―民主主義と市場の新しい見方

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桂木隆夫
2005/09 (勁草書房)



標準価格:税込\3,150 ISBN:9784326153831



民主主義と市場が支える自由社会をどう擁護するか。モラルサイエンスの立場から、生まれつつある「公共哲学」を体系化する入門書。

【7】
リバタリアニズム読本

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森村進(編著)
2005/03 (勁草書房)



標準価格:税込\2,940 ISBN:9784326101542



読者をさらなる読書にいざなうリバタリアン・ガイド。何よりも国家権力の制限を求める「自由の政治哲学」のキー ワードを整理するとともに、ロック、アイン・ランド、ノージックらの代表的著作やフンボルト、コンスタン、バスティア らの古典的著作を解説する。初心者向け小事典。

【8】
共同体と正義(叢書・アレテイア<5>)

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仲正昌樹
2004/12 (御茶の水書房)



標準価格:税込\3,360 ISBN:9784275003539



各人の属する「共同体」と不可分に結びついている「正義の語り」を形成する歴史的な文脈を系譜学的に探求し ながら、システム的な強制へと回収されることのない新たな“自由”の空間について考える。

【9】
正義―現代社会の公共哲学を求めて

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平井亮輔(編) 若松良樹 服部高宏 那須耕介 植木一幹 玉木秀敏 高井裕之 中山竜一(著)
2004/11 (嵯峨野書院)



標準価格:税込\3,150 ISBN:9784782304082



正義は社会の基本的なルール、制度や政策の重要な尺度の1つである。現代社会にふさわしい公共哲学を求 めて、今日の規範的正義論の展開をたどり検討してゆく。

【10】
公正としての正義 再説

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ロールズ,ジョン(著) ケリー,エリン(編) 田中成明 亀本洋 平井亮輔(訳)
2004/08 (岩波書店)



標準価格:税込\3,570 ISBN:9784000228466



『正義論』『政治的リベラリズム』などによってその名を知られる政治哲学者が、規範的理論としての正義論に 向けられたさまざまな批判に応答しながら、みずからの理論的全貌と到達点とを簡潔にしめす。ハーヴァードで の講義録をもとに加筆・編集した、ロールズの到達点を示す最後の<正義論>。

2.社会学・社会思想から

【1】
世代間関係から考える公共性(公共哲学 20)

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鈴村興太郎 宇佐美誠 金泰昌(編)
2006/07 (東京大学出版会)



標準価格:税込\4,935 ISBN:9784130034401



環境問題や生殖医療において、現在世代は将来世代に対してどのような責任を負っているのか。年金や就業機 会をめぐる世代間格差をどのように調整し、教育や社会運動での世代継承をどう構想できるのか。

【2】
健康・医療から考える公共性(公共哲学 19)

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市野川容孝 金泰昌(編)
2006/06 (東京大学出版会)



標準価格:税込\4,725 ISBN:9784130034395



人間(患者)と人間(医療者)との相互行為でありコミュニケーションである医療をどのように考えるべきか。対称的 でない知識・技術の持ち主である両者を前提としてどのようなコミュニケーションが可能か。

【3】
知識人から考える公共性(公共哲学 17)

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平石直昭 金泰昌(編)
2006/03 (東京大学出版会)



標準価格:税込\4,725 ISBN:9784130034371



公共世界の形成において知識人はいかなる役割を果たしてきたのか、また何を果たせるのか。日本、中国、朝 鮮三国の近代以降の知識人を取り上げる。

【4】
重層的な世論形成過程―メディア・ネットワーク・公共性

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安野智子
2006/02 (東京大学出版会)



標準価格:税込\4,410 ISBN:9784130560641



個々人の言動を越えて政治や社会に力を及ぼす存在にもなる「世論」。社会心理学におけるメディア研究やソー シャル・ネットワーク論に、オリジナルな調査データを交えながら、世論形成の重層性と変化のしくみと、それが 今日担いうる公共性に再照明をあてる。
<第8回 日本社会心理学会出版賞受賞>

【5】
公共性の哲学を学ぶ人のために

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安彦一恵 谷本光男(編)
2004/08 (世界思想社)



標準価格:税込\2,310 ISBN:9784790710714



現代社会の存立に不可欠な公的営為を根底から支えるものは何か。政治、経済、倫理あるいは環境、医療、科 学技術、教育、家族、宗教、国家等の諸問題を“公共性”の観点から論じるとともに、西洋思想史上の主要な立 場に即して“公共性”について考察する。

【6】
責任と正義―リベラリズムの居場所

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北田暁大
2003/10 (勁草書房)



標準価格:税込\5,145 ISBN:9784326601608



英米系の言語や行為の哲学に示唆を受け、“責任をとる主体から成る社会”を拒否する限りではリベラリズムに 対する懐疑の視線を共有しながらも、リベラリズムの正義を社会システム理論によって再解釈し、その可能性を 確かめ直す。

3.経済思想・経営学から

【1】
増補 ケインズとハイエク―“自由”の変容(ちくま学芸文庫)

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間宮陽介
2006/11 (筑摩書房)



標準価格:税込\997 ISBN:9784480090218



計画経済の提唱者と自由主義経済の旗手、融通無碍な進歩主義者と真正の保守主義者として対照的に語ら れる二巨匠。だが二人は、あらゆる思想と倫理が崩壊に瀕した両大戦間の同じ課題と対決し、新時代の自由の 意味を探求するところから出発した。
自由主義の系譜をたどりつつ両者の思想に新鮮な照明を当てる。文庫化に当たりグローバリズムの拡大とネッ ト社会到来後の“自由”を問い直す補論を増補。

【2】
ハイエクと現代リベラリズム―「アンチ合理主義的リベラリズム」の諸相

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渡辺幹雄
2006/09 (春秋社)



標準価格:税込\6,090 ISBN:9784393621684



自由の真の意味とは?経済学・政治哲学から、知識論・複雑系科学まで、現代世界に大きな影響を与えた巨人 の思想を、ポパー、オークショット、M・ポラーニ、バーリンらと比較対照しつつ論じた意欲作。

【3】
組織・経営から考える公共性(公共哲学 18)

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山脇直司 金泰昌(編)
2006/05 (東京大学出版会)



標準価格:税込\4,935 ISBN:9784130034388



既存の組織のあり方を問い直しつつ、人間にとって望ましい公共世界を創出するために必要な組織作りや経営 (マネージメント)をいかに行っていくか。地方自治やNGOを含めた組織・経営、そして会計について考察する。

【4】
新しい公共性と地域の再生―持続可能な分権型社会への道

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山崎怜 多田憲一郎(編)
2006/02 (昭和堂)



標準価格:税込\2,940 ISBN:9784812205419



21世紀の現代社会に問われているのは「新自由主義」の対抗軸である「公共性」という概念である。新しい住民 組織、NPOや「協働」による新しいサービスのメカニズムを財政学の立場から論ずる。

【5】
公益と公共性―公益は誰に属するか

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小坂直人
2005/11 (日本経済評論社)



標準価格:税込\2,940 ISBN:9784818818040



自由化はマイナスの影響もあり得る。電力や郵政などの公益市場を論じつつ、またハーバーマスの議論を重視 する中で公益と公共性の本質を探究する。

4.倫理・宗教・文化

【1】
現代倫理学事典

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大庭健(編集代表) 井上達夫 加藤尚武 川本隆史 神崎繁 塩野谷祐一 成田和信(編集委員)
2006/12 (弘文堂)



標準価格:税込\21,000 ISBN:9784335160400



よく生きるために!
現在ほど、倫理やモラルが問われている時代はない。法の倫理、ビジネスエシックス、生命倫理から、個々人の 生き方まで、生の実践にかかわる大切なことがらはすべて「倫理学」と深く関わっている。
狭義の倫理学にとどまらず、法哲学・政治哲学・経済政策・社会学・教育学等々における規範に関わる学問的 問題を広くとりあげるとともに、一人一人の生き方や人生論に関わる倫理的な問いへの応答を重視した、新しい 時代の哲学事典。

【2】
資本主義に徳はあるか

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コント=スポンヴィル,アンド(著) 小須田健 カンタン,コリーヌ(訳)
2006/08 (紀伊國屋書店)



標準価格:税込\2,100 ISBN:9784314010108



「万民のための哲学」の旗手が、“四つの秩序”という視点から資本主義社会を明快に分析。経済の論理に侵食 されない次元として、道徳や倫理を位置づけなおし、誰もがもはや資本主義の磁場から逃れられないからこそ、 誰もが利己的に振る舞いがちだからこそ、「連帯」が可能なのであり、個々人が市場や政治に委ねられない道徳 的な責任を果たす契機もまたあるのだと訴える。

【3】
宗教から考える公共性(公共哲学 16)

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稲垣久和 金泰昌(編)
2006/05 (東京大学出版会)



標準価格:税込\4,725 ISBN:9784130034364



私事化するとみられていた宗教が、文明の衝突の原因とも言われるほどグローバルな場面に登場している。果 たして異なる宗教間の理解は可能なのか。公共宗教は可能なのか。


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