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秋山虔
源氏物語の論
単行本未収録の論考を著者自身が厳選、構成した「論」に、昭和27年来、書き続けてきた書評を、笠間書院でピックアップし、その九割方を掲載。近年の源氏物語をめぐる論考に加え、膨大な書評群により、著者が向き合ってきた、源氏物語の研究史を辿ることができる。
AKIYAMA KEN Selection 3200円(税込)

秋山虔
平安文学の論
文学を対象とする研究は、文学によって現実の状況と対峙し、現実の状況を超克する、そのことを自負し、かつわが特権とするものである--秋山虔。単行本未収録の論考を著者自身が厳選、構成した「論」に、昭和27年来、書き続けてきた書評を、笠間書院でピックアップし、その九割方を掲載。近年の王朝文学をめぐる論考に加え、膨大な書評群により、著者が向き合ってきた、王朝文学の研究史を辿ることができる書。「先鋭的な方法意識と独自で魅力的な文体で紡ぎ出されたそれぞれの論考は、学界の先端的な領域を開拓するものとなった」(小町谷照彦)
AKIYAMA KEN Selection 3200円(税込)

片桐洋一/山本登朗
伊勢物語古注釈大成〈第1巻〉
片桐洋一・神田裕子・丸山愉佳子[翻刻]十巻本伊勢物語注 冷泉家流(鉄心斎文庫蔵)/増纂伊勢物語注 冷泉家流(鉄心斎文庫蔵)/伊勢物語奥秘書 (鉄心斎文庫蔵)
伊勢物語古注釈大成 8500円(税込)

片桐洋一/山本登朗
伊勢物語古注釈大成〈第2巻〉
[翻刻]和歌知顕集 書陵部本系統(歓喜光寺蔵)/伊勢物語知顕集島原松平文庫本系統(鉄心斎文庫蔵)/伊勢物語難儀注(冷泉家時雨亭文庫蔵)/伊勢物語髄脳(鉄心斎文庫蔵)
伊勢物語古注釈大成 8500円(税込)

片桐洋一/山本登朗
伊勢物語古注釈大成〈第3巻〉
収録作品『伊勢物語愚見抄』(冷泉家時雨亭文庫蔵)『伊勢物語肖聞抄 文明九年本・宗長注 書入』(片桐洋一蔵)『伊勢物語肖聞抄 延徳三年本』(聖護院蔵)『伊勢物語山口記』(鉄心斎文庫蔵)
伊勢物語古注釈大成 9800円(税込)

上田武(中国文学)
陶淵明像の生成 どのように伝記は作られたか
俗世を超越した高潔な生き方で敬愛された詩人の謎に包まれた人生を史実を追いながら、明らかにする。
茨城キリスト教大学言語文化研究所叢書 1700円(税込)

堀口悟
香道秘伝書集註の世界
江戸時代、長らく香道書の規範とされた『香道秘伝書』。その総合的な注釈書として貴重な、孤本『香道秘伝書集註』を、はじめて紹介。
茨城キリスト教大学言語文化研究所叢書 4800円(税込)

渡辺実(日本語学)
国語文法論
文法理論、一目瞭然!上下二段組による”文法入門”。
笠間テキストブックス 1600円(税込)

井原西鶴/前田金五郎
好色一代男 1・2
底本は最善本とされる天和二年・大坂思案橋荒砥屋・孫兵衛句心板、赤木文庫本(極初印本)。原本の八巻八冊を二冊ずつ合綴し、四冊の影印とした。挿絵は西鶴画、本文板下西吟筆。巻末解説では学界周知の事実は省略し、内容について、編者の精緻にして秀抜なる新見を披瀝。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

井原西鶴/前田金五郎
好色一代男 3・4
底本は最善本とされる天和二年・大坂思案橋荒砥屋・孫兵衛句心板、赤木文庫本(極初印本)。原本の八巻八冊を二冊ずつ合綴し、四冊の影印とした。挿絵は西鶴画、本文板下西吟筆。巻末解説では学界周知の事実は省略し、内容について、編者の精緻にして秀抜なる新見を披瀝。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

井原西鶴/前田金五郎
好色一代男 5・6
底本は最善本とされる天和二年・大坂思案橋荒砥屋・孫兵衛句心板、赤木文庫本(極初印本)。原本の八巻八冊を二冊ずつ合綴し、四冊の影印とした。挿絵は西鶴画、本文板下西吟筆。巻末解説では学界周知の事実は省略し、内容について、編者の精緻にして秀抜なる新見を披瀝。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

井原西鶴/前田金五郎
好色一代男 7・8
底本は最善本とされる天和二年・大坂思案橋荒砥屋・孫兵衛句心板、赤木文庫本(極初印本)。原本の八巻八冊を二冊ずつ合綴し、四冊の影印とした。挿絵は西鶴画、本文板下西吟筆。巻末解説では学界周知の事実は省略し、内容について、編者の精緻にして秀抜なる新見を披瀝。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
伊達本古今和歌集 藤原定家筆
国宝である定家自筆、伊達本の全容を影印した貴重なもの。古来、古今集の影響力は甚大であると称され、日本人の自然観、人生観にまで及んでいる。本書の講読は文学理解に止まらず、国語、風土理解他、多角的な意義を合せもつ。
笠間影印叢刊 1748円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
寛永版醒睡笑(下) 酔生書菴蔵
醒睡笑の伝本には広本と狭本の二系統があるが、本書は狭本系の最善本とされる寛永版をハイライト版にて精密に影印。作者は策伝和尚。底本は、八巻三冊本、万治元年板との校異が朱を以て施されている点等、極めて貴重な書。解説には刊本成立事情を辿った秀逸な論考等を収載。
笠間影印叢刊 1600円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
寛永版醒睡笑(中) 酔生書菴蔵
醒睡笑の伝本には広本と狭本の二系統があるが、本書は狭本系の最善本とされる寛永版をハイライト版にて精密に影印。作者は策伝和尚。底本は、八巻三冊本、万治元年板との校異が朱を以て施されている点等、極めて貴重な書。解説には刊本成立事情を辿った秀逸な論考等を収載。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
御所本伊勢物語 冷泉為和筆 宮内庁書陵部蔵
天福本の代表的善本である書陵部蔵、冷泉為和筆本を原寸大に影印。本書は定家自筆天福本の臨模本として本文の正確度は万全のものである。形態的には、学習院大学蔵実隆本よりもむしろ、天福本の原形を最もよく伝存する貴重な証本といえる。詳密な解説を付す。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
若宮撰哥合 編者蔵
新古今時代の典型的歌合三種、四本を影印。『水無瀬恋十五首歌合』(親長自筆本=日大図書館蔵、異本=編者蔵)建仁九月十三日、後鳥羽院が水無瀬殿に於て催され、俊成判とされている。『若宮撰哥合』(編者蔵本)「恋十五首歌合」より更に撰歌したもので、後鳥羽院の御自判、建仁二年九月二六日に成る。『桜宮十五番歌合』(書陵部蔵本)「恋十五首歌合」からの撰歌によるもので、俊成が追判して建仁二年九月は、新古今集撰修の最中であり、「十五首歌合」からは新古今集に十五首も入集されている。また、新古今歌風の頂点に立つ問題作が含まれている点でも注目される書。
笠間影印叢刊 400円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
水無瀬恋十五首歌合 〔親長本〕日大図書館蔵
新古今時代の典型的歌合三種、四本を影印。『水無瀬恋十五首歌合』(親長自筆本=日大図書館蔵、異本=編者蔵)建仁九月十三日、後鳥羽院が水無瀬殿に於て催され、俊成判とされている。『若宮撰哥合』(編者蔵本)「恋十五首歌合」より更に撰歌したもので、後鳥羽院の御自判、建仁二年九月二六日に成る。『桜宮十五番歌合』(書陵部蔵本)「恋十五首歌合」からの撰歌によるもので、俊成が追判して建仁二年九月は、新古今集撰修の最中であり、「十五首歌合」からは新古今集に十五首も入集されている。また、新古今歌風の頂点に立つ問題作が含まれている点でも注目される書。付・別冊解説。
笠間影印叢刊 800円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
水無瀬恋十五首歌合 編者蔵
新古今時代の典型的歌合三種、四本を影印。『水無瀬恋十五首歌合』(親長自筆本=日大図書館蔵、異本=編者蔵)建仁九月十三日、後鳥羽院が水無瀬殿に於て催され、俊成判とされている。『若宮撰哥合』(編者蔵本)「恋十五首歌合」より更に撰歌したもので、後鳥羽院の御自判、建仁二年九月二六日に成る。『桜宮十五番歌合』(書陵部蔵本)「恋十五首歌合」からの撰歌によるもので、俊成が追判して建仁二年九月は、新古今集撰修の最中であり、「十五首歌合」からは新古今集に十五首も入集されている。また、新古今歌風の頂点に立つ問題作が含まれている点でも注目される書。
笠間影印叢刊 800円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
千載和歌集(上) 宮内庁書陵部蔵
書陵部蔵、枡型本二帖を原寸にて影印。底本は乙類型に属し、同類中の竜門文庫本と相並んで、貴重な古写本である。該本の欠落は活字にて補う。100頁に及ぶ付載解説では、撰進の院宣が発せられた時点から奏覧までの背景を跡付ける論考他、諸伝本の分類と書誌を詳述。
笠間影印叢刊 2427円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
千載和歌集(下) 宮内庁書陵部蔵
書陵部蔵、枡型本二帖を原寸にて影印。底本は乙類型に属し、同類中の竜門文庫本と相並んで、貴重な古写本である。該本の欠落は活字にて補う。100頁に及ぶ付載解説では、撰進の院宣が発せられた時点から奏覧までの背景を跡付ける論考他、諸伝本の分類と書誌を詳述。
笠間影印叢刊 2500円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
大斎院前の御集 日本大学図書館蔵
日本大学図書館蔵本を影印。上下巻の区別は内容から推せるが、装幀は一冊本。和歌380首、連歌14組より成る。定家を中心に書写された内容は、大斎院御集における前期斎院時点の大斎院選子の家の集。昭32年迄その伝存さえ知られていなかった孤本。別冊解題付。
笠間影印叢刊 1100円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
天明四年版蕪村句集(上) 加賀文庫蔵
底本は都立中央図書館加賀文庫蔵本。几董編とされ、「蕪村句集前編」にあたる全文を影印。解説では「蕪村句集の成立」についての編者の新見を披瀝。又、「句集」「稿本」「刊本」「自筆句帳」の相違点、異同が一望できる「蕪村句集・蕪村遺稿全句一覧表」を附し、至便の書とした。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
天明四年版蕪村句集(下) 加賀文庫蔵
底本は都立中央図書館加賀文庫蔵本。几董編とされ、「蕪村句集前編」にあたる全文を影印。解説では「蕪村句集の成立」についての編者の新見を披瀝。又、「句集」「稿本」「刊本」「自筆句帳」の相違点、異同が一望できる「蕪村句集・蕪村遺稿全句一覧表」を附し、至便の書とした。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

笠間影印叢刊刊行会
百人一首 堯孝筆 宮内庁書陵部蔵
宮内庁書陵部蔵、文安二年冬堯孝法印筆を影印。本書は書写年時の明確な百人一首伝本中、最古の写本。詠謌之大概、百人一首とから成る。別冊解題では、書誌、成立の事情、百人秀歌との関係、位置付け他、別本並びに古注各数本との異同等を掲げる。附載=各初句索引。
笠間影印叢刊 950円(税込)

吉田兼好/正徹
徒然草 下
静嘉堂文庫蔵の正徹自筆本「つれづれ種」上下二冊を影印。該本は、昭和六年、川瀬一馬博士によって発見せられたもので「徒然草」写本中、最古のもの。書誌他、二十六項目にわたる様々な分析から、失われた親本の全容を類推する詳密なる解説を別冊とした。講読等に絶好。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

吉田幸一/大西善明
正徹筆 徒然草 上 静嘉堂文庫蔵
静嘉堂文庫蔵の正徹自筆本「つれづれ種」上下二冊を影印。該本は、昭和六年、川瀬一馬博士によって発見せられたもので「徒然草」写本中、最古のもの。書誌他、二十六項目にわたる様々な分析から、失われた親本の全容を類推する詳密なる解説を別冊とした。講読等に絶好。
笠間影印叢刊 1359円(税込)

久松潜一
建久物語 無名草子 水府明徳会彰考館蔵
建久物語の書名をもつ善本、水府明徳会彰考館蔵本を精密に影印。小山田与清による朱の書入、識語も原色そのままに復元した。内容は、現在最古の物語評論として意義深いもの。別冊解説に無名草子の概観、成立年代と作者、内容組織、諸本、底本を詳述。講読、演習に絶好。
笠間影印叢刊 1600円(税込)

久曽神昇/樋口芳麻呂
百人一首抄 御所本
宮内庁書陵部蔵、応永十三年写、藤原満基奥書本を影印。満基抄とも称される本書は、宗祇抄に先行する古注釈として、また、祖本「古抄」の存在を推定する時、古抄の後稿本、既ち決定稿の内容を伝える善本として意義深いものである。別冊解説では底本の位置づけ等を詳述。
笠間影印叢刊 950円(税込)

橋本不美男
大斎院御集
宮内庁書陵部蔵の孤本を原寸大に影印。内容は大斎院、即ち、村上天皇皇女選子内親王を中心に中務他の贈答歌を集めた大斎院家の歌集。119首の和歌、2組の和歌と連句の贈答、13組の連歌で構成。純粋の題詠、独詠の類がない事が特徴といえる。別冊解題付。
笠間影印叢刊 971円(税込)

犬養廉/橋本不美男
四条宮下野集 御所本
書陵部蔵本を、原本通りに影印。伝本としては他に冷泉家蔵本が知られるが、事実上本書が孤本的な存在である。短歌202首、連歌20句を収める自撰家集。作品としての評価はもとより、四条宮文芸サロンを内側から記録した資料としても貴重。別冊解題付。
笠間影印叢刊 1000円(税込)

後深草院二条/伊地知鉄男
とはずがたり 1
伝存する唯一の孤本、宮内庁書陵部蔵本、五巻五冊を写真版にて精密に影印。本書は江戸初期、公卿たちの手によって写されたもので、外題は霊元天皇の宸筆。内容は鎌倉中期、後深草院に仕えた二条の赤裸々な回想自伝。中世の複雑な人間関係が生々しく描写されている。
笠間影印叢刊 1165円(税込)

後深草院二条/伊地知鉄男
とはずがたり 2
伝存する唯一の孤本、宮内庁書陵部蔵本、五巻五冊を写真版にて精密に影印。本書は江戸初期、公卿たちの手によって写されたもので、外題は霊元天皇の宸筆。内容は鎌倉中期、後深草院に仕えた二条の赤裸々な回想自伝。中世の複雑な人間関係が生々しく描写されている。
笠間影印叢刊 800円(税込)

後深草院二条/伊地知鉄男
とはずがたり 3
伝存する唯一の孤本、宮内庁書陵部蔵本、五巻五冊を写真版にて精密に影印。本書は江戸初期、公卿たちの手によって写されたもので、外題は霊元天皇の宸筆。内容は鎌倉中期、後深草院に仕えた二条の赤裸々な回想自伝。中世の複雑な人間関係が生々しく描写されている。
笠間影印叢刊 800円(税込)

後深草院二条/伊地知鉄男
とはずがたり 4
伝存する唯一の孤本、宮内庁書陵部蔵本、五巻五冊を写真版にて精密に影印。本書は江戸初期、公卿たちの手によって写されたもので、外題は霊元天皇の宸筆。内容は鎌倉中期、後深草院に仕えた二条の赤裸々な回想自伝。中世の複雑な人間関係が生々しく描写されている。
笠間影印叢刊 800円(税込)

後深草院二条/伊地知鉄男
とはずがたり 5
伝存する唯一の孤本、宮内庁書陵部蔵本、五巻五冊を写真版にて精密に影印。本書は江戸初期、公卿たちの手によって写されたもので、外題は霊元天皇の宸筆。内容は鎌倉中期、後深草院に仕えた二条の赤裸々な回想自伝。中世の複雑な人間関係が生々しく描写されている。
笠間影印叢刊 800円(税込)

細川幽斎/久松潜一
和歌秘伝抄
編者蔵、細川幽斎奥書本を影印。和歌六部抄とも称される本書は中世歌論の代表的著述、六種(近代秀歌/正風躰抄/毎月抄/八雲口伝/夜の鶴/近来風躰抄)を収める。中世歌論の真髄を知るための恰好の集書として、また、享受史展望の好資料として絶好。付・別冊解説。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

細川幽斎/荒木尚
新古今略注
永青文庫蔵。伝細川幽斎筆、東常縁者。一冊本を影印。常縁が著わし、幽斎が増補した「新古今集聞書」は新古今集の最古の注釈書として後世に多大な影響を与えたが、該本は、幽斎が増補する以前の「原撰聞書」、即ち「常縁原撰本」の原態を忠実に伝える重要な書。付・解題。
笠間影印叢刊 2000円(税込)

市古貞次
うち拾遺物語 上 御所本
宮内庁書陵部蔵、上下二巻、二冊の写本を影印。『宇治拾遺物語』には特に異本とよぶほどの伝本はなく、万治板本などが流布してきたが古本系でもある該本には、板本にある脱文がなく、万治板のもとになったと推定される内容が具わっている。別冊解説付、講読、演習に好適。
笠間影印叢刊 2200円(税込)

市古貞次
うち拾遺物語 下 御所本
宮内庁書陵部蔵、上下二巻、二冊の写本を影印。『宇治拾遺物語』には特に異本とよぶほどの伝本はなく、万治板本などが流布してきたが古本系でもある該本には、板本にある脱文がなく、万治板のもとになったと推定される内容が具わっている。別冊解説付、講読、演習に好適。
笠間影印叢刊 2200円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 1
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1600円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 2
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1700円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 3
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 4
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1456円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 5
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1500円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 6
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 7
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1500円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 8
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1456円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 9
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1500円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 10
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 11
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

市古貞次
高野本平家物語 12
東京大学国語研究室蔵(高野辰之氏旧蔵)覚一本の写本を若干縮小して影印したもの。十二巻、十二冊より成り、第十二巻は灌頂巻を有する。覚一本は江戸時代に刊行されたいわゆる流布本の祖にして、研究上もっとも重要なテキストであるが、特にこの高野本は他の諸伝本に欠けている「祇王」「小宰相」を含む点で貴重。また、本文には章段の初めに朱の丸、その行の肩には章段名、その他朱の句読点、漢字の読みが片仮名で付されており、読み方を考える上で参考となる。加えて、校異・補正が試みられ、異文や補入が注記されている点も貴重。大学・短大の演習・講読テキストとしての待望の書。付・解説。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

紫式部/秋山虔
紫日記 上 黒川本
最も古形をとどめ、現存諸伝本中、最善とされる黒川家旧蔵本「紫日記」(宮内庁書陵部蔵)上下二冊を精密に影印。該本は本文解釈上、画期的な前進をもたらした重要な書。別冊解説では邦高親王筆本から、松平文庫本、黒川本に至る伝本研究史を詳密に紹介。講読、演習に最適。
笠間影印叢刊 1068円(税込)

紫式部/秋山虔
紫日記 下 黒川本
最も古形をとどめ、現存諸伝本中、最善とされる黒川家旧蔵本「紫日記」(宮内庁書陵部蔵)上下二冊を精密に影印。該本は本文解釈上、画期的な前進をもたらした重要な書。別冊解説では邦高親王筆本から、松平文庫本、黒川本に至る伝本研究史を詳密に紹介。講読、演習に最適。
笠間影印叢刊 1100円(税込)

春星堂鶯宿/村松友次
鼇頭奥之細道
芭蕉の『おくのほそ道』に、蕪村『奥の細道画巻』から絵を模写して配し、本文上段に頭注欄を設けて語句を注記した、ユニークな板本を影印。著者・挿絵筆者は浪華の春星堂鶯宿。安政五年刊。解説(「本書と蕪村」『奥の細道画巻』との関係、「井筒屋本本文との異同一覧」)を附す。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

上村悦子
桂宮本蜻蛉日記 <中>
諸本中、最も古く、種々の点より最善本とされる書陵部蔵本を若干縮小し、精密に影印。該本は岩波文庫本や日本古典全書本の底本に使用され、広く世に紹介されたもの。巻末に書誌他、書名等について詳述した解説を付す。
笠間影印叢刊 1400円(税込)

心敬/木藤才蔵
ささめごと 上 御所本
宮内庁書陵部蔵、伝心敬筆本、上下二冊をハイライト版にて精密に影印。底本は改編本諸本中、書写が最も古く、誤脱が少ない最善本。巻末解説では、草案本の成立と伝本、改編本の成立、底本の書誌他、底本と同系統の国会図書館本との異同等を示す。講読、演習に好適。
笠間影印叢刊 1600円(税込)

心敬/木藤才蔵
ささめごと 下 御所本
宮内庁書陵部蔵、伝心敬筆本、上下二冊をハイライト版にて精密に影印。底本は改編本諸本中、書写が最も古く、誤脱が少ない最善本。巻末解説では、草案本の成立と伝本、改編本の成立、底本の書誌他、底本と同系統の国会図書館本との異同等を示す。講読、演習に好適。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

神作光一
宇津保物語 桂宮本
書陵部蔵、桂宮本俊蔭巻(零本)を若干縮小した影印本。本書は前田家本系に属し、「まゝ前田家本系に共通する書入を本文中に混じてゐる」ことによって、前田家13行本と極めて密接な関係を有すことが証される。別冊解説では、底本の書誌他、14行本との異同一覧等を記載。
笠間影印叢刊 1500円(税込)

神作光一
落窪物語 1
高野辰之博士旧蔵の古写本全四冊を精密に影印。書写年代は近世最初期の慶長元和頃かと推される。古雅な書体にして能筆。部分、古態を保持する本文は研究上重要。また、本作品は独立した継子いじめ物語の現存最古のものとして中古物語の演習教材として好適。
笠間影印叢刊 2200円(税込)

神作光一
落窪物語 2
高野辰之博士旧蔵の古写本全四冊を精密に影印。書写年代は近世最初期の慶長元和頃かと推される。古雅な書体にして能筆。部分、古態を保持する本文は研究上重要。また、本作品は独立した継子いじめ物語の現存最古のものとして中古物語の演習教材として好適。
笠間影印叢刊 2200円(税込)

神作光一
落窪物語 3
高野辰之博士旧蔵の古写本全四冊を精密に影印。書写年代は近世最初期の慶長元和頃かと推される。古雅な書体にして能筆。部分、古態を保持する本文は研究上重要。中古物語の演習教材として好適。
笠間影印叢刊 1800円(税込)

神作光一
落窪物語 4
高野辰之博士旧蔵の古写本全四冊を精密に影印。書写年代は近世最初期の慶長元和頃かと推される。古雅な書体にして能筆。部分、古態を保持する本文は研究上重要。また、本作品は独立した継子いじめ物語の現存最古のものとして中古物語の演習教材として好適。
笠間影印叢刊 1800円(税込)

菅原孝標女/藤原定家
更級日記 御物
数百年にわたって京都御所内の御文庫に保管されている皇室御所蔵本を精密に影印。大正年間以後はじめて原本から直接撮影させていただいたものであり原本さながらの真姿と風韻を発揮している。錯簡の状態と編者による新発見事実等を説明した厳密なる解題を付した。
笠間影印叢刊 1200円(税込)

清少納言/岸上慎二
清少納言集 流布本
流布本の31首(連歌を2首に扱う)、異本の42首、いずれも宮内庁書陵部蔵の影印。両本の差違は流布派生の間に生じたものとみられる。清少納言晩年の心象が垣間見える。
笠間影印叢刊 400円(税込)

清少納言/松尾聡
枕草子 下 能因本
三条西家旧蔵・現学習院大学蔵の上下二冊本をはじめて影印。近時、諸家の間で三巻本を作者の草稿本、能因本を作者自身の手入れ本とする向きが多いようだが、そうだとすれば能因本は等閑に付せない重要な本である。該本の再検討を念じつつその全容を紹介。解説を付載
笠間影印叢刊 2136円(税込)

清少納言/田中重太郎
枕草子 上 堺本
本書はいわゆる雑纂形態に類別される堺本の善本を影印したものである。編者蔵、上下二冊本。堺本は本文研究上、第一義的なものとはいえないが、諸本研究、語彙語法研究、並びに枕草子の成立論研究に欠かせない高い価値をもつものである。講読・演習に好適。付、別冊解説。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

清少納言/田中重太郎
枕草子 下 堺本
本書はいわゆる雑纂形態に類別される堺本の善本を影印したものである。編者蔵、上下二冊本。堺本は本文研究上、第一義的なものとはいえないが、諸本研究、語彙語法研究、並びに枕草子の成立論研究に欠かせない高い価値をもつものである。講読・演習に好適。付、別冊解説。
笠間影印叢刊 1553円(税込)

泉基博
十訓抄 上 御所本
宮内庁書陵部蔵、上中下三巻三冊をハイライト版にて精密に影印。本文は漢字、片仮名交りで表記。いわゆる妙覚寺本系統の第二類に属する善本で、三巻揃った片仮名本としては唯一の貴重な完本である。巻末に、朱書一覧並びに諸本の系統を詳述した解説を付す。演習等に好適。
笠間影印叢刊 1748円(税込)

泉基博
十訓抄 中 御所本
宮内庁書陵部蔵、上中下三巻三冊をハイライト版にて精密に影印。本文は漢字、片仮名交りで表記。いわゆる妙覚寺本系統の第二類に属する善本で、三巻揃った片仮名本としては唯一の貴重な完本である。巻末に、朱書一覧並びに諸本の系統を詳述した解説を付す。演習等に好適。
笠間影印叢刊 1600円(税込)

泉基博
十訓抄 下 御所本
宮内庁書陵部蔵、上中下三巻三冊をハイライト版にて精密に影印。本文は漢字、片仮名交りで表記。いわゆる妙覚寺本系統の第二類に属する善本で、三巻揃った片仮名本としては唯一の貴重な完本である。巻末に、朱書一覧並びに諸本の系統を詳述した解説を付す。演習等に好適。
笠間影印叢刊 1600円(税込)

曾祢好忠/島田良二
曽禰好忠集
異本系の代表本文である伝冷泉為相筆、宮内庁書陵部蔵、一巻一冊本を原寸大に影印。別冊解説では、為相筆本と流布本系の代表本文尚書禅門本(伝為氏筆本)との相違を綿密に比較検討し、両者の優劣はつけがたいと結論づける。他、「成立」「参考文献」「初句索引」を付載。
笠間影印叢刊 900円(税込)

大曽根章介
和漢兼作集
書陵部蔵本を影印。鎌倉時代中期に成立した私撰詩歌集で、漢詩・和歌の両方を能くする人々の作品を編纂した書。日本漢文学史及び和歌史の資料として極めて注目されるべき内容をもつ。完本は全二十巻と推定されるが、本書は十巻を備える零本であり、孤本である。付解題。
笠間影印叢刊 1000円(税込)

池田利夫
浜松中納言物語 1
現存伝本中、屈指の善本である国立国会図書館蔵榊原家旧蔵本(甲類)〔巻一~四〕と近年世に知られた善本、広島市立浅野図書館蔵本(乙類第一種)〔巻五〕を影印。別冊解説では底本の書誌他、諸伝本の脱行箇所に基づく視座から立つ、編者独自の書写系統、五種の分類を論証。
笠間影印叢刊 1456円(税込)

池田利夫
浜松中納言物語 2
現存伝本中、屈指の善本である国立国会図書館蔵榊原家旧蔵本(甲類)〔巻一~四〕と近年世に知られた善本、広島市立浅野図書館蔵本(乙類第一種)〔巻五〕を影印。
笠間影印叢刊 1000円(税込)

池田利夫
浜松中納言物語 3
現存伝本中、屈指の善本である国立国会図書館蔵榊原家旧蔵本(甲類)〔巻一~四〕と近年世に知られた善本、広島市立浅野図書館蔵本(乙類第一種)〔巻五〕を影印。
笠間影印叢刊 1000円(税込)

池田利夫
浜松中納言物語 4
現存伝本中、屈指の善本である国立国会図書館蔵榊原家旧蔵本(甲類)〔巻一~四〕と近年世に知られた善本、広島市立浅野図書館蔵本(乙類第一種)〔巻五〕を影印。
笠間影印叢刊 1000円(税込)

池田利夫
浜松中納言物語 5
現存伝本中、屈指の善本である国立国会図書館蔵榊原家旧蔵本(甲類)〔巻一~四〕と近年世に知られた善本、広島市立浅野図書館蔵本(乙類第一種)〔巻五〕を影印。
笠間影印叢刊 1000円(税込)

藤原定家/久曽神昇
百人秀歌 御所本
宮内庁書陵部蔵本を影印。藤原定家撰。全102首。後鳥羽院・順徳院の歌を欠く。伝本は他に一本を確認するのみ。百人一首に先行する書として、その資料的価値は極めて高い。別冊解説にて百人一首との相関が詳密に解説され、百人一首成立の問題が解明されてゆく。
笠間影印叢刊 700円(税込)

藤原道綱母/上村悦子
蜻蛉日記 上 桂宮本
諸本中、最も古く、種々の点より最善本とされる書陵部蔵本を若干縮小し、精密に影印。該本は岩波文庫本や日本古典全書本の底本に使用され、広く世に紹介されたもの。巻末に書誌他、書名等について詳述した解説を付す。
笠間影印叢刊 1300円(税込)

藤原道綱母/上村悦子
蜻蛉日記 下 桂宮本
諸本中、最も古く、種々の点より最善本とされる書陵部蔵本を若干縮小し、精密に影印。該本は岩波文庫本や日本古典全書本の底本に使用され、広く世に紹介されたもの。巻末に書誌他、書名等について詳述した解説を付す。
笠間影印叢刊 1400円(税込)

有吉保
桜宮十五番歌合
新古今時代の典型的歌合三種、四本を影印。『水無瀬恋十五首歌合』(親長自筆本=日大図書館蔵、異本=編者蔵)建仁九月十三日、後鳥羽院が水無瀬殿に於て催され、俊成判とされている。『若宮撰哥合』(編者蔵本)「恋十五首歌合」より更に撰歌したもので、後鳥羽院の御自判、建仁二年九月二六日に成る。『桜宮十五番歌合』(書陵部蔵本)「恋十五首歌合」からの撰歌によるもので、俊成が追判して建仁二年九月は、新古今集撰修の最中であり、「十五首歌合」からは新古今集に十五首も入集されている。また、新古今歌風の頂点に立つ問題作が含まれている点でも注目される書。
笠間影印叢刊 400円(税込)

与謝蕪村/水落露石
蕪村遺稿 享和元年成
底本は国立国会図書館蔵本。水落露石編。明治三十三年刊本を忠実に影印。さらに稿本、印ち原『蕪村遺稿』塩屋忠兵衛編輯、碧梧桐翻刻の全文を覆刻。「蕪村句集・蕪村遺稿全句一覧表」を附載。
笠間影印叢刊 1600円(税込)

和泉式部/吉田幸一
和泉式部集 正集
和泉式部の源泉的家集として、歌人和泉式部の人と文学を知る上に、最も重要な歌集をハイライト版にて精密に影印。全歌に通し番号を付け、利用し易いように配慮。各冊末に付した解説では、底本と榊原本・松平本との異同を中心に綿密に検討、彰考館本の重要性を検証する。
笠間影印叢刊 1900円(税込)

和泉式部/吉田幸一
和泉式部集 続集
和泉式部の源泉的家集として、歌人和泉式部の人と文学を知る上に、最も重要な歌集をハイライト版にて精密に影印。全歌に通し番号を付け、利用し易いように配慮。各冊末に付した解説では、底本と榊原本・松平本との異同を中心に綿密に検討、彰考館本の重要性を検証する。
笠間影印叢刊 1700円(税込)

和泉式部/吉田幸一
和泉式部日記 榊原本
榊原家旧蔵本の影印。寛永・寛文頃、松平文庫本を榊原忠次氏が書写。題箇簽は「和泉式部物語」、内題はない。応永本系統中の無識語本に属し、島原本と親子関係にある。別冊解説にて四系統(三条西・寛元・応永・混成本)の差異を類別、一覧とし、底本の位置づけ等を検証する。
笠間影印叢刊 1000円(税込)

高橋正治
本院侍従集 甲本
甲本・乙本ともに書陵部蔵本を原寸にて影印したもの。殊に甲本は諸本伝わる中、独自のものとして、また原形を最も良く具える伝本とし重要。正確な校本を掲げたに依って、本書の周辺までが窺える。講読、演習に好適。
笠間影印叢刊  24 400円(税込)

バジル・ホール・チェンバリン/大久保恵子(日本語学)
『日本語口語入門』第2版翻訳
明治時代に日本初の帝国大学博言学(言語学)教授となったチェンバレンによる、当時の口語日本語を扱った文法書の理論篇(文法)の日本語訳と、原本の影印版および理論篇日本語語句索引を併載する。
笠間叢書 19000円(税込)

阿蘇瑞枝
万葉和歌史論考
方法論、歌人論、作品論を中心としながら、斬新な視角から多彩な方法で万葉和歌の本質を究明する。万葉の世界を浮き彫りにする。
笠間叢書 24000円(税込)

伊原昭
王朝の色と美
『枕草子』、『源氏物語』をはじめ、平安の諸作品は、どのような時代情勢を基盤として生まれたのであろうか。つまり、王朝文学という大輪の花が開いたのは、作者というすぐれた種子が根をおろし、それをはぐくみ育てた社会という土壌があっての必然の結果と推察される。こうした意味から本書は、時代の情勢を出来る限り探り、その世相の上に諸作品を関連づけて考えてみた。
笠間叢書 12000円(税込)

伊原昭
色彩と文芸美 古典における
色彩が、美の意識・美の理念ともいうべき種々の美的情動と渾然となって、感覚性が情緒に至っている姿を求め、それが作品の造形にどのように寄与しているのか、文学的な想像力にいかに役立てられているのか、探る書。
笠間叢書 4200円(税込)

伊東祐子
藤の衣物語絵巻(遊女物語絵巻) 影印・翻刻・研究
中世絵巻物語の一つである「遊女物語絵巻」の現存する全段を影印、文字を全て復刻。復原と成立年代、語法、物語の用法などに詳細な論考を行い、ほとんど研究されることのなかったその全貌に光を当てる。
笠間叢書 15534円(税込)

伊藤博
蜻蛉日記研究序説
蜻蛉日記の基礎的な課題について調査研究した結果を掲載。徹底的な内部徴証を中心とし、綿密な考証と丹念な調査をつくす。物語と和歌との関係も念頭に置き、王朝女流日記全体に通じる方法などにも言及する。
笠間叢書 8000円(税込)

伊藤博(日本古典文学)
和泉式部日記研究
和泉式部は『日記』で何を語ろうとしたのか?という問いが本書である。『日記』に表われた歌ことばと『家集』に表われた歌ことばの比較や、和泉式部の和歌を資料として人物像を追い、『日記』を徹底的に解析する。
笠間叢書 9709円(税込)

井上宗雄
平安後期歌人伝の研究
平安後期の和歌史研究の一つとして、歌人伝研究に取り組む。俊成・西行らと雁行し、あるいは周辺で活躍した歌人、約40名を資料に即しつつ、詳しく記述する。歌壇の流れとかかわらせつつ叙述する。
笠間叢書 15000円(税込)

井爪康之
尋流抄 源氏物語古注釈書
五十四帖全編にわたる注釈書『尋流抄』初の翻刻。源氏物語からの引用本文には『源氏物語大成』校異編の頁・行数、古典大系本の頁数を記す。室町末期の国語学的資料としても極めて貴重。付、解題・索引。
笠間叢書 17000円(税込)

稲賀敬二
源氏物語の研究 物語流通機構論
物語流通機構とは、作者の作品製作から、これを受け取る読者の作品享受までを含む全過程である。このような考え方に立ち、源氏物語の作品成立の周辺と、研究・受容・批評など各時代の享受について論述する。
笠間叢書 10680円(税込)

稲賀敬二
源氏物語の研究 成立と伝流 補訂版
本書第四章「源氏物語成立の資料と仮説」に収められた諸論が稲賀学のスタートであった。物語の成立過程に対する強い関心が、成立と享受とが不可分なものとしてないまざっている古典文学の世界の独自な読み解き方を提示する名著。
笠間叢書 13000円(税込)

稲田利徳
徒然草論
創作の背景や態度、方法などを多角的に読み込むことで、「徒然草」がその斬新な編纂方針や表現方法によって丹念に練り上げられ、生み出されたこれまでにない新しい文学作品であったことを、具体的な検証をもって解き明かす。長いときを経て今も愛され続ける徒然草の魅力を文学作品という視点から解体、その核心に迫る。
笠間叢書 18000円(税込)

稲田利徳
和歌四天王の研究 頓阿・兼好・浄弁・慶運
鎌倉末期から南北朝期を代表する、頓阿、兼好、浄弁、慶運という四人の和歌と生涯を考察。遁世した僧侶という立場で、厳しい動乱の時代を歌の道でもって生き抜いた、その生きざまと和歌の特質を究明する。
笠間叢書 28000円(税込)

永井和子
源氏物語と老い
平安期の物語文学全体がもつ老いの語りという虚構の要素に注目した視点で捉えた「源氏物語と老い」の試み。第一部では老いから物語へ、第二部では登場人物から物語へなど、それぞれ老いをテーマに考察。
笠間叢書 14563円(税込)

永井和子
寝覚物語の研究
「第一章 寝覚物語」「第二章 寝覚物語と中村本夜寝覚物語」「第三章 中村本夜寝覚物語」の三章より構成。附表として、I校本・岩波本の頁行数対照表 II寝覚物語和歌所載頁対照表 III寝覚物語地名索引 IV中村本夜寝覚物語地名索引が付く。
笠間叢書 11000円(税込)

永井和子
寝覚物語の研究 続
人間の存在そのものの不可解を内包する『寝覚物語』。この作品の率直かつ清冽な本質と、物語の創造性も究明する。
笠間叢書 9000円(税込)

猿田知之
日本言語思想史
国語学史を通して、言語の認識論的研究を主張する第1部。日本言語思想の背景となる中国と朝鮮の言語思想を探究する第2部。そして7世紀までの日本言語思想史をまとめた第4部で構成。新しい可能性をもつ日本語研究書。
笠間叢書 9000円(税込)

遠藤宏
古代和歌の基層 万葉集作者未詳歌論序説
万葉集作者未詳歌を古代和歌の基層をなすものとして位置づけようとする観点から編まれた論文集。
笠間叢書 12000円(税込)

遠藤和夫
定家仮名遣の研究
仮名遣いの実際に当たって詳細に検証した、本質を突く労作。「下官集」「僻案」の諸本による再検討から始まり、「土左日記」や「明月記」等の定家の仮名遣いを実際に当たって詳細に検討し、「竹園抄」付載の「文字仕」の検討に及ぶ、定家仮名遣いの本質を突く労作。
笠間叢書 11000円(税込)

河北騰
歴史物語論考
栄花物語、大鏡、今鏡、増鏡。歴史物語の特色や伝統などの本質を究明する書。
笠間叢書 8500円(税込)

関一雄
平安時代和文語の研究
女流文学の言葉、接頭語・接尾語、物語用語の性格など、古文を真に理解するために大切な和文語の1つ1つの訳を考察。平安時代の物語を楽しんで読解するための一助の書。
笠間叢書 11650円(税込)

関口安義
豊島与志雄研究
孤高の芸術家であり謎の存在とされてきた豊島与志雄について考察した初の研究書。近代文学史の欠落部分がここに見事に埋められた。付録に著作目録がある。
笠間叢書 8000円(税込)

岩佐美代子
宮廷女流文学読解考 総論・中古編
本文制定とその読解に重点を置き、また著者自身も幼い頃より体験している「お宮仕え」の実感・常識を織り込んで、日記や散文など宮廷女流文学作品を研究した成果をまとめる。
笠間叢書 6500円(税込)

岩佐美代子
宮廷女流文学読解考 中世編
本文制定とその読解に重点を置き、また著者自身も幼い頃より体験している「お宮仕え」の実感・常識を織り込んで、日記や散文など宮廷女流文学作品を研究した成果をまとめる。
笠間叢書 11500円(税込)

吉岡曠
源氏物語の本文批判
「桐壷巻異文考証」「河内本桐壷巻の校訂過程」「青表紙本諸本の系統」など「源氏物語」の本文研究に関連する論文を10編収める。異文を比較し、それぞれの用例を検証していくという労作の書、本文研究に貴重な書。
笠間叢書 9223円(税込)

吉岡曠
源氏物語を中心とした論攷
上坂信男、常磐井和子、吉岡曠、楢原茂子、稲賀敬二、永井和子、池田利夫、大槻修らによる、源氏物語を中心とする論集。
笠間叢書 9500円(税込)

吉岡曠
物語の語り手 内発的文学史の試み
作り物語における語り手の存在に注目し、語り手が作中人物や作中世界とどういう関わりをもち、どういうあり方で存在しているのかを探る。「源氏物語」をはじめ平安時代の文学史の展開の中で語り手像の変遷を追う。
笠間叢書 9709円(税込)

吉江久弥
西鶴文学研究
西鶴を芸術家として再確認し、芸道に対する信念の強さが文学作品に一本の筋を通している。芸道精神こそ、西鶴文学の根幹をなす、という見方から語られる西鶴論。
笠間叢書 9500円(税込)

久富哲雄
おくのほそ道論考 構成と典拠・解釈・読み
おくのほそ道の二部構成、謡曲的構成と名和歌集・松嶋眺望集等の典拠を実証。解釈の従来の誤解を正し、新見を提示し、語句の読みに根拠を与え、新しい読み方を提唱する。
笠間叢書 6000円(税込)

久保田淳/松野陽一
千載和歌集
千載和歌集の校注本。
笠間叢書 1500円(税込)

久保木秀夫
林葉和歌集研究と校本
平安時代末期の歌僧俊恵の歌集として知られる『林葉和歌集』の、伝本・本文・成立について実証的に考察した研究編と、流布本・異本それぞれの校本編からなる研究書。
笠間叢書 11000円(税込)

宮崎荘平
女房日記の論理と構造
女流日記文学と相接しながらも、女流日記文学とは系譜を異にする女房日記。その女房日記の生成、もしくは成り立ちを説き、その系譜を尋ね、その展開を明らかにすべく論究する。
笠間叢書 10680円(税込)

宮崎荘平
平安女流日記文学の研究 続編
女流日記文学の全体像とジャンル的特質、それをささえる個々の作品の構造・内質・性格等の解明把握に意を注ぐ。女房日記の視点を導入し、王朝の残映記にまで対象範囲をもつ書。
笠間叢書 9000円(税込)

橋本達雄
万葉集の作品と歌風
斉明天皇、額田王、柿本人麻呂、山上憶良、大伴家持らの作品を、周辺の状況も合わせて解説を試みた作品篇と、万葉集とそれ以後の歌集の作風の変遷を論じた歌風篇、万葉集と時代背景との関連などを論じた雑考篇から成る。
笠間叢書 12500円(税込)

橋本達雄
万葉集の編纂と形成
万葉集成立までの数次の段階の形成過程を検討する本。「原万葉」の具体的な姿を指摘し、笠金村・赤人らが編纂・形成に大きく関与したことを明らかにした。最終編纂は家持であると主張。頭書「反歌」の問題にも言及する。
笠間叢書 12500円(税込)

金井清一
万葉詩史の論
万葉集はひとつの歌集でありながら、古代抒情詩の発生、そして発展から衰退へというサイクルをほぼ全円的に表現している文学史そのものである。その中から、何を見出すことが出来るのか。
笠間叢書 9000円(税込)

原田敦子(国文学)
紫式部日記紫式部集論考
当時の女流作家が手を染めた代表的ジャンルである、和歌と物語と日記に、一つずつ作品を残した、紫式部。彼女にとっての、「家集」とは、「日記」とは、何であったのか。紫式部の日記と家集。この二作品を、源氏作者の心理性向や伝記の資料として見るのではなく、それぞれに独立した作品として評価する。
笠間叢書 13000円(税込)

胡志昂
奈良万葉と中国文学
奈良万葉と中国文学、大伴旅人と神仙思想、山上憶良と三教思想、大伴家持と六朝文学思想など、古代国文学を中国との関係の中で考察した論考を収録。さまざまな歌人たちの作品から、彼らが活躍した時代を明らかにする。
笠間叢書 8000円(税込)

五條小枝子
竹むきが記研究
政情の混乱から夫を眼前で殺され、それでも生きていく道を選んだ女性による日記「竹むきが記」。文学性が希薄とされてきた中世女流日記の、新たな再評価を目指す意欲的な一書。
笠間叢書 12000円(税込)

工藤隆
古事記の生成
「古事記」の読みに作家論の視点、即ち一人の個人の強力な個的意識の産物であるという視点を導入した論考集。書き手を総体としての一人の人間としてある程度把握した上で、その作品生成の現場に潜りこむ方法論が新しい。
笠間叢書 6117円(税込)

江口正弘
海道記の研究 本文篇 研究篇
海道記の本文研究、およびその国語学的研究。
笠間叢書 8500円(税込)

江口正弘
語意の解釈がゆれる中古語と中世語の考察
語意の解釈がゆれる中古語・中世語そして中世語をさまざまな角度から比較・検討する。文芸作品は一語一語の表現であるかぎり、その一語の理解が必須である。そこで、古典作品における「一語」を徹底的に問い直す労作。
笠間叢書 7800円(税込)

江口正弘
天草版平家物語の語彙と語法
1594年に出版された平家物語の口語訳「天草版平家物語」は、当時キリシタン布教のため来日していた外国人宣教師のための日本語テキストであった。その語彙と語法の詳細な研究書。
笠間叢書 11650円(税込)

高城功夫
西行の研究 伝本・作品・享受
没後八百年を過ぎ、再評価されはじめた西行。今、西行が取沙汰される魅力は何か。「山家集」をはじめとする諸伝本、作品論、そして後代の日本文化への影響を論じた初めての総合的研究。
笠間叢書 12800円(税込)

高野正美
万葉歌の形成と形象
古代の和歌が形成される過程を、古謡歌や挽歌、叙景歌、伝説歌などの万葉歌のそれぞれの表現に即して文学史の視点から明らかにする。また、言語表現として表れた作品の詩的形象を長歌、短歌に分けて探る。26編の論文を収録。
笠間叢書 13107円(税込)

高野正美
万葉集作者未詳歌の研究
万葉集作者未詳歌の表現の特色や、抒情の質、文学性など、斬新な視点でその特質を究明する書。
笠間叢書 7800円(税込)

黒須重彦
源氏物語私論 夕顔の巻を中心として
夕顔の巻はどこまで読めるか。その可能性を極限まで追求した書。〈ものがたり〉のもつ歓びはどのように共有されてきたか、探る。
笠間叢書 6000円(税込)

今井源衞
王朝の物語と漢詩文
漢詩文的基盤と表現に鋭く迫り、意欲的読解を試みる。平安朝文学研究者には必読の書。
笠間叢書 9000円(税込)

今井源衞
源氏物語の思念
紫式部が女性であったことの意味、さらにその背後にひろがる平安女流文学の地平の基本的性格とは一体何なのか。珠玉の論文集。
笠間叢書 7000円(税込)

斎藤正昭
源氏物語成立研究 執筆順序と執筆時期
現行の巻の順序に従って「源氏物語」を読み進める時に生ずる様々な矛盾に着目し、「源氏物語」五十四帖が、如何なる過程を辿って成立したかを説き明かす発見に満ちた論考。
笠間叢書 8000円(税込)

斎藤正昭
源氏物語展開の方法
「源氏物語」初期の巻々における各巻の展開に即して、作者紫式部の物語制作方法を探るとともに、その原動力を模索する一冊。
笠間叢書 8252円(税込)

斎藤煕子
赤染衛門とその周辺
平安時代の代表的女流歌人・赤染衛門の私家集「赤染衛門集」にさまざまな角度から光を当て、和歌表現の形態や赤染衛門の実像などを考察する。また、「後拾遺集」の和歌と歌人に関する論考も収録。
笠間叢書 13000円(税込)

坂詰力治
国語史の中世論攷
院政期を含む鎌倉時代から室町時代に至る五百年の間の日本語(中世語)について、具体的な特定語や語法を対象文献の語例から数量的に処理することで現象の解明に迫る。
笠間叢書 19000円(税込)

坂詰力治
中世日本語論攷
史料的価値の見直しを経た既存の文献資料を用い、古代語から近代語への過渡期の変化に富む中世語を、音韻・語彙・語法や、文字の使用法などから抜本的に検討・考察してゆく。
笠間叢書 12500円(税込)

坂本育雄
廣津和郎論考
廣津和郎論の文壇的出立から松川裁判批判に至る作家としての道程に一貫した文学精神を見、従来の研究を踏まえ、新しい分析を行う。廣津文学の再検討を行う書。
笠間叢書 6500円(税込)

坂本清恵
中近世声調史の研究
歌書および仮名遣書に現れる声調の問題、能・謡曲に反映する声調の研究、浄瑠璃に反映する音声の研究、体系変化の前後におけるアクセント体系についてなど、中近世声調史に関する研究成果をまとめる。
笠間叢書 16000円(税込)

三保サト子
寺院文化圏と古往来の研究
往来物が十分に活用されてこなかった状況を改め、往来物が正当に活用されることを目指すとともに「成立文化圏」の特色を明らかにし、作品が成立する必然性をも追求する。
笠間叢書 13500円(税込)

三保忠夫
藤原明衡と雲州往来
往来物史上、最古のものとして位置づけられる、『雲州往来』の、編者の生涯と、享受の諸相を探る。
笠間叢書 11000円(税込)

山西明
曽我物語生成論
曽我物語の成立を明らかにし、文学史的位置を論考。真名本は、鎌倉末期に東国で成立し、軍記物語的性格を有し、仮名本は、都で改編され、中世小説的特質を帯びる物語となった事を論証する。
笠間叢書 7800円(税込)

寺沢行忠
山家集の校本と研究
陽明文庫蔵「山家集」3巻と、流布本系統より「山家和歌集」版本2巻を選んで底本とし、左右見開きに対照して、それぞれの系統の主要伝本の校異を付した書。
笠間叢書 38835円(税込)

守屋省吾
蜻蛉日記形成論
文学史上に偶発的に存在した蜻蛉日記。本書では、この日記は、上・中・下それぞれ個別に成立したとの立場をとる。蜻蛉日記はいかに成立したのかを探る、王朝女流文学研究者必読の書。
笠間叢書 7500円(税込)

手崎政男
「醜の御楯」考 万葉防人歌の考察
契沖の首唱した「醜の御盾」の解釈をめぐって、諸説を詳細に検証し、防人歌全歌を対象に考察した上で、仙覚の説いた「頻の見立て」が正しいと結論づけた労作。著者が半世紀以上をかけて解明した執念の書。
笠間叢書 14000円(税込)

手崎政男
方丈記論
鴨長明「方丈記」についての作品論として執筆された主論文4稿と、それらの論文を補充するかたちで書かれた付稿3稿を一冊にまとめ掲載した論文集。
笠間叢書 31068円(税込)

手崎政男
有心と幽玄
定家歌論、なかでもその有心論の位置と意義の解明を中心とする書。有心・幽玄について根源に戻った再検討を行う。
笠間叢書 8000円(税込)

小久保崇明
宇津保物語の語彙・語法など
『宇津保物語』の語彙・語法から本文の性格を探る論考を中心に、『八代集』『三宝絵詞』の語彙・語法や、現行の古語辞典の問題点などを考える。
笠間叢書 7500円(税込)

小久保崇明
水鏡とその周辺の語彙・語法
近年、中世文学の中で見直されつつある、鎌倉時代初期頃の歴史物語『水鏡』は、音韻・文法の変革期を証する貴重な資料である。本書は、重要な語彙・語法がこの物語の中に存在している事を、多くの用例を求めて解析。諸本の中で、鎌倉期の古写本である「専修寺本」が、最も本文が優れていることを実証し、国語史資料として、極めて重要であることを証明する。
笠間叢書 9000円(税込)

小川剛生
二条良基研究
二条良基の生涯は、後醍醐天皇と足利義満の間にあって、武家の権力と王朝の文化が一体となった政権の確立に捧げられた。王朝の精神を継承しつつ、あらゆる学藝の指導者として、活気ある新時代を創り出していった執政の、初めての総合的な研究。
笠間叢書 14000円(税込)

小谷野純一
女流日記への視界
女流日記のうち、特に「更級日記」と「讃岐典侍日記」を中心にとりあげ、日記に書かれた元々の体験的事実が、日記作者の回想行為を通じて一つの画像へと定立して行く過程、またその対応を解析、検証する。
笠間叢書 6500円(税込)

小峯和明
今昔物語集の形成と構造
今昔物語集の本質に迫る書。翻訳の方法、表現形成、語りの仕組み、物語の劇的構造、等、関連資料との比較を中心に微細な表現分析や、目配りのきいた広い視野を背景に、大胆に今昔物語集の魅力を明らかにした書。
笠間叢書 16505円(税込)

小野寛
大伴家持研究
大伴家持研究第一人者による23編の論文集。一つの家持像がここに成立する。
笠間叢書 10000円(税込)

小野恭靖
「隆達節歌謡」の基礎的研究
室町小歌の終着点にあたる「隆達節歌謡」に注目し、隆達の伝記と説話や交遊圏、「隆達節歌謡」の伝本と新出歌、また周辺文芸や絵画との関連、享受史など、歌謡をめぐる様々な考察を行った論稿を集大成。
笠間叢書 11650円(税込)

小野恭靖
近世歌謡の諸相と環境
歌謡史における近世は三味線の音色とともに幕を開ける。絵画や周辺文芸などの資料を使って近世歌謡の諸相と考証を行うほか、近世流行歌と周辺歌謡の世界、民謡、童謡などについても解説する。事項・歌謡などの索引付き。
笠間叢書 17000円(税込)

小野恭靖
中世歌謡の文学的研究
中世の宮中の五節の歌謡の中に生き続けた「今様」。今まであいまいにされてきた歌謡史における中世に視点を置き、中世歌謡史の冒頭に今様雑芸歌謡群を位置付けようと試みる。
笠間叢書 14563円(税込)

小林保治
説話集の方法
研究者の方法論=読解視点にしばられ作品を殺してしまうような方法の害悪をふまえ、方法論は作品と読者の数だけあるとし、作品自体と対した研究書。霊異記、今昔、宇治拾遺、古今著聞、発心集など各説明集ごとにちがった方法論で考察する。
笠間叢書 12000円(税込)

松井利彦
近代漢語辞書の成立と展開
近代漢語辞書はいかに成立したのか。様々な問題をその展開とともに追う。
笠間叢書 12500円(税込)

松尾聡
源氏物語を中心とした語意の紛れ易い中古語攷 続篇
源氏物語を中心とする文学作品の用語のなかでとかく語意の紛れやすく誤解されやすいものを中心に論じたもの。雑誌「国語展望」に連載したものをまとめた。
笠間叢書 7500円(税込)

松尾聡
平安時代物語論考
「伊勢物語の虚構について」「宇津保物語小見」「源氏物語雑考」「浜松中納言物語について」「中古の物語批評」「平安時代散佚物語の研究序説」などより成る。付録として「平安時代仮名文学作品の語意ところどころ」。
笠間叢書 13000円(税込)

松尾聰
源氏物語を中心としたうつくし・おもしろし攷
上代から中世までの50作品の「うつくし」と「おもしろし」の用例を残らず吟味する。こうした基本語彙の語意の再吟味こそ古典理解の第一歩だとする著者の考えの実践第一作。
笠間叢書 5000円(税込)

森一郎(国文学)
源氏物語考論
予言を詳密に掘り下げ考論することを基軸に、光源氏の内面的主題の領有を目ざす書。一語一句の表現の解釈を作品論的視点においてなされる、魅力溢れる源氏論。
笠間叢書 7000円(税込)

森田喜郎
上田秋成の研究
作品を通して文学の意義を探究するという立場から、秋成のほとんどの作品を究め、その本質を明確にし、全容を明らかにする。
笠間叢書 9500円(税込)

森田兼吉
日記文学の成立と展開
世界文学の中でも最も早い時期に、女性による自己表白の文学として書かれた日記文学に関する研究を収録した論集。日本人の精神史とも関わるその成立と展開を跡づけ、日記文学史の基礎となることを目指した書。
笠間叢書 15534円(税込)

森田兼吉
和泉式部日記論攷
和泉式部日記は問題点を多く抱えた作品である。その本質を論じようとすれば、作者の問題や日記文学とは何かという問題とかかわり、作者を考えれば必然的に読みの基盤となる諸本の本文の異同の多さがたちはだかる。すべての問題はからみあうが、ひとつひとつ基礎的な問題を考え実証していく書。
笠間叢書 8000円(税込)

森田兼吉
和泉式部日記論攷 第2
帥宮敦道親王の生涯と人間像の把握は和泉式部日記研究の基礎をなすものである。帥宮伝の体系化をはかり、基礎資料を再吟味、新見を提示する。
笠間叢書 13000円(税込)

神谷忠孝/奥出健
保田与重郎書誌
小林秀雄に嗣いで独創的な評論文学を樹立した保田與重郎の著作年譜。詳細な解題が付く。本書により昭和文学の再検討がうながされる。
笠間叢書 7500円(税込)

神田典城
日本神話論考 出雲神話篇
著者の日本神話に関する論文のうち、出雲神話をテーマとしたものを収載。「記紀の出雲神話の特質-出雲と死者の世界」「スサノオの神話-負の要組」「大国主神の機能」など出雲神話の成立・受容の様態を究明する。
笠間叢書 7000円(税込)

諏訪春雄
近世芸能史論
近世芸能史の中心は歌舞伎と人形浄瑠璃であるが、もう一つ付け加えるなら浮世絵である。密接な交流があるこの三者の相互干渉を具体的に考察した書。
笠間叢書 19000円(税込)

諏訪春雄
元禄歌舞伎の研究
「元禄歌舞伎-成立と展開-」「元禄歌舞伎前後」「近世演劇史の構想」の三部構成で付録として「初代市川団十郎年譜」を収録。「芸尽しとしての歌舞伎」「歌舞伎の源流」を増補。
笠間叢書 9000円(税込)

吹野安
中國古代文學發想論
今まであまり論じられなかった注目すべき発想論。中国古代学研究者必携の書。
笠間叢書 7000円(税込)

水島義治
萬葉集防人歌の研究
『萬葉集防人歌全注釈』『萬葉集防人歌の國語學的研究』につづく、「防人歌研究」3部作、遂に完結。防人たちが己の歌に込めた、深い悲哀と忍苦とを思いやり、その叫びと祈りの声に耳を澄ませ、「防人歌」の本質を全12章で追究する。
笠間叢書 16500円(税込)

水島義治
萬葉集防人歌の国語学的研究
防人歌の用字・用語・語法・古代東国方言・上代文字仮名遣の違例などについて国語学的研究は殆どなされていないのが現状である。本研究は国語史上重要のみでなく、防人歌の全き理解に不可欠の研究である。
笠間叢書 12000円(税込)

水野清
記紀万葉語の研究
古事記や日本書記、万葉集に現れる上代語・万葉語の語彙や表現を、解釈の指摘変遷を辿りながら実証主義に基づき検討する。宮島達夫(国立国語研究所名誉所員)、鈴木泰(専修大学教授・東京大学名誉教授)各氏推薦。
笠間叢書 11000円(税込)

杉谷寿郎
後撰和歌集研究
後撰和歌集の研究と展望から、諸本の研究、諸本系統、撰集の方法、排列、成立時期等、後撰和歌集に関する問題点をくまなく精査し一書としたもの。
笠間叢書 13000円(税込)

青木伶子
現代語助詞「は」の構文論的研究
助詞の研究総体から導き出された格助詞、わけても「は」助詞の問題に鋭い新たな光を当てた注目作。
笠間叢書 12500円(税込)

石川一
慈円和歌論考
慈円の歌集「拾玉集」の伝本について、それぞれの内容や成立過程を検証。そして、慈円の和歌活動を5つの時期に分けて考察。歴史的な背景と関連づけながら、和歌作品の特徴を明らかにする。
笠間叢書 16505円(税込)

川村裕子
蜻蛉日記の表現と和歌
蜻蛉日記の特質において、中巻までを「蜻蛉日記らしさ」という枠組みの中で捉え、下巻は「私歌集的」といった格付けがなされてきた。表現の奥に潜む悲哀、言わざる思いを隠す方向性などを獲得した下巻の表現位相に注目する。
笠間叢書 6800円(税込)

浅野春二
台湾における道教儀礼の研究
道教とは何か。現代の儀礼をとおして探究する。仏教・儒教および民間信仰が並立するなか、民衆の宗教的欲求に柔軟に対応してきた道教。道教を道教たらしめている特質、核心的要素とは何なのか。現地調査で得た道教儀礼の実例を、豊富な写真とともに検証する。
笠間叢書 13500円(税込)

前田淑
江戸時代女流文芸史 俳諧・和歌・漢詩編 地方を中心に
江戸時代の女流文芸家が残した作品に光をあてた研究書。3冊目は、俳諧・和歌・漢詩の分野から、特に豊前、筑前、筑後地方を中心に、この地方の女性たちの活動や作品を解説する。
笠間叢書 9800円(税込)

前田淑
江戸時代女流文芸史 旅日記編 地方を中心に
封建社会の普通の女性たちは学問をしなかったと思われがちだが、さにあらず、江戸時代後期には女性の手になる文芸作品が多く残された。その中でも特に数の多い旅日記から十数編を選び解説。
笠間叢書 12500円(税込)

大久保広行
山上憶良 筑紫文学圏論
奈良時代の太宰府、そこは大伴旅人や山上憶良ら第一級の文人たちが宮廷の拘束をはなれて、真に自由な文学活動を展開した地であった。主に憶良の和歌や漢詩などを取り上げつつ、「筑紫文学圏」について考察する。
笠間叢書 8000円(税込)

大久保広行
大伴旅人・筑紫文学圏 筑紫文学圏論
筑紫の中でとりわけ太宰府は、万葉集など文学とどのような関わりを持っているか。大伴旅人の人生やその歌から筑紫とのつながりを探る。また、多くの人々の交流の場でもあった筑紫文学圏について考察
笠間叢書 11165円(税込)

大久保広行
筑紫文学圏と高橋虫麻呂
大伴旅人を中心とする筑紫文学圏の文学活動をめぐって、虫麻呂や憶良、個々の作家・作品研究にとどまらず、文学圏としての総合的把握をおこなった画期的研究。
笠間叢書 8800円(税込)

大輪靖宏
上田秋成文学の研究
雨月物語論、春雨物語論、の二つの代表作から秋成文学に迫る。両作品のあいだには、30年以上もの時の経過があり、この二つの作品を比較検討すれば、小説というものにたいする秋成の考え方の推移も推し量ることができるのではないか、という仮定から、秋成文学を追究する。
笠間叢書 9500円(税込)

滝沢貞夫
王朝和歌と歌語
王朝和歌文学について、できるだけ具体的な数値や特異な表現、構造上の特質等を摘出して分析・比較し、歌人の詠風や時代による変遷を解明。とくに、用語・語法や枕詞の用法について詳細に検証する。
笠間叢書 15500円(税込)

沢田正子
枕草子の美意識
源氏物語とならび平安美学のもう一方の原点、枕草子について「をかし」を中心に多様な角度からその美意識を探る書。
笠間叢書 9000円(税込)

沢田正子
蜻蛉日記の美意識
源氏物語、枕草子を生み出した平安女流作品の源ともいえる蜻蛉日記とはどんな作品なのか。自らの愛を一途に訴えかけ、苦悩の中で女性として精一杯純粋に生き尽くしたあかしである日記作品の特質を明らかにしていく。
笠間叢書 14563円(税込)

辰巳正明
万葉集と中国文学
万葉集の比較文学研究を推し進めた記念碑的著作。「主題」に視点を当て、万葉集を読み解く。
笠間叢書 19000円(税込)

辰巳正明
万葉集と中国文学 第2
第一では「万葉集」の「主題」について、比較文学的見地から論求する。第二では、その「思想」を軸に論を更に進め、『万葉集』がアジアという歴史環境の中で如何なる文学として形成を遂げてきたのかを究明する。
笠間叢書 24272円(税込)

池田利夫
源氏物語の文献学的研究序説
序章に「文献学的研究法入門」を備える。タイトル通り源氏を文献学的にどのように扱い、研究していくのか問うた書。「本文研究はもう一度、振り出しに戻り、進展を計る時であろう」。時々の研究水準に応じて、なお果てしないが如くに続けていく、源氏文献学研究書にして、入門の書。
笠間叢書 13000円(税込)

池田利夫
日中比較文学の基礎研究 翻訳説話とその典拠
平安時代以降の文学を比較文学的に取り扱うのであれば、漢籍購読の実態と、翻訳説話の存在を抜きにして語れない。日本文学史のなかでも特殊な作品と言える、唐物語、蒙求和歌、百詠和歌の成立と伝流を追う。
笠間叢書 11000円(税込)

竹谷長二郎
武元登々庵『行庵詩草』研究と評釈
江戸時代の漢詩集中、典型的にして且つ異色ある文人、温厚篤実な君子であり徹底した自由人であった武元登々庵の「行庵詩草」の研究と評釈。装釘にも当代大家による多くの序にも特色をもつ旅に取材した旅の哲学とも言うべきあらゆる形式の詩を網羅。
笠間叢書 18447円(税込)

中島正二/田村俊介
中世王朝物語『白露』詳注
天下の孤本である早稲田大学蔵本を底本に、翻刻本文・語釈・評より構成。一字一句を丁寧に考証し、表記・表現を他作品を通して検証するなど、詳しい語釈・評が作品の真の面白さを伝える労作。解説では、『白露』の作者が、文学史上最初に『徒然草』の真価に気づいていたことなどが証される。
笠間叢書 8500円(税込)

中嶋尚
王朝文学論考
前篇は『うつほ物語』の人物造型論で、物語の主題を「琴(きん)の族」の話柄と捉え、全体の構造を考察し源実忠にも論究する。後篇は、平安時代の和歌・物語・随筆・日記作品の論考。附篇は『源氏物語』研究の現在(講演録)を収載。
笠間叢書 11000円(税込)

中嶋尚
平安中期物語文学研究
本書では、物語文学誕生の基盤を整理し、長編への胎動を見せるいくつかの要素の存在を考えてみた。次に、その具体的な展開として、うつほ物語と源氏物語とについて、取り分け前者では構造・成立の視点から、後者では人物造型の視点から、長編形成のありようを探ってみたのである。また併せて両物語についての、前記の視点を補う数編の論考と、更に両長編以後の物語文学の位相を考察する二編を、付編とした。
笠間叢書 10680円(税込)

中本環
一休宗純の研究
旧来、正続の関係で捉えられていた狂雲集と狂雲詩集。じつは、頌・偈・賛からなる仏教色の濃い集と詩集であり、全く性格が異なるものであることを諸本配列対校表等で立証。他、一休の文学観・人間像に迫る。
笠間叢書 7767円(税込)

辻英子
日本感靈録の研究
『日本感靈録』の綿密な本文考定をはじめ、語意の吟味に力を注ぎ、それらの資料に基づき説話学的考察に及ぶ。『日本感靈録』成立の原点を探る。
笠間叢書 7000円(税込)

田島毓堂
正法眼蔵の国語学的研究
正法眼蔵は難解な書とされているが、この難解さは世界観の問題である。本書は正法眼蔵に対するアプローチのために、最古写本を底本として総索引を作り、その和語について、音韻・語法・語彙等について徹底的に追求した本である。
笠間叢書 25000円(税込)

田島毓堂
正法眼蔵の国語学的研究 資料篇
道元禪師親の七十五巻本正法眼藏の最古写本たる乾坤院本正法眼藏の完全な複製公開。本写本によって、正法眼藏のもつ中世日本語資料としての意義を遺憾なく知ることができよう。
笠間叢書 15000円(税込)

田渕句美子
中世初期歌人の研究
中世初期、すなわち鎌倉初中期という激動の時代におかれた歌人たちの、伝記や歌壇・グループとの関わり、詠歌の具体相や表現意図、歌人としての意識のありようなどを、さまざまな資料・和歌に即して探る。
笠間叢書 9500円(税込)

土井清民
万葉東歌 古代東方の歌謡
生命的な躍動感にあふれた歌々で圧倒する「東歌」。その「東歌」とは何か。都に上った東人集団の生気をもってうたわれた東国郷土の歌が「東歌」の根幹にあり、基軸となっている事を考察する。
笠間叢書 6500円(税込)

土屋有里子
内閣文庫蔵『沙石集』翻刻と研究
底本には国立公文書館内閣文庫蔵本を使用した。内閣本が無住の『沙石集』改訂の様相を伝える情報を多く含む伝本であることを精密な研究により証明。内閣本の伝本の前後関係が大きく前進すると思われる。
笠間叢書 11000円(税込)

東茂美
大伴坂上郎女
大伴坂上郎女の全作品を読み直し、女流和歌史の上での位置づけをはかる。さらに、天平の女歌から後世へどのように享受されていくのか、歌の表現方法や中国文学との比較研究を通して、考察していく。
笠間叢書 17961円(税込)

藤原定家/赤羽淑
拾遺愚草 3巻員外雑歌1巻
佐々木信綱校訂・岩波文庫『藤原定家歌集』の底本に利用された『拾遺愚草』を、底本に忠実に翻刻、頭書の校異によって定家自筆本が検索できるようになっている。
笠間叢書 8000円(税込)

藤村潔
古代物語研究序説
竹取物語から源氏物語に至る現存の古代作り物語が、すべて先行の伝承説話の型を構想の枠組みとして持っていたことを論証する。
笠間叢書 9000円(税込)

藤平春男
作者別年代順新古今和歌集
本書は、新古今和歌集の作者を年代順に配列し、各歌人の入集歌を歌人ごとに集成したものである。
笠間叢書 9515円(税込)

藤本勝義
源氏物語の想像力 史実と虚構
史実と虚構の両者間の往復運動をすること、それが源氏物語の想像力の原点である。著者自身が文学と歴史の往還を通して、源氏物語中の人物や官職、論理や信仰の意義を見据えて論じた既発表論文をまとめたもの。
笠間叢書 9223円(税込)

波戸岡旭
上代漢詩文と中國文學
『懐風藻』、『三教指歸』、勅撰三集に関する論考を収録。浅学の出典論を軸とする比較文学的考察に加え、修辞技巧、作品構造の分析を通して上代知識人の営為に迫る。
笠間叢書 12000円(税込)

馬淵和夫
国語史叢考
知っているようで案外知らない日本語。その出自を追い求めてきた著者の主要論文集。日本語の表記・音韻を膨大な文献的知識により解明。日本語の多面性を改めて問うた労作。
笠間叢書 13107円(税込)

浜橋顕一
源氏物語論考
「源氏物語」を作中の時間の流れの分析にのみ立脚して分析する愚をつく第一章、宇治十帖の後半を中心に論考する第二章、また、「源氏物語」研究には欠かせない「蜻蛉の巻」の分析などを収めた第三章から成る論集。
笠間叢書 11650円(税込)

武井和人
中世和歌の文献学的研究
式子内親王集、藤原定家、中世後期古今学、三条西実隆等、古典和歌研究における文献学の方法を模索する書。中世和歌研究における〈方法論〉は可能か。
笠間叢書 21000円(税込)

福島邦道
キリシタン資料と国語研究
国語においてキリシタン資料はどのようなものをさし、どのようなメリットがあるのか。できるだけ広い範囲にわたってキリシタン資料について論じた書。ロドリゲス日本小文典についてくわしく考察される。
笠間叢書 7800円(税込)

福島邦道
キリシタン資料と国語研究 続
キリシタン版の研究をまとめ、ヴァチカン図書館蔵のバレト写本について精細な考察を行う。
笠間叢書 8000円(税込)

福島邦道
キリシタン資料と国語研究 続々
「サントスの御作業の内抜書」について版本と写本のちがいがわかるように両本を対照させたものであり、それに関する論考も収めてある
笠間叢書 7282円(税込)

福島邦道
語史と方言
語彙の歴史を考えるには、多角的な考察が行わなければならない。和語・漢語・方言について、注意するべき言葉をとりあげ、研究する書。
笠間叢書 8500円(税込)

福島邦道
天草版平家物語叢録
ファビアン口語訳天草版『平家物語』について、よく研究されてはいるが、わからない点も多い。たとえば当時の「天草学林」のことなど殆どわかっていない。特に、ファビアンの伝記についての従来の研究は全く不十分であった。編者の経歴を明らかにすることによりその作品にも迫ることができるのであり、これにより「平家」のことばを巨細にえがくことに成功したものである。なお、これにはシュッテ神父の労作によるところが大きい。
笠間叢書 13500円(税込)

福島邦道
日本館訳語攷
日本館訳語をよく知るためには、明代において中国と交渉のあった近接諸国の言語を収録した「華夷訳語」全体の研究状況をとらえる必要がある。
笠間叢書 14563円(税込)

平山城児
大伴旅人逍遥
著者のこれまでの研究の成果をたどる論文集。大伴旅人の太宰府への往復のコースを探る研究など、旅人をめぐる論稿と、「万葉雑考」として、万葉集関連の研究論文を収めている。
笠間叢書 15049円(税込)

米田明美
「風葉和歌集」の構造に関する研究
わかりやすい表を挿入した構造論の他、「よみ人しらず」「題しらず歌」の考察や詞書論、『続古今和歌集』との関連についての論、撰集過程に関する論文など、『風葉和歌集』の全体を捉えた力作。
笠間叢書 16505円(税込)

野口元大
夜の寝覚研究
『夜の寝覚』について、研究の基礎を確かめ、この作品に本来与えられるべき正統の位置への捉え直しを試みる書。
笠間叢書 8500円(税込)

野村精一
日本文学研究史論
平安文学のみならず、中世・近世から近代にいたる幅広い展望のもとに、国学以前、国学、そして国文学へと変貌する古典研究とその制度の思想史とでもいうべきところを思考し、描き出された研究史論である。
笠間叢書 6000円(税込)

有吉保
千載和歌集の基礎的研究
日本大学千載和歌集研究会の15年にわたる研究の成果。中古と中世の境に位置し、諸本問題をはじめ基礎的問題が多数存在する千載和歌集を、歌人伝調査、出典調査、配列構成など多面的かつ網羅的に調査した。
笠間叢書 8000円(税込)

柿本奨
落窪物語注釈
本書は管窺の伝本中最善本と目する宮内庁書陵部蔵「おちくほ」四冊を底本にした場合の整定本文を提示し、口訳・語釈を施し、解説等を添えたものである。
笠間注釈叢刊 30000円(税込)

岩佐美代子
玉葉和歌集全注釈 上巻
宮内庁書陵部蔵、吉田兼右筆十三代集『玉葉和歌集』(510‐13)を底本とし、翻刻、注釈を行った。
笠間注釈叢刊 17476円(税込)

岩佐美代子
玉葉和歌集全注釈 中巻
宮内庁書陵部蔵の、吉田兼右筆十三代集「玉葉和歌集」を底本とし、翻刻・注釈を行った。現代語訳のほか、語釈・異文・出典・作者についての解説書を付す。中巻は、賀歌、旅歌、恋歌を収録。
笠間注釈叢刊 13592円(税込)

岩佐美代子
玉葉和歌集全注釈 下巻
宮内庁書陵部蔵の吉田兼右筆十三代集「玉葉和歌集」を底本とし、翻刻・注釈を行う。現代語訳のほか、語釈・異文・出典・作者についての解説を付す。下巻は、雑歌、釈教歌、神祇歌を収録。
笠間注釈叢刊 17476円(税込)

岩佐美代子
玉葉和歌集全注釈 別巻
万葉・古今・新古今の延長上にあって、鎌倉時代後期に成立した「玉葉集」の全注釈書。宮内庁書陵部蔵、吉田兼右筆の「玉葉和歌集」を定本とした。別巻は索引及び解題を収録。
笠間注釈叢刊 8738円(税込)

岩佐美代子
校訂中務内侍日記全注釈
本日記研究の先達によって、文学作品としてマイナスの評価を与えられてきた当作品は、実は、文学的価値の高い作品であることを全注釈を通して証明する。本邦初の全注釈。
笠間注釈叢刊 9000円(税込)

岩佐美代子
風雅和歌集全注釈 上巻
最善本である京都女子大学図書館所蔵、谷山文庫「風雅和歌集」を底本として、通釈・語釈・参考・校異・出典・補説・作者で編成。著者の60年にわたる京極派研究が結実する。上巻は真名序・仮名序から冬歌までを収録。
笠間注釈叢刊 18000円(税込)

岩佐美代子
風雅和歌集全注釈 中巻
最善本である京都女子大学図書館蔵本、谷山文庫『風雅和歌集』を底本として、通釈・語釈・参考・校異・出典・補説・作者で編成。著者の六十年にわたる京極派研究が結実する。本巻は巻九から巻十五まで収載する。
笠間注釈叢刊 14000円(税込)

岩佐美代子
風雅和歌集全注釈 下巻
美しい文学も一方では生々しい人間の営為であることを無視してはならない。真の悲しみ、苦しみを知った者にしてはじめて、自然はその本当の美を見せてくれるのである。京極派叙景歌にすぐれたものの多いことは、当時の厳しい政治情勢と深い関わりがある。600年昔の作品が人を得て、初めて歌の真意と息吹を伝える。
笠間注釈叢刊 19000円(税込)

今井源衛
大和物語評釈 上巻
天暦当時の貴族の間で流行した、和歌にまつわる説話「歌語り」を一書に収録した「大和物語」の評釈。上巻では、一段から百二段までを収める。
笠間注釈叢刊 9500円(税込)

今井源衛
大和物語評釈 下巻
天暦当時の貴族の間で流行した、和歌にまつわる説話「歌語り」を一書に収録した「大和物語」の評釈。下巻では、百三段から百七十三段までを収める。巻末に「平中物語」に素材を得た物語十二条および原典十二段の本文を付す。
笠間注釈叢刊 12500円(税込)

小峯和明/小峯和明
宝鏡寺蔵『妙法天神経解釈』全注釈と研究
京都尼門跡・宝鏡寺で発見された新出資料、法華経の注釈書に天神和歌が付された特異なテキスト「妙法天神経解釈」の全文翻刻と注釈を中心に、その全貌と意義を究明。他伝本の翻刻・対照一覧表・参考文献一覧を付す。
笠間注釈叢刊 18000円(税込)

水島義治
萬葉集防人歌全注釈
私は何としても防人歌の詩と真実に迫らねばならない。『万葉集防人歌全注釈』『万葉集防人歌の国語学的研究』につづく、「防人歌研究」三部作、遂に完結。防人たちが己が歌に込めた、深い悲哀と忍苦とを思いやり、その叫びと祈りの声に耳を澄ませ、「防人歌」の本質を全一二章で追究する。
笠間注釈叢刊 16500円(税込)

中川博夫
藤原顕氏全歌注釈と研究
従二位顕氏集注釈および顕氏家集外歌集成と注釈を収録。また研究篇として、藤原顕氏の生涯と詠風に関する考察を加える。
笠間注釈叢刊 11000円(税込)

中嶋尚
和泉式部日記全注釈
現在三伝本が発信しているそれぞれの映像を解読する。三条西家旧蔵本(現宮内庁書陵部蔵)を主底本として、応永本と寛元本を対比させた全注釈。現在主要伝本三本の全体像をはじめて捉えた労作。
笠間注釈叢刊 12000円(税込)

永井和子
伊勢物語
愛の充足を知らず、永遠に求め続けさまよう男の物語。原文と現代語訳を対照配置、原文を味わうもよし、訳で内容理解を深めるもよし。全文収載。解説・系図・和歌初句索引・本文調査論文付き。
笠間文庫 980円(税込)

鴨長明/浅見和彦(日本文学)
方丈記
大火・竜巻・大地震、源平の争乱に見舞われた激動の時代、人は何を思い、どう生きたか。時代を超え、今また現代人の胸に鋭く迫る一級の随筆を全文現代語訳。現地の様子がよくわかる地図と、読解を助ける詳細な注付き。大きな活字で提供する。『方丈記』800年記念出版。引き締った和漢混交文で、草庵の生活の安逸さを賞揚した、価値の極めて高い作品。隠遁生活を謳い上げた名作として、後の隠者文学へはもちろん、他の文芸作品へ強い影響を与え続けている。※本書『方丈記』は、「日本の文学古典編 方丈記 宇治拾遺物語」として1987年にほるぷ出版より刊行されましたが、これに図版等を追加し、新版として公刊するものです。
笠間文庫 950円(税込)

吉田兼好/正徹
徒然草 上 正徹自筆本
現在知られている「徒然草」写本のうちでは最も古い、静嘉堂文庫珍蔵の正徹自筆本「つれづれ種」を影印で収録、詳細な解説を付す。
笠間文庫 1400円(税込)

吉田兼好/正徹
徒然草 下 正徹自筆本
現在知られている「徒然草」写本のうちでは最も古い、静嘉堂文庫珍蔵の正徹自筆本「つれづれ種」を影印で収録、詳細な解説を付す。
笠間文庫 1600円(税込)

尭孝/樋口芳麻呂
百人一首 宮内庁書陵部蔵
宮内庁書陵部蔵、文安二年(1445年)冬堯孝法印筆。堯孝は堯尋の子で、祖父は経賢、曽祖父は頓阿。本書は詠歌大概と百人一首から成る。この二書を堯孝は、定家の歌論の根本として重視したのかもしれない。本書は百人一首かるたの原型である。
笠間文庫 1000円(税込)

紫式部/小谷野純一
紫式部日記
おのが内部に「暗闇」をもつ紫女の言説を犀利に読み解く。現代語訳対照・解説・改訂本文一覧・和歌各句索引付き。
笠間文庫 1700円(税込)

菅原孝標女/池田利夫
更級日記
孝標女研究の第一人者が読みとく、『更級日記』の決定版。現実に裏切られつつも夢を捨て切れなかった女の一生を、現代に蘇らせる。
笠間文庫 1300円(税込)

清少納言/松尾聡
枕草子 能因本
『枕草子』の言葉は鮮烈なきらめきを放つ。「三巻本」に比べて、いまでは入手しにくくなった学習院大学蔵「能因本」の本文と現代語訳を提供。解説・年表・関係系図・校訂付記・三巻本系統諸本逸文・栞(月報より)付き。
笠間文庫 2500円(税込)

清少納言/松尾聡
枕草子 上 能因本
枕草子の本文四系統(三巻本・能因本・前田本・堺本)のうちの一つ、江戸期以後、一番流布された善本、能因本の現存唯一の書。三条西伯爵家に古くから伝えられた由緒正しい本で、昭和二十四年に学習院大学へゆずられた。
笠間文庫 1800円(税込)

池田利夫
堤中納言物語
王朝物語の系譜ながら、近代的な機智と諧謔に富む洗練された味わい。異色の輝きを放つ平安の短編物語集全文を、この一冊に凝縮。現代語訳対照・類聚歌合注解解説・和歌初二句索引・論評付き。
笠間文庫 1500円(税込)

池田利夫
堤中納言物語 高松宮本
堤中納言物語は、それぞれの物語の作者や成立が別だと見られる上に、鎌倉・室町時代古写本を欠くのが謎を深くしているが、そうした中で本来の形態とおぼしい十冊本のうち、まさに霊元天皇に溯る高松宮本の風格と気品。詳細な解説と書写関係が近接する桂宮本との厳密な校異付き。
笠間文庫 2200円(税込)

藤原定家/久曽神昇
古今和歌集 伊達本
醍醐天皇の勅命によって編まれた初めての勅撰和歌集。延喜五年(905年)頃成立。本書は昭和13年(1938年)国宝に指定されたもの。藤原定家、六十~七十歳のころの筆とされている書。
笠間文庫 2000円(税込)

片桐洋一
古今和歌集
第一人者が、最も読みやすく親しみやすい『古今集』を現代人に提供。日本文化の源泉、古今集全首を本書一冊で堪能。作者名索引・作者解説・和歌各句索引付き。
笠間文庫 2200円(税込)

松尾光
古代の王朝と人物
さだめとあらがい。ためらいと決断。栄光と凋落。古代王朝びと一人一人の生きざまに迫って歴史の核心をつかむ。
古代史散策 2800円(税込)

松尾光
古代の神々と王権
中学・高校で歴史を教える著者が、専門の日本古代史について、確かな眼差しで平明に語る、邪馬台国、出雲王朝、飛鳥朝廷についての論考。
古代史散策 2330円(税込)

松尾光
古代史の異説と懐疑
異論や疑義との闘いなくして、学問の進歩はない。屹立・対峙する第一線の学者の回答。
古代史散策 3000円(税込)

松尾光
天平の政治と争乱
拡大を続ける律令国家にあって、中央政界で、また辺境で、時代の変転に抗う者たちの悲しみと怒りに歴史の潮流を読む。古代日本史研究の第一人者による、古代散策シリーズ第三巻。
古代史散策 2330円(税込)

松尾光
天平の木簡と文化
古代人の持っていた優れた技術と文化。彼らの日々のつぶやきを伝える地中からのメッセージ。木簡から読み解く、新しい古代史像。ほか「古事記」「日本書紀」の謎に迫る論文と古代史研究への思いをつづった文章も収録。
古代史散策 2330円(税込)

岩佐美代子
永福門院 飛翔する南北朝女性歌人
史上未曾有の大動乱期、没落する公家社会の最高貴女として、美しい自然と人生の実相を的確に、永遠の「詩」としてうたいあげた女性歌人の伝記とその全作品集。永福門院と時代の影を捉えて、筆者の筆は冴えわたる。
古典ライブラリー 2400円(税込)

岩佐美代子
宮廷に生きる 天皇と女房と
「お宮仕え」を幼時から体験した著者による、中古・中世女流文学の魅力溢れる講演集。
古典ライブラリー 1700円(税込)

高橋文二
王朝まどろみ論
女流文学の作者たちは日常の、男たちを待つ時間にあっても、神仏との出会いを待つ参篭の時間にあっても、しばしば、「まどろみ」の状態に入った。「まどろみ」の中で育った王朝女流文学の想像力を読み解く。
古典ライブラリー 2136円(税込)

今井源衛
紫林残照 続国文学やぶにらみ
国文学研究の現状から王朝文学・源氏物語にわたり広範囲に論述。
古典ライブラリー 2718円(税込)

西条勉
古代の読み方 神話と声/文字
ヤマトタケルはテクストに翻弄されていきなければならなかった──。『古事記』のテクストには、どのようにでも読めるような仕掛けがいたるところに張り巡らされている。その解析から新たな「読み」を提示する。
古典ライブラリー 2800円(税込)

藤本勝義
源氏物語の〈物の怪〉 文学と記録の狭間
〈物の怪〉とは何か? 平安朝の栄光と衰亡をあやつる怨霊の世界! 源氏物語、大鏡、栄花物語、小右記、権記等の物語・記録類を渉猟して平安朝の〈物の怪〉の実体と物語の想像力に迫る。他に異常な言動、霊告、物の怪の調伏、憑依現象等の物の怪の様態を考察する。
古典ライブラリー 1600円(税込)

片桐洋一
小野小町追跡 「小町集」による小町説話の研究
小町の虚像と実像にはじめてカケハシを架けた名著決定版。
古典ライブラリー 1748円(税込)

井上宗雄
百人一首 王朝和歌から中世和歌へ
和歌研究をリードしつづける著者が、最新の百人一首研究を平明に紹介。一首一首を丁寧に読み解き、各歌人の位置づけ、和歌の歴史、成立の過程等を明らかにした古典和歌入門に格好の講演集。
古典ルネッサンス 2200円(税込)

神野藤昭夫
知られざる王朝物語の発見 物語山脈を眺望する
平安から鎌倉さらに南北朝期まで500年に及んだ王朝物語の時代をダイナミックに捉えた、日本の物語文明史!源氏物語の背後にある失われた多くの物語をも視野に入れたとき、日本の王朝物語=『源氏物語』という単純な図式は成り立たなくなる。時空を越えて日本の王朝物語を語り尽くす。
古典ルネッサンス 2300円(税込)

中野三敏
江戸文化再考 これからの近代を創るために
泰平の世、三百年をかけて文化を成熟させた江戸時代。歪み、行き詰まる現代社会が成熟するためのヒントがそこにある。社会・思想・書物・絵画-従来の近代主義的な評価にとらわれず、江戸に即して眺めることで、「江戸の本当の姿」を理解する。江戸文学研究の泰斗による講演会を収録。
古典ルネッサンス 1700円(税込)

長谷川強
西鶴をよむ
日本文学史において、元禄時代を代表する作者、西鶴の伝記から各作品の紹介、鑑賞、文学的位置づけ等、詳しく解説し、西鶴の魅力・面白さをやさしく伝える。
古典ルネッサンス 2200円(税込)

日下力
平家物語転読 何を語り継ごうとしたのか
全12巻のエッセンスを本書一冊で読む。それが、転読!女性の祈りとともに、いくさの物語が閉じられる平家物語は、何を語り継ごうとしたのか。巻一から巻十二まで、ポイントを丁寧に読みながら、面白さを語り伝える。
古典ルネッサンス 1900円(税込)

新古今集古注集成の会
新古今集古注集成 近世新注編〈1〉
[翻刻]新古今集契沖書入本(三手文庫本)美濃の家づと(板本)美濃の家づと疑問(本居宣長記念館本)美濃の家づと疑問評(本居宣長記念館本)芝原春房が疑問評(静嘉堂文庫本)鈴平問答(阪本竜門文庫本)ささぐり(天理図書館本)みのの家づとの難(大阪府立中之島図書館本)
新古今集古注集成 15000円(税込)

新古今集古注集成の会
新古今集古注集成 近世旧注編〈4〉
新古今和歌集の注釈書を集め、翻刻するシリーズ。近世旧注編の4巻では、「新古今七十二首秘歌口訣」「新古今注釈」「新古今口授」「和歌二十一首秘注」などを収録し、解題を付す。
新古今集古注集成 14000円(税込)

藤平春男
藤平春男著作集〈第1巻〉新古今歌風の形成
「自己の内なる“文学”を理論化し、普遍化した“思想”が必要だ」と言い続け、思想の深化を常に自己に問うた著者自身の手による改訂版。解説 有吉保
藤平春男著作集 9500円(税込)

藤平春男
藤平春男著作集〈第2巻〉新古今とその前後(改訂版)
氏は、知識どまりの知識の虚しさや、表現の誇張にきわめて鋭敏であり、感動不在の分析のための分析の不毛について深く嘆かれるお人であった。-竹西寛子氏。解説 松野陽一〈刊行だより〉上條彰次・國東文麿。
藤平春男著作集 12000円(税込)

藤平春男
藤平春男著作集〈第3巻〉歌論研究1
藤平先生はまた、現代短歌のすぐれた読み手でいらしたので、それが和歌論の場に反映するという魅力があった。学問と文芸のごく近い関係を読み味わえる幸いである--馬場あき子氏。解説 兼築信行。
藤平春男著作集 11000円(税込)

藤平春男
藤平春男著作集〈第4巻〉歌論研究2
藤平氏の視野広く、精緻で、しかもみずみずしい感性に富む諸論考は、漢詩文集ではないが、「軸々に金五の声あり」の白楽天の語句を想起させる。若い研究者諸賢もこの著作集を通して啓発されるところ多大であろう-樋口芳麻呂氏。解説井上宗雄。
藤平春男著作集 11000円(税込)

藤平春男
藤平春男著作集〈第5巻〉和歌史論集
「自己の内なる文学を理論化し、普遍化した思想が必要だ」と言い続け、思想の深化を常に自己に問うた著者の幻の名著、名論文、未発表稿ほか、中古・中世・近世和歌研究の全業績を網羅した決定版。
藤平春男著作集 13000円(税込)

松尾聰
八代集 恋歌 第二巻 集成
「八代集」の各集から、「恋」の第二巻にあたる巻を集めたもの。底本は季吟「八代集抄」に拠る。一切の注を省き、底本の表記をそのまま採り、本文のみを掲げ、歌の頭に国歌大観の番号を冠した。「恋」この純の心こそ歌の根源であることを読者は思いだすだろう。
八代集 200円(税込)

ジョアン・ロドリゲス/福島邦道
日本小文典 ロンドン大学オリエント・アフリカ研究所蔵
ロンドン大学オリエント・アフリカ研究所蔵の複製です。
12000円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第1巻(巻第1・巻第2)
全十巻構成。第一巻は巻一・二を収録。古より続く万葉研究史の中、初めて女性只一人の手になる全歌注釈が誕生。国語学・考古学はじめ諸分野の最前線の研究成果をとりいれた総合的古代研究。読みやすい大きな活字を採用。
9500円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第2巻(巻第3・巻第4)
国語学・考古学はじめ諸分野の最前線の研究成果をとりいれた総合的古代研究。女性固有の感性で読み解いた阿蘇万葉学五十年の集大成。
15000円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第3巻(巻第5・巻第6)
本書は、西本願寺本を底本とする万葉集の全歌注釈の書である。
12000円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第4巻(巻第7・巻第8)
全十巻構成。第四巻は、巻七・巻八を収録。青木生子・梅原猛・大野晋・小野寛・久保田淳・佐佐木幸綱・中西進、各氏推薦!国語学・考古学はじめ諸分野の最前線の研究成果をとりいれた総合的古代研究。読みやすい大きな活字を採用。
14000円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第5巻(巻第9・巻第10)
全十巻構成。第五巻は、巻九・巻十を収録。青木生子・梅原猛・大野晋・小野寛・久保田淳・佐佐木幸綱・中西進、各氏推薦!国語学・考古学はじめ諸分野の最前線の研究成果をとりいれた総合的古代研究。読みやすい大きな活字を採用。
16500円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第6巻(巻第11・巻第12)
全十巻構成。第六巻は、巻十一・巻十二を収録。青木生子・梅原猛・大野晋・小野寛・久保田淳・佐佐木幸綱・中西進、各氏推薦!国語学・考古学はじめ諸分野の最前線の研究成果をとりいれた総合的古代研究。読みやすい大きな活字を採用。
16500円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第7巻(巻第13・巻第14)
全十巻構成。第七巻は、巻十三・巻十四を収録。青木生子・梅原猛・大野晋・小野寛・久保田淳・佐佐木幸綱・中西進、各氏推薦!国語学・考古学はじめ諸分野の最前線の研究成果をとりいれた総合的古代研究。読みやすい大きな活字を採用。
12000円(税込)

阿蘇瑞枝
萬葉集全歌講義 第8巻(巻第15・巻第16)
全十巻構成。第八巻は、巻十五・巻十六を収録。青木生子・梅原猛・大野晋・小野寛・久保田淳・佐佐木幸綱・中西進、各氏推薦。国語学・考古学はじめ諸分野の最前線の研究成果をとりいれた総合的古代研究。読みやすい大きな活字を採用。
10000円(税込)

阿蘇瑞枝/遠藤宏
古代説話 校註/解説
古事記・日本書紀・風土記・霊異記から、説話的興味に溢れかつ上代説話の全体像をうかがうに足る説話を選んで収録。本文は、諸書を参照して校訂した書き下し文。頭注は固有名詞を中心とした語に解説をほどこし若干の事項に補注を付す。各説話に便宜上標題を付した。
1200円(税込)

阿部好臣
物語文学組成論 1
自分は何処にいるのか。どんな仕組みが私たちを生かしているのか。それは実社会を計るより、”物語”の世界にスライドして考えた方が分かりやすい。本書はテキストの”読み”から、生きることの様々な仕組みを見据えその様相を遠望する。
13000円(税込)

阿部好臣
物語文学組成論 2
自分は何処にいるのか。どんな仕組みが私たちを生かしているのか。それは実社会を計るより、「物語」の世界にスライドして考えた方が分かりやすい。本書はテキストの「読み」から、生きることの様々な仕組みを見据えその様相を遠望する。
14000円(税込)

安井重雄
藤原俊成(しゅんぜい)判詞と歌語の研究
時代の流れを旧風から新風へと導き、後鳥羽院をはじめ誰からも尊崇された俊成という考え、あるいは、当代歌壇を御子左家対六条藤家だけで括る図式的見方を離れて、俊成の仕事の実態を明らかにする。
11000円(税込)

伊原昭
色へのことばをのこしたい
古典文学のなかの、「日本の色」世界を知り尽くした著者が、これまでに綴り、語った、小論、エッセイ、ラジオインタビューを集成。約300種類におよぶ豊穣な「日本の色」の世界を知り尽くした著者が、文学作品に見られる色の持つ役割、その背景にある文化、人々の情感、逸話などを紹介するとともに、失われゆく日本の色と日本人の感性に警鐘を鳴らす。
2200円(税込)

伊原昭
日本文学色彩用語集成 近世
日本人の美意識の核となる色を実証的に初めて捉えた基礎資料。30有余年を費やして遂に完成。
28000円(税込)

伊原昭
日本文学色彩用語集成 上代 1編
デリケートで、豊かな、奈良時代の萬葉集を中心とした「色」の言葉を網羅した初めての、そして、ただ一冊の本。
18500円(税込)

伊原昭
日本文学色彩用語集成 上代ー2
30有余年を費やして遂に完成した、日本人の美意識の核となる色を実証的に初めて捉えた基礎資料。近世文学の主要な作品を対象に、各々の本文の中に描かれている色彩に関する用語を、それを含む文節と共に採録する。
28000円(税込)

伊原昭
日本文学色彩用語集成 中世編
デリケートで、豊かな、鎌倉・室町時代の「色」の言葉を網羅した初めての、そして、ただ一冊の本。エイボン芸術賞(第29回)、ビューティーサイエンス学会賞(第1回)受賞作。
9500円(税込)

伊原昭
平安朝文学の色相 特に散文作品について
平安時代の代表ともいうべき散文作品、物語・日記・随筆等の20の作品における色彩を抽出し、その色相から諸作品の文芸性の一端にふれる。
4000円(税込)

伊原昭
万葉の色 その背景をさぐる
日本人に把握された豊饒な色の原点はどこにあるのか。万葉集・懐風藻・古事記・日本書紀・続日本紀・風土記はもとより、正倉院文書をはじめ、金石文・木簡等の記録的資料を取りあげることで、わが国の色彩の源流を辿る。上代日本社会の色彩のあり方を探る書。
6500円(税込)

伊藤伸江
中世和歌連歌の研究
中世詩歌の総体。和歌・連歌の史的関連を択る。
7800円(税込)

伊藤博(日本古典文学)
和泉式部 和歌と生活
彼女は、どんな暮らしをしていたのだろう。作品の記述を丁寧に読み取り、従来の研究では見落とされてきた和泉式部の暮らしの種々相、生活者としての哀歓などについて考察。全編ほぼ書き下ろし。
5800円(税込)

依田泰
藤原定家 古典書写と本歌取
定家はなぜ『土左日記』においてだけ仮名遣いが極度に乱れたのであろうか。本書は定家の機能的な書写態度に原因を見る。他、『古今集』の掛詞や、本歌取の新しい読み等。新見に満ちた注目の書。
5800円(税込)

井原西鶴/吉田幸一
西鶴織留 影印本
六巻二十三章より成る本文は、北条団水が師西鶴の死後「世の人心」と題した原稿を整理、板行したもので、本書では元禄七年の初版を以て若干縮小し、影印した。巻末に書誌的事項と成立事情に論及した解説並びに西鶴略年譜を附す。大学・短大の講読、演習テキストとして好適。
1500円(税込)

井原西鶴/吉田幸一
西鶴名残の友 影印本
五巻四冊、二十七章より成り、刊記は「元禄十二巳卯歳首夏吉辰 浪花書林 開板」。巻頭に「浪速滑稽林団水散人序」がある。団水筆の内題より、この作品が西鶴自筆本を板下にしたものであることが判読できる。巻末に成立、構成、内容等を簡明に解説した。附、西鶴略年譜。
700円(税込)

井上謙
森敦論
月山と放浪を愛し生死一如を追求した森文学を考察する初めての作品論。親友・井上磁雨氏に聞く貴重な証言の初公開。
2800円(税込)

井上宗雄
中世歌壇と歌人伝の研究
鎌倉期歌壇の中堅歌人群、および室町期における二条・冷泉・飛鳥井・三条西など諸歌道家の動向、中世歌集類の形態的特色や、中世和歌の顕著な特徴など、和歌の文芸的・実用的性格の考察を行い、まとめとして歌壇史的研究という方法についての省察を試みる。中世歌壇の基盤を実証的に明らかにする書。
13500円(税込)

井上宗雄
百人一首を楽しくよむ
メールにたくそう、きみの恋唄。三十一文字の美しい響き。
1300円(税込)

井上宗雄
和歌典籍俳句
文学と、どう、付きあってきたか-和歌と歌人の歴史をどのように解明してきたのだろう。単行書に収録しきれなかった、著者の文学研究の軌跡をたどる書です。テーマとしていた、歌壇史・歌人伝に関するもののみならず、文庫探訪記やその失敗談、若き日の愛読書、自選句集等、著者の仕事の舞台裏がわかる文章を収録しました。文学と歌と向き合っていくためのエッセンスが満載です。井上宗雄の全仕事がわかる年次順目録付き。
4800円(税込)

井上泰至
雨月物語論 源泉と主題
秋成の「意識」と「方法」はどこまで読み解けるか。執筆の意図と、選ばれた表現・結構の戦略を、秋成とその周辺の「知」から究明。気鋭の論者が放つ待望の「雨月」論。
9500円(税込)

井上泰至
近世刊行軍書論 教訓・娯楽・考証
近世期に刊行された、軍書の全体像を問う、初の書。「娯楽」「教訓」「歴史」「軍学」の諸要素が渾然としていたため、近世軍書は、近代的な制度である、文学研究・思想史研究・倫理学研究・歴史研究のどの研究分野からも継子扱いされてきた。本書はそれらの諸分野を超え近世軍書の流れ、性格を考え、小説史に果たしてきた役割を論じていく。武士の生き方を教えた軍書は、江戸時代の小説という「花」を生む「土壌」として見れば、武士の歴史を語る、まことに養分の多い「沃野」であった--。
6500円(税込)

井上泰至
恋愛小説の誕生 ロマンス・消費・いき
日本文学史上初めて登場した女性向け大衆娯楽小説、人情本。この中心にいた為永春水の作品を繙き、評価の低かったこのジャンルを再評価する。現代の恋愛と人情本はどう切り結ぶのか。今までの文学研究の枠を超え、言語学・心理学・社会学等の成果も援用し分析しつくす、刺激的な一冊。
1900円(税込)

井上泰至/金時徳
秀吉の対外戦争 変容する語りとイメージ
秀吉の朝鮮攻略である”文禄・慶長の役(日本)/壬辰倭乱(韓国)”は、江戸時代から日清戦争にいたるまで、どのように日本と韓国で語り継がれてきたのか。この戦争の言説の中心となった、軍記・軍書の実態を整理・俯瞰し、史学・思想・絵画・演劇・近代小説といった多様な分野との関連・影響・展開を視野に入れ検討する。現在もなお、日韓関係に影を落とす、秀吉の戦争についての記憶の根拠を発掘していく。
2000円(税込)

磯水絵
『源氏物語』時代の音楽研究 中世の楽書から
当時の音楽理解のためには物語文脈を一旦離れ、音楽史の上に作品を置いてみることである。本書は、これまで斯界の陥っていた安易な推論を払拭しようと、物語成立前後から中世にかけての文献を用いて、より実証的な解釈に迫っていこうとするものである。
12500円(税込)

稲賀敬二
稲賀敬二コレクション 1
国文学者、稲賀敬二(1928-2001)の仕事の全貌。斬新な『源氏物語』成立論をなし、『堤中納言』『落窪物語』『住吉物語』などの魅力的な注釈者でもあった氏の、単行本未所収の論文を集め、ジャンル別に全6巻に収めたシリーズ。豊饒にして刺激に満ちた稲賀ワールドを堪能できます。各巻には、第一線で活躍中の研究者による解説をつけました。
8000円(税込)

稲賀敬二
稲賀敬二コレクション 2
国文学者、稲賀敬二(1928-2001)の仕事の全貌。斬新な『源氏物語』成立論をなし、『堤中納言』『落窪物語』『住吉物語』などの魅力的な注釈者でもあった氏の、単行本未所収の論文を集め、ジャンル別に全6巻に収めたシリーズ。豊饒にして刺激に満ちた稲賀ワールドを堪能できます。各巻には、第一線で活躍中の研究者による解説をつけました。
6500円(税込)

稲賀敬二
稲賀敬二コレクション 3
国文学者、稲賀敬二(1928-2001)の仕事の全貌。斬新な『源氏物語』成立論をなし、『堤中納言』『落窪物語』『住吉物語』などの魅力的な注釈者でもあった氏の、単行本未所収の論文を集め、ジャンル別に全6巻に収めたシリーズ。豊饒にして刺激に満ちた稲賀ワールドを堪能できます。各巻には、第一線で活躍中の研究者による解説をつけました。
9000円(税込)

稲賀敬二
稲賀敬二コレクション 4
国文学者、稲賀敬二(1928-2001)の仕事の全貌。斬新な『源氏物語』成立論をなし、『堤中納言』『落窪物語』『住吉物語』などの魅力的な注釈者でもあった氏の、単行本未所収の論文を集め、ジャンル別に全6巻に収めたシリーズ。豊饒にして刺激に満ちた稲賀ワールドを堪能できます。各巻には、第一線で活躍中の研究者による解説をつけました。
8000円(税込)

稲賀敬二
稲賀敬二コレクション 5
国文学者、稲賀敬二(1928-2001)の仕事の全貌。斬新な『源氏物語』成立論をなし、『堤中納言』『落窪物語』『住吉物語』などの魅力的な注釈者でもあった氏の、単行本未所収の論文を集め、ジャンル別に全6巻に収めたシリーズ。豊饒にして刺激に満ちた稲賀ワールドを堪能できます。各巻には、第一線で活躍中の研究者による解説をつけました。
9000円(税込)

稲賀敬二
稲賀敬二コレクション 6
国文学者、稲賀敬二(1928-2001)の仕事の全貌。斬新な『源氏物語』成立論をなし、『堤中納言』『落窪物語』『住吉物語』などの魅力的な注釈者でもあった氏の、単行本未所収の論文を集め、ジャンル別に全6巻に収めたシリーズ。豊饒にして刺激に満ちた稲賀ワールドを堪能できます。各巻には、第一線で活躍中の研究者による解説をつけました。
11000円(税込)

稲田利徳
人が走るとき 古典のなかの日本人と言葉
卓抜な推論と緻密な実証を絡め、古典文学に躍動する日本人の特性や、文学作品の言葉・表現の背後に潜在する心情などを鮮明にする、魅力溢れる書。稲田利徳の古典学の舞台裏を明かす贅沢な一冊。
3800円(税込)

稲田利徳
正徹の研究 中世歌人研究
中世第一の詩人である正徹の、伝記・作品・資料にわたり、実証的に探究した研究書。
30000円(税込)

宇佐美昭徳
古今和歌集論 万葉集から平安文学へ
一首の成り立ちから部立まで、構造を万葉集と比較・分析することにより、通説へ抜本的変更を迫った画期的研究。読人しらず歌の時代区分・部立の対応・句切れの問題・類歌の概念などの考察を通し、和歌文学の基盤をはじめて捉えた野心作。万葉集作者未詳歌群の類歌を分類・整理した一覧付。
7500円(税込)

雲英末雄
貞門談林諸家句集
山岡元隣、谷口重以、田中常矩、浜川自悦、菅野谷高政、富尾以船、斎藤如泉の七人の俳人の句を紹介。
2000円(税込)

遠山一郎
『古事記』成立の背景と構想
神から天皇への変遷を経て、『古事記』がどう記したか。成立の過程、意義を、歌・散文にわたって立体的かつ実証的な表現の分析から捉えた全く新しい視点にたつ斬新な論考。
8500円(税込)

塩沢一平
万葉歌人田辺福麻呂論
田辺福麻呂の表現、長歌の構造、用字法などの詳細な検討により、新たなる田辺福麻呂論の構築をめざす。
6800円(税込)

岡崎真紀子
やまとことば表現論ー源俊頼へ
和語による言語表現史上、変革期ともいうべき院政期に、ひときわ異彩を放つ源俊頼の歌や叙述を読み解くことから、院政期の言語状況を明らかにする。和語によって文学が生み出され、享受されるとは、いかなることであったのか。我ハ歌ヨミニハアラズ。歌ツクリナリ。【源俊頼】
11000円(税込)

岡田袈裟男
江戸の翻訳空間 蘭語・唐話語彙の表出機構
オランダ語、中国から流入した唐話(白話・近世俗語)などさまざまな異文化言語との交流の実態を精密に解析し、日本文化の基底と日本語の特性を究明する。
9000円(税込)

下岡友加
志賀直哉の方法
小説の神様・志賀の作品たちはいかなる方法に支えられてきたか。その表現の具体的様相を草稿・未定稿の検討を含め、従来にない緻密な作品分析に基づき深層を詳らかにする、意欲的な評論集。
2800円(税込)

何志明
現代日本語における複合動詞の組み合わせ 日本語教育の観点から
今の日本語教育はそれに対して有効な手法を持ち得ていない。自身が習得に苦労した経験から、日本語母語話者が見過ごしがちな問題に着目し、構造を徹底分析。将来の指導法確立へ向けた基礎研究。
3000円(税込)

加藤裕一
上田秋成の思想と文学
人間秋成をどう捉えるか。国学思想にとどまらず、俳諧、和歌、和文などさまざまな新たな視点と時代把握から秋成の創作方法や思想を捉え直し、いまだ知られざる作品世界を提示。
7500円(税込)

河北騰
栄花物語新註
栄花物語を最も代表している部分を厳選し、頭註を施した抄本。本文は三条西家旧蔵本を底本とした日本古典全書本に拠る。頭注では、間々、校注者の創見とも言うべき新解釈を打ちだし、かつ、種々の角度から作品を体系的に叙述した詳密な解説を付す、恰好のテキストである。
1553円(税込)

河北騰
水鏡全評釈
鎌倉時代初頭に成立したと考えられる『水鏡』は、第一代神武天皇から、第五五代仁明天皇まで約七百年間にわたる古代神話や説話史実などを、歴代天皇順に編年体で記した作品である。本書は高田専修寺本を底本とし、本文、語釈、通釈、評釈を掲載。人名、仏教・神道・陰明語、一般語句・事項索引付。
9000円(税込)

会田実
『曽我物語』その表象と再生
作品構造と魂の救済という側面に焦点をあてて、忠孝の範、荒唐無稽といった物語評価の軛から解放された『曽我物語』の新たな読みを呈示。物語のもつ意味を表象し、現代に再生する、真名本を中心とした作品論。
8000円(税込)

樫原修
「私」という方法 フィクションとしての私小説
「私小説」という概念の出現は、何を変えたのか。論者たちの小説解釈を方向付け、小説家たちの自己認識にも影響を与えた「私小説」という概念の出現。私小説概念とともにあった志賀直哉、葛西善蔵、梶井基次郎、太宰治等の小説・論評を読み直す試み。
3600円(税込)

葛綿正一
源氏物語のエクリチュール 記号と歴史
『源氏物語』の新しい読解-王権論にも心理主義にも還元されない言葉の動きを読む。作品は作者の意図した単一の主題から成り立っているのではない。むしろ、作者自身さえ統御できないような無数の主題群から成り立っている。
7500円(税込)

葛綿正一
源氏物語のテマティスム 語りと主題
源氏物語を、いかに語られているかという語りの問題と、なにが語られているかという主題の問題から読み取っていく。鏡、階と橋、車と舟、光などのテーマをもとに、物語の細部を明らかにする試み。
7800円(税込)

間宮厚司
おもろさうしの言語
沖縄古語を大和古語と比較することで解明した画期的研究!沖縄の古代歌謡集『おもろさうし』に一石を投じる語学的研究、”語法・表記・語源”の面から難解なオモロ語に新たな視界をひらく。
5000円(税込)

関一雄
国語複合動詞の研究
複合動詞を研究することは、複合語全般にわたる問題にふれ、ひいては日本語造語法の核心を衝くことにもなる。複合動詞をいかに研究していくのか。
7500円(税込)

関一雄
平安物語の動画的表現と役柄語
和文語・漢文訓読語などの、文体(位相)差にとどまってしまっている平安時代語研究の現状に風穴を開ける。
1800円(税込)

岩佐美代子
あめつちの心 伏見院御歌評釈
伏見院は、高雅な広沢切の筆者であり、また近代的な京極派歌風と帝王ぶりの大らかさとを合わせよくした、超凡な歌人である。その歌をこよなく愛する著者の評釈は冴えわたり、巨峰伏見院の歌のみならず中世和歌の本質を知るための最短の道しるべとなっている。
2500円(税込)

岩佐美代子
京極派歌人の研究
追いつめられた断崖の突端に辛うじて爪先立っているような、崩壊寸前の公家社会に生を享け、それゆえにこそ貴族階級における最後の文芸創造者となりえた京極派歌人一人ひとりの生き方を、できる限り資料に即して追体験し、作品を理解しようと試みた、著者渾身のデビュー作。
12000円(税込)

岩佐美代子
京極派和歌の研究
前著『京極派歌人の研究』を受け著された書。為兼を中心に京極派和歌の生成発展の様相をみつめる。為兼の新風創造の根本精神に思想的裏付けを行い、為兼全歌歴の詳細な検証を行い、完成期の歌風を論じる。第三編はそのまま、京極派和歌史である。附編として京極為兼全歌集を収める、渾身の一冊。
14000円(税込)

岩佐美代子/岩田ななつ
岩佐美代子の眼 古典はこんなにおもしろい
四歳より十三年間、昭和天皇第一皇女照宮成子内親王のお相手を勤め、女子学習院高等科卒業、結婚後、独学で京極派和歌・中世女流日記研究を開始…。その異色の経歴と研究者としての業績は一部では「伝説」とも言われているほどである。氏の大正・昭和・平成、その83年間を語って頂いた。「人として、生きるための思想」とは何だったのか、古典文学の面白さはどこにあるのか。その秘密を明らかにする。「女房の眼」を持つ国文学者のロングインタビュー。
2200円(税込)

吉岡曠
源氏物語論
明晰な論理と緻密な読解によって、源氏物語の研究に優れた光を放った「吉岡源氏」学第一冊。源氏物語の成立・構想論はいまも色あせない。
5500円(税込)

吉岡曠
作者のいる風景 古典文学論
明晰な論理と緻密な読解によって、源氏物語の研究に優れた業績を遺した著者の遺文集。源氏物語の成立・構想論、作品論を中心に、更級日記、万葉集、新古今集などについての単行本未収録の論文を集成した。
2800円(税込)

吉海直人
「垣間見」る源氏物語 紫式部の手法を解析する
「垣間見」は、男女の恋の展開だけに有効だったのか-幻想の垣間見論を突き崩す。
3500円(税込)

吉江久弥
西鶴全句集 解釈と鑑賞
西鶴研究の第一人者が、西鶴の俳諧的生涯に知られざるもう一人の西鶴を見出した、新しい全句集の誕生。
4200円(税込)

吉田兼好/松尾聡
徒然草 校註
本文は善本の聞え高き田中忠三郎氏蔵本を底本とし諸本をもって校訂された鈴木知太郎博士の刊本(東宝書房刊)に拠った。頭注は学習の便を中心に考え、特に注意すべきもの、解釈に疑問がある箇所、誤りやすい箇所、出典、ならびに中古語法からはずれた語法等に施した。
800円(税込)

吉田幸一
狭衣物語諸本集成 第1巻
『源氏』と並び評価、流布した『狭衣』の初の諸本集成。重要伝本の翻刻に詳細な解説を付す。(一)伝為明筆本 (二)伝為家筆本 (三)伝慈鎮筆本 (四)伝清範筆本・保坂家旧蔵本 (五)紅梅文庫旧蔵本 (六)飛鳥井雅章筆本
14563円(税込)

吉田幸一
狭衣物語諸本集成 第2巻
『源氏』と並び評価、流布した『狭衣』の初の諸本集成。重要伝本の翻刻に詳細な解説を付す。(一)伝為明筆本 (二)伝為家筆本 (三)伝慈鎮筆本 (四)伝清範筆本・保坂家旧蔵本 (五)紅梅文庫旧蔵本 (六)飛鳥井雅章筆本
14563円(税込)

吉田幸一
狭衣物語諸本集成 第3巻
『源氏』と並び評価、流布した『狭衣』の初の諸本集成。重要伝本の翻刻に詳細な解説を付す。(一)伝為明筆本 (二)伝為家筆本 (三)伝慈鎮筆本 (四)伝清範筆本・保坂家旧蔵本 (五)紅梅文庫旧蔵本 (六)飛鳥井雅章筆本
14563円(税込)

吉田幸一
狭衣物語諸本集成 第5巻
『源氏』と並び評価、流布した『狭衣』の初の諸本集成。重要伝本の翻刻に詳細な解説を付す。(一)伝為明筆本 (二)伝為家筆本 (三)伝慈鎮筆本 (四)伝清範筆本・保坂家旧蔵本 (五)紅梅文庫旧蔵本 (六)飛鳥井雅章筆本
15000円(税込)

吉田幸一
狭衣物語諸本集成 第6巻
『源氏』と並び評価、流布した『狭衣』の初の諸本集成。重要伝本の翻刻に詳細な解説を付す。(一)伝為明筆本 (二)伝為家筆本 (三)伝慈鎮筆本 (四)伝清範筆本・保坂家旧蔵本 (五)紅梅文庫旧蔵本 (六)飛鳥井雅章筆本
15000円(税込)

吉田幸一/速水博司
狭衣物語諸本集成 第4巻
『源氏』と並び評価、流布した『狭衣』の初の諸本集成。重要伝本の翻刻に詳細な解説を付す。(一)伝為明筆本 (二)伝為家筆本 (三)伝慈鎮筆本 (四)伝清範筆本・保坂家旧蔵本 (五)紅梅文庫旧蔵本 (六)飛鳥井雅章筆本
16505円(税込)

吉野瑞恵
王朝文学の生成 『源氏物語』の発想・「日記文学」の形態
『源氏物語』の中で文脈の表層に表される出来事と深層にもつ別の意味とが絡み合う様相を明らかにし、『蜻蛉日記』では「私」を語ることがどのように「公」の世界へつながっているのかに着目。一人の女性がいかに新しい散文を作り上げていったのか、平安時代に女性が「書く」ことがもっていた意味を問い直す。
7500円(税込)

久富哲雄
芭蕉  曽良  等躬 資料と考察
著者が半世紀以上にわたって蒐集した貴重な資料を収録。芭蕉関係は、錦江著『芭蕉翁桃青傅』の影印
5800円(税込)

久富哲雄
芭蕉追跡 探訪と資料
俳文学と「おくのほそ道」を愛する、すべての人へ-。芭蕉は、どうやって捜せばいいのか?芭蕉を追いかけつづけた、「奥の細道の番人」、最後の書。
5800円(税込)

久保木哲夫
折の文学 平安和歌文学論
日常の歌、会話的な性格をもった歌を読み解くためには、季節・天候・人間関係・心理状態などまで含めた「折(=シチュエーション)」の理解が必要不可欠である。表現面だけではわかりにくい歌も、「折」を鍵として解き明かすことができる。平安和歌の真の理解に迫り、本質を捉えた画期的方法論。
7200円(税込)

久保木哲夫
伏見院御集[広沢切]伝本・断簡集成
南北朝時代のさきがけとなる両統迭立時代を生きた第九十二代天皇伏見院(1265~1317)の和歌三千首以上を収録。伏見院自身の筆になる「伏見院御集」は、古来「広沢切」として、その卓越した歌・筆跡が尊ばれ、多くの人々を魅了、諸家に分蔵されることになった。現段階において、その「広沢切」を可能な限り収集・翻刻。重出歌や他文献所載歌は洩れなく注記した。京極派和歌を考える際の最も基礎的で、不可欠な資料がここに誕生。
19000円(税込)

久保木哲夫
平安時代私家集の研究
私家集の基礎的研究に、古筆資料を本格的に持ち込んだ初の書。古筆切の持つ資料的価値が、私家集本文の抱える諸問題を新しい視点から解明していく。丹念な本文の読みが光る書。
11000円(税込)

橋本達雄
万葉宮廷歌人の研究
万葉集歌人の主流を形成する、いわゆる宮廷歌人について、作風・背景などの考察を通して、その歌人的性格、系列的関連などを明らかにする。
11000円(税込)

橋本達雄
万葉集の時空
季節感、場、時代感覚等、あらゆるファクターから万葉集を取り囲む興趣の尽きぬ問いを考証する。柔軟かつ精緻な”読み”による構築される万葉ロンドの世界。
9800円(税込)

橋本達雄
万葉集を読みひらく
日本的抒情の源泉、「万葉集」とは何か。今もなお新鮮な感動を呼び起こし、力強く私たちに訴えかけてくる、その魅力は何なのか。万葉集を知り尽くした著者が、縦横無尽に語り尽くす。
9500円(税込)

錦仁
なぜ和歌を詠むのか 菅江真澄の旅と地誌
人は何を和歌に託し、和歌は何を秘めて続いてきたのだろうか。本書は江戸後期、信越・東北・北海道などを歩き数多くの旅日記や地誌を記した菅江真澄の「和歌」「地誌」に注目する。秋田藩主はなぜ、菅江真澄に、名所探し・名所作りを命じたのか-それは真澄が「和歌」の役割を十分に理解していたから託すことが出来たのではないか。とすれば、その役割とは何なのか。菅江真澄から、日本全土を覆い尽くしてきた、「和歌」が見えてくる。本書はそれだけ根源的な問いを投げかける。日本人にとって、和歌とは何か、と。
3200円(税込)

錦仁
浮遊する小野小町 人はなぜモノガタリを生みだすのか
モノガタリ学のススメ!人はなぜモノガタリをあくことなく紡ぎだすのか-東北各地の小町伝承を調査・追求し、人間の根底に潜むモノガタリ生成の意欲の秘密を探る。
5500円(税込)

金井清一/小野寛
年表資料上代文学史
上代文学・上代文学史の講義・演習用のテキスト。内容は年表編と資料編の二部からなり、巻末に関係系図・位階変遷表・官位相当表・万葉集各巻一覧等が付く。
1500円(税込)

金時徳
異国征伐戦記の世界 韓半島・琉球列島・蝦夷地
「前近代の日本」は異国に対する武力行使をどのように正当化してきたか。異国侵略が「征伐」という概念のもとに、正当化されていく論理を追うべく、壬辰戦争(一五九二-八)を扱った文献群、朝鮮軍記物を中心に、三韓軍記物、琉球軍記物、蝦夷軍記物の歴史と展開をつぶさに検証する。近世文学に潜む様々な課題を炙り出す、衝撃の一冊。
6800円(税込)

金水敏/田中ゆかり/岡室美奈子
ドラマと方言の新しい関係 『カーネーション』から『八重の桜』、そして『あまち
近年、方言がドラマにおいて果たす役割がきわめて重要になってきた。例えば、『カーネーション』から『八重の桜』、そして『あまちゃん』…。本書は、言語研究の立場から、ドラマの方言を捉え直します。果たして、ドラマの方言が変わってきているのか。それとも、方言がドラマを変えたのか。実際にドラマのことば指導を行っている俳優や、NHKのドラマ制作班の方々を迎え、その謎を考え、「ドラマ方言」が誕生する過程に迫る。2014年3月に行われた「ドラマと方言の新しい関係」シンポジウムの完全書籍化。
800円(税込)

金沢英之
宣長と『三大考』 近世日本の神話的世界像
西洋の自然科学的知識の流入により中世からの現実認識が変化する時、宣長は『古事記』からどのように現実世界を意味づける神話的世界像を描き出したか。服部中庸の『三大考』を『古事記伝』附巻とした宣長の真意とは-。
4500円(税込)

金田章宏
八丈方言のいきたことば 民話・伝説・談話
『謎の方言』八丈方言を少しでも多くの人に「感じ」てもらうため、これまで埋もれていた民話・伝説・談話などの録音記録を忠実に対話化!大正後期から戦後の八丈の生活実態を知ることができる貴重な一冊。
1300円(税込)

金田章宏
八丈方言動詞の基礎研究
古代語でさえ喪いかけていた文法現象が八丈方言に残っていた。八丈方言に万葉東歌にみられる東国方言が残ることは指摘されてきたが、細部は依然として謎だった。先行の研究をふまえながら長い時間をかけた現地でのフィールドワークによって、消滅の危機に瀕した方言の文法体系がはじめて検証される。
15000円(税込)

金任仲
西行和歌と仏教思想
仏教と関連する和歌=釈教歌を扱う。作歌年次と典拠、歌題とされた経句・経文の出典を明らかにし、歌から窺える仏教思想を解明。
9500円(税込)

金澤裕之
近世語研究のパースペクティブ
近世語研究は、日本語学研究に、日本文学研究に、何をもたらすのか。研究者ごとにさまざま異なろうとする、近世の言語文化の「像」。それらをすりあわせるべく、「新鮮で見晴らしのよい」眺望を提示する。
2500円(税込)

熊鶯
鍵がドアをあけた 日本語の無生物主語他動詞文へのアプローチ
伝統的な日本語では用いられにくいと論じられてきた、「コピー用紙が、私の手を切った」「あの事件は、彼を驚かした」のような、無生物主語の他動詞文。現代日本の文学作品と新聞社説から豊富な用例を取り出し、中国語との対照も視野に入れて、タイプや特徴を分析。現代日本語における無生物主語他動詞文に関する現象に、新たな研究成果をもたらした書。
3200円(税込)

粂川光樹
上代日本の文学と時間
時間は、文芸の発想を分析する上で重要な鍵になる。同時に諸文化圏を横断して文学を論じ合うときに世界共通の術語として有効に機能する。記紀神話・万葉集の歌や歌人を対象に、新しい視点から日本古代文学発想の源に迫る。
11000円(税込)

兼岡理恵
風土記受容史研究
「地方」を記した書、風土記。千年以上も前に成立した史料が今、伝わるのはなぜか。奈良時代の成立時から江戸後期まで-律令官人・歌人・武人・大名・儒者・国学者-風土記をめぐる人々の交流”知のネットワーク”を明らかにした画期的研究。
9800円(税込)

犬飼隆
上代文字言語の研究
八世紀以前、漢字は、未だに外国語の文字であった。日本語に用いられた漢字は、どのように「飼い慣らされ」、日本語のなかに浸透していったのか。漢字の仮借から脱却して、日本語の音節文字になりつつあった万葉仮名から、自国語の文字としての平仮名へ向かう過程を、追究した名著。
5500円(税込)

犬飼隆
木簡から探る和歌の起源 「難波津の歌」がうたわれ書かれた時代
遙か古代、有名な「歌」だったにもかかわらず、歌集には縁がなく、それ以外のところで盛んに出て来る「難波津の歌」。この歌の出自を探ることで、和歌の起源が見えてくる。文学の歴史を変える、スリリングな一冊!2008.5.23に報道された、万葉歌と同じ歌を書いた木簡が発見されたことの、本質的な意味もわかる本です。
1900円(税込)

犬飼隆
木簡による日本語書記史
言語研究の立場から、木簡から読み解けることを明らかにし、歴史学・考古学に還元すると同時に、八世紀以前の日本語の真の姿を追究する。言語学と歴史学がクロスする、Excitingな論考。最新の知見を取り入れて大幅に記述を改訂増補。
2800円(税込)

原武哲
喪章を着けた千円札の漱石 伝記と考証
半生をかけて探し挙げた豊富な資料をもとにした、新たな漱石伝記。熊本時代の漱石の空白部を満たす夏目漱石論のほか、芥川龍之介、谷崎潤一郎関係の論文も収録する。
3800円(税込)

五月女肇志
藤原定家論
表現摂取の分析を踏まえた中世和歌の展開を、藤原定家を中心に考察する。改作に伴う本文の変化、文献学的研究の進展や新資料の紹介を踏まえ、摂取源である本歌や本説の本文を再検討。摂取歌の新たな解釈を導き、その表現意図を明らかにする書。定家老年期の作とされてきた『藤河百首』についても享受史を踏まえ、検討を加える。
8000円(税込)

後藤幸良
平安朝物語の形成
形成とは「(作者が)作品を形づくること」である。なかでも、構想・構成などを解明することは、従来の研究において次第に忘れ去られてきたのではないか。今、先行の構想論の成果を批判的に継承しつつ、表現--構想・構成--〈作者〉という回路をより豊かに明確に押さえていくことが求められている。〈作者〉の表現の意味への遡源を考え抜いた、平安朝物語形成論。
16500円(税込)

光延真哉
江戸歌舞伎作者の研究 金井三笑から鶴屋南北へ
歌舞伎の「黄金時代」を捉える。江戸歌舞伎が最も華やいだ18世紀後半の50年に活躍し、役者を上回る権威を誇ったとして作者の理想像とされた金井三笑の全貌を明らかにする。作劇法や作者観を分析し、弟子・四代目鶴屋南北へ受け継がれていく流れを新たに構築。三笑から南北を逆照射し、南北のあらたな姿を“発見”する。現存唯一の三笑作品『卯しく存曽我』(おんうれしくぞんじそが)を活字化するほか、南北の最初期作品『けいせい井堤〔ヤマブキ〕』(いでのやまぶき)など、新資料を多数紹介!初紹介の台帳、資料多数!役者の探墓に便利な、別冊「江戸・明治 歌舞伎役者墳墓一覧」付
12000円(税込)

工藤力男
かなしき日本語
日本語は深く悲しんでいる。「一億総発信者」の時代、己が思いを誤りなく伝えるには、その文章に最も適切なことばを探らなくてはならない。ことばが軽んじられている今、日本語への愛と哀惜の情を抱いてやまない著者が、厳密な考証と滋味溢れる文章で織り成す日本語時評。
2400円(税込)

工藤力男
萬葉集校注拾遺
万葉集の読み方に根源的な疑義を呈する問題の書。音韻・文法・語彙・文字その他、微細な事柄から巨大なモノを捕捉する醍醐味溢れる新研究。
3800円(税込)

江上敏哲
本棚の中のニッポン 海外の日本図書館と日本研究
日本人の知らない「海外の日本図書館」。そこはどういうところで、今、何が必要とされているのか。海外で日本について学ぶ学生、研究者、そのサポートをする海外の日本図書館について紹介し、その課題やニーズに日本側からどう応え、資料・情報を提供・発信していけばいいのかを考える本。
1900円(税込)

荒木尚
今川了俊の研究
中世後期における文化の拡散がどういう人によってどのような形ですすめられたのかという実態は、啓蒙的指導者として位置づけられる今川了俊の他面にわたる業績も、そのテーマのなかで注目すべき意義を持つ。基礎的研究に加え、了俊歌論全体を考察する。
11000円(税込)

高野正美
これだけは知っておきたい万葉集の環境と生活
万葉集をより身近なものとして楽しむために、初めて読む方のために、宮廷、宴、旅、恋、死など当時の生活環境と習慣を紹介する。万葉集全体の傾向と流れがわかる本。
1600円(税込)

今井上
源氏物語表現の理路
現行の注釈書や従来の解釈に問題はないのかと問い直し、注釈作業を練磨する中から、本文に即したより正確な理解を獲得すること、そうした手続きを経てはじめて『源氏物語』の読み取りは真の意味で更新され、問題意識は再び他者と共有しうるものになるのではないか。源氏物語の自閉した「私の読み」を超えるために。
11000円(税込)

今関敏子
旅する女たち 超越と逸脱の王朝文学
日本人はどのように旅を文学まで高めたのだろうか。かぐや姫から後深草院二条まで平安鎌倉時代の作品から女の旅を辿る。
2200円(税込)

今成元昭
『方丈記』と仏教思想
『方丈記』は、日本文学史上まれに見る思想的作品である。仏教的視座をあわせ持つ野心的文学研究。
11000円(税込)

今野真二
消された漱石 明治の日本語の探し方
夏目漱石の原稿を素材とし、その観察、分析を通して明治期の日本語のあり方を窺うことを目的とする。
4800円(税込)

今野真二
文献から読み解く日本語の歴史 鳥瞰虫瞰
文献に徹底的に密着することで、日本語について何を明らかにすることができるのか。その方法と実践の書。『平家物語』、『横笛草子』、森鴎外『文づかひ』等を俎上に挙げ日本語の歴史を析出する、刺激的な一冊。
3800円(税込)

今野鈴代
『源氏物語』表現の基層
文学作品に限らず広く歴史資料・諸記録をも見渡したうえで『源氏物語』に向かうと、作品世界の各「表現」の必然性が明らかになる。作品成立当時の社会の共通理解を読み解き、本文表現を個別に考証する。『源氏』をできる限り書かれた当時のままに読むにはどうしたらよいのか。読解の第一歩。
9000円(税込)

佐佐木隆(日本語学)
上代語の表現と構文
「万葉集」を主な資料として上代語の構文や表記に関わる諸問題について考究した、97年刊「上代語の構文と表記」100年刊「万葉集と上代語」の続編ともいう内容の三冊目の論文集。上代語の個々の具体的な表現について考察。
10000円(税込)

佐田公子
古今集の桜と紅葉
日本の土壌に根付く花紅葉の文化は一体どこからくるのか。『古今集』に詠われた自然のうち、日本人が最も身近に感じる桜と紅葉を取り上げて一首ごとに本格的かつ丁寧に解説。より深くより身近に『古今集』が楽しめる1冊。
3500円(税込)

佐藤恒雄
藤原為家研究
祖父は藤原俊成。藤原定家を父に持つ、藤原為家(一一九八~一二七五)の全て。四〇年に亘り、為家を追究してきた著者の集大成、全一冊。
28000円(税込)

佐藤伸宏
詩の在りか 口語自由詩をめぐる問い
高村光太郎、室生犀星、萩原朔太郎、三富朽葉の四人に焦点をあて、”詩”の在りかを求める詩人たちの多様にして個性的な試みを辿る。
3200円(税込)

佐藤琢三
自動詞文と他動詞文の意味論
これまで日本語の自他の問題は、形態の側面からの研究が活発だったが、本書では意味的な特徴を中心に論じる。文の意味の成り立ちに〈人間の心〉がどのように関わっているのか。自動詞文・他動詞文について考察する。
2800円(税込)

斎藤正昭
紫式部伝 源氏物語はいつ、いかにして書かれたか
従来、顧みられることのなかった勧修寺流・具平親王・帚木三帖をキーワードに、紫式部の生涯を通して浮かびあがった、源氏物語成立の謎に迫る。
2200円(税込)

坂詰力治
半井本 保元物語 本文・校異・訓釈編
漢字仮名混じり文の始発期に成立した軍記「保元物語」から日本の漢字文化を見通す。
9500円(税込)

阪下圭八
古事記の語り口 起源・命名・神話
『古事記』には意外なところに遊びがあり、笑いがある。遊びと笑いが口承と記載言語にまたがって、それら二つの側面ないし要素を独自に組織しているわけで、その組織の仕方にこそ『古事記』固有の歴史性がある。
7800円(税込)

阪下圭八
和歌史のなかの万葉集
日本の歌が万葉集からのち失ったもののなかに万葉の万葉たる所以を見出す。歌についての明確な意識の確立は、必ずしも歌の創造性や豊富化をもたらしはしない。万葉集から古今集へ、定型化と洗練に向かう過程で、多くのものが失われた。万葉を万葉たらしめている要の石-初期万葉、人麻呂、憶良などの作品を中心に論じる。
6800円(税込)

榊原邦彦
枕草子拔書
「枕草子抜書」と「枕草子絵巻詞書」とを厳密に翻刻し、各々頭注を付したもの。底本は「抜書」静嘉堂文庫蔵(明応五年奥書)本、「絵巻詞書」「校本枕冊子』に拠った。両本とも鎌倉時代の書写と推され、殊に「抜書」は三巻本枕草子一類の欠失部を部分的乍ら含む点で重要。
1165円(税込)

榊原邦彦/伊藤一重
軍記物語選
古代末期から中世にわたる軍記物語のアラカルト。『保元物語』後白河院御即位の事他3篇・『平治物語』信頼信西不快の事他5篇・『平家物語』祇園精舎の事他13篇のなじみ深い作品で歴史と文学の架け橋としての軍記物語の面白さに読者を誘う。本文は読み易さを考え、歴史的仮名遺いに統一し、句読点、会話の鉤括弧などを適宜施し、全ての漢字に読みを付す。頭註は本文の難解な語句、人名、地名などについて簡明に記し、読み方の参考となる諸本の異同も明記。
1500円(税込)

山下宏明
『平家物語』入門 琵琶法師の「平家」を読む
琵琶法師は何を語り、何を伝えようとしたのか。時代の転換期を生き敗者となった平家。動乱の時代を記憶する琵琶法師が歴史的事実を乗り越えて伝えようとした「平家」の物語を読み解く入門書。
1900円(税込)

山下正治
平家物語と法師たち 中世の仏教文学的展開
「法師」をみていくと、その変わりように驚くばかりである。本書は変質していく「法師」を、説話集の流れと、勅撰和歌集の流れの二つから追究する。さまざまな『平家物語』諸本は何を語ろうとしていたのか。
11000円(税込)

山口眞琴
西行説話文学論
仏教信仰の思想や行為としての”結縁”をキーワードに作品論・表現論を展開する。
14500円(税込)

山崎甲一
夏目漱石の言語空間
漱石作品における意識的な省筆、”言葉”と”言葉”の照応から我々は何を感得できるか。読者との精神的交渉を心から望んだ漱石の、真剣な工夫が明らかになる。
8000円(税込)

山崎甲一
芥川龍之介の言語空間 君看雙眼色
彼は冷酷非道な芸術至上主義者か-初期-中期のの作品の主題と、「ことば」の文脈との緊密な結びつきを「言語空間」として分析。作品本文との慎重な対話が生み出す等身大の芥川像。
8800円(税込)

山田勝久
シルクロードの光彩 西域踏査40年・悠久の夢とロマンを馳せて
人はどう生きるべきかを考えさせる、滋味あふれる天地、シルクロード。40年にわたる踏査の記録。
1200円(税込)

山田勝久
唐詩の光彩
唐代は詩の黄金時代であり、中でも盛唐の詩壇は豪華を極めている。唐代の代表的詩人である王維、李白、杜甫、白楽天の生涯をたどり、その作品を解説。中国文学を愛する人に。84年刊「唐代文学の研究」の改題。
1942円(税込)

山田勝久
唐代散文選
唐代の代表的散文及びその周辺の文学作品を精選、採録した。李華二編、元結二編、柳宗元七編、韓愈六編、総計12名、26編より成る。本文にはすべて返り点を施し、最小限の注を示した。特に敦煌文書より採録した「張議潮変文」は西域文学の学習上、重要。
1200円(税込)

山本亮介
横光利一と小説の論理
横光の敗戦体験の意味と文学的活動の帰着点を総括した野心作。大正末から戦後期という極めて困難な時代に営まれた横光の文学・文化全活動にわたる作品群・評論類をトータルで取り上げ、その優れた現代性を照射。特に隣接諸科学を含む理論的・実証的観点から検討することで、最終的にその文学活動が辿りついた倫理的な課題について究明した新研究。
5500円(税込)

讃岐典侍/岩佐美代子
讃岐典侍日記全注釈
『更級日記』の40年後、『たまきはる』の100年前に成立。院政期最初期の宮廷を描いた、「天皇と相愛関係の典侍」という特殊な立場にあった女性の日記。従来の説と、かなりことなる見解を示した、渾身の全注釈。
3500円(税込)

市古貞次/鈴木一雄(日本文学)
中世王朝物語全集 1
あきぎり(あきぎり)福田百合子[校訂・訳注]荒れた三条邸に住む姫君と契りを結んだ三位中将だが、妻の母や乳母の祈祷によって訪れが絶えてしまう。両親とも亡くして流浪する三条の姫君は、密かに三位中将との間の姫君を出産。やがて東宮に入内し、即位に伴って中宮に上る。三位中将は失意の中に病死する。男女の明暗の対照を鮮やかに描き出す、新出の孤本の初の注釈書。浅茅が露(あさぢがつゆ)鈴木一雄 伊藤博 石埜敬子[校訂・訳注]日月の光にも譬えられる二位中将と三位中将。色好みの二位中将は、帝の姫君に失恋し、失意の中、面ざしの通う姫君と方違え先で契る。その姫君は義父の邪恋から逃れて身を隠し、密かに二位中将の男子を出産するが、息絶える。一方、道心あつい三位中将は、偶然、二人の形見の男子を見出だし、しかも蘇生した姫君とも出会う。多様な人間模様を謎解きふうの構想に織り込めた魅惑的な物語。
4600円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 2
海人の刈藻(あまのかるも)妹尾好信[校訂・訳注]按察の大納言には美しい三姉妹がいた。関白の権大納言は大君に求婚して結ばれ、一条院の大将は春宮妃になる予定の中の君と契り、結婚を許された。その弟の新中納言は新帝の女御となった三の君と密通し、子を儲けるが、二度と逢えぬ恋に身を焼き、長谷寺で霊夢を見て出家、やがて即身成仏を遂げる。按察の大納言家の繁栄と、その陰に隠された一貴公子の悲恋と遁世を描いた物語。
3689円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 6
木幡の時雨(こはたのしぐれ)大槻修 田淵福子[校訂・訳注]実母にうとまれる中の君は、時雨降る木幡の里で関白の子・中納言と出逢うが、母は奸計を案じて、妹・三の君に婿取りさせる。失意の中の君は式部卿宮と契り、双子の男子を出産、三の君も中納言の双子の女子を産む。やがて中納言と結ばれた中の君は、三の君を東宮(式部卿宮)妃とし、双子同士も結ばれる。時雨を機縁に、悲恋から幸福への道を辿る女性の物語。風につれなき(かぜにつれなき)森下純昭[校訂・訳注]関白左大臣家の姉姫君は、入内し右大臣家の女御に先んじて男皇子を産み、死去する。姉から後事を託された妹姫君は、出家した父の訓戒を守って、帝や義兄の権中納言からの求愛に応えず遺児の若宮を養育して、やがて女院となる。風雅和歌集に四十五首が採録された、当時の代表的長編と目される本作品現存部分の初の注釈書。
4000円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 7
苔の衣(こけのころも)今井源衛[校訂・訳注]関白の子の主人公、苔の衣の大将は、恋い慕う女性と苦難の末に結婚できたが、妻はじきに亡くなり、悲嘆のあまり出家入山する。遺された娘は成人して東宮妃となるが、東宮の弟の兵部卿宮に犯されて罪の子を産み、宮は思い悩んで死ぬ。東宮妃は中宮に上ったあと、物の怪のために危篤に陥るが、行方不明だった大将が山伏姿で現れ、兵部卿宮の死霊を折伏、娘を救う。その他、継母の悪企み・夢のお告げ・美女の盗み出しの失敗・住吉浜への流浪など、三代四十年にわたる宿命と悲恋の物語。初の現代語訳である。
4660円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 8
恋路ゆかしき大将(こひぢゆかしきたいしやう)宮田 光[校訂・訳注]恋路と端山・花染の三人の貴公子の、生涯の伴侶を求める物語。恋路は幼い女二宮との恋を雛遊びの末に実らせ、端山は、女一宮への禁じられた恋をやっと許される。花染も伴侶を得て、三人ともめでたしめでたしの筈だったが‐‐絶世の美女・梅津女君の魅力の虜になった端山は、女一宮の母后の逆鱗にふれ、女一宮との仲を裂かれて、失意の余り、山に籠る。梅津女君をめぐり、帝・恋路・花染の乱れた人間模様の中で、実は、梅津女君は恋路だけを慕っているのであった。山路の露(やまぢのつゆ)稲賀敬二[校訂・訳注]『源氏物語』夢浮橋巻の続編。作者未詳。浮舟を諦めきれない薫はたびたび小野に手紙を送り、浮舟の弟小君を遣わすが、浮舟は頑固に拒絶する。薫は自ら小野を訪れ、浮舟に恋情を訴えるが、歌を詠みかわしただけで帰京する。母との再会に感慨を深くする浮舟だが、帰京を促す母の言葉にも耳を貸そうとはしない。中世の源氏愛好者が生み出した浮舟と薫の「その後」の物語。
4700円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 9
小夜衣(さよごろも)辛島正雄[校訂・訳注]幼い頃、母に先立たれ、祖母の尼上を頼りに、山里に寂しく暮らす姫君。そんな姫君を、当代随一の貴公子兵部卿宮が見初め、二世を契る仲となる。ところが、宮は関白家に婿取られ、姫君も、入内した異母姉妹の母代として、宮仕えに駆り出される運命の激変、ために、二人の疎隔は決定的なものとなる。御所では、帝が、才色兼備の姫君にたちまち魅了され、尋常ならざる執心ぶり、心穏やかでない継母は、乳母子も民部少輔に命じて、姫君を拉致、監禁させる。絶望の底に沈む姫君に、民部少輔はひそかに野心を燃え立たせる……。継子いじめ譚に「しのびね」型の趣向を加味した、山里の姫君の苦難と栄達の物語。
4000円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 10
しのびね(しのびね)大槻修 田淵福子[校訂・訳注]名門の貴公子・四位の少将は、嵯峨野で出会った美しい姫君と契り、若君を儲ける。しかし、少将の父内大臣は、時の権力者・左大臣の娘と男君を結婚させ、若君も引き取る。女君は男君の心変わりと誤解し、知人宅に身を寄せ、やがて帝の目に止まる。絶望した男君は出家するが、女君は栄達への道を上ってゆく。悲恋を乗り越えて幸福をつかむ新しい女性像が描かれる。しら露(しらつゆ)片岡利博[校訂・訳注]時の教養人中納言の子息・侍従の君は按察使大納言の娘・白露と情を交わし合っていたが、実の妹と勘違いして通わなくなってしまう。男の不実を悲嘆した白露は志賀の里に身を隠す。やがて間違いに気づいた侍従は、懸命に白露を捜し、比叡山に登った帰途、偶然再会を果たし、やがて幸福な結婚生活を送る。シンプルにして妖艶な佳作の初の注釈書。
4400円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 11
雫ににごる(しづくににごる)室城秀之[校訂・訳注]帝に離縁された内侍督は、若宮を生んで死ぬ。若宮は、中宮の娘一品の宮のもとで育てられる。翌年、悲しみの癒えぬ帝は、若宮を春宮に、内侍督の兄を内大臣にし、春宮に譲位した後、出家して即身成仏する。帝・内侍督の悲恋と内大臣家の繁栄を描く。脱落の内容と錯簡の修正に配慮した、本物語初の注釈書。住吉物語(すみよしものがたり)桑原博史[校訂・訳注]母を失った中納言兼左衛門督の宮腹の姫君は、継母の妊計によって、思いを寄せてきた四位の少将を三の君にうばわれる。入内話や結婚話をことごとく妨害された姫君は、住吉の尼君を頼って京を離れる。四位の少将は、初瀬の霊夢で姫君の居場所を知り、京へ連れ帰り、子を設けて、一族は繁栄する。数多くの伝本をもつ、継子苛め物語の代表作。
3592円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 15
風に紅葉(かぜにもみぢ)中西健治[校訂・訳注]当代随一の貴人の大将(内大臣)は、一品の宮と結婚、円満な夫婦生活を送るが、一方で多くの女性との恋愛遍歴を重ねている。また、異母兄の遺児の若君を発見し、溺愛、最愛の妻に通じさせる。ために一品の宮は懐妊。出産後、急逝する。世の無情をはかなんだ内大臣は、仏道修行に専念する。むぐら(むぐら)常磐井和子[校訂・訳注]女君は夫(大将)の継母から疎まれていることを悩み、身を引く決意をし、宮中に妹の春宮の御息所を訪ねる。たまたま女君を見そめた帝は、そのまま隠し据えてしまう。大将は行方不明の妻を探し求め、やがて宮中にいることを知るが、取り戻す術もなく、悲嘆のあまり息絶える。一方、女君は男皇子を出産、女院となって、妹中宮ともども栄達を極める。
4000円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 16
松陰中納言(まつかげちゅうなごん)阿部好臣[校訂・訳注]松陰中納言は、帝から愛妾藤の内侍を下賜されるが、横恋慕する山の井中納言の讒言によって、隠岐に流される。須磨に籠った松陰の子息中将は、山の井の子息少将の助けを得て、継母の姦計を逃れた山の井の味の姫君と結ばれる。東宮の活躍もあって、やがて山の井一味の悪事はあらわになり、松陰一門は栄えて行く。こうした松陰家の物語を軸にしながら、流離、継子いじめ、生霊、入水、山の井一味の出家など、複数の軸が、モザイク状に配されながら、大団円に向けて調和して行く。
4800円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 19
聡明で美しい女主人公・妹姫君は、姉の婚約者である中納言と知らずに契りを結び、密かにその子を出産する。その後、親子ほども歳の離れた左大将(後の老関白)と結婚し、その寛大な人柄にやすらぎを覚える。姉・大君との感情の齟齬や、帝や宮中将の恋慕などに苦悩の日々を送るが、老関白の死後、男君(もとの中納言)と結ばれ、幸せな大団円を迎える。平安後期に成立した『夜の寝覚』の改作本。原作・改作がともに現存する、極めて貴重な作品である。
6800円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 20
関白と皇后との密かな契りで生まれた我が身姫は、出生の秘密を知らず、関白の貴公子・中納言と、奔放な二の宮の二人から思いを寄せられる。帝の二人の妃、皇族の皇后と摂関家の中宮には、五人の宮と女宮がおり、ことごとに対抗意識を燃やす中宮側と、対する関白側の女君たちの動静など、秘めた恋や密通、複雑な関係の恋情と嫉妬、友情と反目を通して、七代の帝、四十五年に及ぶ王朝恋愛絵巻を描く、中世王朝物語屈指の長編。上巻は、皇太后となった我が身姫の次の世代の錯綜する人間関係と、女帝の誕生までが語られる。
4500円(税込)

市古貞次
中世王朝物語全集 21
上巻・巻四の女帝即位の記事を受けて、巻五では、女帝の善政が語られる。巻六は巻五の並びの巻で、女帝の義妹である前斎宮とその周辺の人物の、奇妙で猥雑な生活が描かれる。巻五巻末で女帝が急死し、即位した新帝は、皇太后への恋情に身を焼き、悩んだ皇太后は絶命し、帝も息を引き取る。こうした不幸な出来事の反省から、今上は善政を心がけて政治改革をおしすすめている。代々の帝の様相を縦軸に、物語は多くの錯綜した恋模様を語り、巻八巻末では、対抗し続けて来た左大臣・右大臣両家が深い縁に結ばれていることを描いて大団円を迎える。周到に構成された、七代・四十五年に及ぶ中世王朝物語屈指の大作。
4500円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 第1巻
今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]あきぎり(村上文庫)/あさぢが露(天理図書館)/あまのかるも(宮内庁書陵部)/在明の別(天理図書館)
11650円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 第2巻
今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]石清水物語(射和文庫)/いはでしのぶ(京都大学文学部/書陵部/三条西家)/風につれなき物語(丹鶴叢書)/風に紅葉(書陵部)
13107円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 第3巻
今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]苔の衣(内閣文庫)/木幡の時雨(甲南女子大学)/恋路ゆかしき大将(金子家/書陵部)/小夜衣(学習院大学)
12621円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 第4巻
今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]雫に濁る(実践女子大学図書館)/しのびね物語(丹鶴叢書)/白露(早稲田大学図書館)/住吉物語(藤井本/住吉物語晶州本/住吉物語大東急本)/とりかへばや(書陵部)
13107円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 第5巻
今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]兵部物語(実践女子大学図書館)/松陰中納言物語(尊経閣文庫)/松浦宮物語(東京国立博物館)/むぐらの宿(古典文庫)/無名草子(彰考館)/八重葎(古典文庫)/(別本)八重葎(古典文庫)/山路の露(山本春正跋絵入源氏物語)
13000円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 第6巻
今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]夢の通ひ路物語(蓬左文庫)/夜寝覚物語(金子家)
14078円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 第7巻
今日に伝わる鎌倉物語の全容を初めて体系づけた画期的な偉業!全7巻別巻1。解説、参考文献、「風葉和歌集所収歌」付載。[翻刻]我身にたどる姫君(金子家)/雲隠六帖(愛知県立大学)/下燃物語(九曜文庫)/豊明絵草子(尊経閣文庫)/なよ竹物語(金刀比羅宮博物館)/掃墨物語(徳川黎明会)/葉月物語(徳川黎明会)
9709円(税込)

市古貞次/三角洋一
鎌倉時代物語集成 別巻
韻文・散文に亘る鎌倉物語の基層を鮮明にする基礎資料。物語収載和歌各句索引/引歌表現/五十音順引歌/出典別引歌/出典別漢詩文等/人名・神仏名/地名・建物名/歌謡・楽曲名/作品名九種の索引から成る。
12500円(税込)

志立正知
〈歴史〉を創った秋田藩 モノガタリが生まれるメカニズム
日本各地で時代を超え、繰り返し行われてきた営み、「歴史」の創造…。本書は秋田を例にとりその秘密を探る。提示されるのは新たな「日本」像の探し方である。モノガタリはいかに生み出され、「伝承」を通して「歴史」へと機能するのか。歴史学と国文学という対立構造をこえ解き明かす。
2400円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 桐壺
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
350円(税込)

紫式部/松尾聰
源氏物語 帚木・空蝉
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
700円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 夕顔
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
750円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 若紫
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
550円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 末摘花
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
500円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 須磨
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
500円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 明石
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
550円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 蓬生・関屋
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
300円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 絵合
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
180円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 松風
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
300円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 薄雲
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
400円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 朝顔
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
350円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 夕霧
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
350円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 橋姫
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
450円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 椎本
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
380円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語 夢浮橋
大学・短期大学・高等専門学校・高等学校・カルチャーセンター等の源氏物語の演習ならびに講読に、完本で最良の教科書を、可能な限り廉価で提供すべく企図した校註本。本文は「源氏物語大成」の底本の本文に拠る。若干の誤脱とおぼしき部分は大成所収の青表紙系諸本によって改めたが、すべてその由を頭注に記した。教科書としての性質上、本文には適宜段落を設け、仮名に漢字、あるいは漢字に仮名を宛て、仮名づかい・送り仮名を改め、句読点・濁点などを加えた。頭註は簡略を旨としたが、文法上注意すべき箇所や、特に本文の解釈に疑問がある箇所などについては、なるべくくわしく触れるようにした。なお各巻冒頭にその巻についての必要な解説を加え、登場人物系図を付す。
150円(税込)

紫式部/松尾聡
源氏物語宇治十帖抄 校註
宇治十帖全文の約5分の2を、できるだけ重要な部分、興味のある部分について抄出し、頭注を施した。省略の部分は各巻冒頭に梗概を掲げて連結し、さらに宇治十帖に至る迄の第1-44帖の梗概、及び全54帖の人物系図を付す。本文は「源氏物語大成」の底本に拠る。
1300円(税込)

紫式部/鈴木知太郎
証本源氏物語 桐壺 日本大学図書館蔵
現存、最善本の一つとされる三条西家旧蔵、日本大学図書館現蔵の青表紙系統本、いわゆる証本を原寸大に影印した各巻の完本。本書は青表紙証本に基づいて、三条西実隆がその子西室公順僧正、帥大納言公条と共にこれを厳密に書写し、実隆自ら最後の巻「夢浮橋」に奥書を加えた極めて由緒の正しい伝本。筆は室町時代の三条西家の優雅な書風を伝えて余すところがない。誤脱もほとんどなく、伝来、筆跡、内容などいずれの点から見ても同系統諸本中の白眉というべきもの。大学、短期大学の絶好のテキストとして、また、書家、古典愛好諸氏が拠るべき貴重な証本として、待望の書。
971円(税込)

紫式部/鈴木知太郎
証本源氏物語 夕顔 日本大学図書館蔵
現存、最善本の一つとされる三条西家旧蔵、日本大学図書館現蔵の青表紙系統本、いわゆる証本を原寸大に影印した各巻の完本。本書は青表紙証本に基づいて、三条西実隆がその子西室公順僧正、帥大納言公条と共にこれを厳密に書写し、実隆自ら最後の巻「夢浮橋」に奥書を加えた極めて由緒の正しい伝本。筆は室町時代の三条西家の優雅な書風を伝えて余すところがない。誤脱もほとんどなく、伝来、筆跡、内容などいずれの点から見ても同系統諸本中の白眉というべきもの。大学、短期大学の絶好のテキストとして、また、書家、古典愛好諸氏が拠るべき貴重な証本として、待望の書。
971円(税込)

紫式部/鈴木知太郎
証本源氏物語 若紫 日本大学図書館蔵
現存、最善本の一つとされる三条西家旧蔵、日本大学図書館現蔵の青表紙系統本、いわゆる証本を原寸大に影印した各巻の完本。本書は青表紙証本に基づいて、三条西実隆がその子西室公順僧正、帥大納言公条と共にこれを厳密に書写し、実隆自ら最後の巻「夢浮橋」に奥書を加えた極めて由緒の正しい伝本。筆は室町時代の三条西家の優雅な書風を伝えて余すところがない。誤脱もほとんどなく、伝来、筆跡、内容などいずれの点から見ても同系統諸本中の白眉というべきもの。大学、短期大学の絶好のテキストとして、また、書家、古典愛好諸氏が拠るべき貴重な証本として、待望の書。
1000円(税込)

手崎政男
通読方丈記
鴨長明の方丈記は、二系統・五種の異なる本文が、現在伝わるが、うち四種は、長明の手になるものであり、推敲の跡をそれぞれにとどめているものと見ることができるのではないか-。推敲の過程の総結集としての、伝自筆『大福光寺本方丈記』を各本に目を通した形で読む(=通読)、新しい方丈記の読み方。
2400円(税込)

宗祇/吉田幸一
百人一首抄 宗祇抄
二条家の正統派の注である宗祇抄の、比較的に流布の基になったと思われる元和寛永中刊古活字版を縮小影印し、同系統の応永十三年満基抄との校異を頭注に示した。また、小倉色紙の染筆と「百人一首」の成立、いわゆる『宗祇抄』の成立、いわゆる『宗祇抄』の相伝等の解説を含む。
1500円(税込)

秋永一枝
東京弁アクセントの変容
変わりゆく「東京弁」アクセントの様相を鮮やかに読み解いた快著。東京弁の変化する方向と要因を、長年にわたる調査と緻密な分析により明らかにする。待望の「東京弁」論の集大成。
7800円(税込)

秋永一枝
日本語音韻史・アクセント史論
移りゆく「ことば」をどう捉えればいいのか?西日本の音韻とアクセントを史的及び方言から考察する、全4章21編。
11500円(税込)

秋山虔
古典をどう読むか 日本を学ぶための『名著』12章
古典と格闘してきた12人の思想の核をあかす、前人未到の書物の探訪-古典研究の最前線を走りつづけてきた著者がはじめて語る読書録。
2200円(税込)

勝亦志織
物語の〈皇女〉 もうひとつの王朝物語史
王権論や天皇制論の議論のなかで見過ごされてきた皇女・女院という女性たちに注目し、改めて物語研究の側から、「天皇家」の問題などを考えていく。平安から数百年続く物語の歴史を相手に、歴史とは違う物語独自の意識を探り、王朝物語生成の意味を考える書。
4200円(税込)

小久保崇明
新註土左日記
様々な視角から、表現としての「土左日記」の理解をめざした好テキスト。日大図書館蔵本を底本とし、傍に青谿書屋本を対校本文として掲げ、本文整定の経緯も示す。頭注は文脈展開の機微に重点をおく。後半に影印、和歌歌謡の口訳、解説、旅程表・和歌一覧、各種索引を配す。
1500円(税込)

小久保崇明
水鏡 影印・翻刻・研究
旧岸上慎二蔵、架蔵本『水鏡』の翻刻。
7500円(税込)

小原幹雄/錦織周一
源三位頼政集全釈
埋れ木の花さく事もなかりしに身のなる果ぞ悲しかりける武将として歌人として、ひとりの人間として誠実に生きたが、その果てに平家打倒のために旗揚げ宇治に敗死した、平安末期の武家歌人源頼政(一一〇四~一一八〇)の家集、本邦初の全注釈。「本文」「題意」「歌意」「語意」「補意」「校異」で構成され、巻末に「解題」と頼政の伝記と歌の「考察」を掲載、その他「年表」「源三位頼政関連系譜」「研究書・主要参考文献」に加え、人名・地名・初句索引を付した書。
14000円(税込)

小山田和夫
文庫新書で読む日本の書物 古代編
文庫新書でこんなに日本古典が読める!画期的な古典入門。上代・中古編。
3500円(税込)

小松英雄
みそひと文字の抒情詩 古今和歌集の和歌表現を解きほぐす
歌聖と仰がれた藤原定家すら『古今和歌集』の和歌が理解できていなかった。したがってその流れを継承する現今の注釈者にも和歌表現の基本が理解されていないということである。『古今和歌集』から複線構造による多重表現になっている作品を中心に十二首を選び、徹底した表現解析を試みる。〈みそひと文字〉という31個の仮名連鎖の枠のなかで、どのような「言の葉」をどのように操作し、「ひとの心」の繊細な動きを表現しているかを解明する。旧著『やまとうた』を隅々まで書き改め、さらに新たな一章を加えた書。奥深く秘められた和歌の〈心〉にアプローチする方法を、分かりやすく提示する。同時刊行する『仮名文の構文原理[増補版]新装版』に提示した新しい考えを裏づけた書である。
2800円(税込)

小松英雄
伊勢物語の表現を掘り起こす 《あづまくだり》の起承転結
あらすじを知っただけで満足していませんか-現代語訳に頼らず、自分で読みとくレッスン。物語の作者と膝を交えて対話する悦び。
1900円(税込)

小松英雄
仮名文の構文原理
和歌を核として発展した仮名文を「話す側が構成を整えていない文、読み手が先を見通せない文」と定義。こうした「句節をつぎつぎと継ぎ足して構成される形」の構文を”連接構文”と名づけ、和文の基本原理に据える画期的な提言。
2800円(税込)

小松英雄
古典再入門 『土左日記』を入りぐちにして
教室で習った古文教えた古文をリセット。仮名文の楽しさにはじめて触れる醍醐味と目からウロコの連続。古典文法に呪縛された、断片としての古文から、文学作品としての古典への再入門。
1900円(税込)

小松英雄
古典和歌解読 和歌表現はどのように深化したか
古今集に仕掛けられた撰者の知的挑戦を、千年の時を経て遂に解読。本書は、『万葉集』から『古今和歌集』を経て『新古今和歌集』に至る和歌表現の歴史を、わかりやすく、そしておもしろく叙述しようとする試みである。「補章 和文に応用された複線構造による多重表現」を増補(18頁増補)。
1500円(税込)

小松英雄
国語史学基礎論
小松英雄の創造的方法の原点。『古事記』注記の本質解明を課題とした、学習院大学における講義の記録。問題の設定から帰結に到達するまでの試行錯誤の過程をそのままに記録し、文献学的アプローチによる日本語史研究の方法を実践的に提示する。名著の最新版。
5800円(税込)

小松英雄
丁寧に読む古典
魔法の筆記具、毛筆によって生み出された仮名文を活字で読み味わうために知っておくべきこと。「仮名」と「平仮名」の違いを把握し、失われた平安びとの仮名使用感覚を取り戻す。
1900円(税込)

小松英雄
日本語の歴史 青信号はなぜアオなのか
役に立つ日本語史入門。身近な疑問を着実に育て、日本語運用のメカニズムに迫る。数々の新見を平明に提示した、日本語史研究の新しい波。
1900円(税込)

小松英雄
日本語書記史原論
書記テクストに反映された言語は歪んだ鏡像である |情報を蓄蔵した書記としての観点を欠いたままの解釈が通行したために、日本語史研究は出発点を誤った。古代からの書記様式の徹底的な解析から説き起こす本。テクストの捉え方を根源的に問い直し、これからの言語・文学研究に大幅な刷新を迫る、名著の新装、普及版(価格を大幅に下げました)。
2800円(税込)

小森潔
枕草子逸脱のまなざし
斬新な発想と方法によって枕草子に新たな光をあて、そのアナーキーな魅力を解き明かす。「逸脱」に執着する枕草子の過激な一面を鮮やかに浮かび上がらせ、枕草子研究のさらなる可能性を切り拓く刺激的な論文集。
3900円(税込)

小川陽子
『源氏物語』享受史の研究
あるべき『源氏物語』の”姿”を追求するにあたって、”創作”という形をとった、『源氏』享受資料中特異な存在である『山路の露』と『雲隠六帖』。『源氏』の続編とも言うべきこの二作品を、伝本の問題を中心に解読する。また近世期『源氏物語』はすでに五十四帖という枠組みが出来ていたにもかかわらず、なぜこの二作品で、それを打ち崩すような出版が行われていたかなど、『源氏』享受史のなかの続編二作品の位置付けを目指す書。
15500円(税込)

小谷野純一
平安日記の表象
紫式部日記・更級日記・讃岐典侍日記等、個々の表象への関わりにより、独自の視座を手に入れ、各作品の表現の論理を精密に解析する。日記文学研究の新たな地平を切り拓く斬新な論考群。
5500円(税込)

小峯和明
院政期文学論
まず否定すべきは発端・隆盛・衰退という発展史観や衰退史観である。変革・転換期の象徴である〈院政期〉から脱し、時空を輪切りにする。近代人が幻想化した文学史という〈物語〉を根源的に捉えなおす畢生の大作!
9800円(税込)

小峯和明
中世法会文芸論
”法令文芸”とは本書であらたに試論として提起される新概念であり、「法会」を媒介に生み出される文芸の総体を意味する。著者が示すその「総体」は驚くほどの広範囲におよぶ。「法会」の場で読まれ、語られ、うたわれ、演じられるテキスト、図像イメージ、言説、所作…。のみならず法会に参集した人々の思いや願いを綴ったもの、あるいは法会を通じて再創造されたものも含まれる。本書は、法会の領域をダイナミックに設定し、そこに生み出される力学を丹念に読み解き、中世の表現の時空を総体として捉えようとする試みである。
9000円(税込)

小野寛
新選万葉集抄
本書は、万葉集二十巻にわたり、長歌・短歌・旋頭歌・仏足石歌体、計七二三首を、単なる名歌選ではなく種々の立場から選んだものである。
1600円(税込)

小林とし子
さすらい姫考 日本古典からたどる女の漂泊
平安から中世にかけて、”家”のあり方が家父長制へと移りゆく頃、不慮の運命から、さすらいの旅へ向かう姫たち。さすらいの行く末に、結婚という新たな男系との接触が待ち受けるなか、彼女たちは「生きる」ために、運命にながされ、また抗っていく。『鉢かづき』『まつら長者』『しんとく丸』『をぐり』『源氏物語』『更級日記』という日本古典を題材に”家”と女の変革の”とき”をみつめ、同じ時間をいきる現代の”ヒメ”たちへメッセージを投げかける。
1900円(税込)

小林とし子
翁と媼の源氏物語
神の姿が投影された、翁と媼の役割とは-神の世界から人の世界へと流れ込む信仰・思想から、源氏物語に隠された”系譜”と”構造”を鮮やかに描き出す。
1700円(税込)

小林とし子
女神の末裔 日本古典文学から辿る〈さすらい〉の生
『更級日記』菅原孝漂女、『とはずがたり』後深草院二条、『竹むきが記』日野名子。女の威力がまだまだ生きている社会でありながら、社会制度上は、女の存在価値が喪われていくという矛盾のなか、彼女たちの”書く”という根底にはひとつの覚悟があった-。その覚悟とは何であったのか。
2200円(税込)

小林敦子
生としての文学ー高見順論
高見順は生涯を通し、どのように文学を考え、その理論を深化させていったのだろうか。生涯と作品、思想を追うことで、高見順にとっての「文学」を問う。「最後の文士」と呼ばれた高見順の作家性に光をあてる書。
2500円(税込)

小林美和子
王朝の表現と文化 源氏物語・枕草子を軸として
漢籍の引用や先行物語を下敷きにする「引用」とは「文化継承」に他ならず、それが「生活文化」の中で活かされているという捉え方をした論を中心に、「語り」「出家女性」「住空間」にも注目し、その構造を位置づける。表現と文化という大きな枠組みの中で論述する刺激的な論文集。
8800円(税込)

松尾光
古代の豪族と社会
物部氏だけに許された大王家類似の降臨神話、山部の職名起源、外交にたけた氏族と藤原氏との葛藤、また持統女帝・光明皇后が女帝にしかけた陰謀など、古代史の実相を知るための31の切り口。
2600円(税込)

松尾光
古代の社会と人物
私たちは誰かがつくった意図しない、あるいは意図的な歴史像を信じ込まされてきた。自分たちが史料を読んでよく考えて、納得してそういう結論になったわけではない--。自分たちが納得出来る歴史像をつくるために、思い込みを外し歴史を語る試み。先験的な呪縛から自由になって、歴史に立ち向かうにはどうしたらいいか。そして、歴史はどう語られたらよいかを考える書。
2600円(税込)

松尾光
古代史の謎を攻略する 古代・飛鳥時代篇
「歴史的事実」は、はたして真実か。その実相に挑む。
1500円(税込)

松尾光
古代史の謎を攻略する 奈良時代篇
意外に身近な「古代史」の数々の疑問に明解に答える。
1500円(税込)

松尾光
疎開・空襲・愛 母の遺した書簡集
国文学者・松尾聰の妻、八洲子が保管してきた、大戦中に交わされた、七十九通の書簡。苛酷な生活と死の恐怖が庶民の生活現場から克明に語られる。
1800円(税込)

松尾光
白鳳天平時代の研究
七世紀中葉の大化改新は、古代史にとって大きな変革のきっかけとなった。だがいったいそれは何をどのように変えたものなのか。いまはじめてその全貌が明らかになる。
14000円(税込)

松尾光
万葉集とその時代
虚構・仮想世界とされる文学作品も、見方、扱い方で見えなかった世界が見えてくる。どこが文学的創作で、どこまでが事実として歴史学的に捉えられるか。実態に即して具体的な資料として腑分けを行う。古代社会の実相と、万葉集の時代の社会の動きを捉えた意欲的な試み。
2600円(税込)

松尾聡
大鏡抄 校註
大鏡のできるだけ重要な部分・興味深い部分について全本文の六割余を抄出し、頭註を施す。本文は松村博司博士の岩波文庫所収本(東松本)を使用。頭註は簡略を旨としたが、本文の解釈に疑問がある箇所には詳しく、特に文法的に注意すべき点にも説明を加えた。
800円(税込)

松尾聡
竹取物語 校註/解説
古活字版十行本を底本としたが、誤脱等は他の諸本を参考に仮りに改めた個所もある。ただしその場合は、総て頭注に底本本来の姿を示した。中古文を正確に理解しようと心がける若い学生諸氏の手助けとする為、頭注はわかりにくい個所や疑わしい箇所に重点をおいて施した。
550円(税込)

松尾聡
八代集四季巻集成 上
いわゆる「八代集」の各集から、「四季」の巻を集めたもの。底本は北村季吟の『八代集抄」(明治35年六合館刊本)に拠る。演習教材として、一切の注を省き、底本の表記をそのまま採り、仮名づかい・送り仮名等もあえて改めず、本文のみを掲げた。講読カを培う好教材。
800円(税込)

松尾聡
八代集四季巻集成 下
いわゆる「八代集」の各集から、「四季」の巻を集めたもの。底本は北村季吟の『八代集抄」(明治35年六合館刊本)に拠る。演習教材として、一切の注を省き、底本の表記をそのまま採り、仮名づかい・送り仮名等もあえて改めず、本文のみを掲げた。講読カを培う好教材。
700円(税込)

松尾聡
変体平仮名演習
前半に「変体平仮名の諸体」「混同しやすい仮名」を掲げ、基礎を能率的に修得できるよう編成した。特に「混同しやすい仮名」は類書がほとんどなく有効。近世期にあまり用いられていない字体には×印を施す等、適切な工夫がなされ本書を至便の手引としている。後半に古今・伊勢・源氏・徒然の影印を抄出し、自学自習に便利。
600円(税込)

松尾聡/永井和子
伊勢物語 校註/解説
本文は、今日最も流布し、最善本とされる天福本学習院大学蔵三条西家旧蔵実隆臨写本による。頭注並びに巻末の補注(長文にわたる口語訳・出典`諸説等)は、わかりにくい個所や疑わしい個所に重点をおいて施した。伊勢物語の本質に論究した解説(1、純粋な愛情をえがいた物語 2、在原業平を主人公とした物語 3、成立年代・諸伝本)を付し、作品理解に資す。
750円(税込)

松尾聡/松尾光
松尾聰遺稿集 1
中古語「ふびんなり」の語意;語意・語義;諸本解説・諸本との出会い;研究余滴;書評
3800円(税込)

松尾聡/松尾光
松尾聰遺稿集 2
女性12名、幸福だった人がひとりもいないのはなぜか-スポンサー道長の影が物語全体を覆う-新説彰子の「人生教科書」としての『源氏物語』。
2800円(税込)

松尾聰
松尾聰遺稿集 3
晩年、執念のように書き継がれた「ことばの休憩室」100話と全著述目録。今を生きる現代人への畏愛のメッセージ。
2800円(税込)

松野陽一
書影手帖 志ばしとてこそ
古今東西の書物に自在に遊び、知られざる’50年代以後の古書籍研究情況を熱く語る、名随筆集。
2500円(税込)

松野陽一
千載集前後
藤原俊成編、七番目の勅撰集『千載集』をどう読み解くのか。著者蔵『千載集』関係資料を、一部に略解題を付し、影印とともに収録。
2800円(税込)

松野陽一
藤原俊成の研究
全集作成を目的として、俊成の全作品の資料的価値についての諸問題を、総合的に検討する書。著作研究編と伝記資料研究編の二部構成。略年譜、索引付き。
7500円(税込)

上田秋成/森田喜郎
春雨物語 校註
底本は富岡本、桜山文庫本(西荘文庫本・膝山本と校合、文化五年本)、松室本(天理巻子本)を使用し、篇の順序は文化五年本によった。頭註は難解な語句を主に、口訳や語釈を施したが、所々鑑賞上の注意や典拠をも示した。巻末に作者・作品を簡明に解説。(付・秋成略年譜)
900円(税込)

常磐井和子
むぐら 二巻本
秋香台文庫蔵「二巻本 むぐら」の精密なアミ版による複製本。「むぐら」は桂宮本のみが孤本として紹介されてきたが、該本には、桂宮本にない内容があり、四十五丁分程桂宮本より多い内容が具っている。散供物語「むぐら」の全容に一番近い、最善本。付・解説。
4500円(税込)

常磐井和子
源氏物語古系図の研究
源氏物語古系図は鎌倉初期に溯りうる伝本もあり、源氏物語の新資料として果たす役割は甚大である。未紹介の数種を含めた古系図主要伝本を考究し、原稿の源氏物語から伺い得ない古い姿の源氏物語をさぐり今後の基礎資料を目ざす。
7500円(税込)

新井白石/浅野三平
鬼神論
江戸時代、鬼神(霊魂)の世界への理論的追求を試みた奇書二冊の現代語訳。
2800円(税込)

森田喜郎
雨月物語 校註/解説
安永五年刊、京都梅村判兵衛・大坂野村長兵衛合刻の初版本(国立国会図書館蔵)を底本とし厳密に翻刻した。原本の挿絵はすべて掲げた。頭注は難解な語句を主に口訳や語釈を施したが、所々鑑賞上の注意や典拠をもあわせて示した。巻末に簡明な解説、秋成略年譜を附す。
900円(税込)

森田兼吉
日記文学論叢
『和泉式部日記』を中心に、古代から中世にわたり、日記文学研究に優れた業績を残した著者の論文集。『蜻蛉日記』『更級日記』『讃岐典侍日記』『和泉式部日記』などについての単行本未収録の論文を集成した。
13000円(税込)

深津睦夫
中世勅撰和歌集史の構想
鮮やかに浮かび上がる中世勅撰和歌集の歴史。新勅撰和歌集から新続古今和歌集に至る、勅撰集を形作る様々な要素を徹底的に比較分析。「十三代集」各集の特徴を把握し、その史的変遷の様相を跡づける。
11000円(税込)

深野浩史
同訓異字使用史の研究 中古・中世を中心に
幾多の異字があってもその時代に主用される漢字は限定され、その漢字を常用する集団の影響によっても違いがある。訓読において「漢籍」を読んだ儒家と、「仏典」を読んだ仏家という集団を対象に、往生伝・験記・説話集、および『平家物語』『太平記』数点を採りあげ、中古・中世での使用実態を探る。
5500円(税込)

神作光一
曽禰好忠集の研究
諸本研究、表現研究、享受史研究の3部構成。影印資料も具わる(『標注曽丹集』『曽丹集摘草』)。曽禰好忠集研究の基礎資料。
13000円(税込)

神作光一
曽禰好忠集の校本・総索引
平安時代の異色ある歌人、曽禰好忠の家集についての基礎研究。尚書禅門本を底本にし校本を作製。自立語・付属語索引を完備。
11000円(税込)

神作光一
標注曽丹集
編者蔵「標注曽丹集」(文化13年刊本)の影印本である。契沖本(元禄8年刊本)を底本とし、躬弦・由豆流・寛光が校訂し、各自の考察を頭註に記したもの。歌数は補遺を含めて592首。頭註及び本文の行間の校異の掲出が、元禄本よりはるかに多いのが特徴である。
1500円(税込)

神作光一/速水博司
三巻本枕冊子抄
「校本枕冊子」(田中重太郎著)に依拠して作られた三巻本の校訂本文による抄本である。頭注は注釈と校異からなるが、評釈にかかわることがらにもできるだけ言及。巻末に詳密な解題、系図、年表を付して、作品ならびに清少納言の全体像を明確に把握できるよう配慮した。
1500円(税込)

神田典城
対照神代記紀
一冊で記紀神話のすべてが一望できる至便のテキスト。上段に日本書紀を、下段に古事記を配し、同類の要素を有する神話が対照できるよう構成。記紀以外の文書(古語拾遺、常陸国風土記、出雲国風土記、崇神紀十年他)からも必要に応じ摘記した。巻末に「神名索引」を付載。
1400円(税込)

神田裕子
能と古注釈書
室町時代、世阿弥によって大成された「能」という演劇の基盤は何であったのか。能作品を生み出した重要な文学的基盤のひとつである、伊勢物語古注釈書を探ることから、その秘密に迫る。また能の芸能的基盤として重要な、鎌倉中期の歌謡、宴曲(早歌)からも考えていく。近世文化全体を見通したうえで、能を書誌学的調査から新たに捉え直す書。「伝二条為兼筆冷泉家流伊勢物語抄」「謡抄」など初公開資料多数。
7200円(税込)

神野志隆光/山口佳紀
古事記注解 2(上巻 その1)
神野志・山口共同研究として続けてきた「『古事記』注解の試み」をまとめたものである。所謂、全釈的な注釈ではなく、各々が問題と考えるところを取り上げ、論議を重ね、新しい問題提起をめざすものである。
4369円(税込)

神野志隆光/山口佳紀
古事記注解 4(上巻 その3)
旧来の諸注釈で問題とされてきた点のみならず、これまで省みられなかった諸問題にまで注釈を加え、関連諸分野の研究をも視野に収めて徹底討義を重ねることで、新見に満ちた結論が導き出されてゆく。
4500円(税込)

辛島正雄
中世王朝物語史論 上巻
『源氏物語』は女が男に蹂躙される不条理を見つめながらも、女を男と正面から対決させることは避けた。物語の末裔たちは『源氏』のラディカルな主題性を受け止め、『源氏』が踏み込むことのなかった男女対決の構図を深めてゆく。多彩で成熟した中世王朝物語固有の世界を解析する衝撃的論の数々。
8000円(税込)

辛島正雄
中世王朝物語史論 下巻
『平家物語』『徒然草』からの影響をはじめ、中世王朝物語間での影響関係を探り、中世の物語がさらに新たな物語を生み出すさまをみる。従来にないまなざしから物語群の真価が顕わになる。
8800円(税込)

諏訪春雄
近松世話浄瑠璃の研究
成立論、上演形式、世界と方法、雑考・資料、の4部構成で近松の世話浄瑠璃を問う。
12000円(税込)

吹野安
史記・十八史略演習
史記より「四面楚歌」他九篇(参考三篇)、十八史略より「臥薪嘗胆」他七篇、資治通鑑より「蘇武徙北海上」、日本外史より「平氏滅亡」他六篇、計二十九篇を精選、採録し、本文全てに返り点を施した。各篇冒頭には、懇切丁寧な解説を配し、中国史書入門の縁とした。
900円(税込)

吹野安
唐代詩選
唐約三百年間こそは詩の極盛の時代であり、その最も華麗を極めたのが、李白・杜甫・王維・白居易といった詩人たちである。本書では、彼等他、唐代を代表する59名の代表作(絶句、律詩、古詩)292首を収録。各々最小限の注を施した。「詩のきまり」他、作者小伝等を付載。
1800円(税込)

吹野安
論語
人類の古典、東洋のバイブル、論語。原文、読み方、通釈、語釈・語法、参考と、論語の世界がわかりやすく、本書によって開かれる。必読本!
1500円(税込)

水島義治
萬葉集東歌の研究
東歌とは一体何であるのか。東歌の本質の徹底的究明という観点から、成立と巻14の編纂論を試み、文学論的研究を行う。
40000円(税込)

水島義治
萬葉集東歌の國語學的研究
東歌とは一体何であるのか。東歌の本質の徹底的究明という観点から、用字・用語・用法、方言など、国語学的研究を行う。
22000円(税込)

水島義治
萬葉集東歌本文研究並びに總索引
東歌とは一体何であるのか。東歌の本質の徹底的究明という観点から、校異、文字・訓の異同比較など本文研究を行い、各句索引を作製。
33000円(税込)

水野尚
言葉の錬金術 ヴィヨン、ランボー、ネルヴァルと近代日本文学
近代日本文学の形成にフランス文学はどんな役割を果たしたか。ヴィヨン、ランボー、ネルヴァル。フランスの三詩人を坩堝として、太宰治、小林秀雄、中原中也、石川淳、富永太郎、芥川龍之介、井伏鱒二らが行った「言葉の錬金術」に立ち会う書。
1900円(税込)

菅原孝標女/松尾聡
更級日記 校註
御物の藤原定家筆本の複製本に拠る本文に、頭注を冠した完本。全文を便宜上46段に別つ。頭注は簡略を旨として、基本的な中古語彙のうち特に文法上注意すべきもの、解釈に疑問がある箇所、誤りやすい箇所、出典等、講読の便を中心に考えて施した。巻頭に解説を付す。
600円(税込)

瀬間正之
風土記の文字世界
現存する「風土記」それぞれの書記世界や、中国文学を志向した『常陸国風土記』の表現基盤などを解明し、文字表現という観点を軸に「風土記」の文学性を究明。日本や韓国から出土した木簡や金石文などにより明るみにされ、風土記に影響を与えたであろう最新の「文字世界」研究成果を踏まえる。
6600円(税込)

星山健
王朝物語史論 引用の『源氏物語』
ある物語の達成が、また新たなる物語の誕生をもたらす。その連鎖の果てに広がる風景とは…。『源氏』から『寝覚』『狭衣』へ、そして『今とりかへばや』へ。
8800円(税込)

西下経一/滝沢貞夫
古今集校本
二条家相伝本(梅沢彦太郎氏蔵、貞応二年本)を底本に、70の諸本を対校した、古今和歌集の決定版。日本文化の源泉、古今集の全貌がわかる。
9500円(税込)

西条勉
アジアのなかの和歌の誕生
ウタは声のことばにおいてあらわれる。声のことばと文字ことばの中間で誕生する、和歌という詩形式に迫るため詩学を導入。和歌の本性をナショナリズムの狭い殻から救い出し、異なった言語圏の詩歌と比較しつつ、外部からの照射によって本質を炙り出す。音声学・音韻論・音楽学・心理学・比較言語学といったさまざまな分野の研究をひとつのテーブルに載せ、和歌誕生の経緯と全貌を究明した野心作。
8800円(税込)

西条勉
古事記と王家の系譜学
古事記の神話・説話は皇統譜に起源を与えるために作られた。表面からは見えない大王系譜の生成過程を掘り起こすことで、王家の物語をテクストの裏側から読み解く。古事記の深い読み方を追究した積年の成果。
9500円(税込)

青柳隆志
日本朗詠史 年表篇
研究篇に続く「日本朗詠史研究」の基礎資料として、平安期~鎌倉・南北朝期における、漢詩文および和歌の口頭での誦詠記録を年代順に整理したもの。
15000円(税込)

石川則夫
文学言語の探究 記述行為論序説
文学を言語において読み解くとはどういうことなのか。文学の言語行為について、「読むこと」「書くこと」といったことを言語認識論的な意味から考え直し、小林秀雄・川端康成を中心に、宮澤賢治・折口信夫・堀辰雄・夏目漱石の評論や小説を論じていく。作品に文学としての力を発動させているものは一体何か。文学の「言語活動」分析から、文学の可能性を改めて考える書。
6000円(税込)

赤羽淑
藤原定家全歌集
一首でも多く定家の歌を集めることに傾注した書。各首、現在もっとも信用できる諸本を底本に厳密に翻刻した。他本との異同、誤脱等を傍記し、注記、解説を付載。近年発見された歌切、草稿等も網羅した本書から、定家の推敲過程や歌の成立事情等も窺える。講読、演習に好適。
1800円(税込)

川村裕子
王朝文学の光芒
和歌、そして日記文学の表現は如何なる歴史や文化の光明を背負っているのか。和歌が詠ぜられる場の変遷、また日記文学に於ける身近な文物に纏わる表現はどのような時代の光彩を帯びるのか。言葉の裏に潜む文化や歴史を解析し、表現をくるむ光の煌めきを掬い出す。
5500円(税込)

川島絹江
『源氏物語』の源泉と継承
『源氏物語』の源泉として、実在人物や当時の気象、内裏建築、梅花や琴(きん)という斬新な切り口で挑み、深く新しい読みを提唱。論を成すために徹底的に追求する姿勢が『承安五節絵』研究に、琴(きん)の実体験に基づいた音楽論に結実した。『源氏物語』を女性の生き方を探究した書と位置づけ、鎌倉時代初めの『無名草子』がいかにそれを継承したかを併せて論じ、『源氏物語』の成立以前、当時、以後と、長いスパンで、物語の本質と方法を明らかにしていく。
14000円(税込)

川平ひとし
中世和歌テキスト論 定家へのまなざし
中世和歌の世界-その広がりと深度をどのように測り、どのように把握することができるのか。芸術行為の本質解明を目指した、稀代の文学研究者が残した膨大な論考群、全一冊。
14000円(税込)

川平ひとし
中世和歌論
実証主義を越え、中世和歌という芸術行為の解明を目指した書。第26回角川源義賞受賞作。
18000円(税込)

浅見和彦
古事談抄全釈
『古事談抄』とは、『古事談』巻第二、臣節(しんせつ)からの抜き書き的性格を持つ説話集。『古事談』を用いて新たな作品を作りだしている点で、一つの独立した説話集ということができる書である。底本は穂久邇文庫蔵本。構成は、釈文(読み下し文)、本文、校異、口語訳、語釈、余説、同話・類話、参考文献より成る。完全収録穂久邇文庫蔵『古事談抄』影印。
13000円(税込)

浅見和彦(日本文学)/伊東玉美
新注古事談
歴史の秘話や意外なこぼれ話を収めた、鎌倉時代成立の短篇物語集を全文収録。慶應義塾大学図書館蔵本を底本とし、平仮名まじりに書き下し。岩波新日本古典文学大系本とは異なる慶應本独特の訓みを積極的に紹介。主な登場人物には歴代天皇をはじめ、聖徳太子・弘法大師、藤原兼家・道長・伊周・道綱、小野小町・清少納言、信西入道・西行法師、仏師定朝・囲碁の名人碁聖法師など-付録として、主要参考文献・人名索引・類話一覧を収録。
1800円(税込)

浅野良一
古事記を解読する 新しい文脈の発見
我々はまだ『古事記』を解読していない。本居宣長以来の〈訓読〉に影響を受けた解釈には、未開拓の謎が残されている。『古事記』文脈に隠された文字では表現し尽くせないメッセージを、「色名・色彩語」を鍵に〈色対偶〉という独自の視点で解読。『古事記』全文脈の再構築を図る契機とする。『古事記』解釈に、新たな可能性を提示する書。
2200円(税込)

染谷智幸
冒険 淫風 怪異 東アジア古典小説の世界
二十一世紀、再びアジアの時代が到来した。欧米の近現代を最終地点に描かれてきた文化・文明史を、本書では、アジアに軸足をシフトして考える。大交流時代の十六、七世紀、日本・朝鮮・中国・ベトナム…、各国の文学は繋がっていた。それは、この時代に吹いた新しい風、”冒険””淫風””怪異”というテーマで、である。
2800円(税込)

前田雅之
古典的思考
実証主義=無思想に堕した国文学は、現実を凝視できるか。雑誌『発言者』『表現者』に連載し続けてきた論考に「破局の後で」を加えて一書にした実践の書。
2200円(税込)

前田雅之
今昔物語集の世界構想
今昔物語集の「世界」はいかなる論理に基づいて構想され、テクスト内に具現化されたか、或は、されなかったのか。可能態のまま封殺された「今昔」の達成と破綻を考察。今昔物語集に蠢く人類の性としての欲望を追う。
13000円(税込)

前田直子
「ように」の意味・用法
従属節「ように」が持つ、意味・機能的にも形態・統語的にも異なる性質の4用法を分析。「ようだ」の表す認識的モダリティという意味との関連を睨みつつ、どのような特徴を持ち下位分類されるかをみる。
2000円(税込)

倉住薫
柿本人麻呂 ことばとこころの探求
天武・持統朝を中心に活躍した歌人、「歌聖」柿本人麻呂。本書はその人麻呂の相聞歌と挽歌の抒情、景と情との関連、そして、武田祐吉が描く人麻呂像の可能性を、人麻呂の作品における歌表現の検討から論じる。
5800円(税込)

倉田良成
ささくれた心の滋養に、絵・音・言葉をほんの一滴 倉田良成芸術論集
街にあふれる、絵画、芸能、詩、音楽で、人生を満喫する方法!死生をまたぐ大病で、少し早めの隠居生活を送る詩人が伝える、芸術鑑賞術。
2500円(税込)

曹咏梅
歌垣と東アジアの古代歌謡
歌垣という、古代日本にも存在していた習俗が残る、中国の少数民族の歌世界を取り込みながら、さらに中国の『詩経』や六朝の詩歌なども視野に入れ、『万葉集』を中心に、東アジア古代歌謡の成立に関する諸問題を論じる。人類の歴史とともに存在した「歌謡」の姿を明らかにしようとする。
5600円(税込)

大井田晴彦
竹取物語 現代語訳対照
「今は昔、竹取の翁と言ふ者ありけり。」でおなじみ、かぐや姫の物語を最新の確かな現代語訳で提供。便利な索引付。初学者から、専門の研究者まで、幅広く対応する決定版!底本は成蹊大学図書館蔵『たけとり物語』。本文、現代語訳、校異、語釈および補注、鑑賞、解説、付録、索引を掲載。
1400円(税込)

大浦誠士
万葉集の様式と表現 伝達可能な造形としての〈心〉
人が心にかたちを与えるときに重要な役割を果たす表現の型・様式。様式に支えられて様々に生み出される表現。歌を「書く」ことが人麻呂の周辺で本格的に始まってゆく中で、万葉歌のかたちが誕生し、歌世界は誰でも参入可能な世界となってゆく。-表出・伝達・享受という歌表現のシステムに迫る書。
12500円(税込)

大久保典夫
岩野泡鳴の研究
「泡鳴三部作」最後の畢生の大作、決定版。『岩野泡鳴』『岩野泡鳴の時代』につくせなかった一層、精緻な伝記研究を軸として、等身大の泡鳴を究明。
6800円(税込)

大橋崇行
ライトノベルから見た少女/少年小説史 現代日本の物語文化を見直すために
〈少女小説〉と〈少年小説〉が、戦前から戦後にかけてのまんがの成立を大きく規定し、日本の「まんが・アニメ」文化の礎を築いてきたのではないか-。ライトノベルを起点に〈少女小説〉〈少年小説〉に戻り、日本の物語文化を見直す。特権化されてきた、まんが・アニメーション文化論を超え、現代日本の物語文化を見直すとき、そこにはどんな問題が立ち上がってくるのだろうか。これまであまり行われてこなかった、まんが・アニメと小説とがどのようにつながるのかという問題を、〈物語文化〉という問題意識から考える文芸批評。大塚英志~東浩紀を経てゼロ年代批評に至る既存のサブカルチャー論に、文学研究の視点から全面的に反論。日本のキャラクター文化言説の再編成を行う、刺激的な書。
1800円(税込)

大槻福子
『夜の寝覚』の構造と方法 平安後期から中世への展開
女主人公の心理のありように注目が集まるあまり手薄になってしまった、作品の主題をどう捉えるか、物語史上にどう位置づけるかといった本質的問題を解明。末尾欠巻部分の資料を丹念に検討し、『夜の寝覚』の全体像を正確に捉える。加えて、散佚物語をも含めた中古・中世の王朝物語群から『狭衣物語』『小夜衣』『かばね尋ぬる宮』『松陰中納言語物』を取り上げる。
7000円(税込)

滝沢馬琴/葛飾北斎
椿説弓張月 前編
「南総里見八犬伝」に並ぶ曲亭馬琴の代表作。前編六冊を初版本から精密なアミ版による影印本として公刊。ダイナミックな北斎の挿画が見開き状態で紙面一杯に繰り広げられる。
1748円(税込)

沢田正子
源氏物語の祈り
古典の時代の作家、登場人物たちはどのように、理想とする世界を仰ぎ見、憧れ、彼岸、祈りの世界に思いを致したのか。その道のりを作品世界を通し探る。
9000円(税込)

辰巳正明
詩の起原 東アジア文化圏の恋愛詩
”歌路”の詩学理論によって問い直される恋歌の常識。東アジア恋愛歌謡の運命を探る。
7800円(税込)

辰巳正明
詩霊論 人はなぜ詩に感動するのか
日本人は神の言葉を離れどのように人間の詩を成立させたのか-世界文学の普遍性から日本文学が固有性を獲得する道筋をたどる。
6500円(税込)

辰巳正明
折口信夫 東アジア文化と日本学の成立
本書は「折口学と万葉集研究」を主要研究テーマとしながら、折口学を東アジア文化論のなかから検証し、折口による日本学の形成へと至る道筋をたどることを目的とするものである。
7500円(税込)

辰巳正明
短歌学入門 万葉集から始まる〈短歌革新〉の歴史
短歌の成立と革新をテーマに、『万葉集』の短歌成立から正岡子規の短歌革新へと至る歴史を探る。
1800円(税込)

辰巳正明
万葉集に会いたい。
奄美に現存する歌唱の系統「流れ歌」から、万葉集の歌の流れを読み解く。新たな万葉集の世界が展開する。
1600円(税込)

辰巳正明
万葉集の歴史 日本人が歌によって築いた原初のヒストリー
万葉集は東アジアの豊穣な海を揺籃として成長した。万葉集を東アジアの文学史として構築することによる、新たな日本学の出発。
7500円(税込)

丹羽一弥
日本語はどのような膠着語か 用言複合体の研究
屈折語などタイプの異なる言語で開発された概念を借用せず、「足し算」的構造の資料から、帰納的に、日本語の枠組みや文法概念を明らかにする書。日本語文法の原理に向かって考える。
2800円(税込)

丹羽一弥
日本語動詞述語の構造
標準語文法では説明しきれない諸方言をも含めた「新しい日本語文法」に向けたパラダイムを提示。
3200円(税込)

池田利夫
源氏物語回廊
源氏物語を主軸に、伊勢物語、浜松中納言物語から蒙求まで、文芸和漢の王道を行き、縦横無尽に研究し尽くしてきた、氏の歩みを一覧する。
19000円(税込)

池田利夫
校本唐物語
尊経閣文庫蔵本を底本とし、宮内庁書陵部蔵本及び清水浜臣校板本に依って対校した異文を各々傍注として示した主校本文と、これら三本以外の伝本を三系統に分類し、各系統別の校異を示した頭注部分との、二つから成る。巻末に「書陵部蔵本注記出典本文」の翻刻を付載。
500円(税込)

池田利夫
堤中納言 影印本
宮内庁書陵部蔵、桂宮旧蔵本(十冊)を影印。作品は十篇の短篇物語と一つの断章から成る。うち一篇は天喜三年の物語合に提出された小式部という女房の作、他の作者、成立については定説がない。巻末の解説では底本の書誌他、諸家の成立論、伝本の基本的問題を簡明に叙述。
800円(税込)

竹村信治
言述論 For説話集論
すくっても手からこぼれてしまう物語たち。語り方への問いかけ-本書の議論は「コンタクトの在り方の分析、物語行為の分析」にあり、説話集周辺の諸文化表象、言語テキストにこれを試みることで、説話集テキストの表現位相を論ずる際の足場を組もうとするものである。
15000円(税込)

竹林一志
「を」「に」の謎を解く
助詞「を」と「に」の諸用法に貫かれる本質的意味を明らかにすると同時にそれらが用いられる諸表現の性質や使用条件の理由を探る。約10年をかけた研究成果の提示とともにあらゆる事象に対し徹底的に「なぜ」と問うこと、あるいは物事を本質から考えることなど、言語研究における著者の姿勢を通し、学問のないしは人間の在り方にも及ぶ意欲作。
2500円(税込)

竹林一志
これだけは知っておきたい言葉づかい 時とともに言葉が変わる理由
何が正しくて、何が間違っているのか-どうしてこんな言葉が生まれたの-知れば納得!言葉の見方・使い方のトレーニング。「言葉づかい力」を磨く。
1200円(税込)

竹林一志
日本古典文学の表現をどう解析するか
古典を対象にしながら、時代を越えた言語表現全般を見据える。古今集・枕草子・大鏡・平家物語・徒然草・芭蕉の俳句を対象に、表現を的確に捉えるための「方法」を実践。文献学的アプローチにもとづく全くあたらしい古典読解術。
2200円(税込)

中村誠
金子光晴 〈戦争〉と〈生〉の詩学
金子光晴は、時代背景と密接に絡み合いながら、「反戦・抵抗」の詩人、ある時は自由な個人主義者として、またニヒリズム・エロチシズムを鍵にして、近年では「家族愛」の詩人としてと、様々に読まれてきたが、本書は立ち止まり、その文学的営為を改めて整理・点検する。
2800円(税込)

中田幸司
平安宮廷文学と歌謡
平安の宮廷人に広く愛好され、 受容された歌謡 『催馬楽』は、どのような性質をもつ歌謡で、往時の宮廷人にいかに受容されていったのか。「宮廷の論理」 とでも呼ぶべき共通認識の存在を想定し、歌謡が受容・共感される道筋を 論証する。
14000円(税込)

中田武司
竹取物語 田中大秀旧蔵
高田市郷士館現蔵本をハイライト版にて精密に影印。一面九行で、一行は凡そ20字。伝本の分類としては通行本系統第一類、第一種に類別される善本。行間に田中大秀の筆による諸本との対校が朱書されている。研究資料としてはもとより、講読・演習に絶好。付・別冊解説。
1300円(税込)

中島あや子
源氏物語の構想と人物造型
自らの実体験とそれにまつわる感懐、また叶わぬ願望を『源氏物語』に反映させた紫式部。その過程を『紫式部集』『紫式部日記』に照らし合わせ、丁寧に源氏の虚・実を解き明かす。
7500円(税込)

中嶋隆
西鶴と元禄メディア その戦略と展開
稀代のメディア・プロデューサーはどのように誕生したのか-メディア・大坂・文化をキーワードに、西鶴の文芸活動とその時代を描く。近世前期文化史としても重要な書。
1600円(税込)

中野方子
平安前期歌語の和漢比較文学的研究
なだらかな”やまとことば”の歌たちが背負う、硬質な漢籍や仏典の世界。歌語の創成期、当時の人々はこんなにも想像力ゆたかに、ことばを試作していた-。
19500円(税込)

長沼光彦
中原中也の時代
ダダ詩・象徴詩・生活をキーワードに、詩や文章を検討、同時代の文脈を掘り起こし、中原中也の詩精神の拠を探る。詩人として出発した1924年から、第一詩集『山羊の歌』の編集を開始する1930年までを対象とし、その詩精神の展開を追う。
3800円(税込)

沈国威
近代日中語彙交流史 新漢語の生成と受容
漢字による新語造出のメカニズムや、表意文字としての漢字語の異言語交流の流布・受容の過程を、言語接触という言語学的な観点から解明する。漢字文化圏の新しい漢字語には、アジアの近代の真実が潜んでいる。
4800円(税込)

塚本澄子
万葉挽歌の成立
第一章で挽歌の発生と成立、第二章でその表現を考察。挽歌の源流である天皇葬歌、日本書紀の孝徳・斉明紀に見える挽歌、万葉集中の挽歌について論じる。付篇として、斉明天皇・中皇命・十市皇女をとりあげた万葉前期歌人論を収録。
5800円(税込)

坪井美樹
日本語活用体系の変遷
古代から現代に至る日本語活用体系の歴史的変遷を考え抜いた本。人間はそれぞれの時代に応じた効率のよい言語運用を無意識のうちに求めるが、それらは無意味で偶発的な変化ではない。意味をもった因果関係の連鎖として捉えることが出来る。素朴な疑問を出発点とし、根源的なテーマを掘り下げる。新たに、13・14章、付章を収録。
3300円(税込)

鶴見大学日本文学会/久保木 秀夫/中川 博夫
新古今和歌集の新しい歌が見つかった! 800年以上埋もれていた幻の一首の謎を探る
2012年、鶴見大学図書館に「古筆手鑑」一帖が収蔵され、その中から、『新古今和歌集』の歌としては、これまでまったく知られていなかった一首が、新たに発見されました。鎌倉時代のごく初期に書写された巻子本を、主に観賞目的で分割した、いわゆる古筆切(断簡とも)の一葉として、それは姿を現しました。本書は、その『新古今和歌集』新出歌を記載している断簡について、あらためて紹介し、かつ関連資料を徹底的に集めた上で考察するものです。日本古典文学研究の推理小説的な面白さや奥深さ、必要性、重要性を存分に伝えるエキサイティングな書。本書の原本資料を活用した、書誌学的・文献学的方法に基づく論述は、古典文学研究の魅力をあますところなく伝えます。図版多数掲載、フルカラー。
800円(税込)

天野みどり
日本語構文の意味と類推拡張
本書は、語用論研究そのものを行ったのではなく、語用論の分野の問題として文法論研究からは切り離されてきた言語現象について、語用論の成果を参照しながら、日本語文法論の立場で説明を試みたものである。
2800円(税込)

天野みどり
文の理解と意味の創造
人は文を理解するとき文意を先に予想し、それに見合うよう文を構成する各要素に意味を与えている。文の意味はどのようにして得られるのか。
2200円(税込)

田村圭司
吉田一穂 究極の詩の構図
北原白秋に激賞された『母』他、音数律を越えた音楽的構造を孕む一穂詩、究極の構図を解く。鮮烈な印象を刻み込む一穂固有のレトリックの作品構造を解析した渾身の労作。
3700円(税込)

田島毓堂
比較語彙研究序説
語彙研究には意味比較の観点が欠けていた-”比較”は研究の方法そのものだ。他の語彙と意味を比較することによって、はっきりそれは促えられる。新しい概念によるこの研究方法は、最終的にはその言語を育んできた文化社会どうしの言語的比較・解明・理解を目指す。
4200円(税込)

田島毓堂/丹羽一弥
日本語尾音索引
「この辞典は眺めているだけでも楽しい。例えば〈やか〉でひくと日本語の〈音楽〉が聞こえてくる。あでやか/はでやか/しとやか/しなやか/はなやか/のびやか/しのびやか…」-谷川俊太郎★本邦初の逆引辞典。「岩波国語辞典」の全語彙を逆綴にしたものの五十音順索引。
2500円(税込)

渡部泰明/和歌文学会
和歌のルール
これだけ知れば楽しく読める10の和歌のルールをやさしく説明 ! 高校の教科書に載っている作品を中心に、和歌の魅力を味わうのに十分な10のルールを選びました。初めて和歌を読む人々を思い浮かべて書かれた、わかりやすくて本格的な和歌案内書です。ルールさえ知っていれば、今よりずっと楽しめるようになるのです。ルールといったってずいぶんたくさんあるのだろうなあ、と不安にならなくても大丈夫です。どんな競技でも、基本的なルールはそう多くはないでしょう。そのルールのうち、とくに基本的なものを解説するのが本書の狙いです。これだけ知っていれば、和歌の一番大事な魅力を味わうのに十分、というルールだけを選び出しました。もしかしたら、十個のルールでは少なく思えるでしょうか。でもこれだけわかっていれば、かなりのものです。格段に和歌が面白く読めるようになること、請け合いです。執筆は、上野誠/大浦誠士/小林一彦/小山順子/鈴木宏子/田中康二/谷知子/中嶋真也/錦 仁/廣木一人/渡部泰明。
1200円(税込)

渡邉卓
『日本書紀』受容史研究 国学における方法
中華文明に対し、自国を意識したことによっておこった学問「国学」。本書はその国学が、上代文献、なかでも『日本書紀』を、どのように研究し何を明らかにしてきたかを論じる。大陸の学問は『日本書紀』研究にどのような影響をもたらしてきたのか。『日本書紀』研究史の再構築をめざし、文献のなかの古代がどう研究されてきたのかを探る。
5500円(税込)

渡邉裕美子
新古今時代の表現方法
三十一字とは思えない深く広く遥かな時空を表現した新古今時代(1190‐1242)の歌のあり方とは。新古今時代の本歌取と題詠、またそこから派生し周縁に広がる問題を、この時代の歌と、歌に関わる表現方法から解き明かす。
14000円(税込)

土屋有里子
『沙石集』諸本の成立と展開
鎌倉後期成立の仏教説話集『沙石集』は、一度完成した後も、無住自身による二度の大改訂と後人による改変によって、記述に差異のある伝本が多数存在している。本文の成り立ちや立ち位置もわからないまま、論拠として使用する研究状況に警鐘を鳴らし、現存の全十一写本について、前後関係を解明し系統化する。『ささめごと』や西鶴の諸作品、『醒睡笑』にも引用され、現在ではフランス語訳、英訳もなされるなど、後世多くの読者を獲得し、日本史・宗教史・思想史等の分野にも影響を与えてきた『沙石集』を扱う際の必読書。
12000円(税込)

島村幸一
『おもろさうし』と琉球文学
琉球文学の、その総体としての姿は、どのように明らかにできるか。季節によっては台湾の山陰を臨むことができるという与那国島から奄美大島以南までの、琉球孤の島々で話される言語(琉球語・琉球方言)によって表現された琉球文学を、『おもろさうし』を中心に論じていく。もうひとつの日本語による琉球文学を、これから日本文学の中にどのように定位していくのか。琉球文学の一方的な模索ではなく、本土日本文学からもその道を探らねばならない。これからの琉球文学研究の方向性を指し示す、希望に満ちあふれた書。ここからはじまる、琉球文学論。
17000円(税込)

島内景二
源氏物語の影響史
「源氏物語」が日本文学史に及ぼした影響の意義を論ずる。「源氏物語」を光源として中世と近世の文学の一面を新たに照らし出し、逆に光源としての「源氏物語」の意味をも深めようとする試み。
13500円(税込)

島内景二
柳沢吉保と江戸の夢 元禄ルネッサンスの開幕
五代将軍綱吉の側用人、吉保を軸に江戸文化がみえてくる。フィールドワークと膨大な史料を読み解いた悉皆調査ではじめて捉えた等身大の吉保像。
1800円(税込)

島内裕子
徒然草文化圏の生成と展開
徒然草の影響力=徒然草文化圏をめぐる刺激的な試み。享受史の領域を越えて真の徒然草の影響力を具体的に指し示し、徒然草をより深く広く理解するための方法論を提示する。幅広い知識と、「文学」への深い理解と愛情に裏打ちされた新しい徒然草文学論。
13000円(税込)

藤井貞和
タブーと結婚 「源氏物語と阿闍世王コンプレックス論」のほうへ
古代人が抱え込んでいる、「愛」と「結婚」と「性」の深層を、物語から抉り出す!源氏物語、万葉集、蜻蛉日記から、精神分析学をとりこみつつ、思想を先取りする主人公たちの心性を明らかにする、かつてなかった独創的な古典文学論。
2300円(税込)

藤井貞和
文法的詩学
「物語を読む、うたに心を託す」ために必要な言語理論を案出する書。「時枝、佐久間、三上、松下、三矢、そして折口、山田、大野、小松光三、あるいはチョムスキー......絢爛たる文法学説の近代に抗して、機能語群(助動辞、助辞)の連関構造を発見するまでの道程を、全22章(プラス終章、附一、附二)によって歩き通す」物語や詩歌を読むことと、言語学のさまざまな学説たちとのあいだで本書は生まれた。古典語界の言語を当時の現代語として探究する。
4500円(税込)

藤内鶴了
琵琶伝来の淵源 琵琶覆手単体の音響計測から、伝来の謎を解き明かす
琵琶伝来の淵源はどこにあったのか。日本に伝来した琵琶は、いかに近代琵琶の形にたどり着いたのか。鶴田錦史に師事した演奏家・藤内鶴了がその謎を、琵琶の覆手(ふくじゅ)の音響計測により解き明かす。海外取材調査の記録や、師・鶴田錦史のことなど、多くのエピソードを添え、琵琶の魅力をも紹介する書。
10000円(税込)

藤平春男/井上宗雄
年表資料中世文学史
本書は、大学および短期大学用の文学史教科書として編集した。史的発展の記述は避けて、年表および資料(著名作品の本文抜萃)を骨格とし、適宜、教材補助としての図版を挿入し、付録に関係系図を付した。
1300円(税込)

藤本勝義
源氏物語の表現と史実
源氏物語の世界をよりよく理解するために。文学作品と古記録等の資料との往還を通し、源氏物語の本質を読み解いていく書。柔軟に資料を駆使しながら、史実を検討し、準拠の問題を検討しつつも、物語展開の本質を見据える方途を辿っていく。源氏物語の表現に見え隠れするものをどう理解していけばいいのか考える書。
12000円(税込)

内間直仁
琉球方言文法の研究
一大方言である琉球方言の文法研究で見出される理論を援用すれば、共通語文法で問題となっていることが解明される場合もある。奄美から与那国にいたる方言の代名詞、動詞・形容詞の活用、助動詞について考察。
19000円(税込)

日向一雅
源氏物語東アジア文化の受容から創造へ
源氏物語や仏教説話には、同時代の新しい東アジアの文学・文化が浸透している。漢籍や仏典、宮中行事、儀式書をよりどころとして、東アジアの影響を受けた当時の知識や教養、制度や慣習の中において物語を読み解く。
9500円(税込)

日野名子/岩佐美代子
竹むきが記全注釈
抗い難い時代の転換期、南北朝の大乱のなか、自らの宿運・使命に、忠実に現実的に生き抜いた一人の女性、日野名子(~一三五八)の日記。最も現代的に切実な意味をもつ、女流日記文学の全文、全訳。丁寧な補説で、読者を日記の世界に誘う。
8500円(税込)

波戸岡旭
宮廷詩人菅原道真 『菅家文草』・『菅家後集』の世界
説話・民間伝承等で知られる虚像をはがして、『菅家文草』・『菅家後集』及び宇多・醐醍朝の宮廷行事の実態と、宴詩の意義の解析から道真という宮廷詩人の詩境詩観を究明。
12500円(税込)

波戸岡旭
日本漢詩文選 標註
日本漢文学作品中『懐風藻』『凌雲集』『文華秀麗集』『經國集』より、特に詩を中心に珠玉作品を選択採録。本文は群書類従本を底本とし、厳密に校訂。詳細な頭注を付す。訓点は省くことを原則としたが、賦及び長篇の雑言詩には返り点を施した。
1500円(税込)

馬場美佳
「小説家」登場 尾崎紅葉の明治二〇年代
紅葉作品は”近代小説か否か”という従来の視点から抜け出し、同時代に存在した数多の小説群の中で相対的に捉える試み。紅葉自身が意識していた、素材や場面を用いて小説”世界”を構築する”趣向”という創作の観点から解析することで、紅葉作品の意義を検証。同時に作品から見えてくる「小説家」尾崎紅葉の輪郭を描き出す。
4200円(税込)

馬淵和夫
国語音韻論
上段にはおおむね結論的な概論を述べ、下段では上段の記事の論拠、批判、発展、資料および参考文献を配し、みずから学習・研究を深められるようにした。
1456円(税込)

馬淵和夫/出雲朝子
国語学史 日本人の言語研究の歴史
昔の日本人は、言語の中にどのような論理を見出していたのか。音韻・仮名遣い・文法・方言など、30項目のトピックスで、歴史を繙く。
1800円(税込)

梅野きみ子
えんとその周辺 平安文学の美的語意の研究
平安文学中、主要な美意識をあらわす「えん」を中心として、同時代の他の美的語意「なまめかし」「すごし」等との微妙な美意識の差に触れつつ、できる限り用例をあげて考察。
11500円(税込)

白石真子
太宰春臺の詩文論 徂徠学の継承と転回
荻生徂徠に学び”古文辞学”の方法と思想を継承した太宰春臺。如何に読み、如何に書くことで、先王の道を理解し、表現するのか。江戸漢学において未分化であった文学と思想を切断することなく、その視座に立ち戻り、「春臺詩文論」の機能を論証する。
4700円(税込)

板坂則子
曲亭馬琴の世界 戯作とその周縁
現在残されている板本や稿本から創作過程を細かく辿り、そこから馬琴作品に多く見られる手法を探ったり、潜在意識にある発想の型を見出す。そこから馬琴の目指した「娯楽としての読書」がどのように存在しえたかを考え、読書史の中で馬琴が果たした役割を考察する。
13000円(税込)

繁田信一
紫式部の父親たち 中級貴族たちの王朝時代へ
もし紫式部の父親が、出世していたら、『源氏物語』は存在しなかったかも。王朝時代の中級貴族たちの暮らしぶりを、当時の手紙から復元し、生き生きと蘇らせる。紫式部であれ、清少納言であれ、和泉式部であれ、みんな、中級貴族の娘だった。
1900円(税込)

尾西康充
田村泰次郎の戦争文学 中国山西省での従軍体験から
泰次郎の戦争小説に貫かれた反戦テーマの真実。「田村泰次郎文庫」9000点を調査、小説の舞台となった中国山西省、河南省、河北省を実際に訪問、戦争体験者のインタビューを行った、フィールドワークに裏打ちされた渾身の書。
2800円(税込)

疋田雅昭
接続する中也
中也詩をテクストとして従来の作家論から切断する、あるいは非文学的領域と接続させる。中也詩とそれをめぐる様々な事象との接続、切断とを繰り返し「文」学の内包する自己矛盾、あるいは「文学」学ともいうべき「文学」そのものへの切開を試みる。中也詩を通して「文学」の内部にまで接続の触手をのばしていく。
2800円(税込)

表章
能楽研究講義録 六十年の足跡を顧みつつ
平成二十二年、「能楽史の研究」により恩賜賞・日本学士院賞を受賞した著者による、大阪大学大学院で行った集中講義の記録。何をどのように研究してきたのか、能楽研究の第一人者が、舞台裏を明らかにする。
3300円(税込)

富士昭雄
西鶴と仮名草子
近世前期の仮名草子と、それを乗り越えて斬新で興趣深い小説を創始した、西鶴の浮世草子の特質を解明する。
12000円(税込)

武井和人
日本古典くずし字読解演習
日本古典文学を学ぶ人向けのくずし字演習テキスト。入門・中級・上級編を設定し、翻刻・設問ともに回を追うごとに段々と深めていける構成で、日本古典の研究方法につながる設問も用意しています。全15回の講義で終了するように作りました。
700円(税込)

武久康高
枕草子の言説研究
テクストをどう読むか、読むとはどういうことか。テクストが同時代の社会的、歴史的諸言説とどのようにかかわりを持ち、既存のテクスト言説が反復する言説として、『枕草子』上に如何に構築されたか、そのメカニズムに迫る。
6800円(税込)

武藤純子
初期浮世絵と歌舞伎 役者絵に注目して
本書は、初期浮世絵版画を、歌舞伎興行の視点を加え、主に役者絵を検証しようとするものである。
19000円(税込)

福長進
歴史物語の創造
『栄花物語』『大鏡』を中心に据え、仮名文の歴史叙述が生み出された文学史的環境をあきらかにするとともに、そのシステム、スタイルがどのように編み出されたかを追究する。
11000円(税込)

福島直恭
〈あぶないai〉が〈あぶねえe〉にかわる時 日本語の変化の過程と定着
ことばをどういうものとして把握すべきなのか、言語変化の本質を捉える。言語変化の多様な実現の仕方と過程を具体的に解析。
1800円(税込)

福島直恭
書記言語としての「日本語」の誕生 その存在を問い直す
国家語として、全国に普及したと私たちが認識している「日本語」の実体を明らかにし、新たな日本語観を提示する。『日本語とはどういうものなのか?』という大きな問いに誠実に向き合う書。
2500円(税込)

福島邦道
国語学要論 国語学の基礎を学ぶ、定番入門書。
上段に総括的な概論を叙述し、下段に参考文献等を中心に注記した概論書。音韻・文字・文法・語彙・文体・言語生活・方言・系統30項にわかち、各項をできるだけ平均化し、30回〔もしくは15回〕の時限にわけて教授できるよう有機的に編成した好テキスト。国語学の基本をマスターできる。
1400円(税込)

福島邦道
中華若木詩抄 寛永板
室町時代語の研究に欠かせない抄物の基礎資料「中華若木詩抄」を最善本の寛永板を底本に、ハイライト版にて精密な影印本を提供。巻末「解説」では、書名、研究、濁音表記、寛永板の言語、音韻表記、語法四題他、各々通説を覆す新見を披瀝。演習教材としても好適
2300円(税込)

平沢竜介
王朝文学の始発
万葉集と比較して格段と緻密になった古今集の構造。土佐日記を通して語られる貫之の歌論を解析。源氏物語第一部前半と古事記の日向神話との関連から、源氏に大胆新たな構想論を示す。
9500円(税込)

平沢竜介
古今歌風の成立
古今歌風の成立要因に貴族階級の精神構造が万葉期より変化したことを挙げ、歌の表現を細部まで検討し論証。古今集四季の部の配列基準も明らかにされる。土佐日記における貫之の女性仮託への新見も披露する。
7500円(税込)

平野多恵
明恵 和歌と仏教の相克
中世仏教を代表する僧の一人である、明恵(1173‐1232)の和歌を丹念に読み解きながら、和歌と仏教のかかわりを明らかにする。思想、文学、美術等、分野ごとに細分化しがちな明恵の研究を俯瞰し、これまで十分に解明されてこなかった、文学表現と仏教思想・信仰の連関を初めて本格的に究明。伝記や説話に関する基礎資料も整備した、明恵の総体的研究の礎となる一書。
9000円(税込)

平林盛得/小池一行
五十音引僧綱補任僧歴綜覧 推古卅二年ー元暦二年「624年ー1185年」
国家語として、全国に普及したと私たちが認識している「日本語」の実体を明らかにし、新たな日本語観を提示する。『日本語とはどういうものなのか?』という大きな問いに誠実に向き合う書。
5500円(税込)

平林文雄
我身にたどる姫君 本文と校異
宮内庁書陵部蔵、旧禁裏御蔵書本を底本とし、尊経閣文庫蔵本と旧九条家蔵本とによって対校。校異を辿ると対校本文が復元できるよう、すべての差異を厳密に示した。伝本、成立、構成、主題、研究史、参考文献等を詳密に解説し、各句、和歌索引を付す。講読、演習に好適。
2500円(税込)

平林文雄
校本成尋阿闍梨母集
宮内庁書陵部蔵本を底本とし、表記ほか、本文中の傍注、書き入れ等、すべて底本通りを第一義とし、厳密さを期して翻刻。冷泉家蔵本をもって校合し、その差異を示した。解題篇では、伝本の成立、作者及び子息成尋の出自、作品の内容、研究史等多角的に考察している。
400円(税込)

平林優子
源氏物語女性論 交錯する女たちの生き方
源氏物語の主題のひとつ”女の生き方”は、登場人物たちそれぞれの生き方が絡み合ってかたちづくられていく。物語を俯瞰するのではなく、登場人物たちの気持ちに寄り添いその個性を内側から深く読み解くことによって、源氏物語の世界をより豊かに広げようとする試み。
3500円(税込)

片桐洋一
歌枕歌ことば辞典
古典和歌に使われる言葉、約830語を見出し語としてとりあげ、実際の用例にそって解説した辞典。配列は、旧仮名遣いによる五十音順。付録として、引用歌作者略伝、引用歌書略解題、名所歌枕一覧、歌語(歌枕)索引、引用歌初句索引がある。
2900円(税込)

片桐洋一
源氏物語以前
口誦が紙に書かれる時点に思いを馳せ、宮廷に生まれた噺の実相と方法を明らかにするなかで、その享受が一つの文化史になってゆくさまを述べつくす。前著『古今和歌集以後』と対をなす渾身の物語論。
9500円(税込)

片桐洋一
古今和歌集以後
「片桐古今」極まれり。これだけ独創的でこれだけ実証的な研究はない!細部を照らしながら全貌を浮き上がらせる、もっともオーソドックスで、もっとも斬新な古典研究の方法を開示。三代集・私家集・歌枕歌ことばなどの諸問題を網羅-今後のいかなる和歌研究もこの書を出発点にせざるをえない。
13000円(税込)

望月郁子
源氏物語は読めているのか 末世における皇統の血の堅持と女人往生
はたして源氏物語は本当に雅びで華やかな世界なのであろうか…先入観に捉われずにすなおに読めば、それは現代を生きる私たちの”いま”と重なる孤独な人々の世界であった。
1800円(税込)

望月郁子
源氏物語は読めているのか 続
紫上の人物造型を軸として、作品中に散りばめられた数々の謎を解き明かし、紫上と光源氏の関係は、「禁忌の姫君」と「抑制の効く男」との結婚である事、紫上は宗教に生きる女として捉え、これを立証する。
3800円(税込)

望月郁子
新源氏物語は読めているのか 帚木三帖・六条院・玉鬘
女人往生”女人成仏”こそ源氏物語のテーマである。先入観を極力排除し、あくまで本文を深く読み込むことによって、今までの源氏物語研究とは違う、「立太子問題の犠牲者の鎮魂」他、物語の実体に接近する新たな解釈を提示する野心作。
3300円(税込)

望月郁子
新源氏物語は読めているのか 2
語義を見極め本文を分析することで、物語全体を支配する”宿曜”の実態や、姫君の育て方、琴(きむ)の伝授といったテーマを読み解くと、従来見えてこなかった伏線や人物像などがトータルで浮上する。新たな源氏物語の解釈を提示する一書。著者の源氏物語論、待望の第四弾。
3800円(税込)

望月郁子
新源氏物語は読めているのか 3
若菜下巻からの主要テーマである”密通”。物語は”密通”によって生まれた人間(柏木・玉鬘・薫・浮舟)の生きざまを描き出す。琴・笛など、「楽器の音色は遺伝する」という貴族社会の意識なども手掛かりに、新たな源氏物語の解釈を提示する一書。著者の源氏物語論、第五弾。
3800円(税込)

望月郁子
仏教界に辞書は在ったか 古字書の新研究
字書と宗教。宗教上の必要から誕生したはずの辞書は、「言語理解」のためだけに在ったのではない。
4800円(税込)

北村季吟
湖月抄 うき舟
北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は主を示す他、語意の解釈等よるもので、流布本としての価値を今でも失わない。演習、講読に絶好。
900円(税込)

北村季吟
湖月抄 かしわ木
北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は主を示す他、語意の解釈等よるもので、流布本としての価値を今でも失わない。演習、講読に絶好。
900円(税込)

北村季吟
湖月抄 はし姫
北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は比較的穏健な校訂によるもので、流布本としての価値を今でも失わない。演習、講読に絶好
900円(税込)

北村季吟
湖月抄 玉かつら
北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は主を示す他、語意の解釈等よるもので、流布本としての価値を今でも失わない。演習、講読に絶好。
900円(税込)

北村季吟
湖月抄 夢のうきはし
北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は主を示す他、語意の解釈等よるもので、流布本としての価値を今でも失わない。演習、講読に絶好。
500円(税込)

北村季吟
湖月抄 夕顔
北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は主を示す他、語意の解釈等よるもので、流布本としての価値を今でも失わない。演習、講読に絶好。
1200円(税込)

堀川貴司
五山文学研究 資料と論考
倦まず弛まず書物と格闘し新たな文学作品を生み出した、禅僧たちの営みを明らかにする。また、その後の近世文学への接続、同時代の和歌や説話、公家社会の学問との関わりを探り、孤立しているように見えている五山文学を日本文学の中に組み込むべく、その存在を新たに捉える基礎作業を行う書。
7800円(税込)

妹尾好信
中世王朝物語表現の探究
「中世王朝物語」はまだまだ読み解けないところだらけである。難解な本文にどう向き合い、いかに読み解くか。今後のゆくえを照らす書。全体を「主題・構想論」「典拠・先行物語受容考」「引歌表現考」「本文校訂考」の四つに分け、読解を試みる。精緻な読みから「中世王朝物語」の成立圏・作者圏までをも見通していく。
11000円(税込)

妹尾好信
平安朝歌物語の研究 伊勢物語篇・平中物語篇・伊勢集
10世紀は、歌語りと歌物語の時代であった。成立事情や作者の問題、執筆時期や主題を明らかにし、三作品が互いに影響し合いながら成立、成長したことを図式化。歌物語相互の影響関係を解析する。
9500円(税込)

妹尾好信
平安朝歌物語の研究 大和物語篇
異彩をはなつ『大和物語』のベールがいま剥がされる。歌物語の中でも成立・構想など謎の多い本作品固有の構成原理を歌物語との相違から検証し、その成立について緻密な論考と踏み込んだ大胆な解釈を展開する。
7800円(税込)

野口元大
うつほ物語の研究
日本の小説的伝統の最も枢要な位置を占める巨大な存在でありながら、正体が不明な、うつほ物語を、序説、本文批判、成立と構想、作品世界の構造、うつほ物語の音楽、の5部構成で解読する。
9000円(税込)

野中潤
横光利一と敗戦後文学
「日輪」「機械」「時間」…「夜の靴」。野間宏、三島由紀夫、原民喜、遠藤周作…。横光利一文学の読み直しと敗戦後文学のラジカルな捉え直し。”文学の神様”を殺した”敗戦後”を問い直す。
3700円(税込)

矢野公和
虚構としての『日本永代蔵』
西鶴の傑作『日本永代蔵』は周到に計算しつくされたフィクションである。現実にモデルを求め、致富道の金儲け小説として評価されてきた研究史、成立論に軌道修正を迫る画期的研究。
6800円(税込)

柳慧政
依頼談話の日韓対照研究 談話の構造・ストラテジーの観点から
日韓両言語それぞれの依頼談話データを多く収集し、依頼者と被依頼者の両側を視点に入れた、従来にない新しい分析観点を設け、両言語の依頼談話の全体的構造と、ストラテジー(目的を達成するための手段)の用いられ方、及び言語・文化による特徴を明らかにする。
3200円(税込)

有吉保
新古今和歌集の研究 続篇
1969年刊の「新古今和歌集の研究」以後の研究成果をふまえ、歌合・歌会に参集する歌人の動向を集団の中で捉え、時間を機軸としてその変遷と展開を論じる。新古今和歌集の成立と和歌史のなかでの位置づけを考察する。
13107円(税込)

与謝蕪村/谷地快一
蕪村翁文集
天保八年版、村松友次氏蔵本を影印。忍雪・其成編。乾、坤の二冊から成る原本を合綴。乾巻に「宇治行」等14篇が、坤巻に「春泥集序」他、序・跋の類が収まる。解説では重要な版本の書誌他、出典の究明、その異同、発句の人集状況等を考察し、文化十三年版との異同を付す。
1500円(税込)

李明玉
日本語と韓国語の慣用表現の差異 比較言語文化学の立場から
例えば、日本語では「生」の意味として「黒」、韓国語では「青」が用いられる。日本=「目の黒いうち」/韓国=「目が真っ青に生きている」…近くて遠い、日本と韓国。物事の捉え方、生活・文化の違いをことばから探ってみる。
3800円(税込)

隆円/岩佐美代子
校注文机談
鎌倉時代の芸能者、文机房隆円作本を菊亭本(伝隆円自筆)、伏見宮本(伝世尊寺行俊筆)を底本として翻刻。校異や読解上必要な注解、参考文献等を頭注に示した。系図・摂関家小伝・補注・中国古楽器解説等を付載。琵琶伝授の事ほか、平安末~鎌倉の芸道の実態が窺える。
1700円(税込)

隆円/岩佐美代子
文机談全注釈
録音技術もなかった当時、ぬきさしならぬ、一回の真剣勝負に生命を賭け、歴史の中に埋没していった、楽人の生きざまを、如実に写しとどめた、宮廷音楽史の魅力溢れる逸話の数々。中世楽家、琵琶「西流」師範家、藤原孝道・孝時にかかわる楽人列伝とエピソードを綴った物語。
12000円(税込)

林達也(近世文学)/廣木一人
室町和歌への招待
天皇、公家、武士…秀吉から、宗祇まで乱世に詠まれ続けた「歌」のアンソロジー。
2200円(税込)

鈴木貴子
涙から読み解く源氏物語
『源氏物語』に散りばめられた涙表現をどう読み解いてゆくのか。本書は人間関係やまなざし、会話、身体、ふるまいと関連づけることで詳細に読み解いてゆく。登場人物の関係構造の中での涙の力学を考え抜く。
6000円(税込)

鈴木久美
近世噺本の研究
江戸初頭から明治期まで、形を変えながらも作られ続けた、笑話の抄録本という性質を持つ噺本。大局的分類から一歩を進め、噺本の価値と特質を明らかにする。
9000円(税込)

鈴木宏子
王朝和歌の想像力 古今集と源氏物語
歌や物語をつくりだす想像力という働きを追う書。本書は、和歌の表現の〈型〉を析出し、その形成過程を『万葉集』から『古今集』へ、さらに王朝和歌へとつづく和歌史の中で跡づける。その共通の〈型〉から個々の歌のかたちが出来上がっていく創造の仕組みはどのようなものであるか。また、特有の〈型〉をもつ言語である歌が、物語の中でどのように機能し何をもたらすのか、そして物語が歌に何を与えているのか考察する。
12000円(税込)

鈴木宏子
古今和歌集表現論
古今集によって開花した表現とは-。個々の歌に対する精緻な読み重ねにより、導き出される古今集以前-以後の和歌表現の流れ、構築される表現体系・表現の史的展開。心象と物象が溶け合う歌の中、漢詩文・万葉集より受け継がれた表現、古今集にて新たに生み出され、また後へ続く表現が見えたとき「古今集」歌の本質が明らかになる。
8500円(税込)

鈴木泰
古典日本語の時間表現 語形対照
古典日本語の時間表現には、どのような体系と意味の対立があるか。その表現を容易に対照できるようにした新方式の書。
1900円(税込)

恋田知子
仏と女の室町 物語草子論
室町期の文芸と宗教文化に息づく女性たち。お伽草子や絵巻、語り物といった室町期の物語文芸について、本文や図像の内容分析、成立の問題、書物としての形態や享受の様相などを巨視的に捉える。”女性”をキーワードとした「物語草子」総合研究。
12000円(税込)

和田敦彦
読書の歴史を問う 書物と読者の近代
読者、読書の歴史をどうやって調べ、学んでいけばいいか。何のためにそれを学び、そこからどういうことが分かるのか。読書の歴史についての学び方、調べ方を考える書。書物の出版、検閲、流通、保存は、読者の歴史とどうかかわってきたのだろうか。「昔」の読書を探ると、「今」が見えてくる。現在とは異なる時間、異なる場所の、読者や読書の魅力をも伝える書。
1900円(税込)

廣田收
『宇治拾遺物語』「世俗説話」の研究
前著『「宇治拾遺物語」表現の研究』で展開した説話分析の理論に基づき、本作個別の説話が外来の伝承を受容する時、信仰や宗教的宇宙像を稀薄化させる代わりに、可視的な世俗の物語に変容し、倫理規範と核とする物語を創出していることを解明。
13000円(税込)

廣田收
『宇治拾遺物語』表現の研究
インドや中国から伝播されたものと、日本において生成されたものがある説話。前者は類似説話等、アジアの中でその特質を検証、後者は「宇治拾遺物語」が音声言語ではなく、文字言語によって統一性を得たものであることを立証。
12500円(税込)

廣田收
『源氏物語』系譜と構造
脱構造主義の方法論を提起!構造と系譜、二つのkey‐wordから『源氏物語』を掴む。
12500円(税込)

廣田收
『紫式部集』歌の場と表現
『紫式部集』を伝記研究から解放し、自立した作品として捉える試み。特定の場において詠じられる歌は、個人的な感情とは別に、儀礼性に即した表現形式を必然とするが、歌集という統一性のある作品となる際、歌人の記憶や感慨において意味付けられ、再び選択・配列される。新たな原理に基づき編纂されたという視点から『紫式部集』を読み直す。
9000円(税込)

 
影印本湖月抄
北村季吟の源氏物語の注釈書「湖月抄」を巻毎に影印。延宝三年に上梓された本書は、三条西学統の流れを汲み、江戸時代を通じて最も広く流布し、源氏物語の普及・研究の促進に大きく寄与した重要な書。注釈は、頭注と傍注から成り、頭注に諸注を集成し、自らの注を加え、傍注では文中の人物や言葉の主を示す他、語意の解釈等を諸注および自説によって説く。全体に季吟自身の注解が控え目である点において、旧注の大体がうかがえる資料としても貴重。本文は主を示す他、語意の解釈等よるもので、流布本としての価値を今でも失わない。演習、講読に絶好。
500円(税込)

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