内容説明
消えゆく記憶。削除(=dele)された真実。
驚愕と感涙のミステリ、待望の第2弾。
『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』は、依頼人が死んだときに動き出す。
故人より託された秘密のデータを削除するのが、この会社の仕事だ。
所長の圭司の指示を受けて依頼人の死亡確認をする祐太郎は、
この世と繋がる一筋の縁を切るような仕事に、いまだ割り切れないものを感じていた。
そんなある日、祐太郎の妹・鈴が通っていた大学病院の元教授・室田から依頼が舞い込む。
難病を患い、新薬の治験中に死亡した鈴。その真相に二人は近づくが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
241
★★★★★ 初読。孤独な作曲家、お洒落なOL、そして元医大の教授。"dele"は主役の座がぽっかりと空っぽになっている、特異な構造をしている。圭司と祐太郎が依頼に基きデータを消去しようとする過程で、彼らの本当の姿が浮かんでくるのだ。依頼の概要からは予測できなかった意外な姿が、何とも言えない余韻を残してくれる。祐太郎の妹の死の真相が明らかになる第3話も良いけど、都会の片隅で寄り添う虚構の2人を描く、第2話も最高です。 「これがうまくいったら、お前は…お前は、妹さんを忘れていく自分を許せるようになるのか?」2019/10/22
修一郎
167
dele2では真柴祐太郎の持つ喪失感がよく表現されてます。兄と弟の物語「アンチェインド・メロディ」,ヴァーチャルな幸せを望んだ「ファントムガールズ」,どっちも良かった。「チェイシングシャドウズ」で妹さんの死因を含む過去が明らかになるんだけれども治験の描き様がリアリティ不足で共感できなかったのでそこはもっと正確に描いてほしかった。タマさんをもっと見ていたいのでこれで終わりなんて残念だ。金城一紀脚本のドラマ第6話は凄いぞ!ドラマは全部見るよ。2018/08/28
ノンケ女医長
155
前作のdeleは、あまりにも素晴らしかった。その余韻に浸りたかったし、あの名作の続編があるならと期待して読み耽った。正直なところ、物足りない。まず短編集になっていて、展開が早い。せっかくの本多世界を、ゆっくりと味わいたかった。前作は、この世を去った方の視点が中心だった。その人を思う気持ちと、その方がこの世に残した不安を軽減する計らいが丁寧に描かれていた。今作はどちらかというと生き続ける人たちが、今後どう動くべきかを問うている。筆致もメッセージも異なる文章にできる作家さんは、やっぱりすごい。私は前作が好き。2022/11/07
ren5000
136
割とすぐに出た印象で前作を忘れてなくてスムーズにお話に入っていけました。最後の章でまさかの展開&結末で終わり方としては不満だなぁ。と言いながら評判がいいとみて続編あるんじゃないの??2018/08/27
ぱるぷ
133
★★★☆ 短編3作。ファントム・ガールズがすき。前作での伏線……こうやって繋がっていくのか、とだんだん切なく……希望がある終わり方でよかった‼︎ ドラマもすごくいい‼︎2018/09/22