講談社現代新書<br> 異常とは何か

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講談社現代新書
異常とは何か

  • 著者名:小俣和一郎【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2018/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062880497

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内容説明

「異常」「正常」という言葉を、我々は日常的に使っています。かつ、精神の異常と正常の区別も、線引きできるものだと当たり前に考えます。たとえば、統合失調症の患者や、認知症の老人に対して、「正常な感覚を失っている」「異常な世界を見ている」と認識します。しかし、それは「普遍的な真理」なのでしょうか? 本書では異常と正常の線引きがいかになされてきたのか、日本と西洋の古代までさかのぼって検証します。

目次

序章 異常とは何か?
第1章 異常と正常の倒置
第2章 異常と臨床
第3章 正常の過剰態としての異常
第4章 正常と異常のトポロジー
第5章 社会における異常と正常
終章 正常とは何か?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

40
正常と異常の間には何があるのか、自分が異常なのか相手が異常なのか未来から見ると過去の事象は異常なのか色々考えさせられた。中でもアウシュビッツにも囚人用の医療機関があったのも初耳だし、そこから導かれる究極の合理主義的な社会があったということに驚いた。2012/03/10

カザリ

37
当然とされている価値観を疑うという話。特に自殺に関する社会の価値観の転換に関する考察は正鵠。本としては、良心的だけど全体としてインパクトはなかったかなあ。あまり過激ではいということかも。2015/07/19

ふ~@豆板醤

30
4!読友さんからお借りした本。「異常」の定義のために正常という状態の定義からアプローチ。よく新書一冊に収めたなぁという印象。正常とされることでもそれが度を越せば異常になる訳で..。精神病も時代と共に傾向の波があり、異常とは・正常とはという定義にはゴールがないのだろうと思った。単純に多数派だから正しいというのも乱暴な論理だし。たまにこういう広いテーマの本も読むと考えさせられる事が多く、楽しい。2017/07/02

neputa

15
崇拝から排除へ逆転を起こした魔女狩り、正常の極限状態を示したホロコーストなど歴史上における異常の変遷や、現代の異常=精神疾患が発展した経緯など様々な視点で「異常とは何か」を論じている。本来生命は生存のために多様化してきたはずだが、あまりにも拡大した人類は限られた資源化における生存拡大手段として同一化を図る傾向に向かったのかもしれない。そして昨今の「ダイバーシティ」などは行き詰った我々が次なる手段として「そもそもみんな違ってあたり前」の世界に向けて原点回帰を図っているように思う。2016/04/25

臓物ちゃん

8
これは良書。正常と異常の境界というものは時代によって大きく左右され、その揺れの中でナチスが正常とされた時代も確かにあった。そんな「異常」排斥の心理と歴史を、精神医学に関する幅広い知識(アウシュヴィッツの病院の存在など)を通して解説した一冊で、ためになると同時になかなか厨二心がくすぐられる。中世の魔女狩りを「性愛信仰vs処女信仰」という構図で捉え直す箇所が面白かった。2015/09/18

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