内容説明
1959年4月、M大を卒業したばかりの芥洋介は、株式会社宣友へ入社する。彼を待っていたのは広告代理店草創期のアナーキーな日常と、苛烈な自意識をぶつけ合う同僚たちだった。皇太子ご成婚、東京オリンピック、そしてザ・ビートルズの来日。時代の奔流の中、今は何者でもないけれど何者かであるはずだ、と信じてもがき、走った青春の日々。日本の歌謡曲を牽引した作詞家・阿久悠による自伝的小説。
目次
会社へ行ったら月光仮面がいた
スーパーマンも自殺する
どこから見ても地球は青い
東京の空の下 春歌が流れる
巨大迷路の真中で
嵐の羽田にビートルズ
無名夢想――あとがき