内容説明
初添乗に臨む新人バスガイドの美織。しかしアナウンスは拙く、失敗してばかり。そんな彼女を見かねて、助け船を出したのは、一人の女性客で……(「東京のバスガール」)、国際結婚した若い妻の不機嫌に右往左往する夫(「嫁に来ないか」)、共同経営者と訣別した女性の携帯に届いた音楽に込められたメッセージとは? (「なごり雪」)など、一台のバスに乗り合わせた人々の人生模様を、昭和の名曲とともに綴る傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおちゃん
34
はとバス、乗った事ないから、一度乗ってみたいな。なかなか味のある一冊でした。短時間で読むにはちょうど良いかも・・です。 2018/08/15
はる
24
元気になれるハッピーストーリーだった2020/08/20
のんちゃん
21
夫の本棚から。はとバスは東京名所を巡る観光バス。その新米バスガイドの美織の初添乗の1日が、様々な事情を抱えて乗り合わせた乗客達と美織自身の目線で語られる連作短編集。作者には失礼だが新聞の投書欄を読んでいる様な気がした。しかし、これは決して貶しているのではない。何故ならば各話で私は何回も泣かされたからだ。難解でなければ文学でないと言う諸先輩方には、全く持って平易な高級作文に思えるかもしれない。でも、人の心を温めるお話が文学でないわけがないと私は思う。元はとバス、バスガールの老婦人の言葉の数々が心に染みた。2019/04/02
なな
17
サクっと軽く読むにはピッタリの小説でした。ハートウォーミングストーリーは読んでいて本当に幸せな気分にさせてくれます。はとバスは母とよく利用していますが近いうちにまた、はとバス日帰り旅行に誘おうと思います。登場する歌は全て口ずさむことが出来ました。歌謡曲の歌詞はわかりやすくメロディーも覚えやすく、歌うと元気になれるんだなぁと改めて思いました。読了後はほっこりした気持ちになりました。2019/04/06
MJ
15
経済成長をあきらめた昨今の日本では、将来への不安が語られることはあっても、未来への希望が語られることは少ない。しあわせの黄色バス、この本は、喪失と再生の物語だ。たとえ大事なものを失おうとも、その過去を受け止め、前に進もうとがんばる。その昭和的精神がこの本の核心だ。2020/06/05