徳間文庫<br> 捜神鬼(電子復刻版)

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徳間文庫
捜神鬼(電子復刻版)

  • 著者名:西村寿行【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 徳間書店(2018/01発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198913618

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内容説明

出荷直前の松阪牛が一頭、牛舎から突然姿を消した。六百万円の値がつく最高級肉牛だ。小型トラックが牛を積んで出発した痕跡があり、犯人は住込みの少年牧夫と判明した。無残さを指摘される肥育方法への反抗か、待遇への抗議か。七百キロもの巨牛の行方は杳として知れなかった。少年の思いつめた行動の陰には、幼い日の仔牛との悲しい物語が秘められていたのだ。人間の原罪に迫る感動の動物小説集。『痩牛鬼』『海獣鬼』『妖獣鬼』『聖獣鬼』の4篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

97
名作短篇集として名高い一冊。作者の他の作品にくらべて、暴力的な場面や性的な場面は少ない。どの作品も動物と人間の神秘的な交流を陰影深く描いている。同時に他の生き物を、傷つけずには生きられない人間の業の深さを浮き彫りにしている。「痩牛鬼」に書かれているように、人間は自分の楽しみのためなら、他の動物の苦しみを無視してしまうところがあるのかもしれない。松坂牛として供される仔牛を、命がけで守ろうとする少年の牧夫の姿は、読み手の心を激しく揺さぶる。少年と仔牛の間には真の友情が生まれる。でも、ただそれだけだ。2018/08/18

金吾

18
○いい短編集だと思います。やはり西村さんの動物を書いた本は哀しさと優しさがあると思います。「海獣鬼」は哀しさが伝わりかなり良かったです。「痩牛鬼」も名作だと思いました。2021/04/12

犬を飼っています。

4
西村寿行の動物への愛情が遺憾なく発揮された短編集。「妖獣鬼」がいちばんよかった。「痩牛鬼」は最新版で削除されたらしいが、やっぱり松坂牛批判がヤバかったのか。最後の「聖獣鬼」の伊良子は今で言うサイコパスだった。寿行先生やっぱ最高。2019/01/26

つきのわ

2
痩牛鬼では、あらゆる加工を施し、極上のサシを持つ最高級の松坂牛に育てられる牛の事実を。海獣鬼では、漁夫からは不吉だと忌み嫌われるなめそを助けた漁夫と他の漁夫との対立を。妖獣鬼では山から海へと産卵に向かう、アカテガニを見守る少年と犬のひたむきな祈りにもにた執念を。聖獣鬼では海辺の廃屋で死を迎える、心に鬼を住まわせた女を。この話には徳田左近が登場。徳田により突然生臭くなるがそれも良し。人間と動物の魂の結び付きと、かかわる人間の罪深さが浮き彫りになった秀作。2017/08/02

こうきち

0
KindleUnlimitedで読了。最後の話が一番、よくわからなくて、怖くて好きですね2023/03/01

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