内容説明
無法のブラジル奥地、開拓農園を匪賊(ガリンペーロ)・毒蛇(ジャララックス)が襲い、根岸夫妻は虐殺され、幼い兄弟だけが残された。日本の警察庁から派遣された浅脇警視正は、匪賊と日本の過激派が手を組んだとの情報を得、襲撃者を追う。それから五年後、復讐の決意を秘めている根岸兄弟の前に、再び暴行と掠奪のかぎりをつくす毒蛇が姿を見せた。ジャングルと貧困、凄絶な掟と赤い土(テーラ・ベーリョ)の地平に渦巻く野望。巨匠の異色バイオレンス巨編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つきのわ
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ブラジルに移民した日本人家族の農園を匪賊が襲い、両親は惨殺された。無残に凌辱の限りを尽くされ行方不明になった姉直子。買い物に出ていて事件から免れた、三郎・四郎兄弟が残された。「ジャングルでは親からはぐれた幼獣は死をまぬがれない」著者が言うように、兄弟はまさに死ぬ思いで命を繋いでゆく。ついに巡り合った姉は売春婦となり、その命も尽きようとしていた。この作品を読んだ現地の日系人達は情報の正確さに驚いたそうだ。最後に兄を殺され、四郎が憤怒のままにスカニアン・バーブスで敵に突っ込んでゆく場面は圧巻であった。2017/04/10
すす
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やっぱりたまにはジュコー先生の本を読まなきゃね。舞台はブラジル奥地。 ガリンペイロ、ブラジル警察、公安隊、必殺隊…暴力、殺し合い、強姦の嵐が吹きすさぶ。 吹き飛ばされ蹂躙される日本人開拓者。 生き残った兄弟、行方不明となった姉、日本人警視正そして三者三様のブラジル人達。 今回は男も掘られるのがちょっと新味。 そして最後に待ち受ける、もはや戦争と言ってもいい殺し合い。彼、彼女等の運命は? 凄惨過ぎる物語だけどラストの爽快感は何なのだろう。 でも、ブラジル奥地にだけは行きたくないや。2024/03/05
つちのこ
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徳間文庫版。1985年頃読了