内容説明
全国各地で訪れる人々を魅了する日本の城。「城」といって多くの人がまず思い浮かべるのは、高くそびえ、圧倒的な存在感をもつ「天守」です。上下の階を貫く「通し柱」や、あえて古材を再利用する工夫など、さまざまな城造りの技術が見られます。ふたつとして同じものがない天守。国宝に指定された姫路城、松本城、松江城、彦根城、犬山城を中心に、その構造や素材、装飾を解説していきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Olly
16
ブルーバックスといえば、理工周りのマニアックな新書シリーズだと思ってましたが、お城の話も出ていました。丸善で本書がイチオシされてました。お城といえば戦国時代の要塞とか、まちのシンボルの印象が強いですが、本書では歴史ある建築物としての切り口で、意外に感じました。基礎とか柱、梁などの話、建築手法の話など、知らないことだらけでした。個別のお城の章は読み飛ばし。お城に近くに旅行するときに予習してみようと思いました。城カード、御城印、名城100選スタンプなどお城巡りの記念品も増えてきて、お城への興味が増大中です。2020/03/22
中島直人
13
(図書館)現代まで残っている、江戸時代初期の城に関する解説書。普通の人は目を向けない部分について適度に詳しく、城好きの雑学にぴったり。2018/05/19
uskmal
9
情報量に比して図解が少ないのが難点.図がなくて理解しづらい部分も含めて理解できると,天守に関してかなりの博識になるのだろう2021/05/15
てつJapan
8
専門用語が多く素人には敷居が高いです。萩原さんの今までの山城本と同じテイストを求めていたので、読んでいてこれじゃない感を持ちました。2018/12/16
不純文學交遊録
8
今さら天守なんて…素人向けの本かと期待せずに読み始めたのだが、否、なかなか奥が深い。著者は城の魅力は天守のみにあらずと主張しつつも、やはり天守がもつ圧倒的な存在感には抗えない。天守は単なるシンボルタワーではなく、実戦に備えた軍事施設だ。そこには数々の技術が秘められている。しかし致命的な誤植あり。図1-16は、天下普請の城と関ヶ原合戦後のおもな城が逆になっている。また、松山城が愛媛県松江市になっていたり。ブルーバックスといえば一般向け科学書の牙城。講談社さん、しっかりして。2018/02/12