宮沢賢治/中島敦

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宮沢賢治/中島敦

  • ISBN:9784309728865

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内容説明

病床で綴られた連作詩「疾中」や「ポラーノの広場」「ひかりの素足」など宮沢の18篇と、「環礁」「李陵・司馬遷」など中島の7篇を収録。周縁から文学の核心に迫った二人の世界。

月報=夢枕獏、古川日出男

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

129
この巻には、宮沢賢治と中島敦の作品が収められています。池澤さんが選んだので、この二人の代表作といわれるものが抜けているのではないかと思われる方もいられるかもしれません。宮沢賢治のものはほとんど読んでいるのっでしたが、中島敦の作品は、弟子、李陵・司馬遷以外はあまりなじみのないものでしたが、やはりいい作品が多いと思いました。2016/04/24

優希

91
夭折の作家、宮沢賢治と中島敦の作品がおさめられています。2人は遠い世界へ目を向けていたように思います。賢治はイーハトーブの空想を、中島は古代中国を。代表作といわれるものは抜けていますが、隠れた名作によって編まれているのではないでしょうか。あまり馴染みのない作品が読めるのもこの全集ならではですね。2016/05/02

starbro

81
池澤夏樹=個人編集 日本文学全集全30巻完読チャレンジ第十六弾です。宮沢賢治、中島敦共に教科書等で数作品読んだレベルです。今回も池澤夏樹の個人編集色が色濃く出ており、一般的な代表作は収録されていません。本作の別紙で夢枕獏が中島敦といえば「山月記」と「名人伝」に尽きると断言しているのに、両作共ありません。その中でオススメは宮沢賢治の「北守将軍と三人兄弟の医者」と中島敦の「環礁」です。次巻25巻「須賀敦子」一人で一冊も少し不安ですが、頑張ります!2016/05/14

syota

35
日本文学の潮流から一線を画し、独自の世界を築き上げながら夭折した二人の作家を取り上げている。代表作ではなく、あえて目に触れる機会の少ない作品を選んでいるのも池澤さんらしいところ。例えば、宮沢晩年の詩を集めた『疾中』からは、童話にみる理想主義者・宮沢とは別の、迫りくる死と向き合う生身の人間の声が聞こえてくる。また、中島の『悟浄出世』は西遊記のサイド・ストーリーという形を取りながら、日本には珍しい内面の思索を積み重ねた哲学的小説となっている。じっくりと読み進め、手応えのある充実した時間を過ごすことができた。2021/02/14

ぐうぐう

25
宮沢賢治の「春と修羅」から始まる『日本文学全集』第16巻。東北の厳しい自然は、圧倒的なまでに厳格だからこそ、賢治に詩や童話を書かせたはずだ。抗うことを許さない自然の存在は、ときに「ひかりの素足」という救われない物語を生む。しかし、賢治は自然を恨んではいない。解説で池澤夏樹が言うように、自然は人を傷付けるが、その傷を癒しもするからだ。自然は人間の運命に対して無関心であるのだから、恨むなど見当違いも甚だしい行為でもあるのだろう。そんな厳格な自然の中から、賢治の空想が生まれたことに感動を覚える。(つづく)2016/04/22

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