内容説明
西暦2100年、太陽系外縁でブラックホールが発見された。その軌道を改変、周囲に人工降着円盤を建設し、全太陽系を網羅するエネルギー転送システムを確立する――この1世紀におよぶ巨大プロジェクトのためAADDが創設されたが、その社会構造と価値観の相違は地球との間に深刻な対立を生もうとしていた……。火星、エウロパ、チタニア――変貌する太陽系社会を背景に、星ぼしと人間たちのドラマを活写する連作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
亮人
17
AADDシリーズ第一巻。2100年に太陽系に接近中のマイクロブラックホール「カーリー」が発見され、人類はそれを天王星衛星軌道に移動させ人口降着円盤を建設しエネルギーを取り出す人工降着円盤開発事業団(AADD)を設立する。取り出したエネルギーをマイクロ波で送り出し全太陽系に活用すると同時に、火星のテラフォーミングなども手がけるようになる。しかしAADDの独自性から地球と対立し紛争の火種となってゆく。…という宇宙年代記の連作短篇集。全篇ミステリ仕立ての構成を採っており、読ませる。そして(以下※欄にて)2014/09/25
ひさか
13
SFマガジン1999年5月号:エウロパの龍、10月号:小惑星ラプシヌプルクルの謎、2000年2・3月号:ウロボロスの波動、8月号:ヒドラ氷穴、2001年2月号:キャリバンの翼、の5篇に書下ろしのエインガナの声を加えて、2002年7月ハヤカワSFシリーズJコレクションから刊行。連作短編集。AADD(人工降着円盤開発事業団)シリーズ1作目。2005年9月 ハヤカワJA文庫化。AADDと地球側の価値観の違いが面白い。緻密な世界構築に堪能しました。ファーストコンタクトな部分には、わくわくします。次作に期待。2020/09/22
まなな
3
何でこの人こんなに谷甲州を彷彿とさせるんだろう 似てると逆に違う部分が気になってしまう 乾き感が足りない!まあそれはいいけど よくわかんないけどおもしろかった ゼロ時間にむかうやつとか ネーミングセンスないな2023/04/22
清角克由
3
ずいぶん前に買った本なのに今更読み終えた。連作短編集と言うことで、様々な短編が別の物語のふくせんになっていたり面白い。太陽系開発史ものは他にもあるが、近場にブラックホールがあるという前提は面白くもあるが少し都合が良くないか。ま、それが肝ではあるのだが。2020/01/19
へいがぁ
3
ハードSFでした。そのうち参照文献も手に入れて読もうと思いますが、まずは次に取りかかります。2019/09/17