内容説明
高校3年の冬。ぼくらの仲間・冴子が死んだ。白血病との闘病の末だった。受験を終えたぼくらは、冴子の思い出を胸に卒業旅行に出ることにした。行き先は東南アジア。シンガポール、マレーシア、バンコクを経てベトナム、香港へ。行く先々で出会う戦争の傷跡、今に残る戦いの記憶。その一方でパスポートをなくしたり、買春ツアーにきていたオヤジたちをやっつけたりと、いつものぼくららしい出来事もあって、旅はいよいよクライマックスへ。生きるって何だろう、死ぬってどういうことか、一つずつ大人の階段を上っていくぼくらの、高校から、そして子供からの卒業旅行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
57
うーん・・・。卒業旅行の楽しさよりも、込められたメッセージが強すぎて、あまりワクワクしなかったな。確かに学ぶべき内容なんだけれど、無理やりぼくらと結びつけたようなかんじ。2016/01/19
やなぎ
11
初版発行は平成9年12月25日。冒頭は「ぼくら」の仲間の1人との死別。次いで、大学入試の結果。英治と自分が、ここでも重なる。中盤から、卒業旅行に出かける。行き先はアジア。僕はアジアよりはヨーロッパが好き。ただ彼らは、遊びに行くのではなく、勉強のために行くみたいだ。歴史を知ることは大事だけど、作者の考え方を、高校を卒業したばかりの登場人物に語らせていて、違和感があるし、ちょっと冷める。再読なのに全く覚えていなかったのは、当時の自分も同じ印象を持ったのだろう。盛り上がりに欠ける。60点。2020/10/31
いづみ
5
ぼくら、で語られるべき話かどうかには疑問が残るけれど、ぼくらを読んでいるであろう人々に伝えていくということで意味はあるんだろうと思ったり。買春ツアーの大人を相手にしてのいつもの活躍ももちろんありますしね。2011/03/08
あゆか
4
冴子死んじゃった・・・。もしかしてと思ったが瀬川さんのときのように突然死んじゃったのが辛すぎる。 東南アジアで旧日本軍がとても酷いことをしていたのが衝撃的で、そのことを知らない日本人が大勢いるのが問題だと思った。2013/05/03
ののやまどんすけ
4
中学生位の時に読んだのを再読。ぼくらシリーズはいつも勇気や希望をもらえます。高校最後の春、友達の死を乗り越え、卒業旅行にアジアへ!!日本では語られない歴史を分かりやすく取り上げています。そして、ぼくらシリーズ恒例のいたずらも!!アジアって近くて遠い存在だけど、行ってみたくなりました(^^)"生きる"を考えさせられました。2012/01/04