内容説明
西伊豆海岸を北上中のバスが、突然、凶弾を撃ち込まれ、乗客27人もろとも海中に没した。県警警部補・浦上の妻子も、そのバスの乗客だった。犯人は一体、27人のうちの誰を、何の目的で狙ったのか? 犯人をいぶりだすには犠牲者を1人ずつ洗う“死人狩り”しか手段はない。愛する者を奪われた、たぎるような怨念が、浦上を執拗な捜査行に駈りたてるのだった……。大量殺人の謎に挑む本格長篇推理!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペトロトキシン
9
かなり古い本。古本屋で購入してカビ臭いのと小さい文字に苦労しながら読了。実際問題、事件の当事者になる刑事を捜査に加えるのか疑問に思う部分もあります。死人狩りとは中々言い得て妙なタイトルをつけたなと思います。最近のトリックとかを読み慣れてる読者には物足りなく思うかもしれないけど、刑事の執念とかそういった部分を感じたいなら満足できる作品。2015/07/29
コマンドー者
0
バス銃撃による大勢の犠牲者の中から犯人のターゲットを調べていく犯人捜しではなく、被害者捜しという異色の推理長編。犯人と事件の真相は比較的早い段階で分かってしまうが、読み応えはある。2022/09/14
umeboshi7
0
(図書館で借りた本) ★★★☆☆ 今年に入って祥伝社文庫で復刊されてたので読んでみた。 1965年刊行作品の文庫、昭和の娯楽大衆小説は面白い。タイトルも面白いし、表紙の絵もいいなと思った。一家庭の子供の人数が多い、刑事がピースを吸う、警察車両にジープなど、懐かしい時代感。「男が靴ベラを持ち歩く」ことは「普通のこと」として書かれていて、印象的だった。 実際のところ、警察って、調べていく過程で本筋とは関係ないことを知るんだろうなと思った。 人の生きる姿は、様々だ。 タイトル、しにん、て読んでた。しびと、か! 2019/07/14