内容説明
AVでレイプされ、失踪した一色リナの捜索依頼を受けた村野ミロは、行方を追ううちに業界の暗部に足を踏み入れた。女性依頼人が殺害され、自身に危険が及ぶ中、ようやくつかんだリナ出生の秘密が、事件を急展開させる。乱歩賞受賞直後に刊行された圧巻の社会派ミステリー。「ミロシリーズ」第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
104
女流ハードボイルドで格好良かったです。AV女優のレイプ事件とその失踪を追うことで裏の闇に足を踏み込むミロ。自分に危険が襲いかかっても、真相を掴むべく立ち向かう姿に惹かれました。むやみに危ないところに飛び込んだり、父親に頼ったり、脅してきた相手に体を許すなど探偵として駄目なところもありますが、それが逆に等身大の女性としての姿にも見えます。地味ながらも強いミロが魅力的です。シリーズもののようなので他の作品も読みたいですね。2017/10/28
ehirano1
80
「・・・彼は異端を生きるために、すべて冗談で武装する癖がついているのだ。だから彼が大真面目になった時は怖い(p118)」は、「忍びの国(和田竜)」の無門を思い出しました。2021/05/25
りゅう☆
77
AVでレイプされて失踪した一色リナの捜索依頼を受けたミロ。小さな手がかりを見つけ出し、地道に手繰り寄せリナの情報を増やしていく。1日1日がリアル。そんな中、依頼主が死んだ。辞めてもいいけどここまで掴んできた情報に、リナの行方に最後まで関わることを決めた。最終巻『ダーク』まで読んだので父とのその後、トモさんとの関係を知ってるからこそ、こういう時もあったのだと少し切なくなった。再読だけどほとんど詳細覚えてなかったので、少しずつ繋がる真相、リナの行方、登場人物の関係像、ミロの度胸と脆さを新たな思いで堪能できた。2023/08/28
ehirano1
75
「他人の強ばった感情を解きほぐすことなど、誰にもできない(p134)」。というか、しない方が良いですよね。身近なヒトであっても、原則他人なので、他人の感情に容易に入り込むことは勿論のこと、解きほぐすことは自分の感情という家に他人が土足で踏み入って事を為すに等しいのではないかと思ったりもします。精神科や心療内科の先生達でさえ、「強ばった感情を解きほぐす」ためのきっかけを与える(≒治療)ところまでではないでしょうか。2021/12/18
ehirano1
74
「・・・私はレモン汁をたっぷりかけたパパイヤを食べた(p121)」。なんでレモン汁をかけるのでしょうか?しかもたっぷりと・・・せっかくのパパイヤがと思うのですが・・・(ハナからパイナップル食べれば良いのに・・・)。2022/06/16