講談社現代新書<br> 山本七平の思想 日本教と天皇制の70年

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講談社現代新書
山本七平の思想 日本教と天皇制の70年

  • 著者名:東谷暁【著】
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 講談社(2017/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062884402

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内容説明

『日本人とユダヤ人』『「空気」の研究』等多くの作品で、日本社会と国民性の本質を鋭く指摘し続けた評論家の山本七平。七平が提示した「日本教」の正体、またなぜ「空気」は日本全体を覆うのかという問い、天皇制への考え方などは、現代の日本が抱える諸問題や停滞の原因を解明し脱却するための良い手引きとなる。山本七平の思想は、今まさに読まれるべき内容なのである。再注目される碩学の叡智を徹底分析する画期的試み。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

13
日本人、日本社会、日本文化、キリスト教、ユダヤ教、中国古典、戦争体験など多岐にわたるテーマについて独自の切り口で多くの気づきを与えた山本七平。だが同じテーマを論じた丸山真男、司馬遼太郎に比べると扱いは小さい。山本の評伝も1997年に出版された稲垣武による1冊のみである。だが実際には死後から26年経った今でもその著作のほとんどが新刊で入手できる。さらにかつて発売された著作がここ数年で版を改め再販されている。静かな山本七平ブームが起きていると考えられる。本書もその流れの中で山本の思想について書いた本である。2018/01/12

ネコ虎

12
もう山本七平といっても団塊世代の人しか知らないかもしれない。昔何冊か読んだが、少し癖のある文だし、取り上げる中身も余り親しみのないものが多く、読んでもすんなりと腹に落ちない。でも結構大事なことを言っていることだけはわかった。東谷暁氏のこの本は山本七平の入門書といえる。全体像を簡潔に説き、七平が何にこだわって著作を続けたのかが理解できる。「現人神の創作者たち」の分析で朱子学の江戸における学派の違いなどわかりやすかった。この新書をきっかけにブックオフでせっせと買っても積読本だった山本七平に再挑戦してみたい。2017/10/12

trazom

7
山本七平さんの輪郭がよくわかる。山本さんの思想の背景として、三代目キリスト教徒としてのアイデンティティ、従軍の体験を指摘した上で、陸軍三部作、「空気」と「水」、現人神としての天皇制などの著作を分析している。山本さんの文章が回りくどいのと同じように、著者の論考がすべて納得できるものではないが…。最晩年に、山本さんは「私が書きたいのは、左右のイデオロギーに囚われない天皇論と、日本的な資本主義の系譜、そして独自のイエス伝だ」と語っているが、歴史神学のハルナックに共感を覚えていた山本さんのイエス伝が読めず、残念。2017/10/10

Nosuke.M

6
山本七平のバックグラウンドを交えながら彼が書いた作品を解説してくれる本作。クリスチャンであり、親族に大逆事件の疑いを掛けられた等の背景から迫害を経験し世評や讒謗に対し不感症になったことが、日本の慣習や日本人を客観的に分析させる原動力になっているようだ。外国人から時たま挙がる「何故日本人は…?」的な質問に対して山本七平が歴史的観点から研究・分析した日本論(七平の言う「日本教」という考え)は大いに参考になるし、日本人として「何で日本人は…」と感じた時にも七平の言葉は新たな気付きを与えてくれる。2021/10/20

遊た(ゆうた)

6
日本人であり、キリスト教徒である山本七平の思想は常にその境界性を生かして展開されるために、日本人の価値観を容赦なく相対化しているように思った。そのためなのか、本書は解説本であるにも関わらず、読んでいてとてもスリリングな内容だったと思う。まだ山本七平の本は読んでいないが、読むのが楽しみであるとも思った。2018/02/06

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