ハイデガー『存在と時間』入門

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ハイデガー『存在と時間』入門

  • 著者名:轟孝夫【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2017/07発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062884372

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内容説明

本書は、可能な限り日常の日本語で『存在と時間』を理解することを目指します。章立てに従って、原文を忠実に読解した上で平易な日本語で解説して行きますので、翻訳書で『存在と時間』を読むよりもはるかに容易にその内容を理解することができます。また、なぜハイデガーはこの書を完成させることができず、未完のままに終わったのか、その「限界」についても、本書を読み進めていけば、おのずと理解できるでしょう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

69
読み終わるのに10日もかかってしまった。忙しかったという弁解だけはさせてください。20世紀最大の哲学書というオビの言葉にもかかわらず、正教授への昇進のための業績作りとして執筆されたという、なんだかなあという動機。印刷中に中断させて、原稿を差し替え、上巻だけ刊行し、下巻は結局執筆されていないらしいという、まさかのその後。そういう本だったとは! 「現存在」という言葉で表された人間の存在の基本を問う予定だったが、時間との関連はほとんど議論されずじまいだという。分析哲学的な内容だと思っていたが、意外に人間学的。2019/08/12

ころこ

59
読むタイミングにもよるのでしょうが、私には良い本にみえました。本書で2回、同じ言い回しが使われています。要は、解説書で解説されたジャーゴンを覚えて使うことと、本を読み理解してその言葉を使うことは全く違う、そのことに自覚的にならなければならない、と。独特の言い回しが使われ、非常に有名な本である『存在と時間』には、このギャップが顕著なのは多くの読者が感じていた問題であり、かえって『存在と時間』本体を興味のある読者から遠ざけていたのではないかと思いますが、そこを解消してくれる本です。2022/02/01

SOHSA

43
《図書館本》久し振りに『存在と時間』関連の本を手にとった。著者の言説は明解で、日本人には比較的多く読まれながらやはり難解な『存在と時間』を整理しかつ未完に終わった同書の未完部分にもスポットをあてることによって読み手の消化不良感を解消させてくれている。本書で述べられている解釈は、従前の『存在と時間』解釈と異なる点が多くあると感じられたが、全体を俯瞰した時にはやはり本書には一歩抜きん出た説得力があった。ともあれ『存在と時間』は未完であるが故の面白さ興味深さがあり、読むたびに新たな疑問と気付きが増えるばかり。2018/10/06

踊る猫

39
書き手である轟氏の持つ個人的な問題意識に強引に誘導しようという「臭み」を感じさせない清潔さ/フェアネスを感じる。ハイデガー『存在と時間』をいま読むということ。どんなスノッブ/ファッショナブルな先駆者の言葉の引用も行わず、轟氏は徒手空拳でこの未完の大著と取り組み内在する「可能性の中心」に迫っていく。ただ、ぼくの理解力では「そうか、『存在』は神秘なんだ」という程度の読みにとどまりそこから考えが止まってしまった。轟氏の態度を見習い『存在と時間』そのものと取り組み、ハイデガーが照らす「道」を通って自分を見つけたい2023/11/29

にゃおんある

34
猫も杓子も、理由も目的も分からず、世界に投げ出されている。やがて訪れる未来に現存在は、時間を潰しながら不安に駆られているのだ。ノエマ、ノエシスの間に濃く薄く立ち込める霧は、晴れることはない、だからといって震え戦くことはないだろう。たとえ世界が宇宙のように、暗い夜のしじまで出来上がっていても、ダーザインは、限られた時間のなかでしか未来の決意をもてないからだ。2019/03/30

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