角川ソフィア文庫<br> 江戸の高利貸

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角川ソフィア文庫
江戸の高利貸

  • 著者名:北原進【著者】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • KADOKAWA(2017/07発売)
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  • ISBN:9784044000714

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内容説明

江戸時代の金融の流れを紹介しながら、武士社会になくてはならなかった高利貸の成立と繁栄、金を借りた武士の困窮と借金の棒引きの歴史を丁寧に解説。「粋」や「通」の文化を生んだ金貸し商人の実態とは。


【目 次】
ニッポン高利貸資本論
 現代の高利貸
 江戸の高利貸

札差の登場
 蔵米取と札差
 蔵宿師VS対談方

十八大通
 幕府の札差援助
 御蔵前馬鹿物語
 堕落する旗本・御家人

棄捐令
 借金帳消しの画策
 棄捐令発布

文化・文政の繁栄と天保改革
 札差株の下落
 化政期の札差文化
 天保の札差改革

維新、そして滅亡
 蔵米取の消滅と札差業
 
江戸札差一覧

『江戸の高利貸』を語る

文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だまし売りNo

22
札差は旗本御家人の禄米の売却代理人である。旗本御家人の生活が苦しくなると、札差は将来の禄米を担保に金を貸し出した。旗本御家人は借金漬けになり、禄米は借金の返済で消える状況になった。棄捐令は借金漬けも旗本御家人の救済を意図した。しかし、これは目の前の借金問題を何とかしようということしか考えない近視眼的な政策である。以後の札差は貸し渋りをすることで、逆に旗本御家人は資金繰りに困ることになった。2021/11/24

bapaksejahtera

7
俸禄米の現物支給を原則とする膨大な官僚群は、年一度の収入により家計を安定して維持することは不可能である。そのため必要不可欠なシステムとして、元来米穀商であった商人に、その収入の運用を依頼することとなる。これが札差業である。次第に拡大する現金経済は、本来札差業務外である依頼主への貸付行為を促し、これが増大した結果札差は繁栄を迎える。此処に十八大通と呼ばれる奢侈と乱脈な消費活動の主が生ずる所以がある。農業を中心とする閉塞経済では資本は投資の拡大よりも消費に向く。彼らを幕政に寄生する者と一概に非難できないのだ。2021/10/11

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