内容説明
マンモス・タンカーの爆破中止と引きかえに100万ドルを要求する脅迫電話が新太平洋石油にかけられた。100万ドルの振込み先は、バリ島にある小さな商店だった。犯人の真の狙いは何か。また航行中のタンカーをどうやって爆破できるのか。この途方もない脅迫事件の進展があばき出したものは?壮大な推理。
目次
第一章 U・K・C三・五メートル
第二章 南シナ海
第三章 誘拐
第四章 バリ島
第五章 閉ざされた村
第六章 GALUNGAN
第七章 ハム仲間
第八章 荒天の船出
第九章 殺人犯
第十章 死者への献辞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
53
マンモス級のタンカーに爆弾をつけたとの脅迫電話が。 止めるためには100万ドルを支払えという指令。 十津川警部が対応するが、犯人の戦略は警察の裏をかく。 舞台が東京とインドネシアでそれぞれ展開される構成。 だけどもタンカーのことに言及する前半の方がスケールが大きく、後半はかなり狭まった中での展開。 正直前半の方が楽しめた印象だが、インドネシアに来た十津川の描写は珍しかった。2023/11/09
のざる
6
7父、西村狂太郎から借りた本です。 十津川シリーズは初めて読みました。初めてなのに何か安定感のようなモノを感じました。情熱に溢れた動機に、引き付けられます。 西村京太郎は本当にハズレ無しです。 父の本棚にまだ100冊くらいありますね。事欠きませんね(-_-;) 52021/05/24
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
0
昭和59年 8月15日 初版2015/03/21
浅木原
0
航海中のマンモスタンカーの爆破予告が入り、100万ドルが要求された――という十津川海洋+社会派もの。航海中のタンカーをどうやって狙った場所で爆破するのか、という冒頭の謎は魅力的だけど、その後は大企業の横暴に苦しむ海外の弱者という予定調和の社会派ものになってしまい、後半は何の驚きもなく淡々と進んで尻すぼみの感が強い。変わったものを誘拐するシリーズに海洋ミステリ、社会派ヒューマニズム、辺境の論理と色々入ってるけど、どれも中途半端になってしまった例。『発信人は死者』みたく十津川を完全に脇に回すべきだったのでは。2015/10/13
RED FOX
0
西村さんのヒューマニズム、やはり初期は熱い。すれっからしなこの時代に読むと典型的なストーリー運びですが(まあ当時の彼らが現在のミステリ運びに影響与えてない訳ないでしょうし)、西村さんの本当に言いたいことは今でも熱く受け取ります。2013/05/06