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内容説明
生活保護に関わるケースワーカーとして
働く新卒公務員・義経えみる。
新卒1年目として、生活に困窮する人々への支援に奮闘中!
夫のDVから逃れるために、息子の元へ上京してきた
75歳女性・林さんの担当となったえみるだが、
制度の壁が立ちはだかる…
林さんの願う“ささやかな幸せ”を
えみるは叶えられることができるのか。
そして雑誌掲載にて反響を呼んだ
生活保護の意味とは何かを問う、
新章「アルコール依存症編」、ついに始動!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
124
林さん母子のケースには、現在の雇用の問題や、高齢者の賃貸住宅に対する問題など切実な現実が描かれている。そしてアルコール依存症編がスタート。あずまひでおさんの「失踪日記」でアルコール依存症についてはある程度、理解していたつもり。改めて根が深い問題と考える。人生で誰しも程度の差はあれ、つまづきはある。つまづきが切っ掛けでストレスの捌け口が、アルコールに向かったり、ギャンブルに向かったりするのだと思う。何かにつまづいた時に誰かに少しでも話す事が出来れば、状況も変わるのだろう。やるせない、考えさせられる作品です。2017/06/04
しいたけ
88
『アルコール依存症』は病気、そう繰り返す。「アルコール依存症の人とかかわると支援者として必要なあらゆることが試されます」。酔っ払いが苦手な下戸の私としては、試される場に立つことさえ遠慮したい。頼りなかったえみるちゃん、対象者に啖呵をきる。「1秒たりとも包まないし‼︎この先一生‼︎包みません‼︎」。威勢はいいけど気をつけねば。相手がどんな態度をとろうとも、根っこのところではえみるちゃんが上に立つ。つい出たきつい言葉を悔やむ優しさを、どうか忘れずにいてほしい。一生続くものなどない。誰にも避けられない罠がある。2017/06/25
読特
62
ドラッグ、バクチ、ニコチン…数ある中毒の中、今回は身近でやっかいなアルコールの話。お酒は文化、飲むことだけで倫理的抵抗は覚えない。飲み過ぎはよくないが、「たまにはいい」と許容もされる。それでも、ほとんどの人がほどほどで済ませている。「誘惑に勝てないのは自己責任!」と、依存症に他人は冷たい。病を罹っても享楽を求める姿にあきれる以外の反応はできない。だが、そこを理解してやらねば始まらない。怠惰や意志の弱さではない、心の病。一人では何ともならぬ。助けがいる。…カルト宗教にはまるのも中毒かもしれぬとふと思う。2022/09/11
hiro
54
前巻から続く、夫のDVから逃れてきた息子のところにきたおばあさんが生活保護を受けれるのかという問題は、えみるの勇み足もあったがまずは解決し、えみる自身もケースワーカーとして一歩前に踏み出した。しかし、次に待っていたのはアルコール依存症、これもキツイ。ケースワーカーは、こんなところまでしなければならないのかと、改めてケースワーカーという仕事の難しさ、大変さを感じた。引き続き最新刊まで進みたいと思います。2020/04/05
よっち
51
向いてないんじゃ…とおちこむ義経に半田さんの言葉がなかなか効いてましたけど、後半のアルコール依存症は「否認の病」。弱いからではなく病気だからやめられない。回復に至る道はあるにしてもなかなか自覚しづらいみたいですし難しいですね…。2019/08/09