内容説明
安政四年。好色物で、かつ火事のたび大儲けする材木問屋の主人が殺される。死人は「龍」の字をしたためた小さな紙片を握っていた。怪しいのは番頭の龍蔵、出会茶屋の元締め龍次、商売敵の昇龍屋か?周囲には他にも「龍」がいくらでもいて……(「龍を探せ」)。他全四作、南町奉行所隠密廻り同心・古知屋大五郎が難事件に名推理で挑む本格捕物帖の第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
13
からくり亭というお食事屋さんに集まる面々が、江戸に起こる不思議な事件の謎解きをする。推理が推し理とか、不在証明が居らずの証とか、怪しの帳面とか、言い回しが面白かった。2019/12/28
ミド
6
本格捕物帖とあるけれど本格さはまったく感じられない。一見さんお断りの料理屋に集う仲間があれこれ推理するけれどごちゃごちゃしていて読みにくい。料理屋か推理かキャラ物かどれか1つに絞った方がいいような気がする。2020/02/12
nyanlay
6
この著者の作品ぽい。今回は料理屋がメインではないようだけど、やはり雰囲気が似てる。シリーズとして続くのかな?2018/08/02
timeturner
6
海外ミステリーのさまざまな手法や手口をパロった捕物帳といったところ。江戸風日本語に翻訳されたミステリー用語はファンならくすりと笑えるはず。料理は揚げ物が多くて若者向きかな。2017/12/17
紫
4
本格推理のパロディ満載、バカミス系時代小説であります。「推理」→「推し理(ことわり)」/「名探偵」→「名代の謎解き師」/「密室」→「閉部屋」/「ダイイングメッセージ」→「いまわのきはのお告げ」等々、現代ミステリ用語を無理矢理に江戸風の言葉に置き換えたり、ポテトチップスやらチキンライスやらの現代料理を江戸っぽく登場させてみたり、全編を通したおバカなノリに何だか既視感があるなと考えたら…ああ、江戸しぐさだ! 趣向は楽しいものの、解決担当は古知屋同心の一人勝ちなので、推理バトル物を期待すると少々残念。星3つ。2018/03/17