内容説明
T・Hコーディネート社長の氷川呈一は、かつて裏組織の腕利きの掃除人、すなわち殺し屋だった。ある事件をきっかけに足を洗ったが、愛娘の沙織の周囲でおかしな出来事が起こり始める。カミソリを仕込んだ花束が贈られたり、ドーベルマンに追いかけられたり……。過去からの影が次第に氷川親娘に忍び寄る。傑作長編ミステリーが装いも新たに登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
97
女性の強さが光る作品。 夫を逃がすために、夫のかっこうをした妻。 その心意気に打たれて、残った娘をつれて引退した殺人者。 めぐりめぐって、娘の世代になり、 何人もの女性が、元殺人者のために動く。 赤川次郎の理想の女性像が映し出される作品。 そんなに恵まれたいのだろうか。2014/10/28
さり
12
タイトルの語感に惹かれたが中身も満足!命を狙われたり人が死んだりとは思えぬ雰囲気の良さとテンポの良さ。氷川のスマートな振る舞いには女性陣と同じ気持ちを覚える。さらさらあっという間に読める手軽な作品。2016/09/15
明
10
元<掃除人>の周りに忍び寄るミステリー。何をするにもスマートな彼をやり込めることができるのは、勘を頼る女の人たちだけ。ラストで、倫理観に微妙に欠ける娘の将来が怖くなったよ、おとうさん。どこまでも殺人者2014/09/16
ヂャニスちゃん
7
赤川さんのお話は、とても素敵な娯楽だと思う。このお話でも、時々、「そりゃないでしょ!」と思うところはあったけれど、そんなの気にせずぐんぐん読める。あまり読書スピードは早くないほうだけれど、3時間ほどで読了。氷川さん、かっこいいなぁ @Tokyo2015/05/01
羽子茉礼志
3
多視点からどんどん話が集約されていく様は読んでいて面白かった。ただ、視点が多い分主人公以外のそのほとんどがきりのいいところであっさりと終わっている点が、少々物足りなくはあった。佐田が死んだことに意味はあったのか…?2014/09/27