大江健三郎

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大江健三郎

  • 著者名:大江健三郎【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 河出書房新社(2017/06発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309728926

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内容説明

死と再生、終末と救済を一貫して問い、闘い続ける圧倒的な大江文学。
女性原理を主軸にした長篇二篇に短篇とエッセーで全体像を提示する。
著者による加筆修訂。

[収録作品]
悲しみは人生の親戚――子どもの死に見舞われながら人生の事業に乗り出す女性を描いた長篇「人生の親戚」と汚染させた地球が舞台の近未来SF「治療塔」。
部屋に閉じ籠り<鳥たち>と暮らす青年を描く「鳥」、隣人となった「山の人」の自由への希求が市民たちを戦慄させる「狩猟で暮したわれらの先祖」。他に『ヒロシマ・ノート』より「人間の威厳について」、『私という小説家の作り方』より「ナラティブ・つまりいかに語るかの問題」。

解説=池澤夏樹
年譜=尾崎真理子
月報=中村文則・野崎歓

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

72
池澤版日本文学全集の吉田健一に続く第7回は大江健三郎です。基本的に私はこの作者は食わず嫌いでして、ほとんど読んではいません。大昔に購入して積読状態になっているのはあるのですが。この巻には「人生の親戚」という女性が主人公のものや、「治療塔」というSFが収められています。安部公房がSFを書いていたのは知っていましたが、大江氏まで書いているとは思いませんでした。前者は若干読みやすかったのですが、後者はあまり、という感じです。短いのですが評論の「人間の威厳について」はいいものでした。2015/07/01

ぐうぐう

23
池澤夏樹が全集に収録すべき大江健三郎の長編として、『人生の親戚 』と『治療塔』を選んだことは、とてもこの全集のコンセプトを象徴している。この長編は、大江にとってふたつの初めてが試みられている。『人生の親戚』は初めての女性を主人公とした小説であり、『治療塔』は初めての本格的SF小説である。作家への導き、文学への入り口という編集意図がある本全集に、この二編はとてもマッチしている。特に、若い読者に対して。(つづく)2015/06/30

starbro

23
池澤夏樹=個人編集 日本文学全集全30巻完読チャレンジ第七弾です。池澤夏樹の渋いチョイスのため、全作品とも初読でした。いずれも数十年前に書かれた作品ですが、現時点でも色褪せておらず、流石ノーベル賞作家という感じです。中では中編の「治療塔」がオススメです。中村文則の解説もGoodでした。昨年は大江健三郎の自薦短編を読んだので、今年は長編を読んでみたいと思います。2015/06/30

ふな

17
大江健三郎は初めて読みましたがこの本はハードルが高かったようです。「人生の親戚」のみ読了。障害を負った子供たちを相次いで亡くした女性の人生が、作者の目、本人の手紙 あるいは第三者の目を通じて語られます。癒しがたい悲しみと共に、または抗って生きる女性の生命力を感じました。2016/10/25

ykshzk(虎猫図案房)

16
「人生の親戚」の文庫を読んだが無かったので、収録されているらしいこちらで登録。よって「人生の親戚」の感想。素晴らしい小説だった。メキシコの女性たちが悲しい時に発するものとして作品中に登場する言葉”Parientes de la vida(命の親戚)”。著者自身と、時折登場する息子・光さんの存在が、どうにもならない悲しいストーリーを束の間和ませる。悲劇の後、日本から遥か彼方の地で、その土地にも周囲の人々にも特別な存在となって現地で生を終える主人公の女性。全く違うが中村哲医師を少し思い出させるところもあり。 2023/02/23

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