岩波ジュニア新書 韓国の若者を知りたい

著者名：水野俊平

岩波書店（2017/06発売）

• ISBN：9784005004331

内容説明

焼肉やキムチ，映画や歌手は知っていても，ふつうの若者がどんな暮らしをし，どんなマインドをもっているか，知っていますか．過酷な受験競争，厳しい校則，2年以上の兵役，濃密な友だちづきあい．さらに，歴史認識と日本人をどう見ているか．隣人としてつきあっていくために，これだけは知っておきたい．

目次

目　　次
　　　はじめに

　１　受験戦争社会の高校生たち
　　　一般校と実業校／高校進学率はほぼ一〇〇％／高校入試のない韓国／一日中、学校で過ごす／科目数は一学年に一二～二〇
　　●コラム１　基本的な学校用語
　　　勉強のきびしさは日本以上／きびしい校則──ルーズソックス、ミニスカートは別世界の話
　　●コラム２　きびしい校則への反発と緩和
　　●コラム３　大韓航空スチュワーデスの見た日本の高校生
　　　男女交際は／日本以上の学歴社会／大学入試は高校生活最大のイベント／志望の大学を決める／受験おまじないグッズ／二次試験を経て合格発表へ／人気学科は経営・マスコミ・工学・医科歯科系／高校生をとりまく問題／性の問題／援助交際／喫煙・飲酒・薬物／校内暴力・いじめ
　　●コラム４　高校教師もたいへん
　　●コラム５　自分の考えをはっきり言うことで溝を埋めよう

　２　就職準備と兵役でたいへんな大学生たち
　　　高校とはまったく異なる雰囲気／大学は二学期制／新入生歓迎会／先生の日／学生自治会選挙／インターネットと携帯電話──日本を凌駕する勢い／試験・勉強／就職活動／人気の職業／兵役／入隊から除隊まで／もっとも深刻な問題──彼女の心変わり
　３　「否定」と「肯定」のあいだでゆれ動く対日感情
　　　世論調査にあらわれた対日感情／複雑な韓国人の対日感情／イメージ調査にあらわれた対日感情／新聞の投書にあらわれた対日感情／ 「特集ドラマ」から見た対日感情／憎悪と憧憬
　４　韓国人と日本人、ここがちがう
　　　つきあいのバリアと違和感／つきあいにくい日本人、遠慮のない韓国人
　　●コラム６　韓国人の宗教
　　　親しき中なら礼儀なし／約束不履行／感情を抑える日本人／あいさつが儀礼的／つきあいの距離と身体的距離／先入観と歴史的問題／食事の習慣／割り勘
　５　韓国人とのつきあいかた
　　　おたがいのちがいを知る／自分を教え、相手を聞く／少しずつ譲歩し、歩み寄る／言語表現の差を理解する／歴史的な問題への言及は？／ 「痛み」への配慮が必要／先入観を捨てる／食事をおいしく食べるために／意思疎通をどうするか／韓国に関する基礎的な知識が必要／日本に関する知識も不可欠／おたがいの流儀を尊重する
　　　あとがき
　　　参考図書

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[香菜子（かなこ・Kanako）]

韓国の若者を知りたい。水野俊平先生の著書。過去の不幸な歴史的経緯や歴史認識の違いの問題でいつまでも近くて遠い国同士になっている韓国と日本。過去は変えられないのだから、未来を担う韓国と日本の若者たちが相互理解を深めて活発な交流をすれば、両国間の関係改善が期待できるのではないでしょうか。

2018/10/09

[みなみ]

韓国ドラマの「トッケビ」に大学入試や卒業式が出てくるので、韓国の学生生活を知りたいと思って読んでみた。卒業式に雪が降っているのでビックリしたら、韓国は入学が3月なんですね。大学入試のために高校の勉強がかなりハード。学生は10時まで学校で勉強…先生も大変そうだ。日本では、大日本帝国の植民地統治について学校でほとんど習わないというのはそのとおりだ。自分の国のことも相手の国のことも知らなければならない。

2019/12/18

[mago 6y]

韓国のことを沢山知りたくて読みました。2003年に書かれている本なので、例えば大学への進学率は今はもっと上がっていると言われるし、数字は今と違う可能性が高い。だが、当時の資料という前提で読めば、大いに参考になると思った。

2017/07/19

[nawatobi]

古いCMのコピーに「お箸の国の人だもの」というのがありました。でもお箸の国はタイから中華文化圏の諸国色々あり日本だけがお箸の国ではありません。海外旅行のお土産でもらうと国によって結構形や好まれる素材も異なっています/近くて遠い国の一つの韓国についての中高校生向けの本です。コンパクトで分かりやすいです。

2013/04/20

[モブ柱雑魚治郎]

2003年の本でちょち情報が古いので、今はもうちょっと変化しているのだろうが、学校生活の話・徴兵制の話などなかなか面白かった

2018/09/17