内容説明
大和と京を結ぶ「奈良坂」で消息を絶った女を探す浅見光彦は、文人縁の宿「日吉館」を訪れる。その矢先、ホトケ谷で変死体が発見され、仏像ファンの編集者・美果共々、警察に嫌疑を掛けられる羽目に……。三度盗難に遭った「香薬師仏」が招く悲劇を、歴史ロマンに彩られた筆致で描く著者屈指のミステリー。
目次
プロローグ
第一章 写経の寺にて
第二章 奈良の宿・日吉館
第三章 香薬師仏の秘密
第四章 厄介な容疑者
第五章 消えた「本物」
第六章 日本美術全集
第七章 菩薩を愛した男
第八章 秋篠の里の悲劇
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
36
奈良を舞台とした小説と聞いて読む事に。京都と奈良の府県境の木津や奈良市を舞台に二転三転と面白い。奈良が大好きな主人公が私の代わりにあちこちと観光してくれているようでとっても楽しい。事件が起こるのも巻き込まれるのもごめんだが、サスペンスとしての物語の頼みだけでなく奈良の社寺や仏様のお話も楽しく読んだ。そして小説にも登場する新薬師寺の香薬師。私も一度拝んでみたい。2022/04/01
まり
7
図書館本。結構、ややこしい話だった。仏像への知識や好奇心があまりなかったけど…でも楽しく読めた。今回のヒロインは可愛らしかった。相変わらずの光彦だったけど…。最後はモヤモヤするけど…誰もこれ以上傷つけない終わり方だったのかなぁ〜。2023/02/25
路地裏のオヤジ
4
いま奈良にはまっている自分としては面白く読みやすかったが、最後の事件解明が尻切れトンボ!2020/02/11