内容説明
政治家をも黙らせる最強官庁。天下の財務省のパワーの源泉でもある。映画『マルサ』は有名だが、実際にはどういう組織なのか? 現場の税務署員たちはどういう人々か?マイナンバーの狙いとは? タックス・ヘイブン対策は?OB・OGの多くは税理士となるが、著者は完全なフリーであるため、しがらみにとらわれずオモテとウラを描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
13
「マルサは歴史開闢以来、資本金1億円以上の大企業に入ったことはない」 本書でさらりと触れられているこの事実は衝撃である。マルサとは脱税の査察官であり大企業の不正をこそ質してくれると思っていた自分がバカだった。何故大企業にマルサが入らないかと言えば、その理由は通り一遍の「アレ」である。「大企業は国税当局OBを顧問税理士として受け入れ、国税当局陣営はその見返りとして大企業に税務面で便宜を図る」…何とも月並みな天下りによる企業&官界の癒着構図であるが実に効果的。そんな豆知識がてんこ盛で読み応えのある一冊だよ。2017/03/05
coolflat
12
財務省は強大な二つの権力を持っている。予算権と徴税権である。厳密に言うと、財務省は徴税権を直接握っているわけではないが、財務省の外局である国税庁がそれを持っている。国税庁は、老人から赤ちゃんまで全ての日本人に対し、税金に関するものならば、どんなものでも質問できる権利、すなわち質問調査権を持っている。なお質問される側には拒否権、黙秘権はない。それ故に国税は最強の捜査機関と言われる。こういった強大な権利を、予算権を持っている財務省が握っている。カネの入口と出口を握ることで、財務省は日本という国を支配している。2017/03/04
BluePlanet
7
★3.3 2016年6月10日発行。元国税調査官による国税庁の暴露本。単なる暴露本というか、最強の国家権力である国税庁とはどういうところかを解り易く解説。そして、今の国税庁のあり方を憂い、消費税の欠陥、キャリア官僚制度の不備を指摘し、マイナンバーの真の目的を解り易く説明。話には聞いていたが、税務調査にはノルマがあり、国税OBがいる企業には調査が甘くなっていたとは。それに脱税ではなく、税金還付が求められる粉飾決算には目を瞑るという。著者が言うように、財務省と国税庁は分離し、あるべき姿への転換が必要と思った。2016/10/01
Hiroki Nishizumi
3
税務署、国税庁、財務省、そして国家の現実が語られる。そうかもなと思いつつ、なんだかつまらない世の中だなとも感じる。2019/05/14
Akio Kudo
1
★★★★★ 税務署は黙秘さえ許さない巨大な調査権限を有するなど、驚くべき実態を勉強出来る。2018/11/26