内容説明
モンシロチョウの雄がしばしば別種の雌に交尾をしかける――この現実をどう考えるか? 40年以上モンシロチョウの配偶行動を研究してきた著者に,新しい課題がつきつけられた.雄が雌を翅の紫外色で見分けることをつきとめて以来,つぎつぎと課題をクリアーしてきた.そしていま,新種形成を一気に進める主役にたどりついた? [カラー8頁]
目次
目 次
はじめに
1 モンシロチョウのお嫁さんさがし
1 モンシロチョウとの出会い
2 雄と雌の識別実験
3 鍵をにぎる雌の翅
4 シグナルのしぼりこみ
5 望みをたくした仮説
6 あばかれた翅の色
2 自然からの挑戦状
1 ピンクの雌の疑問
2 あいつぐ異議申し立て
3 モンシロチョウの進化
1 世界のモンシロチョウ
2 「黒い雌」と「白い雌」の分布図
3 遺伝的変異が語る進化的ルーツ
4 世界制覇への道
1 ユーラシア大陸東岸への旅路
2 ヒッチハイクの達人
5 自然選択を勝ちぬいてきた雄
1 再出発
2 過剰な雄と希少な雌
3 賢い雄の雌さがし
4 雄間の競争
6 発展家雄の成功
1 臨機応変の雄の対応
2 ケンブリッジのモンシロチョウ
3 国際結婚
7 ルビコン川を渡った雄
1 常識をこえる雄
2 「パイオニア雄」説の提起
3 新種進化の新しい道と系統樹
4 遺伝子を水平伝搬する「パイオニア雄」
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あさって
2
動物の進化は雄(オス)と雌(メス)の精子と卵子に生じる偶発的な突然変異により生じた子が生存力や生殖力を向上させることに役立つ小さな突然変異の積み重ねによって生じるとされている。しかし、この本ではモンシロチョウの異種間生殖の可能性を紹介し、多くの生物はパートナー探しや競争に破れ独り身の雄がでるため同種間生殖でなく異種間生殖をする変わり者がいて上手いこと適応したら新種が誕生するかもという、刺激的な仮説が紹介されてました。突然変異以外の新たな可能性面白そうですね。2014/02/14
pochi_kuma
2
思考の道筋がとても解りやすい。最終的には科学的常識から一歩踏み出した仮説を提示している。これが新しい知見となるのか、この先ずっと科学ニュースに注意を払うことになりそう。2012/10/17
まめ
0
[図書館]2013/01/31