内容説明
読書芸人も賞賛! 文学界の異才が放つ、待望の最新短編集。OL物のAVが気になって仕事が手につかないロシア人宇宙飛行士。宇宙からその視線を首筋に感じる平凡なOLは、ある昼下がり、公園のベンチ裏からノートを見つける。そこには野糞を採取する男の記録が……。(「虹色ノート」)。ほか、「人間性の宝石 茂林健二郎」「泡沫の遺伝子」「生成不純文学」の四篇を収録。
目次
虹色ノート
人間性の宝石 茂林健二郎
泡沫の遺伝子
生成不純文学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
112
後悔先に立たず。食事中の方には大変申し訳ありません。〇んこドリルの流行は知っています。冒頭、宇宙ステーションと地球を俯瞰する壮大なシーンからの下ネタ、そのギャップに期待したのが大間違いでした。おすすめできませんのでネタバレです。う〇こで笑わせる、あきれた作品が冒頭にあります。シュールに芸術と思ったか?古栗、20ページで静かなスタバで不覚にも爆笑しかかり、そこから8ページ進んでからは食べ物を口にできなくなる。食材により虹色のうん〇を出せるものかの実験。あきれて開いた口が塞がらない。青だけは難しいのは解るが。2018/09/10
あも
82
例えば誰か一人の命と引き替えに世界を救えるとして、僕は誰かが名乗り出るのを待っているだけの男じゃないですか。一方、ロシアの宇宙飛行士が日本のOLに思いを馳せる頃、東京の片隅で毎週あるコンセプトの弁当を食わされた男が茂みで七色の…口に出したくないブツを排泄し、弁当係の男が採取しノートに虹を描いてますよ。世界って広い。広すぎて恐怖さえ感じる。キモイ画像とかつい見ちゃうやん。だから痛恨の古栗アゲイン。1話目が強烈すぎるが他も漏れなく頭おかしい。異様な瘴気に嘔吐寸前。取扱い注意にも程があるサムシングがまたここに。2018/09/07
harass
61
新刊が出ると知ると即座に買いにいく唯一の作家。4つの短編。偏執的な細かい描写で本当にどうでもいいつまらんことを延々と述べていくのは本当にどうかしている。「人間性の宝石 茂林健二郎」のアナーキーな毒に心が磨り減っていく。熟女AVって言葉が何回でてるねん。「ある日、茂林はギリシャ悲劇の傑作『オイディプス王』を読んでいた。御存じのとおり、実の父を殺し、実の母と交わるというアポロンの神託を受けたテバイの王、オイディプスがあれよあれよという間にそのお告げ通りの運命を辿ってしまう──熟女AVによく似た筋書きだ。」2017/03/06
路地
40
作家が作品を生み出すさまが入れ子構造と独特の「間」で展開される表題作が躍動感あって一番気に入ったが、その他の作品も面白い。文章の達人が徹底的に悪ふざけしているこの感じは、佐川恭一さんの作品に通じるものがある。2023/12/21
おかむら
39
木下古栗さん3冊目。短編4つ。どれも本当にもう! 話の繋げ方落とし方の独特さ! 文章の流麗さと中身のギャップ! 「人間性の宝石 茂林健二郎」なんてもう、タイトルからして楽しいわ。ただし、繊細なタイプの人はものすごく食欲失せるので要注意。炭酸飲料も飲みたくなくなるかも。ダイエットにはいいのか?2017/08/27