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内容説明
お地蔵さんの貸出料は3000円、発売第一号の抹茶パフェは1080円、では舞妓さんとのお茶屋遊びは? 京都では値段が前もって知らされないことも多く、往々にして不思議な「おねだん」設定に出くわす。京都を京都たらしめているゆえんともいえる、京都の 「おねだん」。それを知ることは、京都人の思考や人生観を知ることにつながるはず。京都歴二十余年、サントリー学芸賞受賞の気鋭の研究者が解読する、京都の秘密。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
31
京都出身だけれど、あんまり考えたことがない京都のおねだん。うちは、お土居の外なのだよね…。市電の内側だけど。お豆腐のおいしさは水に秘密があったのか?!住んでいたのに、なーんにも考えたことがなかったので、勉強になりました。2023/03/12
そうたそ
21
★★★★☆ 「おねだん」という観点から京都をひもとく一冊。京都に住んでいた者からすれば、なんとも思わないことが、他の人からすれば不思議に思えるようなことであるというのは珍しくないだろうが、京都ならではの値段、というのもその一つだろう。初めて聞くようなこともいくつか語られており、かつての京都住みにして京都好きの自分としても新鮮に思える内容だった。京都のおねだんと聞いて真っ先に思い浮かぶ舞妓・芸妓のあれこれもしっかりと記されている。2020/02/09
グラコロ
20
一生舞妓遊びをやらないから、いちばん面白かったのは絶滅危惧種のおねだん。マイナーな映画ばかり集めた貸しビデオ屋さんとか、客は音をたててはいけない名曲喫茶とかぜひ行ってみたい。あと、毎年いろいろな格好で出現する京大の折田先生像がいい。いじられすぎたので本物の像は撤去されているが、いまでも秘密厳守できる新入生サークル員を募って伝統が継承されている。ちなみにわたしの好きな折田先生像はトッポの姿をしたもの。笑いました。2017/07/18
三平
15
京都のあれこれの価値をお値段を足がかりに、大阪生まれながら在住20年の「京都見習い」である著者が探っていく。 他都市に比べて高い地下鉄建設費の一因に文化財だけでなく「食」が大きく関わってていたこと、紅葉の色づきの為にお風呂の水の抜き方を注意する回覧板が回ってくることなど知らなかったことが多々。特に著者の出身である京大の自由で奇天烈な校風の裏話がホンマに面白かった。2019/02/27
as
13
相撲の立ち合いと同じく、互いの呼吸が合った時に成立するのが京都のおねだん。そう言う意味では、最近は手付き不十分やマッタが多くなり、立ち合い不成立が増えて嘆かわしいと言うお話。人を見て値段を決める感覚は、商売人としての矜持が感じられ嫌いではありません。2017/09/12