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内容説明
「健診を受けていれば健康になれる」「テレビを見せると子どもの学力が下がる」「偏差値の高い大学に行けば収入は上がる」はなぜ間違いなのか? 世界中の経済学者がこぞって用いる最新手法「因果推論」を数式なしで徹底的にわかりやすく解説。世のなかにあふれる「根拠のない通説」にだまされなくなる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
120
データの因果関係を導き出す思考法を解説した経済書です。漠然とわかったつもりになっていた因果関係、相関関係について明快になりました。因果関係はどこでも安易に使われており、データを見ていく上で理論として理解する必要があります。恣意的なデータの解析に陥らないための思考法は必須です。「メタボ健診を受けていれば長生きできるのか」、「認可保育所を増やせば母親は就業するのか」等、一般的に正しいとされているものへの誤りを解き明かしている点に興味津々。本書は読み物的であるので、計量経済学のなんたるかにも触れてみたいですね。2019/01/21
KAZOO
114
最近読まれている本だということで目を通してみました。要は統計学や計量経済学の入門的な本だということです。矢張り今の若い人はこのような本から入っていかないと計量経済学などにはついていけなのでしょうか?分かりやすくこれからデータを利用したAIというものが中心になっていくということで読まれているのでしょうか?2017/08/03
5 よういち
113
「因果関係」と「相関関係」をキチンと見分け、正しい判断するにはどうしたらよいかを経済学の立場から解説した本。◆なかなかどうして面白かった。仕事や生活の中で、相関関係を因果関係と誤って考えている場面によく出くわす。いや、時として故意にそれらを利用して都合の良い結論に導こうとしているものもあるから注意が必要だ。◆因果関係:2つのことがらのうち、片方が原因となって、もう片方が結果として生じる。◆相関関係:片方につられて、もう片方も変化しているように見えるが原因と結果の関係にない。◆第3の変数、反事実の確認2020/10/01
ひろき@巨人の肩
103
ビッグデータ時代に必須スキルの因果推論入門書。因果関係を読み解くフローは、①結果と原因の設定、②相関関係ではないか確認、③介入群(事実)と対称群(反事実)の実験計画作成、④統計的な有意性を検証。相関関係とは、❶全くの偶然、❷交絡因子の存在、❸逆の因果関係のどれか。実験で得られるエビデンスにはレベルがあり、高い順に、メタアナリシス→ランダム化比較試験→自然実験と擬似実験→回帰分析。検証テクニックとして、前後比較デザイン、差の差分析、操作変数、回帰不連続デザイン、共変量+マッチング法など。2021/05/12
えちぜんや よーた
84
なんか内容がお上品すぎる。なるほど因果関係や相関関係の違いは分かった。でもその分析に基づき行政・政治家・各種団体に行動を変えさせているような筆者らが行った具体例は書かれていない。ニュージャージー州とペンシルベニア州の最低賃金を上げても雇用は減らなかったというのなら、厚生労働省・中央労働審議会・経団連・連合あたりに根回しをして、最賃を1500円ぐらいにするよう汗をかいてみればいいのではないか?同じ経済学者でも大阪市西成区のあいりん地区に飛び込んで、罵詈雑言にまみれながら利害調整を行った先生もいることだし。2017/04/23