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内容説明
中世の日本人の日常生活では、占いへの需要が非常に多かったのです。中世の政府である朝廷や幕府には官人の陰陽師たちがおり、祈祷や占いをおこないました。彼らは天文学者でもあり、陰陽師の天文占いは西洋占星術とは異なった中国の占星術を用いたもので、政治的な意味がありました。また、戦国時代には、足利学校を中心に易占いが盛んになり、戦国大名たちは占い師を重用して合戦のタイミングを占わせました。
目次
はじめに
序 章 生活のなかの占い
第一章 朝廷の占い、幕府の占い
第二章 陰陽師の「家」
第三章 天変地異と政治
第四章 儒学と易占い
第五章 戦国の世と占い
おわりに──占いの意味
引用史料・参考文献
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポン・ザ・フラグメント
5
天気予報だって根拠もわからず信じている限り占いと変わらない。世界には、常識では捉えられない因果律も働いているという考え方を馬鹿にしてはいけない。ビッグデータやディープラーニングを真剣に信じている僕らは、すでに新たな占術に頭を突っ込んでいるのだろう。2017/06/04
おらひらお
4
2011年初版。古代から中世戦国時代にかけての占いと人との関係を概観したものです。古代では陰陽道でしたが、だんだん占いが流行ってきたそうです。このあたりは文献史ならではの成果ですね。2014/09/06
於千代
1
中世は宗教的な要素が強い時代である、というのは知識として持っていたが、本書は「占い」を軸に中世(一部古代)を読み解く。足利学校が易占いで知られていた、というのは中々興味深かった。2021/09/21
陽香
1
201102202017/10/07
まあ子
1
現代はたくさんの情報があるから、占いの後押しがなくても物事を決められる。しかし、昔は情報が少なかったので、物事の良し悪しをはかる基準に占いを使っていたんだろうなあ。2015/01/10