内容説明
「直心影流、橘円十郎、参る!」両親と死に別れ、叔母の嫁ぎ先である江戸・日本橋高砂町の口入れ屋に居候している円十郎は、直心影流の俊英と謳われたほどの腕を持ちながらも、気の合う二人の牢人仲間・馬淵と宇佐美とともに気ままな日々を送っていた。馬淵は六尺を超えるような巨漢で強力の主だが、剣の腕はからっきし。宇佐見は陰気な顔をした寡黙な男だが、馬庭念流の遣い手、手練である。ある日、日雇い仕事に出ていた三人は、その帰り道、円十郎の出自を問いただす謎の四人組の武士に襲われた。なにゆえ円十郎が狙われたのか!? 円十郎の身辺を嗅ぎまわる得体の知れない影の存在から、彼が“わけあり”であることが明らかになっていく。期せずして、ある藩の御家騒動に巻き込まれてしまう円十郎たちの行く手には……。夜陰を切り裂く刺客の斬撃、飛び散る青火――謎に包まれていた自らの素性をめぐって、円十郎の剣が冴えわたる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
46
浪人って者は口入屋や湯屋に居候するのが定番なんですかい?。しかも3人って数の仲間が。はぁ磐音氏恋しいよぅ。いやいやこちらは空也さん並みの剣豪が悪を。しかも町人風情に頭を抑えられてる元道場主や師範。殺し屋に成り下がるやなんて武士の風上にも置けへん・・。ワケアリって・・殿さんが町人の娘に手を出して子供ができているのに何も言えないヘタレな男の子供のことですがな。現代の男はんは妻帯者であるにも関わらず・・結婚に至る行為をしてヘタを打つ。まだ廃れない女性の結婚願望を餌食にしてはいけません(^_^;)。2022/07/13
Totchang
9
わけあり円十郎江戸暦シリーズ第一弾。事の起こりはこうだったのかと(おおよそはわかっていましたが)納得いたしました。無理矢理過ぎると感じることもありましたが、剣豪小説ならではの立ち回りでは自ら傷つきながら敵を倒していく辺りに、リアリティーを感じました。2019/05/28
ひかつば@呑ん読会堪能中
5
口入屋に居候し、同じ浪人仲間2人と力仕事で糊口を凌ぐ橘円十郎。何故か3人とも襲われるところから始まる話。浪人仲間3人という古典的設定ながらそれぞれ個性があって楽しめる。話の展開も速くていいね。2013/08/03
雅
0
新鮮さは無いかな2017/07/17
しらたまはなこ
0
泣き黒子があっておっとりした円十郎、強いのに何か残念なところがいい。2017/03/16