内容説明
起業から10年。現在マザーハウスは日本、台湾、香港で26店舗を展開し世界が注目する企業へと成長していった。代表兼デザイナーの山口絵理子は「ハチイチ世代の旗手」と呼ばれながらも今も地球を舞台に眠れる商材探しの旅は続いていた。本書は「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げインドネシアとスリランカを舞台に、知られざる素材と技術を開拓し繊細で美しいジュエリーを0から作りだすビジネス戦記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Pirocchi
20
結果よりも過程が大事、と言えるのは、ちゃんと山口さんが結果を出してきたからだと思う。あとがきに書いてある通り、王道のサクセスストーリー本とは違う。初めての国の初めての人と歩んだ小さな出来事が細かく書いてある。それは血も汗も滲む毎日。概念なんてものはあくまで日本の概念。発展途上の国々で、日本の常識は非常識だし、非常識は常識だ。「バックやアクセサリーは毎日を楽しくするファッションアイテム」なんて考えは存在しない。ただの入れ物、ただの財産代わり。想像を絶する地道な努力の積み重ねで、マザーハウスは進化していく。2017/01/28
ケロコ
17
【図書館】これは、もうお腹一杯なのだ。私にはいよいよ、山口さんのようなパワーがないので、読んでいて息苦しくなるのだよ。2019/04/25
kiyoboo
17
マザーハウス代表山口氏の「裸でも生きる」第3弾。今回も期待を裏切らない出来だった。サクセスストーリーでは自慢げなところが往々にしてあるが、この人はそれをあまり感じない。文字通り、体当たりで0から1にするために行動する。今回はインドネシアのジョグジャカルタに行き、線細工、銀職人をこうと決めたら何としても探し出す。仕事ぶりはもちろん、人柄に惚れこむ。しかし、国民性の違いか納期や生産能力、勝手に機械化したりと悪銭苦闘する。やがて成功へとつながり、来日してもらうくだりは感情が高まる。常に前向きに進む様子は楽しい。2018/03/27
はるき
16
全力前のめり。猪突猛進の、ブルドーザーみたいな人です。そこが魅力というか彼女の磁力で、背負う物が(者が)増えれば増えるほど加速を増していく感じ。2021/07/04
hk
14
著者は06年にバングラディッシュで先進国の目利きを唸らせる工房を興し、日本で小売店を展開した。まずこの部分からして型破りである。これは昨今ようやく市民権を得た感のある「小売製造業」そのものじゃないか。ユニクロやニトリといった大手がようやくたどり着いた境地に、若干25歳の女性が先着していた訳である。「そりゃあ、日経も特集組むわー」と感服しきりだ。他にも彼女の先見の明は至る所に散見される。「ECからリアル店舗への逆コース」「ベンガル⇒ネパール⇒ジャカルタの僻地⇒スリランカ 生産地の東南アジアポートフェリオ」「2019/12/09