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内容説明
東日本大震災後の原発事故は、世界の原子力政策に大きな影響を及ぼした。欧州を牽引するドイツとフランスも同様。ドイツは二〇二二年までに全原発の停止を決め、フランスは原発依存の低減を目指しながら依然、国策として重視する。廃止を目指すにしても存続するにしても激しい対立と軋轢が起こる。日本ばかりでなく、世界が直面するジレンマである。特派員として両国で取材した記者二人が見た、独仏国内のルポルタージュ。欧州連合(EU)加盟の隣国同士ながら、対応が両極端に分かれたそれぞれの苦悩に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
18
ドイツの電力の大消費地は南部に集中している。南部にはダイムラー、ポルシェ、BMW、シーメンス、ボッシュがある。だが22年までに停止する残りの原発の大半が南部に集中しているため、原発が止まれば、これらの大企業が消費する電力を早急にカバーする必要に迫られる。このためドイツ政府は全長約2800キロの高圧送電線を増設する計画を立てている。だが各地で建設反対運動が起き、工事が年間数キロしか進まない。従来、ドイツでは遠距離送電線を作る必要がほとんどなかった。地域ごとの原発や火発から、電力を供給するシステムが普通だった2017/02/20
樋口佳之
11
日本は便利だが、明るすぎる」と口をそろえる。世界の照明事情に詳しいデンマーク・オーフス大学のヴェルナー・オスターハウス教授(照明学)は「大事なのは、夜は遅くまで仕事せず早く寝ること。何をノーマルと思うか。節電は結局、人生観の問題です」と話す。/御意2017/02/23
yasu7777
2
★★★☆☆ 稲沢3478-2062022/04/28
okadaisuk8
2
原子力継続か、再エネ推進かで揺れる独仏の現場を追う。再エネを進める難しさも取り上げた。しかし、発電コストを電気事業者が算定した物を政府がそのまま使っていたり、過疎地に原子力関連施設を建てたり、どこの国も似たようなことをしているなと(笑えないが)笑ってしまう。最終処分場の建設予定地のルポとかモックス燃料の運搬する場面のルポとかがあり、興味深い。 2017/02/27
後藤良平
1
6年前の本なので年間No.104亀戸図書館2022/09/22