角川ソフィア文庫<br> 百人一首の正体

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角川ソフィア文庫
百人一首の正体

  • 著者名:吉海直人【著者】
  • 価格 ¥633(本体¥576)
  • KADOKAWA(2016/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044001865

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内容説明

あなたは、本当の百人一首を知っていますか?

誰もが一度は聞いたことがある「小倉百人一首」。しかし、実はこの作品には研究者たちから多くの「謎」が指摘されている。
定家が選出したということの真偽、いつから「百人一首」と呼ばれることになったのか、
どのような基準で百首の歌が選ばれ、果たして選ばれた歌はすべて秀歌ばかりなのか?

研究者でもあり、稀代の百人一首コレクターでもある著者が、
百人一首の「なぜ」を読み解き、今まで知らなかった百人一首の姿を浮き彫りにする!

【目次】
序章   百人一首への招待
第一章 百人一首成立の謎
第二章 百人一首の流れ
第三章 百人一首の広がり
第四章 百人一首の撰歌意識を探る
第五章 百人一首の見どころ

※本書は一九九八年一二月二〇日に刊行された『百人一首への招待』(ちくま新書)を改稿・改題したものが底本です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

50
古典文学の中では、知名度抜群の百人一首。実は謎だらけだったとは衝撃的であった。藤原定家が自分の山荘を飾る目的で選んだ、というよく知られた話ですら、定家自身の日記と食い違っているし、本当にその歌はその作者? とか。字句に至っては、万葉や古今などと異同が多すぎ。本当の研究はまだこれからなんだな。謎解き本というより、謎を提起している本だと思う。2018/12/10

かふ

23
「百人一首」の入門書としては最初に読む本ではなくて、2冊目の『百人一首の招待』として本書の位置づけなのだが、それでは最初の入門書は何がいいのだろう。むしろ本ではなくて「百人一首かるた」ではないか?定家の平安の雅の世界を百人の和歌で今日まで受け継いできた。もとは「小倉庄色紙和歌」として和歌の他に似絵(歌人の似顔絵)を付けたのが「百人一首」の始まりなのだという。源流よりもそれが拡散していく「百人一首」の魅力が和歌と絵にある。和歌の文字も習字の手本として、女子教育の一環として役立てられたこともあったのだという。2020/12/17

bapaksejahtera

14
ちくま新書から出された本を20年後に改稿改題出版した物。題名は謎解きのようだが、地道な研究成果を纏めている本。本分野には尚研究余地が多い由。百人一首はかるた遊びとして大衆化した事から、我が国歴代珠玉和歌集と見做され勝ちだが著者はこれを否定。百人一首の成立を確定する基礎資料は極めて乏しいとする。平安期皇統を規定した奈良期天智帝を皮切りに、以後人麻呂作が疑わしい和歌や、勅撰集採択数の少ない天皇歌を採り上げ、百人一首には平安追慕という定家の強い心情があると指摘する。個々の解析を尽す最後の百首解説は読み応えがある2023/05/26

kenitirokikuti

14
図書館にて。国学など含む日本思想史の復習を経て、百人一首概説本へ進む。我々は古文の授業で「百人一首」について教わったと考えがちだが、実際には百人一首に取られた個々の歌を出典元の姿で学んでいる場合が多い。一例として、百人一首では柿本人麻呂ではなく、柿本人丸である。古今和歌集が編まれたのは平安時代初期(900年頃)、藤原定家が生きたのは平安末期から鎌倉初期(1200年前後)だもんな。2021/06/22

はちめ

5
百人一首の個々の歌の解説本はたくさんあるが、本書のように百人一首とはそもそも何なのかという観点で書かれた本は珍しいのではないだろうか。撰歌における定家の思いの忖度など極めて興味深く面白い1冊だった。2017/05/14

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