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内容説明
昔のおとなが背中で伝えた、生きるうえで大切なこと。
未来の同業者にみっともない仕事はできないという、職人の矜持。
般若心経を丸ごと暗記した五歳児のまなざしの先にあるもの。
大きな災害を前に口ごもるしかない、私たちの気持ち――。
生きることの機微をめぐる思考が、
日々の出会いやエピソード、遠い日の記憶から立ち上がる。
まなび、痛み、しあわせ、自由、弱さなど、
身近なことばを起点に広がってゆく哲学エッセイ。
【目次】
まえがき ―― 「これで死ねる」と言えるとき
1.伝えること/応えること
2.おとなの背中
3.人生はいつもちぐはぐ
4.ぐずぐずする権利
5.言葉についておもうこと
6.贈りあうこと
7.東日本大震災後 2011-12
※本書は、小社より二〇一三年九月に刊行された単行本『おとなの背中』を改題し文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
24
初の鷲田さん。新聞や雑誌に載せたものを集めたエッセー集。文章は読みやすいのですが、あまりにも短すぎて内容に面白味を感じませんでした。もう少し突っ込んだ考えを聞かせてほしかったという印象。2017/05/05
さや
17
人と相性があるように、ことばとも相性がある。鷲田清一さんのことばとはどうやら相性がいいようだ。心のこもったことばたちが私に触れて、私のこころが動き始める。常にただよい形を変える思想の一瞬の断片をつないだエッセイ集。鞄に入っているといつもより少し楽に、穏やかに生きることができそうな気がする。2017/11/07
静かな生活
6
今まで遠目で見てきた鷲田清一による取り止めもない散文集なんですが、これは凄い、これこそ「批評」な気がする。ポストヒューマンだとか反出生だとかいう言説が「所詮人間のこと」だということが痛感させられます。こう言うのもなんなんですが、鷲田さんには長生きして欲しい2022/03/05
きょ
6
書かれていることは、いつもの鷲田さんの持論かもしれない。他の著書にも出てくる内容もある。けれど、やはり私はこの方の文章が好きだ。人の心に分け入り、いろいろな考え方を噛み砕き、決して声高に反論したりせず、大らかに語る。ちぐはぐだって、モヤモヤだって人生だ。心の底の部分で、憧れるじぶんを見失わなければいい そう思わせてもらえる。2016/12/08
mako
5
新聞等に掲載された短い文章を集めた一冊。読みやすい文だが重みがあり、読了に時間がかかった。そしてパラパラと振り返ってページをめくると、また新たな発見が・・・。2024/02/19