文春文庫<br> TVピープル

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文春文庫
TVピープル

  • 著者名:村上春樹
  • 価格 ¥509(本体¥463)
  • 文藝春秋(2016/10発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167502027

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内容説明

ある日曜日の夕方、「僕」の部屋にTVピープルたちがテレビを持ち込んできたことで、すべては始まった――表題作「TVピープル」。男にとても犯されやすいという特性を持つ美しい女性建築家の話「加納クレタ」。17日間一睡もできず、さらに目が冴えている女「「眠り」。それぞれが謎をかけてくるような、怖くて、奇妙な世界をつくりだす。作家の新しい到達点を示す、魅惑に満ちた6つの短篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

535
読メ登録以前に彼の昔の作品は読破しているはずなので、こちらも再読。いやー、この発想、常人にはありえないでしょ?ヒトの形(ただし7割程度に縮小)をしたナニモノかが、TVを運ぶって(笑)そこここに見られる、現在につながる作者を探すのが楽しい。特に神戸女子大(だよね?)へ行った高校時代の恋人の話。ご自身のトラウマが書かせているのか。ひさびさに楽しい春樹さま読書であった。2024/03/18

ヴェネツィア

262
表題作は、「僕」とは無関係であったはずの周囲のシュールな状況が、やがて「僕」を浸食してゆく物語。「飛行機」と「我らの時代のフォークロア」は『めくらやなぎと眠る女』にも収録。後者は、愛と青春とを共に喪失してゆく物語で、せつない哀感に満ちている。「加納クレタ」と「ゾンビ」は、ホラー。「眠り」は、眠らない女の物語。こうしてみると、なんだかバラバラのようなのだが、そこにしいて共通項を求めるとするならば、それは日常に隣接した「異和」ということになるだろうか。篇中では、それぞれに味わいがあるものの、やはり表題作か。2012/07/22

夢追人009

160
村上春樹さんの今から約30年前の1989年に書かれた作品集。村上さんのユーモアは乾いた笑いで例えクスリとも笑えなくても何となく別な何かを暗示しているかのような気配が漂っている所が良いのでしょうね。頻繁に出て来る擬音については何を意味しているのか深く考えて悩まないのが正解でしょうね。本書の作品は2つ目の「飛行機」を除いてはラストがバッドエンドで時代の陰りと暗い雰囲気が色濃く滲み出ているように感じられますね。そんな中で私はやはりおふざけ無しで真っ直ぐな悲恋物語の「我らの時代のフォークロア」がお気に入りですね。2019/01/12

おしゃべりメガネ

159
こちらもおそらく20数年ぶりの再読かなと。どうしてか自称「ハルキスト」としてはある程度の周期で、作品を手に取りたくなってしまうようです。さすがに気合入れて長編を!とはなかなかギアが入らないので、手ごろ?に短編集をとなります。しかし何回手に取って読んでも、不思議な読後感を味わってしまい、いつも感じますが「オモシロいとか、オモシロクないとかではない。この世界観をひたすら‘感じる’しかないんだろうな」と。まるでブルース・リーみたいなコトを言ってますが、ホントにまさしく「考えず、感じる」しかないんでしょうね。2016/05/15

ハイク

138
6つの短編。題名でもある「TVピープル」は何を狙いで書いたのかわからない。でもなんとなく面白い。「我らの時代のフォークフロア」では僕の同級生とガールフレンドとの実話でもあるし寓話でもあると書いて展開している。でも著者の創作であろう。これのみストーリは分かるが、その他は良くわからない。最後の「眠り」は「ねむり」という題でドイツ女流の人の綺麗な挿絵の本を読んだ。今回の「眠り」を改稿したという。大筋内容は変わらないと思う。2度読んでも著者の意図は不明だ。他と同様に読者の皆さんが解釈してくれという事なんだろう。 2017/01/11

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