内容説明
「負ける技術」とは、いかに自らの人生にムーブメントを起こさないか。炎上合戦のリングには上がらず、アラを映す鏡は見ない。会社生活と創作を両立させ、“無職”というメイクドラマをなんとか逃れて過ごす日々。この程度なら真似できると、まさかの共感を呼んだ人生論”、懲りない実践編。<文庫オリジナル>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
44
2016年刊。カレー沢氏のエッセイは2冊目だけどやっぱり面白い。オタク漫画家の身も蓋もないホンネに嫉妬と自虐をまぶして撃ちまくる。健全さに唾を吐き、時には人生の真実に触れ、一貫して下品で笑える。コミュニケーション下手で人をイジれず自虐ネタに頼る、というのが哀しくも共感できる。無料仕事の誘いが多く、まぶたに「¥」と描くなど対策を考える話がいじましい。私も自分を棚に上げると、充満する空気とか世間が気持ち悪いし、耳に入る傲慢やら呪いにウンザリする。精神虚弱なのでカレー沢氏の話が何だか清澄に感じられ、心安らぐのだ2021/10/30
ピップ
35
負ける技術続編。自己啓発のようなタイトルですが、カレー沢先生のコラムをまとめたもの。言葉のセンスというか、チョイスというか、とても面白い。自身の人生が負け組のように自虐的に書いてありますが、それはそれでとても楽しそうで、不思議と自分の日々も楽しいような気になってしまう本です。そのせいか、基本作家さんは「さん」付けなのですが、綾辻行人先生とカレー沢先生だけは、「先生」を付けてしまいます。2020/02/29
じーにあす
33
まだ兼業漫画家だった頃のカレー沢さんのエッセイ。相変わらずの自虐ぶり。基本的にキラキラした所が一切無いので安心して読めます。夫に「鏡を見ろ」と言われたり人の不幸で飯を食したり二次元に萌え尽くし二次創作に励むその姿。齢(よわい)7歳で、親に「オマエは被害妄想が強い」と断じられたエリートであるらしい。どんな子供だったのでしょうか。最早、自虐の神。希望とか夢とか努力とか、それは大切な事なのかもしれないけれど、人は負けるし失敗するし立ち直れない時もある。ネガティブな人にとっては大いに共感出来る救いの書だと思う。2021/09/16
まろまろ
25
例えのスケールが大胆不敵、「100万回殺しても足りない」とか「問題が2兆個ほどある」とか「3億%ムカつく」とか「体重が20トン」とか。勢いがあってスカッとする。まさかそれ以下の単位を知らないというかここまできたら普通に書けないのかも?それにしても負け・アピールがすご過ぎて、逆に勝っていると思わずにはいられない。2024/03/18
きあら
20
マイナビニュースに掲載されたコラムをまとめたもの。「負ける技術」も出ているけど、全く関係のないところで連載されているらしいので、どちらから読んでも大丈夫らしい。カレー沢さんの自虐と毒は、面白くて癖になる。2024/02/14