唐玄宗紀

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唐玄宗紀

  • 著者名:小前亮【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 講談社(2016/09発売)
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  • ISBN:9784062934275

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内容説明

則天武后以来の女禍の時代を終わらせ、唐全盛期をもたらした玄宗には影の如き名臣があった。唐6代皇帝、玄宗。彼が「将軍」と呼んだ宦官にして名臣に高力士(こうりきし)があった。二人は女禍の時代に幕を引き、開元の治と呼ばれる繁栄を実現する。しかしやがて、楊貴妃の出現、安禄山の大乱によって国は止め処なく乱れゆく。唐帝国最盛期をもたらした皇帝の一生とその影となり支えた忠臣を見事に描く歴史大河小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

future4227

44
則天武后の孫にあたる唐の玄宗皇帝の生涯を側近の宦官高力士の視点で描く。多少の欠点はあっても名君と言って差し支えない人物。傾国の美女と言われる楊貴妃に対しても、贅沢はライチを取り寄せるぐらいで、むしろ悲劇の女性としてかなり好意的に描いている。書家として有名な顔真卿や詩人の李白、杜甫なども登場し、唐文化の隆盛を感じさせる。安禄山の反乱によって長安が陥落した時の杜甫の詩「国破れて山河あり…」は、歴史的背景がわかった上で読むと、学校で習った時とは全く違い、なんとも味わい深い詩として胸に響いてくる。2017/10/19

山本真一郎

26
読了。玄宗と言えば大唐帝国の最盛期を築いた皇帝として前半生は名君の誉れが高い。だが後半生はと言えば、楊貴妃に溺れて国を誤った印象が強く、寧ろ日本ではこちらの方が有名だろう。その玄宗を取り巻く印象的な人物達を、宦官の高力士の視点から描いている。建国から百年を閲した大唐帝国の流れが改めてお浚い出来るところも良かった。名君にとって「名君であり続ける」事が如何に難しいか、玄宗程の説得力を持って体現している歴史上の人物も中々居ないかもしれない。こういった事に興味が尽きないからこそ中国史は時々読みたくなる。2016/10/14

BIN

9
玄宗の宦官高力士視点から描いた玄宗紀。小前さんの作品は題材がいいものの内容がもう一つと思ってましたが、今まで読んだ中では一番良い作品に思えました。政治は宰相に完全お任せで名宰相を抜擢するのが皇帝の役目だと言わんばかりに名君になってるように描かれており、基本高力士は黒子だが尋ねられれば的確にアドバイスする姿は好ましい。玄宗のために生きてきた高力士が終盤に寵妃である楊貴妃を殺さざるをえない姿の描き方も良い。高力士の最後の一喝にはしびれた。2019/07/11

茶瓶

6
宦官と皇帝は一心同体。常に陰に徹し、皇帝を支え続けた高力士と、唐の繁栄を築いた玄宗皇帝の物語。2人の関係を軸にしながら、玄宗が皇帝になり繁栄し、安禄山の乱より衰退していく唐の歴史がえがかれていく。夢枕獏『沙門空海…』の知識しかなく、中国史に疎い私にも読みやすかった。史実は知らないが、安禄山の乱が起きるまでの経緯は面白く、そして悲しかった。次は、玄宗皇帝と楊貴妃をメインにした小説を読んでみたい。2018/12/05

茶瓶

5
唐詩を読む上で、時代背景をイメージしたくて再読。物語としてはあっさりしている。しかし、玄宗皇帝の時代の唐の歴史を知る上では、参考になった。李白と杜甫が作品とともに出てくるのも、嬉しい。この作品は、高力士と玄宗皇帝の絆が物語の中心になっている。同時期を扱った、また別の視点からの物語も読んでみたい。2019/01/30

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