内容説明
子どものときはしっかり子どもをしよう!
“世界でもっとも楽しい幼稚園”ともいわれる幼稚園が、東京・立川にあります。
その名は「ふじようちえん」。
ドーナツ型の不思議な園舎。
子どもたちはその屋根の上で歓声を上げながらぐるぐるかけまわります。
園長先生の想いを整理し、ディレクションしたのはクリエイティブディレクターの佐藤可士和さん。
園舎のデザインを手がけたのは手塚貴晴さんと手塚由比さんです。
この手塚さんが海外のプレゼンテーションイベント「TEDトーク」で、この園を紹介したところ、世界中から視察が連日殺到。世界的にその名が知られたのです。
園長先生の加藤積一さんはとてもユニーク。
「子どもは自らを育てる力をもっている」というモンテッソーリ教育をベースに、自由な環境の中、自ら選び自ら行動する子どもになってもらいたいと日々奮闘しています。
「子どもは自分のできる限界を知っている」
「雑音の中での集中力こそが一生使える集中力」
「子どものときしっかり子どもをすると、しっかりした大人になる」…
園長先生の金言とともに、園長先生しか知らない「ふじようちえんのひみつ」を紐解きます。
【ご注意】※この作品は一部カラーのページを含みます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
46
読みながら、ニンマリしたり、頷いたり、じわっと涙が・・・で、最後は、そうそう素晴らしい!と。こどもたちを主人公として、いろいろ委ねる。その環境を作り、見守る。過度に介入せず、自分たちでの学びを活かす。子どもたちに限らないものを感じた。観てみたい、600人の園児たち。2020/10/24
みっこ
33
立川市の大人気幼稚園、ふじ幼稚園。独特の園舎に工夫が凝らされた保育内容。楽しそうー!娘を通わせたいというよりは、自分が通いたいと思ってしまいました(笑)2022/06/04
しろくま
19
ユニークな形の園舎が一時期話題になったふじようちえん。当時は「へぇ~そんな園があるんだ~!」と思っただけでしたが、じっくり読んでみると、なるほど!と納得することがたくさんありました。佐藤可士和さん夫妻と建築家の手塚貴晴さん夫妻が関わっていたのですね。園で行っているモンテッソーリ教育についてもよくわかります。ちょうど自分のこどもが来年年少なので、親目線で読んでいました。園の方針が似ているところがあり、共感できることも多々。走りたいだけ走り回れたり、職員の研修などをしっかり行っている所もいいなと思います。2016/11/10
moshi
13
屋根を走り回れる園舎が有名な「ふじようちえん」の教育思想について書かれた本。子どもの育ちをデザインする建築、環境設計が素晴らしい!走りたくなる園舎、敢えて閉まりにくいドアを作ることで「最後までやる習慣」をつけること(隙間風で「きちんと閉まっていないこと」が子ども自身で気づける)、流し台のない水道では足に水が跳ねるから自然とちょうどいい水量を出すように自分で調整することなど、ハウツーを教えるのではなく、子どもがハウツーを考え出す仕掛けがいっぱい。こういうのこそ、「生きる力」だなと思う。2019/07/12
ゆ
8
人気のふじ幼稚園の園長による、園舎の誕生までの経緯や園生活で大切にしていることなどを具体的に描いた本。石ころ館の宝石つかみ取りを園庭の砂場に応用するなど様々なことからヒントを得て園生活に組み込んでいる。こんな園に通えるお子さん達が羨ましい。自分の育児の関わり方も改めて見直す機会になった。2022/08/07