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内容説明
1978年7月25日ルイーズ・ブラウンさんが英国で誕生してから30余年。「生殖革命」ともいえる技術革新が相次ぎ、いまや日本で生まれるこどもの約32人に1人は、出生前に-196℃液体窒素タンクで凍結保存されている。いま生殖医療は新たなるフェーズに進み、遺伝的親が3人存在することになるミトコンドリア移植、子宮移植が現実のものとなりつつある。生殖医療の第一人者が、生殖医療の最前線をレポートする
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
54
ミトコンドリア置き換えという治療法で胚が三人目の「親」を持つ可能性/科学・医療技術的に(本当は費用の問題がある)出来うる選択肢が広がる中で、何を選択するかということは考えないと(当事者の方は当然深く考えての選択をされておられると思いますが)。/代理母についてはやっぱり受託する側にとって治療的、医療的な行為となり得ない。/大金を負担できる人…リスクを承知の上で、子宮を貸し出す女性…「代理懐胎」がはじめて成立…「より安く」代理懐胎を引き受ける女性の〝供給源〟となってきたのがインドをはじめとするアジア諸国2024/03/04
マッキー
18
世界の生殖医療はここまで来ているんだなぁと。医療に基づく法整備や治療費の助成など、日本も少子化なんだから真剣に考えるべきだと思った。一番興味深かったのはミトコンドリアの置換やデザイナーベイビーについて。今後また議論されてゆく課題だと思うが現時点でそれを達成する材料は揃っているので、実現の是非が気になるところ(私は賛成です)2018/02/04
colocolokenta
13
衝撃、というほどの内容ではなかったが、生殖医療の歴史を確認するには良い本だった。2016/10/17
tolucky1962
9
最近の日本で,体外受精など生殖医療で生まれたこどもは24人に1人だそうです.本書では最新の技術動向と今後の可能性,それら技術が企業秘密になっている点,精子バンクの状況とビジネス,親子関係の法的な扱い,女性のライフスタイルと出産時期と卵子凍結,性別の成り立ちと特異例,性同一性障害に至るまで幅広く書かれていて興味深い.他国に比べ,日本は法整備が遅れている点も指摘している.デザイナーベビー,着床前診断など技術と倫理の問題の重要.2016/09/14
てくてく
8
試験管ベビー誕生から、現在の生殖医療までを概観し、精子バンクや卵子の売買といった生殖医療をめぐるビジネス問題を紹介している。医療関係者という立場から、あるいは不妊治療に何らかの形でかかわってきた人だけに、生殖医療に対する規制というよりも、積極的な立法対応を望んでいるようだ。ただ、それは可能なのか。2016/09/20